著者
松山 晃 永ノ尾 信悟
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.92, no.3, pp.195-202, 1997-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
12

高度情報化社会となり, 国内だけでなく海外の状況にも気を配り酒造りに取り組まなければならない情勢となったが, 下方で, 我が国固有の酒文化をしっかりと把握しておくことが必要となっている。そのためには, 近隣諸国の文化を知ることが有効である。そこで, 古代にインドと中国の影響を強く受けたジャワの酒文化について, 古代ジャワ・インドの食文化研究に携わっている筆者に解説していただいた。
著者
小崎 道雄 内村 泰
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.85, no.11, pp.818-824, 1990-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
18
被引用文献数
2 17

(1) ブボッド中の生菌数は, 酵母および生酸菌の106/g, 108/gに比ベカビは生菌数が少なく105/gであった。(2) ブボッドおよびタブイよりカビ36株, 生酸菌62株, 酵母100株を純化取得した。分離したカビの中で, でん粉を糖化することができるものはRhizopusだけであった。しかしRhizopusの分離されないブボッドもあり, またでん粉を糖化する力が非常に弱かったことから, タブイ醸造における主糖化菌とは言い難い。(3) これに対し糖化力を持っていた主な微生物は, Saccheomycopusis属で, すべてのブボッドより常に分離された。以上のことから酵母であるSaccharomycopsis属こそが, 東南アジア地域とくにフィリピンの米酒における糖化の主要な微生物であった。(4) CARMETTE以来アジアの酒醸造における主糖化菌は, Mucoralesが行うと定説化されてきた。しかし供試したブボッドのすべてにその存在が確認されているのではないこと, また分離したカビの糖化力も弱かったことから, フィリピン米酒の主糖化菌はSaccharomycopsisfibuligeraであり, Saccharomyces cerevisiaeが主な発酵菌として関与していることを知った。(5) すなわち, 少なくともフィリピン北部山岳地帯で造られる米酒は, 上記2属の酵母のみで米の糖化も, 酵におけるアルコール発酵も一つの相の中での並行複発酵により醸造されることを明らかにした。
著者
入江 元子 大浦 新 秦 洋二
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.7, pp.464-469, 2006-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

近年, 高血圧の改善や予防を目的とした機能性ペプチドの研究が盛んになり, 一部は特定保健用食品として, 実用化されているものもある。著者らは酒粕分解産物中のペプチドが高血圧自然発症ラット (SHR) の血圧上昇を抑制することを見出した。更に, ヒトでの効果も酒粕分解産物粉末を用いて確認した。今後, 血圧上昇抑制のための特定保健用食品としての実用化が期待される。本誌ではSHRおよびヒトに対して得られた効果について解説していただいた。
著者
佐藤 信
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.760-765, 1970-09-15 (Released:2011-11-04)

マーケティング・リサーチの実際は読者諸氏が自己製品の開発のため市場調査 (狭域の場合が多い) を行なうに当っての手びきとなる貴重な解説であった。標本のえらび方のところなどではかなりの頻度で数学的表現が出てきたが, これらのことは解らなくとも差しつかえはないとはいえ, 基礎的な智識があるにこしたことはなく, それがあれば理解も-段と高まってくるわけで, ここに母集団, 標本, 誤差についての簡明な解説をお願いした。

1 0 0 0 OA ビールの味

著者
国武 直之
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.8, pp.628-630, 1980-08-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
10
著者
馬渡 雅夫
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.405-410, 1991-06-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
5
被引用文献数
2 1

最近, ビールの品質の多様化が進み, 消費者は各種タイプのビールをTPOに応じて楽しめるようになった。しかし, メーカーにとって消費者に満足感を与え, 違いを認識させるため, それぞれの銘柄の特徴を出し, 工場間のバラツキをなくし, 常に一定品質のビール生産が要求される。その点で官能検査が非常に重要な意味を持ってくる。今回, その官能検査結果を集計し, その中から必要な情報を引出す手段として, 統計処理を現場に即した形で導入し, 短時間に処理できるシステムの開発に成功された。各方面で参考になると思われることから, 方法や実際の検討結果について解説していただいた。
著者
石橋 徳雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.360-366, 1989-06-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
52
被引用文献数
1

最近, ビール各社から新製品が次々と発売され, ビール愛好家にとっては商品選択が一つの楽しみになっているが, 一方では商品間の識別が困難な例にも遭遇する。今回は, このような新製品開発にも深くかかわりをもつビールの官能評価全般について専門家の立場から解説していただいた。
著者
江島 正 橋本 直樹
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.7, pp.513-518, 1983-07-15 (Released:2011-11-29)
参考文献数
17

酒類の品質を評価する場合, 官能検査は総合性, 迅速性, 質の測定などの点で機器分析よりも優れている。 ビール仁おける官能検査の手法, 香味構造, 官能検査と化学分析との対応などについて解説していただいた。 官能検査を品質管理, 製造工程の管理に役立てる場合に大いに参考となろう。
著者
福島 男兒
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.251-257, 1997-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
5

醸造原料と醤油の晶質特性について, 特に大豆中に含まれる大豆油の役割の重要性を再発見すると共に, ここ数年来消費者から丸大豆醤油と脱脂加工大豆醤油との違いはどこにあるのかとの問い合わせが多い。そこで原料の面から両醤油の晶質特性の違いについて詳しく解説いただいた。
著者
大久保 洋子
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.112, no.3, pp.161-166, 2017 (Released:2022-06-22)
参考文献数
9

2013年12月に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され,和食や食文化などをキーワードに日本人の食に対して人々の関心が高まっている。そして海外での日本料理レストランは特ににぎりずしが躍進していることが伝えられる昨今である。フランスでは料理に昆布を利用したり食材のグローバル化が行われている一方で日本では江戸に関心が集まり,再現料理なども盛んになっており,それらの現象の中で「煎り酒」なる複合調味料が浮上している。本講はその煎り酒について歴史的に遡って製造・利用方法等について解説いただいた。
著者
谷村 顕雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.937-941, 1970-11-15 (Released:2011-11-04)

我々の食生活にとって食品添加物は必須なものであり, 食品衛生法で決められたとおりの正しい使い方をすれば安全であることを再認識すべきである。食品添加物とは, その指定基準は, 使用基準は, その毒性はなどといった問題に対しての正しい知識を持ち, 人類の大事な財産である食品添加物を守っていきたいものである。
著者
桜井 清彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.214-216, 1973-04-15 (Released:2011-11-04)

わが国の神話, 伝説をいうどった酒, 奈良時代の古文書にあらわれた各種醸造食品, もちろんそれらは突然出来あがったものではない。それらがつくられるにいたるまでのわれわれの祖先の足跡を縄文時代から古墳時代にいたる出土品を通じてたどっていただいた。

1 0 0 0 OA モンゴルの酒

著者
吉田 元
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.93, no.11, pp.878-884, 1998-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
7

モンゴルの酒といえば独特の馬乳酒が思い浮かべられる。最近モンゴルへ行かれて, 馬乳酒やそのほかのお酒についての製造状況を見てこられた筆者に, 自家醸造や工場生産の様子, 製晶の成分や香味, 製造や流通の社会状況など, モンゴルのお酒事情について幅広く紹介していただいた。