著者
加藤 和哉
出版者
山口大学
雑誌
山口大学哲学研究 (ISSN:0919357X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.149-162, 1998

In this essay I argued the concept of person which underlies some ethical issues today, such as moral justification of abortion, euthanasia of heavily disabled infants, etc. Michael Tooley, for example, argued that only those self-conscious are the 'person' who has full moral right to live. The argument has received much criticism (in Japan) that it presupposes a very narrow idea of a human being, namely person as rational self-conscious agent, which comes from John Locke or Immanuel Kant. The criticism on the other hand emphasizes the relational aspect of a human being and argues that, even if a fetus itself is not a 'person', he/she is for some others, such as his/her parents, a human being which must be morally protected. 1 point out that the 'relational aspect' of a human being is not supposed to consist in that being itself, but only in the concrete concern that others have to that being, because what the being itself is does not matter there. As a result, the anti-personal theory seems only to accept the case where a human being has nobody to have a concrete relation to him/her or the case where a human being is not treated as such by others. I hint at a more' fundamental problem that there is no other way to talk about a human being itself than as a self-conscious agent.
著者
村上 ひとみ 榊原 弘之 瀧本 浩一
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では地震後非常参集における交通手段アンケート調査から自転車活用条件を明らかにした。東日本大震災では名取市における津波避難アンケート調査をもとに、渋滞は厳しいが、身の危険は徒歩・自転車より自動車の方が低いこと、自転車は避難開始が早く機動性に優れることを示した。山口市の住民アンケート調査から自家用車依存が地理知識獲得に負の影響を及ぼし、地域活動参加が公共施設や商店等の正規化得点を高める傾向を示した。また災害早期の被害情報共有に役立つモバイル情報システムを開発した。以上を併せて、日常の自転車利用を促進し、自家用車依存を軽減することで、非常参集や津波避難に役立つ等、地震防災への効用が示された。
著者
三上 真人 瀬尾 健彦 菊池 政雄 森上 修
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ジェットエンジン高空再着火時の燃料噴霧燃え広がりの理解を深めるために低圧における液滴列燃え広がりの微小重力実験行った.実験の結果,低圧での燃え広がり速度および燃え広がり限界はともに,大気圧の場合より大きくなることが明らかとなった.これらの圧力依存性について,燃え広がりに関わる素過程を考慮して考察を行った.高温領域の熱伝導速度は圧力に逆比例する.一方,高温領域の広がりの非定常性を考慮すると,その最大半径は圧力の-1/3乗に比例する.この圧力依存性を有する燃え広がり限界距離を考慮して,低圧におけるランダム分散液滴群の群燃焼発現特性を求めることができた.
著者
増田 正勝
出版者
山口大学
雑誌
山口經濟學雜誌 (ISSN:05131758)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.59-81, 1995-09-30
著者
澤 喜司郎
出版者
山口大学
雑誌
山口經濟學雜誌 (ISSN:05131758)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.41-63, 2004-05-31
著者
小川 國治 田中 誠二
出版者
山口大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

昭和63年度と平成元年度の2年間で、以下のような研究を行った。1.中国地方諸藩と長州藩とを比較し、その特質を検討した。(1)長州藩の土地制度のうち慶長・寛永・貞享・宝暦の検地を中心に、地方史料を用いて、政策の実態・特質・石高の性格を究明し、中国地方諸藩との比較検討を行った。(2)長州藩の租税制度について、前期から後期まで、徴租法の内容・段階区分などを検討した。(3)長州藩の村入用について、実態の究明と段階区分を行い、負担の全体像を検討した。(4)長州藩の特産物の紙・ろう等について、その専売を段階区分に即して検討した。(5)大谷家文書・益田家文書・毛利家文書などの史料によって、藩・給領主・庄屋の支配関係を明らかにし、長州藩の地方支配の特質を村の側から検討した。2.史料収集と整理・分類を行った。(1)山口県田万川町の大谷家文書(庄屋文書)は、県内地方史料のなかでも群を抜く豊富さなので、重点的に史料収集を行った。(2)大谷家文書との関連で、田万川地方を支配した益田家の文書を調査した。3.以上の研究成果として、小川が「萩藩の郷村支配と老」、「長州藩産物取立政策と佐波川水運の開発」、「萩藩撫育方と鶴浜開作」、田中が「萩藩貞享検地考」、「萩藩の本・支藩関係をめぐって」、「毛利秀元論-萩藩初期政治史研究序説-」(『研究成果報告書』参照)などを発表して新知見を示した。
著者
藤原 貞雄
出版者
山口大学
雑誌
山口經濟學雜誌 (ISSN:05131758)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.325-341, 1986-05-31
著者
円城寺 秀平
出版者
山口大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2016-04-22

胃癌は、未だに世界のがんによる死亡者数の第3位であり、新たな治療戦略が必要とされている。SETは、炎症反応の増強やがんの悪性化に重要な役割を果たす多機能タンパク質であり、重要ながん抑制因子であるタンパク質脱リン酸化酵素PP2Aの活性を阻害することでがんの悪性化に寄与する。実際に多くのがんでPP2Aの不活性化が認められており、一部のがんではSETの発現上昇と悪性度との相関が報告されている。しかし、胃癌におけるSETの発現や機能については明らかになっていない。そこで胃癌におけるSETの機能を解明することで、SETが胃癌に対する新規治療標的となりうるか検討することを目的に研究を行った。今年度の研究成果として、ヒト胃癌細胞株におけるSETの発現抑制は転写因子E2F1と、そのターゲット因子である幹細胞マーカーNANOGの発現を低下させた。このことから、SETはPP2A阻害を介してE2F1とNANOGの発現上昇を引き起こし胃癌細胞の幹細胞性を亢進させていると考えられる。また、SET標的薬であるOP449はE2F1の発現を減少させて抗がん効果を示したことから、胃癌に対する新規治療標的としてSETの有用性が期待される。また、SET標的薬 OP449とキナーゼ阻害薬であるdasatinibの併用効果を胃癌細胞株で検討したところ、相加効果が認められた。さらに、HER2陽性の胃癌患者に適応されるHER2抗体trastuzumabに対して抵抗性を示す胃癌細胞株MKN7にも、OP449は抗がん効果を示した。これらの結果は、既存のキナーゼ阻害薬とホスファターゼ活性化薬の併用効果、薬剤耐性がんに対する抗がん効果を示すものであり、今後 SET 標的薬を初めとしたホスファターゼ活性化薬の臨床応用の可能性を強く後押しするものである。本研究の成果から、SETを標的とした抗がん戦略の新たな可能性が示された。
著者
矢部 滝太郎
出版者
山口大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2015-04-24

がんの発生や悪性化は細胞内タンパク質の過剰なリン酸化により引き起こされるため、これまで分子標的抗がん剤の開発は、タンパク質リン酸化酵素キナーゼの異常な活性化を阻害することにのみ焦点が当てられてきた。しかしながら近年、細胞のがん化・がんの悪性化には、キナーゼ活性の上昇だけではなく脱リン酸化酵素であるホスファターゼの活性低下も極めて重要な役割を果たすことが分かってきた。そのため、このホスファターゼを活性化する抗がん戦略が新たな分子標的抗がん剤創薬において有効であると考えられる。細胞内の主要なセリン/スレオニンホスファターゼであるProtein Phosphatase 2A (PP2A)は重要ながん抑制因子として知られており、多くのがんにおいて細胞内PP2A阻害タンパク質の発現上昇によるPP2A活性の低下が観察されている。そこで本研究課題では、細胞内PP2A阻害タンパク質であるSETとPME-1によるPP2A阻害機構を解明し、これらを標的としてPP2A活性を回復させるPP2A活性化剤の抗がん効果の立証を目的とした。今年度はSETに関して、胃がんにおいてSETが、がんの発生や悪性化に重要な役割を果たしていることを明らかにし、またその分子機構を解明した。またPME-1に関して、我々は細胞内のPP2Aのメチル化レベルを正確に測定する方法を確立した。さらに、野生型および変異型PME-1のリコンビナントタンパク質を用いてPME-1の機能解析を行い、PP2AcとPME-1の相互作用と脱メチル化活性の関係を明らかにした。本研究で示した原理は、免疫沈降法を用いてPP2AcとBサブユニットの結合を評価する際にも重要であり、PP2A複合体の制御機構を解析する上で極めて重要な知見である。
著者
澤 喜司郎
出版者
山口大学
雑誌
山口經濟學雜誌 (ISSN:05131758)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.53-74, 2005-03-31
著者
沖田 寛子
出版者
山口大学
雑誌
山口大學文學會誌 (ISSN:0551133X)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.35_a-17_a, 1997