著者
上野 修
出版者
山口大学
雑誌
山口大学哲学研究 (ISSN:0919357X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.35-74, 1997

Paradoxalement, le Traité théologico-politique de Spinoza s'est attire le blâme le plus furieux des cartesiens hollandais de son temps qui soutenaient, de même que Spinoza, tant la liberté de philosopher contre l'intolérance théologique que la séparation entre la théologie et la philosophie. Ce paradoxe s'explique par l'étrangeté frappante de l'exégèse biblique ou de la "théologie" redéfinie de Spinoza qui propose de ne pas présupposer dans le verbum Dei aucune "vérité des choses." Cette proposition, bien que faite sincèrement pour libérer ces intellectuels de la tâche désespérément conflictuelle de réconcilier la raison avec la foi au niveau de la vérité, ne fit que soupçonner l'artifice d'un athée pour ruiner l'authorité biblique. Spinoza en est pourtant sérieux: il atteste et accepte l'authorité par le fait que l'Écriture, en ce qui concerne de l'enseignement moral, et qui d'ailleurs coïncide avec la raison dans la pratique, s'est perpétuellement gardée contre toute falsification, et cela, en réalité, grâce à la puissance de la multitude (termes à apparaître dans le dernier Traité politique) qui ne sauraient rien de la vérité des choses. La notion de la fonction propice de la non-vérité dans l'histoire est donc ce qui lui permet de concevoir l'entre-deux qui est le dehors aussi bien de la théologie que de la philosophie, dehors où s'exerce pleinement la puissance de la Nature-Dieu.
著者
小林 誠 最上 紀美子 岸 博子 佐藤 正史
出版者
山口大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

脳血管攣縮は、くも膜下出血後の重篤な合併症であり、その原因として、Rhoキナーゼによる血管平滑筋のCa2+非依存性の異常収縮が注目されている。従って、この血管の異常収縮を引き起こすメカニメムとその原因因子を解明する事によって、脳血管攣縮の根本的な予防法や治療法を開発することが、国民衛生上の緊急かつ最重要課題である。本研究では、脳血管において、Ca2+非依存性の異常収縮を制御する細胞内シグナル伝達メカニズムを明らかにし、そのシグナル経路を特異的に阻害する因子を同定する事を目的とする。初年度は、脳血管異常収縮の原因分手として細胞膜スフィンゴ脂質の代謝産物であるスフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)を同定し、そのシグナル経路は、RhQキナーゼを介するものであるが、従来言われていたG蛋白質やPKCとは独立した新規のシグナル経路である事を見出した。本年度は、下記のような結果を得た。1)脳血管において、エイコサペンタエン酸(EPA)は、SPCによるCa2+非依存性収縮を著明に抑制したが、Ca2+依存性の正常収縮や細胞質Ca2+濃度レベルには全く影響しなかった。2)SPCは、Srcファミリーチロシンキナーゼを活性化させ、さらにRhoキナーゼを活性化させることによって、脳血管に異常収縮を引き起こしていた。3)SPCは、SrcファミリーチロシンキナーゼおよびRhoキナーゼを細胞質から細胞膜へ移動させた。4)EPAは、Srcファミリーチロシンキナーゼの細胞膜への移動を阻止した。これらの成果により、EPAは、Ca2+シグナル系および血管の正常なCa2+依存性収縮には影響を与える事無く、Srcファミリーチロシンキナーゼの機能を阻害する事によって、特異的に脳血管の異常収縮を阻害することがわかった。
著者
小林 誠 岸 博子 川道 穂津美 加治屋 勝子
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

血管病は合計すると我国死因の第二位であり、また、突然死の主要な原因となる難病である。申請者らは、血管病の主因となる血管異常収縮の原因分子としてスフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)を発見した。本研究では、SPCによって引き起こされる血管の異常収縮に関わる新規の原因シグナル分子を同定し、その制御機構について明らかにすることを目的とした。その結果、以下の事を明らかにした。1.ヒト血管においては,SPCによる血管異常収縮は,コレステロール依存性であることが判明した。さらに,コレステロールが蓄積する膜ラフトが重要である事がわかった。この研究成果は,Circulation Research誌の編集者から,コレステロールと血管異常収縮の直接の関連性を初めて証明した報告として,Editorial Sectionで特別に紹介され,絶賛された。 2.膜ラフトに局在するFynチロシンキナーゼの重要性について検討した。スキンド血管にFynのリコンビナント蛋白(ワイルド・タイプ、ドミナント・アクティブ体,ドミナント・ネガティブ体)を導入する事により,Fynが,SPCによる血管異常収縮において重要な役割を果たしている事が分かった。3.従来のCa2+による収縮現象のみならず,Rhoキナーゼを介したCa2+によらない収縮現象をin vitro motility assay 系によって証明する事ができた。4.膜ラフトモデル膜として,ハイブリッドリポソームを作成することに成功した。これを応用して,SPC,EPAが,濃度依存性にラフトモデル膜に結合する事を明らかにした。5.ヒト血管から高純度のラフト分画を精製することに成功した。さらに機能的プロテオミクスによりヒト血管の膜ラフトに局在する新規蛋白を複数個同定した。6.以上の異常収縮のシグナル伝達経路を阻止できる新規の候補分子を複数個同定した。
著者
高橋 征仁
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

「若者の政治的無関心」は、これまで戦後日本における私生活主義の産物として考えられてきた。しかし、こうした時代的観点だけでは、政治的関心の加齢効果という単純な発達的傾向をうまく説明することができない。そこで、本研究では、国際比較調査などを用いてよりグローバルな観点から、政治的関心をめぐる齢間分業の普遍性と多様性について検討を行った。その結果、①政治的関心の加齢効果、②政治的関心のモジュール性、③リスクと齢間分業の関係を明らかにした。
著者
中尾 訓生
出版者
山口大学
雑誌
山口經濟學雜誌 (ISSN:05131758)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.1043-1076, 1999-07-31
著者
渡部 哲夫 石原 好宏
出版者
山口大学
雑誌
山口大学工学部研究報告 (ISSN:03727661)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.131-142, 1979-10

This paper describes supporting software which permits the facile utilization of the M345 colored-character display unit which is connected to the MELCOM 9100/30F in our department. The basic software which the computer maker has provided us enables us to utilize M345 only when programs are written in assembly language. Programming in this language is rather troublesome job. Thus we designed and built supporting software which enables us to write programs in FORTRAN utilizing M345 directly and to command it in job control language. This supporting software aims primarily at facilitating conversational operation utilizing the M345. Secondary aim is the simplification of operations such as input and output of data, file editing, and console operation through the M345.
著者
林 透 深野 政之 山崎 慎一
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、従来、大学の組織構造に関する制度的変遷や機能分析をテーマとした学術的研究が中心で、大学経営や大学教育の日常的課題に焦点を当てた研究が皆無な状況に着目し、大学教員と大学職員が協働する運営体制づくり(教職協働)を超えて、大学構成員である学生との協働実践を含めた新しい姿(教職学協働)を明確化し、大学現場が直面する組織開発(OD)の担い手のあり方を探求した。研究成果として、大学教員・大学職員・学生が協働する参加型組織経営をファシリテートする組織開発(OD)の方法論及び実践事例を蓄積し、新たな提言を行ったほか、日米共同研究により、両国のFD活動の特徴や相違点を明らかにすることができた。
著者
谷部 真吾
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成29年度は、本研究において事例として取り上げる3つのけんか祭りの現状を把握するために、富山県高岡市の伏木曳山祭を5月14日~16日に、兵庫県尼崎市の築地だんじり祭り9月15日~19日、静岡県周智郡森町の森の祭り11月3日~6日に、それぞれ参与観察を行った。その結果、各祭礼が現在「穏やかに」運営されていることを確認した。また、伏木曳山祭が脱「暴力」化していった過程を明らかにするための聞き取り調査および新聞記事収集を、9月4日~11日に実施した。これによって、当祭礼が高度経済成長期に変容していったプロセスをより詳細に明らかにすることができた。また、戦後の日本の社会的・文化的状況や、その当時の地域社会の実態を理解するために、関連文献の収集・精読を行った。この作業を通して、各地のけんか祭りが似たような時期に脱「暴力」化していった理由を分析する際に必要となる、基礎知識を獲得することができた。さらに、最先端の研究動向を把握するために、日本文化人類学会第51回研究大会(5月27日~28日)ならびに日本民俗学会第69回年会(10月14日~15日)に参加した。なお、日本民俗学会では、研究発表も行った(発表タイトル:「批判されるけんか祭り ―高度経済成長期の伏木曳山祭(高岡市)を事例として―」)。加えて、祭礼研究を精力的に進めている江戸川大学の阿南透教授や、長野大学の中里亮平講師などと研究会を行ったり(4月29日、10月13日)、祭礼をテーマとした各種研究会、具体的には、第148回歴史地理研究部会(5月20日)、遠州常民談話会(9月30日)、第4回山鉾屋台研究会(10月13日)、現代民俗学会第40回研究会(12月17日)にも参加したりし、本研究のさらなる深化に努めた。こうした研究成果の一部を、論文「伏木曳山祭 ―熱狂と信仰と―」(阿南透(他・編)、『富山の祭り』、桂書房、2018年3月、pp.79-94)にまとめた。
著者
戸ヶ里 泰典 山崎 喜比古 小手森 麗華 佐藤 みほ 米倉 佑貴 横山 由香里 木村 美也子
出版者
山口大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

2008年度、2009年度の、5月、11月、2月に、本調査対象校中央大学附属高等学校の2007年度、2006年度入学生を対象とし、6回の調査を実施した。そこで、2007年に実施したデータと合わせて、1年生の5月から3年生の2月まで計9回にわたり測定されたsense of coherence(SOC)スコア変動および、その変動に及ぼす要因の探索を行った。その結果、中学時代の課題に対する成果、成功経験や、高校生初期の教師との関係、あるいは、教師によって作り出される受容的な環境が、その後のSOCの上昇を大きく左右していること、学校に対する誇りや居場所感とも言えるような学校における所属感覚もまた、大きくSOCの変動を左右していることが明らかとなった。
著者
丹 信介 長谷 宏明 恵美須 勝美 中尾 建生 高橋 幸広
出版者
山口大学
雑誌
研究論叢. 芸術・体育・教育・心理 (ISSN:02860597)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.281-289, 2003-12-20

本研究では、41歳から56歳の健常な中年男性12名(40代5名、50代7名)を対象に、20cmの台高のステップテストを15回/分、20回/分、25回/分の昇降速度で行わせ、各昇降速度でのステップテスト中の酸素摂取量の個人差について検討した。また、合わせて、ステップテスト中の各昇降速度とその時の酸素摂取量との間の相関関係(直線関係)についても検討した。そして、これらの検討を通じて、中年男性を対象とした全身持久力推定のための運動負荷法としての20cmの台高のステップテストの妥当性について検討した。得られた結果は次のとおりである。1.ステップテスト中の酸素摂取量の変動係数は、6.2〜7.3%の範囲内であり、先行研究や自転車エルゴメーターにおける変動係数と同等か、それよりやや低い値を示した。2.ステップテスト中の各昇降速度とその時の酸素摂取量の平均値との間には、極めて強い正の相関関係(r=0.9999、p<0.001)が認められ、両者の間には直線関係が成立した。また、被検者各人のステップテスト中の各昇降速度とその時の酸素摂取量との間の相関係数は、全例0.9848以上であり、被検者各人においても、両者の間には直線関係が成立した。以上のことから、40、50代の中年男性を対象とした20cmの台高のステップテストにおける酸素摂取量の個人差は少ないことが明らかとなり、全身持久力推定法としての前提条件を満たすことが示唆された。また、ステップテスト中の昇降速度と各昇降速度における酸素摂取量との間には、直線関係があることが確認され、1次回帰を用いて、全身持久力の推定が可能であることが確認された。したがって、本研究で用いた20cmの台高のステップテストは、中年男性を対象とした全身持久力推定のための運動負荷法として妥当であることが示唆された。
著者
矢田部 俊一
出版者
山口大学
雑誌
山口大學工學部學報
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.31-35, 1957