著者
岩田 博 三木 淳史 磯谷 敦子 宇都宮 仁
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.2, pp.90-97, 2007-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16
被引用文献数
3 2

清酒鑑評会の公開きき酒でカビ臭を経験した方が多くおられることと思う。筆者らは最先端の分析機器を駆使して, そのカビ臭の原因物質がTCAであること, 1.7ng/l (1.7×10-9g/l) という大変微量な含有量でカビ臭が感知されることを解明し, 醸造工程におけるTCAの生成機構やその生成防止方法について研究された。本総説はその研究成果を解説していただいたもので, 醸造現場において大変有益な内容でありぜひ一読をお願いしたい。
著者
河野 秀克
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.93-95, 1982-02-15 (Released:2011-11-04)

各企業のPR施設は他業界でも多いが, 業界団体のPRセンターは珍らしい。しかも, 単に狭義のPRの場にとどまらず.日本酒の文化をよリ広く伝え, 発展させてゆくことを目途としている日本酒センターに期待するところは大きい。今回は, 差し当リ開設2か月余の状況について執筆していただいた。
著者
板垣 孝治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.200-205, 1982-04-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
18

イオン交換樹脂の性質から新用途まで多岐にわたって解説していただいた。醸造工業に新たな用途を開発するうえで大いに参考となろう。
著者
入江 経明 宮内 俊一 米崎 治男
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.59-62, 1975-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
7

実地醸造において原料米の品質管理の一環として, そのもろみ中での溶解性を予知するために, 少量の試料を用いて迅速簡便で定常値が得られる蒸米被消化性試験法を設定し検討を加えた。白米処理上のポイントは, 白米の枯らし日数と水切操作である。各種酒米の被消化性をしらべた結果心白米は一般米にくらべて被消化性がよく, 白米中のたんぱく含量の少ない方が被消化性がよかった。
著者
福田 央 韓 錦順 水谷 治 金井 宗良 山田 修
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.112, no.4, pp.273-314, 2017 (Released:2022-12-05)
参考文献数
12

焼酎の84種類の揮発性成分をSPME法とヘッドスペース法を用いて分析した。泡盛及び甘藷焼酎の揮発性成分間の相関解析を行った。その結果,中鎖脂肪酸エステル類間及び高級脂肪酸エチルエステル類間で相関性は全体的に高く,生合成系や化学構造の類似性が寄与していると推定された。モノテルペンアルコール類間及び低沸点エステル類間では高い相関性を示す成分について生成経路を推定した。フルフラールは意外にもアルデヒド類と相関性を示した。この他,泡盛及び甘藷焼酎において,個別に高い相関性を示す成分について考察を加えた。
著者
高島 正一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.10, pp.760-764, 1978-10-15 (Released:2011-11-04)

しょうゆ醸造業は, 5つの大メーカーと約3500の中小企業が存在している。大企業の商品は長年培って来たマークの力で販売を延ばしているし, 小企業はごくせまい地域内での販売にすぎないが, 中堅中企業はどのようにして商品販売を広めてゆくことができるか, しょうゆの品質の維持, 新商品の開発等々技術者の苦心は非常なものがあろう中堅企業の技術者のトップとして勧務する筆者としてその辺の苦しみと悩みとを訴えている。
著者
高橋 雅弘
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.37-40, 1985-01-15 (Released:2011-11-04)

長寿国日本で培われた料理が, 今や海外でも大きな関心事となっている。 伝統の味がどのように形成され伝承されてきたか, また, その基本の食材料等について, 伝統の味の二つの主流である江戸と京との味を対比して食文化の流れについて詳述していただいた。

1 0 0 0 OA コハク酸

著者
蔭山 陽一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.880-882, 1971-09-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
7

1 0 0 0 OA 乳酸の常識

著者
木村 道臣
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.145-147, 1979-03-15 (Released:2011-11-04)

人体をはじめ広く生物体中に分布する化学成分が, どのようにして純粋物質として人間の手によって造られるかを知ってこそ, これを再び生体に戻して利用一酒造一することができるのではなかろうか。
著者
大久 長範
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.112, no.4, pp.208-213, 2017 (Released:2022-12-05)
参考文献数
12

その歯ごたえで人気のある稲庭うどんは,400年近くの歴史があり,今も伝統的な製法で生産されているが,その歯ごたえのわりに茹で時間が短い理由の一つが,実は耐塩性酵母による空隙が関与している可能性を示唆する極めて興味深い内容の話を,専門的な立場から丁寧に解説いただいた。麺類には色々な種類があるが,麺類に興味のある方のみならず,微生物に興味のある皆様にも是非とも御一読をお勧めする。
著者
近藤 恵二
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.228-240, 2003-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
40
被引用文献数
2 2

ビールはお酒としての機能のほかに, 栄養源としての役割や食品増進及び利尿作用などの効用が広く認識されている。最近, ビールの虚血性心疾患リスクの低減効果が報告されるなど, 科学的見地からビールと健康との関連が報告されている。ビールは多くの人々に飲まれており, その健康機能性の解明は世界規模で意義がある。筆者らは生活習慣病予防効果の観点からビールとその原材料の機能性を科学的にアプローチされている。今後の発展が大いに期待される研究であるが, これまでに得られた成果を中心にビールの健康機能性について解説していただいた。
著者
日野 明寛
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.100-105, 1994-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
36

生物は外部から急激な温度・浸透圧等の物理的な刺激あるいは化学物質等による刺激 (ストレス) を受けると代謝レベルで特異的な反応を示す。酵母においても同様の現象が認められており, ストレス応答や対ストレス防御機構解析のモデル生物としての研究が進められている。一方, 実用上においてもストレス耐性は重要課題であり, アルコール耐性, 浸透圧耐性などについて従来から研究が進められていた。パン酵母については冷凍耐性酵母の育種が重要課題となっているが, その耐性機構に関与しているトレハロースの代謝系の制御については遺伝子レベルで明らかになりつつある。