著者
北陸酒造技術研究会
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.90, no.9, pp.682-684, 1995-09-15 (Released:2011-09-20)
被引用文献数
1 1

金沢国税局管内で使われていたいわゆる「金沢酵母」は, 他の地域の製造場から是非使用してみたいとの希望が多かったが, 当酵母に関するプライオリティを有する北陸酒造技術研究会の御好意により, 平成7年度から協会14号 (金沢酵母) として全国に配布されることとなった。従来の協会酵母の中にはその来歴が明らかでないものがあったので, 全国配布に先立ち金沢酵母の来歴, 特徴, 仕込み上の留意点, 製成酒の酒質等について解説していただいた。
著者
濃辺 正平
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.861-869, 1987-12-15 (Released:2011-11-04)

ギリシャにおけるワイン釀造は, ブドウとワインの神“ディオニソス (バッカス)”に守られて, 有史以前から現代にかけて営々と続いている。しかしながら, その現状については今までほとんど日本に紹介されていないだけに, 本稿はきわめて貴重な資料といえよう。
著者
境 博成
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.8, pp.585-593, 2007-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
11

イギリス, フランスに引き続き, 今回はスペイン産のリンゴ酒について紹介していただいた。同じリンゴ酒でありながら日本市場においてはアストリアス地方のシドラもバスク地方のサガルドアも知名度が低い。スペイン産リンゴ酒の歴史的背景, 原料リンゴ果からリンゴ酒の醸造, 醸造場に併設されるレストラン, 飲酒文化についての話まで巾広い話題を提供していただいた。
著者
西谷 尚道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.240-246, 2002-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
17

日本酒復権のシリーズ第2回目は「味覚」に着目し, 日本酒を発展させるためには既存清酒と多様化清酒の住み分けが必要と唱える。既存清酒では旨口と熟成の味わいにスポットを当て, 燗酒のあり方を含めて述べられている。また, 多様化清酒ではこれまでにはなかったまったく新しい味わいが必要であるとし, それを低アルコール清酒に求め, 具体的な品質設計のモデルが提案されている。
著者
奥田 将生
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.7, pp.510-519, 2007-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16
被引用文献数
4 4

酒造原料米の最大成分であるデンプンの性質が清酒醸造にどのような影響を与えるのか興味深い課題である。デンプンはアミロースとアミロペクチンにより構成される。近年, 本解説にも紹介されているデンプン変異体米を用いた研究により, 米デンプンの詳細な分子構造とその生成機構が解明されつつある。今回は, 著者の最近の研究成果からデンプン分子構造と蒸し米の酵素消化性, 蒸米のデンプンの老化特性, さらにイネ登熟期気温が米デンプンの分子構造に及ぼす影響と幅広く解説していただいた。品種や気象条件による酒造原料米の性質の違いを理解する上で参考になるものと思う。
著者
堀尾 哲也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.103, no.6, pp.411-417, 2008-06-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

麹菌などの糸状菌の先端細胞には核が多数存在し, 活発な代謝を行うとともに先端部からの酵素分泌と先端成長を行っている。また, このように多核体ゆえに糸状菌は酵母に比べて数十倍という速度で伸長しなければならないという。最近明らかになってきた菌糸先端成長のしくみについて, 麹菌の近縁の糸状菌での最新の成果について解説していただいた。
著者
小崎 道雄 岡田 早苗 関 達治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.46-61, 2002
被引用文献数
1

酒は農耕文化の産物で, 酒の原料はその民族の主食と一致している。米は日本人の原味覚となっており, 米を原料とした酒は日本人の心の故郷といえる。筆者の提唱される「米の種類を問わず米を原料として醸した酒」を「米酒」とする定義は日本酒, 焼酎の国際化をも考えなければならない現在, 大いに役立つものであろう。<BR>タイ国のいろんなタイプの米酒の詳細な製法が臨場感をもって記述されており, 大変興味深い。筆者の長年の調査研究の成果を, 写真, 図を交えて解説いただいた。「米酒」に関心のある方のご一読をお勧めする。
著者
山下 勝
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.88, no.8, pp.599-604, 1993-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
23

近世, 江戸時代になっても人々の甘味に対する嗜好は, まだあこがれに近いものがあった。蜜淋は, 人々のそんな思いをほろ酔いとともにかなえてくれる至福の飲料であったに違いない。蜜淋の歴史はそのまま現在の清酒製造技術である, アル添の工程に至る, 長い試行錯誤の歴史と重なってくる。甘味酒の系譜に造詣の深い筆者に蜜淋を中心として, それらの製法の確立までの過程を興味深く推論していただいた。
著者
藤井 宏志
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.881-888, 1987-12-15 (Released:2011-11-04)

山口県は日本海・瀬戸内海のふたつの海に接し, 地形上平野・盆地が分散していることから, 都市や産業もまた分散構造であるという。その山口県における酒造リの歴史を, 地理的要因・時代の背景を基に詳細に解説していただいた。遠く藩政時代から今日に至るまでの酒造場数・造石高の推移あるいは山口杜氏の起源と変遷が詳述されておりまことに興味深い。
著者
橋田 規子
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1, pp.2-8, 2017 (Released:2019-02-15)
参考文献数
4

瓶の生産量が年々減少している。その原因の一つに若者のお酒離れがある。本稿は若者が好み,コンビニエンスストアなどで手に取ってもらうような,酒瓶のデザインの研究である。酒瓶商品としては,瓶以外にもラベルという大きなデザイン要素があるが,著者は,瓶の需要を高めることを目的とし,瓶形状に限定して研究を行われている。是非参考にしていただきたい。
著者
河野 秀克
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.352-353, 1979-06-15 (Released:2011-11-04)

コップ酒はガラの悪いものと定評があった。「日本酒用にもっと品の良いグラスを造っては?」。「そんなことをすればそれでワインやウイスキーを飲まれてしまう」。カンカンガクガクの議論の末にやっと産まれた『清酒グラス』。手にすればおのずとお酒が呑みたくなるという方もあり, おおむね好評のグラス。その難産物語。
著者
編集部
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.351-380, 1998-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
262
被引用文献数
1

1997年度の味噌・食酢の研究業績をみると, 研究の目的と投じられたエネルギーが味噌, 食酢で明らかに異なることがわかる。味噌については, 一般的な説明研究が多く行われてはきたが低調気味であることを否定できない。一方, 食酢については, 新たな開発ならびに研究が数多く行われている。いずれも醸造食品として機能性などに関心がもたれ検討されていることが注目されるが, このような点で味噌・食酢産業のさらなる発展の糸口が得られることを期待したい。
著者
野村 佳司 内藤 貴文 小野 晃 三上 重明 高橋 利郎 木曽 邦明
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.4, pp.289-294, 2004-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
4

Recently, sake has come to be frequently sold in transparent refrigerators fluorescently lighted. In such cases, the sake is sometimes colored highly. This seems due to the effect of fluorescent light. We researched the effects of fluorescent light sake coloring. As for the relations between sake coloring and the six types of fluorescent lights, a three band fluorescent light (natural white) colored sake most highly, second was a fluorescent light (natural white), and a high color rendering fluorescent light coated with UV absorption film (natural white) colored sake least. We researched the effects of four color-films on sake coloring. A red film was most effective for preventing sake coloring. A blue film was least effective in preventing sake coloring. As a result of a multivariate analysis, light with a wavelength under 450 nm produced an effect on sake coloring.
著者
小林 徹
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.10, pp.740-744, 2000-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
23

酒を飲んだとき人体には様々な影響が出てくるが, これはアルコールの効果による。アルコールによる神経伝達系への関与はその作用の標的となる膜タンパク質が調べられているが, 最近筆者らによって脳内に広く分布するGIRKチャネルがエタノ-ルの新たな作用部位であることが見いだされた。本稿においてそのメカニズムと意義について解説していただいた。

2 0 0 0 OA アイヌの酒 (1)

著者
加藤 百一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.285-291, 1968-03-15 (Released:2011-11-04)

本号より5回にわたリアイヌの酒の貴重な資料を著者にお願いしました。著者は北海道大学卒, 前札幌国税局鑑定官室長として北海道の実情にくわしいことはよく知られていますが, 本稿の資料の集成には多大の御苦心があったことと思います。