著者
鈴木 明治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.396-402, 1981-06-15 (Released:2011-11-04)

中国のビール醸造に日本のビール会社が技術協力をする話しなど, 中国の酒に対する関心は高い。清酒と対比される紹興酒を中心に, 最近中国の酒造を視察して来られた鈴木明治農学博士に現況を報告していただいた。
著者
石田 卓
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.799-804, 1969-09-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
3

豆味噌の生産は愛知・岐阜・三重の3県に限られ, 地方色の極めて強い味噌であるが, これを賞味する人は, いま全国に広がっていくように見受けられる。また, その起源は古く, 大豆と食塩だけを原料とすることから, あるいは味噌の始源ではあるまいかという推論もなされるようである。今回, この種の味噌の生産に努力されている著者にその現況を述べてもらった。生産・販売.消費の各層の人々に豆味噌の全貌を知ってもらえると思う。他の種類の味噌とも比較してその特徴を理解していただきたい。
著者
好井 久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.213-218, 1979-04-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
13
被引用文献数
2 5

醸造食品についてのいろいろの現象を, 理論の面から長い間追求しておられる著者に, 水分活性についてお願いした。食品の保存, 低食塩化, 有用微生物の添加等に参考になると考える。
著者
宮尾 茂雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.112, no.6, pp.386-396, 2017 (Released:2023-03-22)
参考文献数
27

漬物は,少なくとも1400年以上の歴史を有する日本人の食生活にとって切っても切れない食物である。その発酵漬物の製造工程においては,乳酸菌が主要な微生物として働き,漬物の旨さを形成している。数多くの種類の発酵漬物で働く乳酸菌の種類と製造工程中での変遷には驚かされるが,微生物叢の変化は,清酒の生もと同様である。これらの乳酸菌は他の醸造物でも見られる菌ではあるが,更なる研究によって,日本人,さらには世界の人々の食生活にも寄与できることを願うものである。
著者
山根 善治 武宮 重人 井原 信二
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.112, no.8, pp.578-585, 2017 (Released:2023-04-10)
参考文献数
11
被引用文献数
1

札幌国税局が主催する果実酒研究会において,北海道で製造されたワイン33点について,30項目の成分分析と11名の専門家による官能評価を行った。成分と官能評価の相関分析から,総合評価に対し10成分及び4評価項目について相関関係が認められた。特に白ワインにおいて,亜硫酸や酸度が危険率1%で正の相関,酢酸や酢酸エチルと危険率1%で負の相関が認められた。総合評価と相関関係が認められた評価項目と分析項目の相関分析から,赤ワインの熟成度とイソアミルアルコールに関連性が認められた。
著者
杉山 信太郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.890-899, 1992-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
47
被引用文献数
2 4
著者
西谷 尚道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.8, pp.641-649, 1980-08-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
59
被引用文献数
6 7
著者
増田 正裕 杉林 勝男
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.480-484, 1980-06-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
69
被引用文献数
1
著者
四方 秀子
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.5, pp.315-323, 2006-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
3

ウイスキー原酒のキャラクターは, 蒸留直後のニューポットで骨格がほぼ決まる。そのニューポットの清酒特性は, 発酵に使用される酵母が, ラガ-酵母であるのか, エ-ル酵母であるのか, あるいは, フレッシュ酵母であるのか, 成熟酵母であるのかといった酵母の特性に大きく影響される。本稿は, ウイスキー発酵における酵母の役割とその状態の影響について紹介していただいた。
著者
橋爪 克己
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.103, no.8, pp.574-580, 2008-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
26
被引用文献数
2

清酒中にどんなペプチドが存在し, 味にどのように関与しているかは, 古くから興味が持たれてきたが, 分離精製や定量が難しく十分に解明されていない。本解説は著者らが2次元電気泳導, ゲル内トリプシン消化, MALD-TOF-MASといった最先端の分析技術を駆使して, 清酒中のペプチドを解明した成果をまとめていただいたものである。ペプチドの生成制御に関わる技術は, 清酒の品質と製造コストの両面において重要であり一読をお願いする。
著者
斎藤 久一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.11, pp.769-772, 1992-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1

本年4月に清酒の級別制度が完全に廃止され, 産地間競争, 銘柄間競争が激しくなってきている。秋田県酒造組合では秋田県産酒の差別化と品質の向上を図り, 産地イメージの高揚を推進するため「秋田県産地呼称清酒認証制度」を作り, それに基づいて統一銘柄秋田旬吟醸を開発した。本稿ではその経緯を述べていただいた。
著者
植村 浩
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.855-861, 1994-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
27

生命現象を分子レベルで理解しようとする生化学はアルコール発酵すなわち解糖系の研究から始まった。その制御機構に関してもパスツールの時代から議論されてきた。しかし, 解糖系が生物の基本的代謝のため変異を利用した研究が困難である等のこともあり, 150年以上経た現在でも分子生物学レベルでの遺伝子発現制御系の全容は解明されていない。酵母の解糖系は高等動物と基本的には同じであり解糖系の制御機構解明の研究対象としては格好の微生物である。最近になり酵母での解糖系を統一的にかつ特異的に制御している因子群が見い出され, その遺伝子や変異株を用いた研究が進められている。これらの因子群の相互の役割についても明らかにされつつあり, 解糖系の制御機構の解明も間近なことを予感させる。
著者
加藤 百一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.10, pp.873-877, 1970-10-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
14

アイヌの手によってついに栽培されなかった米を原料とした酒が, どうしてアイヌ・モシリの人々になじまれ, さらに近世の (アイヌの酒) となったか, この課題を解決するためには16世紀中期以降の蝦夷地における和人の進出, 交易の姿から見極めねばならない。本稿においては蝦夷地に渡った和酒について記述されている。
著者
緑川 敬
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.5-8, 1975-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
8

今年は, 知識集約化が本誌編集の一つの柱として採択された。この問題は, つとに政策当局の関心を惹いて, すでに中小企業の構造改善事業にも主要課題の一つとしてとりあげられている。知識集約化は, 来るべき情報化社会への推進力であるが, 業界もまたこの重要性を理解の上, 政策当局と呼応して前進されることを希って, 手始めに問題意識の高揚と総論をお願いすることにした。
著者
上東 治彦 中村 幸生 森山 洋憲 溝渕 正晃 菅野 信男 永田 信治 味園 春雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.10, pp.840-848, 1999-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

高知県で育成された酒造好適米品種「吟の夢」について, 高知県産「山田錦」を対照として酒造適性試験, および醸造試験を行った結果, 以下のような知見を得た。(1) 吟の夢は, 山田錦に比べ稈長が17cm程度短く, 耐倒伏性やイモチ耐病性には中程度の強さを示す。山田錦対比119%の多収であり, 心白発現率は75.3%と高い。(2) 70%精白米の酒造適性試験では, 吟の夢の玄米千粒重は25.0gと山川錦より1.6g程度小さいが, 20分および120分吸水性ともに山田錦より高く, 消化性のBrix, フォルモール窒素は山田錦とほぼ同程度, 粗タンパク含量は吟の夢が4.32%と山田錦よりやや低かった。(3) 吟の夢と山田錦の老化の起こり易さを比較した結果, 吟の夢が老化しやすかった。(4) 40%精白米の小仕込試験においては, 吟の夢の精米時間は短い傾向を示したが, 無効精米歩合や白米の粒度分布の変動率は山田錦とほぼ同じであった。40%精白米の粗タンパク含量およびPB-II/PB-I比は吟の夢が山田錦より低かった。製成酒では吟の夢は山田錦より日本酒度の切れ, アルコール生成が良好であり, 酸度, アミノ酸度, 紫外部吸収は低くて, 官能評価も良好であった。(5) H 10 BYの吟の夢の実地醸造では, 吟の夢の白米千粒重は対照品種より小さかったが, 粗タンパク含量は対照品種より低いものが多く, 兵庫県産山田錦とほぼ同等であった。製成酒のアミノ酸度は, 対照品種と同等であった。