- 著者
-
篠原 久枝
- 出版者
- The Japan Society of Home Economics
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- pp.161, 2014 (Released:2014-07-10)
目的 月経は生理的な現象であるが,武谷雄二氏らの調査によると,調査対象者の3割の女性が鎮痛剤服用にも関わらず日常生活に支障をきたすほどの月経随伴症状に悩まされていると報告されている。そこで本研究においては,女子学生の月経随伴症状の実態と問題点,課題を明らかにし,今後の適切なセルフケアのあり方について考察することを目的とした。方法 M大学に在籍する女子学生を対象に,平成24年10月~11月無記名自記式質問紙を実施した。調査項目は月経随伴症状の実態や対処法,食生活・生活習慣などである。配布数252部,有効回答数195部,有効回答率は77.4%であった。倫理的配慮ならびに個人情報の保護については十分に留意した。結果 調査対象者の約半数が重度の月経痛を抱えていた。月経随伴症状16項目について因子分析を行なったところ,「痛み以外の身体症状」,「情緒的な症状」,「吐き気や痛み」の3因子が抽出された。これらの症状には,先行研究と同様に不規則な食生活が影響しているという結果が得られた。「布ナプキン」についての関心は,約2割しかみられなかった。月経随伴症状を抱えていても「がまんしている」という回答も多く見られ,望ましい食生活の指導や,マンスリービクスや布ナプキンなどのセルフケアの周知が課題であろう。