著者
内田 裕之
出版者
山梨大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本研究は、金属ナノ粒子と混合導電性酸化物間の特異な相互作用を解明・制御して高性能電極を開発し、ナノイオニクスの発展に貢献することを目的とする。本年度は、以下の成果を得た。1) 噴霧プラズマ法で合成したNi-SDC複合粒子のNi粒子サイズ制御とSOFCアノード特性昨年度報告したように、組成と粒径がよく制御されたSDC固溶体とNiOの複合粒子がSSP法により一段階で簡便に合成できる。この粒子は中空状であり、Ni, Ce, Smが均一に分布していた。水素気流中800〜1000℃で1時間還元処理するとNiOは全てNiに還元できた。NiとSDC間の強い相互作用により、SDC表面にアンカーされた状態でNi粒子が析出し、Ni結晶子サイズは、1000℃還元では50nm、800℃では37nmであった。還元温度を低くするほどNi粒径を小さく制御できることがわかった。このNi-SDCをYSZ電解質に取り付けてSOFCアノード特性を評価した結果、17vol%-Niで最大活性を示すことを見出した。2) ヘテロ界面制御 : 混合導電性酸化物LSCF酸素極の長期耐久性La_<0.6>Sr_<0.4>Co_<0.2>Fe_<0.8>O_3(LSCF)+SDC/LSCF二重層構造電極を900℃、0.5A/cm^2で酸素発生させ、5000時間の耐久性を実証できた。落雷での停電での急冷、作業停電での室温までのヒートサイクルにも耐え、0.15V以下(vs. air)という高い性能を維持できた。試験開始時と再起動時に、一度上昇した電位が緩やかに回復する原因は、電極内の粒子同士の焼結がガス拡散性を抑制しない程度に進行してイオンと電子の導電ネットワークが向上し、有効反応領域が増大することに加え、LSCF中のCoの価数変化または相変化が起こっている可能性が高いことを明らかにした。
著者
鈴木 喬 内海 英雄 川端 成彬 大矢 晴彦 大垣 真一郎 佐藤 敦久
出版者
山梨大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1990

本研究は,質的に安全かつ健康な飲料水を確保するため,近年ますます問題となってきた水道水中の細菌,ウィルス,臭気,硝酸イオン等の有害成分を殺菌あるいは除去するための高度の改善技術を創製しようとするものである。1.ウィルス指標としてのバクテリオファ-ジとオゾンによる不活化 ウィルス制御技術の開発に当たっては,各種病原ウィルスの消毒手法に対する感受性の相違を十分考慮にいれなければならない。このためには,不活化効率を精確に定量できる「基準となるウィルス」が必要であり,また,そのウィルスはその使用が容易で安全なものであることが求められる。「基準となるウィルス」として,RNA大腸菌ファ-ジ(QB)を活用可能であることを見出した。また,オゾンによるQBの不活化では,5sec以内の急激な不活化の後反応がほぼ停止するように見えるが,ある一定のQB濃度で反応が止まるのではなく,一定の不活化率に達して止まることが観察された。2.細菌・ウィルス用非塩素殺菌剤の開発本殺菌法はイオン交換膜電気透折法において限界電流密度(Ieim)以上の高電流密度電気透折時に起こる中性攪乱現象を逆に活用し,生成した酸であるH^+イオンと塩基であるOH^ーイオンの相乗作用により水中の大腸菌を殺菌せんとするものである。0.1MーNaCl水溶液に大腸菌を10^81cm^3の濃度で懸濁させた試料水について殺菌効果と中性攪乱現象の関係を検討した結果,Ieim(0.81Adm^2)の約1.6倍である1.35A/dm^2の条件では透折開始7分前後に採取した処理液から生菌率は0%であり完全に殺菌されていることが判明した。すなわち,この結果は中性攪乱現象が起きる高電流密度領域で透折した場合にのみ強力な殺菌効果が得られることを示している。
著者
清水 宏幸
出版者
山梨大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

中学校数学の教材の中に潜むかかわりを教材研究で顕在化し,それを授業の中で活動させながら生徒につかませることをねらう授業づくりを研究するものである。研究のねらいは次の2点である。(1) 生徒が自らかかわりを見いだすことができるような活動を授業で仕組むために,中学校3年間を見直し,教材研究を行い課題開発をする。(2) かかわりを見いだす活動を重視した授業を行い,生徒の反応,思考の様相をとらえカリキュラム作成に向けて実践を積み重ね,その成果を蓄積していく。平成19年11月10日の山梨大附属中の公開研究会では「一次関数の利用」の単元で「太陽光発電は損か得か」という授業研究を公開した。この授業では,10ケ月までの電気使用量から12ケ月の合計の電気使用量を予想するために,棒グラフを使い,本来直線となっていないグラフを直線と見るということを生徒に作業をさせながら見いださせた。その上で,太陽光の設備を自宅に設置したら,何年後に設備費が償還できるかを考えさせる授業である。また,平成20年2月28日には自主公開研究会を行い,「円周角の定理」の単元で授業を行った。この授業では,グラウンドに出て,40人の生徒みんなでメガホンでサッカーゴールをのぞいてどのような位置にみんなが立つのだろうかという授業を行い,円周角と弧の関係に着目しながら円周角の定理を見いだすという授業を行った。いずれの授業もビデオで授業と研究協議会を録画し,そのプロトコールをおこし分析することで,協議会で指導をしていただいたことと共に授業について検証した。そして授業中の生徒の作業の様子を観察し,授業後の学習感想を書かせ授業評価をおこなった。その結果,生徒たちが教材の中に潜む関係を見いだし,興味深く学んだ様子が,ビデオのプロトコールや学習感想から明らかとなった。
著者
神崎 美玲
出版者
山梨大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、悪性黒色腫治療モデルにおけるTGF-β阻害分子の抗腫瘍効果および、腫瘍ワクチン療法と併用した場合の抗腫瘍効果を検討し、最終的には悪性黒色腫の新しい治療法を確立することを目的とする。先に申請した研究計画に基づき、昨年度は以下の2点について研究を行った。1. Melanoma(B16)担癌マウスにおけるTGF-β阻害薬による抗腫瘍作用の検討担癌マウスの治療的モデルを用いて悪性黒色腫に対するTGF-β阻害薬の抗腫瘍効果を検討した。C57BL/6マウスの腹部にB16 melanomaを皮内接種して作成した担癌マウスモデルに、TGF-βRI kinase inhibitor(HTS 466284)を腹腔内投与し、腫瘍径を観察した。腫瘍長径(a)、短径(b)を測定し、腫瘍塊の大きさをtumor index(ab)で評価した。TGF-βRI kinase inhibitorを投与した群において、tumor indexはコントロール群のそれと有意差なく、TGF-βRI kinase inhibitor単独投与では抗腫瘍効果が期待できないことが示された。2. 腫瘍ワクチン療法と併用した場合の抗腫瘍作用の検討先述のTGF-β阻害薬を当教室で以前から行っている腫瘍ワクチン療法と併用し、腫瘍径やsurvivalの評価を行った。担癌マウスモデルにTGF-β阻害薬とR9-OVA融合タンパクを用いた腫瘍ワクチン療法を併用し、腫瘍径やsurvivalの評価を行った。TGF-β阻害薬併用しても、腫瘍径・survivalともにワクチン療法の効果を増強させることはなく、残念ながら抗腫瘍効果は認められなかった。今後は、TGF-β阻害薬を腫瘍塊に直接投与して抗腫瘍効果を検討するなどの工夫が必要と思われた。
著者
石井 信行
出版者
山梨大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

都市空間経路探索歩行時の注視特性に関する実験の学会報告1.実験概要本研究の第1段階において,経路探索歩行後の記憶(アウトプット)を対象とした方法論によって,ケータイナビを利用及び不利用での記憶の量や質に定性的な違いがあることを示されたが,情報量が極めて多い実際の都市空間に関する記憶をデータとしたため,被験者の回答能力の影響を受け,都市認知について明確な差異を示すことが困難であることが課題として示された。そこで平成17年度は第2段階として,歩行探索時の情報獲得に関わる注視特性を対象とし,探索者の属性による注視特性の差異を明らかにすることを目的とした実験を行った。先行研究と既存研究を基に,同じ揚所で繰り返し経路探索歩行をした揚合にケータイナビ利用者は繰り返し回数が増えても注視特性に変化はなく地図記憶探索者は変化するという仮説を立て,各属性6名ずつの被験者に視線追跡装置を装着した状態で,甲府市中心部において経路歩行探索実験を行った。ケータイナビとしてauのEZナビウォークを用いた。2.実験結果実験の結果,合計約30時間分の注視データを得て,注視点軌跡図と注視特性グラフを用いた分析により,実験回数が増加すると地図記憶探索者は見方に変化が現れるのに対して,ケータイナビ探索者は見方が同じになる傾向があることが示された。3.学会報告第34回土木学会土木計画学研究発表会(平成18年12月於香川県高松市)「歩行者・自転車」セッションで本研究をまとめた「歩行ナビゲーション利用者の経路探索歩行時注視特性」を発表した。
著者
鈴木 孝太 山縣 然太朗 田中 太一郎 安藤 大輔
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

近年、妊娠中の喫煙が、出生した子どもの肥満と関連していることが示唆され、さらに、この関連には性差があることも推測されていたが、実際に検討されたことはほとんどなかった。本研究では、日本の一地域において、約20年にわたって妊娠中から子どもの発育を追跡してきたデータを用いて解析を行った結果、妊娠中の喫煙が小学生の肥満と関連していることを明らかにした。さらに、これらの関連には性差が存在することを示した。
著者
松川 隆 奥山 克巳 佐藤 宏明
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

【平成17年度】健康成人男子(計16名)を対象Group 1:麻酔前保温なし(コントロール群)(n=8)手術室で用いられるブランケットをかけて30分間安静Group 2:麻酔前保温あり(保温群)(n=8)温風式加温装置で保温を開始(30分間)ミダゾラム:0.05mg/kg(筋注)プロトコール1.Group 1、2において30分間の前保温(ありなし)状態2.30分後にミダゾラム筋注(0.05mg/kg3.両群共にトランクスのみの状態で室温に保つ4.測定項目(開始時、前投薬投与時、その後5分毎40分後迄)中枢温=鼓膜温(右、左)末梢温:末梢温=皮膚温:胸部、上腕、前腕、示指、大腿、下腿、栂指血圧(SBP, DBP)、心拍数、SpO230分後:鎮静度、室温:22〜23℃<結果>麻酔前保温あり群でミダゾラム前投薬による体温低下が有意に減少した【平成18年度】年齢によって麻酔前投薬と麻酔前保温の効果がどのように異なるかを臨床的に検討。麻酔前投薬、麻酔前保温を行った場合に全身麻酔導入後の中枢温低下に年齢によってどのように差異が認められるかを検討。<対象>予定手術患者(全身麻酔)(ASA分類I〜II)計30名。Group 1:若年者(20〜55歳)(n=15)、Group 2:高齢者(60〜80歳)(n=15)<プロトコール>麻酔導入30分前に2グループ共にミダゾラム筋注(0.05mg/kgし、30分間の麻酔前保温(温風式加温装置)麻酔導入:プロポフォール(2mg/kg)、ベクロニウム(0.12mg/kg)維持:酸素-亜酸化窒素-セボフルラン(1.5-2.5%)(いわゆるGOS)測定項目(麻酔前投薬時、麻酔前保温開始直前から10分ごと手術終了時迄)中枢温:鼓膜温(右、左)末梢温:皮膚温(7ヶ所)胸部、上腕、前腕、示指、大腿、下腿、栂指血圧(SBP, DBP)、心拍数、SpO2、室温:22〜23℃。<結果>高齢者の方が若年者よりも麻酔導入時の"再分布性低体温"による体温低下が著しいことが示唆された。高齢者において積極的な麻酔前保温がより重要である。
著者
石田 哲朗
出版者
山梨大学
雑誌
特定研究
巻号頁・発行日
1985

1.InGaPおよびInGaAsP 状態図の計算と実験結果の比較750,700℃のIn GaP液相線を、全固相組成xの範囲で実験的に求めた。さらに、GaAs(111)B基板上に液相エピタキシアル(LPE)成長させたときの、液相組成と固相組成の関係を明らかにした。それによれば、750℃の溶液では、溶液中のP濃度が0.014〜0.018原子比でx=0.56〜0.50の結晶が成長し、700℃では、P濃度が0.008〜0.010原子比でx=0.53〜0.48の結晶が得られた。これらの結果は、成長層の歪エネルギーを考慮した状態図の計算とよく一致している。四元系のInGaAsPについては、GaAs(100)基板上に格子整合する状態図(800℃)を実験的に明らかにし、計算値と比較した。液相線については、計算値と比較的よく一致するが、固相線については、よくは一致しなかった。これは、相互作用パラメータ等の値がまだ十分明らかになっていないためである。2.In Ga AsPのLPE成長成長温度800℃で、GaAs(100)上に平衡P蒸気圧印加温度差法でLPE成長させた。成長層のホトルミネセンス(PL)ピークエネルギー(77K)が1.9eV以上または1.75eV以下の結晶では、表面は鏡面状である。PL半値幅および(400)X線回折スペクトルの半値半幅も、それぞれ20meV以下および0.05度以下と狭く、結晶性は良い。一方、1.85〜1.9eVのPLピークエネルギーをもつ結晶の表面は曇っており、基板のメルトバックも観察され、界面も平坦ではない。PL半値幅も40meVに急増し、X線回折半値半幅も約0.13度に増加する。さらに、成長層からのX線回折強度は極めて弱くなる。1.7〜1.85eVの結晶は、800℃では成長しなかった。これらの成長層の結晶性をInGaAsP状態図上で考察すると、バイノーダル曲線内の結晶は、非混和性のために得られにくいと結論される。
著者
佐藤 一郎
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

テクスト読解上困難の多いことで知られるスピノザの『神、人間とそのさいわいについての短論文』(以下『短論文』と略)について、原典写本のマイクロフィルムを入手し、写本を参照しながらのテクスト解読と諸版の校合という文献学的研究を行なった。従来から進めていた『短論文』の翻訳作業とも併行して、研究史の把握と諸解釈の批判的整理という基礎的研究にもとづいて、分析的読解を進めながら、『エチカ』、『知性改善論』との関係を探る哲学的研究を行なった。また、スピノザの初期哲学の形成過程という視野から、『短論文』の成立事情と時期、著述の原形態に関して歴史的な知識解明につとめた。その結果、おおよそ以下のような成果を得ることができた。1.『短論文』が当初どのような作品として受けとめられていたかという点から、完成形態である『エチカ』との関係も含めて、この作品にまつわる歴史的な特殊事情をある程度明らかにすることができた。2.現在スピノザ研究において、その初期哲学に特に注目されるようになっているが、そこには未完の『知性改善論』と『短論文』の先後関係という非常に大きな問題がある。しかしこの問題の歴史的な解明は哲学内容上の解明と切り離すことができない。そのことが、研究期間後半において主にたずさわった「真理」をめぐるスピノザの哲学の追跡を通して、具体的に明らかになった。特に、未完の『知性改善論』が、なぜ未完になったのかという点も含めて、スピノザの哲学形成を考える上で、重要な意義をもつという知見に至った。3.付随的には、研究期間に、補助金によりオランダとイタリアに出張して、思想史的研究と歴史的・文献学的研究において主導的な位置を占める学者から研究課題に関してレビューを受けることができたのも、研究の幅と視野を広げる意味で、大変有意義であった。
著者
北村 正敬 前田 秀一郎
出版者
山梨大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

センサー配列DRE(dioxin-responsive elemen;ダイオキシン応答配列)の下流にレポータータンパクSEAP(secreted alkaline phosphatas;分泌型アルカリフォスファターゼ)をコードする遺伝子を挿入した遺伝子構造を作製し、芳香族炭化氷素群に属する有害化学物質に反応するトランスジェニックセンサーマウスを作製した。樹立したDRE-based sensing via secreted alkaline phosohatase(DRESSA)マウスに5μg/kg体重の2,3,7,8-TCDDを強制経口投与したところ、血中のSEAP活性はべ一スの100倍以上に増加した。DRESSAマウスにおけるダイオキシンの検出限界は、2,3,7,8-TCDDを指標にした揚合、0.5μg/kg体重(強制経口投与)であった。また、雌雄差を比較検討したところ、雄のDRESSAマウスは雌のそれに比し高い反応性を示した。タバコ煙にはダイオキシンをはじめとするハロゲン化芳香族炭化水素や多環芳香族炭化水素など、ダイオキシン受容体を活性化する物質が数多く含まれる。われわれはまず遺伝子組換えセンサー細胞を用い、タバコ煙が極めて高レベルのダイオキシン受容体活性可能を有することを明らかにした。次に樹立したDRESSAマウスに能動喫煙の形でタバコ煙を曝露し、その後血中のSEAP活性を測定した。その結果、喫煙により有意かつ持続的な血中SEAP活性の上昇を認めた。同様の結果は、受動喫煙のモデルにおいても得られた。これらの検討結果は、樹立したセンサーマウスが環境モニタリングにおいて有用であること、すなわち有害化学物質を含む外気や室内空気に反応してSEAPを発現産生することを強く示唆するものであり、現在実験的喫煙環境および市中幹線道路近傍大気を用い、センサーマウスによる大気汚染検出の試みを継続中である。
著者
西久保 浩二
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

少子化が深刻化するわが国において、仕事と生活との調和を図ろうとするワーク・ライフ・バランスの必要性が社会的に注目されている。様々な制度、政策が求められているが、その有効性を検証するためのワーク・ライフ・バランスそのものの状態を測定する方法が確立されて来なかった。本研究によって開発、検証された従業員自身の主観的、自覚的評価に基づく測定尺度によって、労働時間等の客観的指標だけでは捉えられない、精神的、肉体的、経済的、時間的という総合的なアプローチによる状態測定が可能となった。
著者
成田 啓之
出版者
山梨大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

研究代表者は本研究課題を通して以下の成果を得た。(1)ブタ脈絡叢上皮細胞(CPEC)の一次繊毛プロテオームを解析した。(2)新生児マウスCPECの繊毛の観察によって、この繊毛が出生前後の一時期に運動することを見いだした。(3)運動している時期のCPECには9+0型の一次繊毛に加えて9+0型の繊毛や非典型的な繊毛が混在していることを見いだした。(4) DNAマイクロアレイなどを用いて細胞あたりの繊毛数を規定していると予想される遺伝子群を同定した。
著者
並木 信明
出版者
山梨大学
雑誌
山梨大学総合情報処理センター研究報告 (ISSN:13439588)
巻号頁・発行日
vol.1, 1997

デジカメを使いながら、それがフィルム装填タイプの従来型カメラでは思いもよらないことをいろいろ考えさせられた。そもそも自分は自分の本当の顔さえ知らないことに気づいた。またデジカメで写真を撮るとなぜかものを所有したような満ち足りた気になる。それが複製時代やサイバースペースに関係することも次第に明らかになった。
著者
高村 聡 松本 和教 関口 芳廣
出版者
山梨大学
雑誌
山梨大學工學部研究報告 (ISSN:05131871)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.44-50, 1991-12

We are developing a wild birds twitter-identification system which can work in noisy enviroments. In the natural world, there are several types of noises, for example, the sound of stream, the sound of leaves swayed by the wind and twitters of other birds. Then we can't use specific features of the twitters of birds to identify them. In this system, the number of zerocrossing and the mean value of overall spectrum of twitters of birds are used to determine the kind of birds. This system can successfully identify 34 twitters out of 35 twitters which are twittered by 7 kinds of birds and recorded in natural world.