著者
岸 辰哉 松村 豊大
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
no.84, pp.53-63, 2012-09

This paper focuses on the "Trachemya scripa" (Jpn: Akamini-game), a kind of tortoise that is an introduced species widely known as one whose existence is being threatened. It's future was discussed as the 10thConference of Parties on Biological Diversity (COP10) held in Nagoya in 2010. Here we suggest three ideas regarding this species and its relation with humans and nature: 1. How to improve old environmental measures, 2. How to ensure the best environmental protection in the future, and 3. How to raise the consciousness about it in society so that people do not disturb its existence. To do this, we first define the terminology used to understand this topic. Then we explain the importance of biodiversity, the relation between biodiversity and introduced species using Akamini-game as an example. As well we discuss how to understand various environmental problems by examining the measures set against such introduced species. Added to this, we describe COP10 and evaluate the results of the discussions and meetings held there. As a conclusion we offer predictions how our future society will change according to the results and we made four fictitious examples against the introduced species problems using a PDCA cycle analysis. Lastly we present the best solution for humans, nature and an introduced species to coexist harmoniously.
著者
高畑 常信
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.82, pp.(29)-(75), 2011-09

In 1939, Lin Yutang's Moment in Peking, (Jone Day Co., New York) was published in English, and some years later was translated into Japanese by Ryoichi Sato. This book describes politics and war, as well as the life and thoughts of the old society's upper class citizens during the early 1900s. However, Yutang falsely predicts the historical changes that would occur related to Chinese Communism, Jiang Jieshi, America and Japan. As well, because he did fully understand the reality of the present situation, his book did not become well-liked in the field of literature. It only became a book that provided a political propaganda for criticizing Japan. But his book is very meaningful and worthwhile because of its description of the old society and culture of China during the last days of the falling Qing dynasty, which had been based on feudalism. The "beautiful old society", which he describes, has been completely destroyed by the emergence of the Chinese Communist Party thus Moments in Pekingis an significant work to explain of the life of the old society.
著者
勝沼 信彦 犬伏 知子 高橋 昌江 小川 直子
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
no.75, pp.189-194, 2008-03

[1]骨マトリックスを形成しているのは主にタイプI型コラーゲンであり,タイプI型コラーゲンを良く分解できるのは生体組織内では主にCollagenolitic Cathepsinsと言われているCathepsin LとKである。[2]Cathepsins Lの特異的阻害剤CLIK-148等はin vitroのOsteoclastic骨Pit形成を強力に抑制する。in vivoでのPTHによる骨分解促進も強力に抑制できる。[3]牛乳中には多種にして大量のCollagenolitic cathepsinの阻害剤を含有している。そのうち,Lactoferrinの含有量は一番高く,これは構造上Cytatin family (Cysteine protease inhibitor = Cystatin)である。β-Caseinは次に含有量が高いCathepsin阻害剤である。[4]初乳Colosteriumでは成乳の3倍のLactoferrinを含有しており,β-Caseinは成乳に多いが初乳には極めて少ない。[5]成乳によるCathepsin LとKの阻害は70〜80倍希釈乳で50%であるが,初乳では50%抑制に200倍希釈で充分である。この差は,Lactoferrinの含有量の差に起因するものと考えられる。[6]Osteoclastic骨Pit形成は,成乳では25倍希釈乳で50%抑制であるが,初乳では約250倍希釈で50%阻害が見られる。25倍希釈乳では完全阻害である。新生児への人工乳栄養ではこの差は大切な考慮すべき問題点である。
著者
水ノ上 智邦
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.51-59, 2009-03

Although a large number of studies have been made on the decision of household sizeand child education, there is little agreement about whether or not an increase in incomeincreases the birth rate. Especially, the empirical analyses of the effect of income on birthin Japan have showed various conclusions. This paper may help to interpret why a consistentresult has not been derived.I add one assumption to Becker's "quality-quantity model" which states that some parentscan give education to their child sufficiently to the upper limit. This is realistic in presentJapan and leads to the conclusion that an increase in income leads to an the increaseof children in a rich household.This theoretical conclusion was tested by empirical analysis using household data ofJapan in 2002. This empirical result shows two conclusions. (1) More income encouragesmost households to support more children. (2) A household decides the quality and quantityof children simultaneously.According to Becker's model, a child benefit not only does not increase birth rate, butmay decrease it. But, it makes clear that a child benefit is effective as a policy against thefalling of birth rate from the results above.
著者
山下 司 石堂 一巳 柳澤 幸夫
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.1-12, 2022-03-31 (Released:2022-10-21)
参考文献数
71

本研究は,表面筋電図(EMG)を用い,分枝アミノ酸(BCAA)摂取の有無が持続的運動負荷中の筋疲労に及ぼす影響を検証した。健常成人10名に対し,BCAA摂取時と非摂取時の2回,50%MVC等尺性膝伸展運動を120秒間行ったときの,測定開始時から95秒後までにおける大腿直筋(RF)・外側広筋(VL)・内側広筋(VM)の積分筋電図(iEMG),平均周波数(MPF)をそれぞれ解析・算出した。結果,iEMGでは,2群間の運動負荷中の各筋活動は有意差を認めなかった。測定開始時〜5秒のMPFでは,RF,VLと比較しVMは有意に低値であり,BCAA摂取の有無による比較では,RFは測定開始時〜5秒,VLは測定開始時から65秒後までで有意差を認めた。VMはすべてにおいて有意差を認めなかった。本結果より,TypeⅡ線維割合が多い筋の場合,BCAAの摂取は測定開始時の筋疲労抑制効果があることが明らかになった。
著者
伊藤 康一 石原 康宏
出版者
徳島文理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

症候性てんかんの治療戦略上、脳浮腫発症制御は重要であるため、五苓散による予防的治療の可能性を検討した。重積発作(SE)側頭葉てんかんモデルマウスの海馬、扁桃体で、SE後初期の一過性BBB透過性亢進が血管原性脳浮腫を誘導したことを明らかにした。これらの指標に対して、五苓散はSE後、1日3回(300 mg/kg)経口投与に2日後に有意な抑制効果が認められた。さらにSE2日後、有意に増加したアクアポリン4、炎症性サイトカイン発現量は、五苓散投与で有意に抑制された。また、SRS出現はSE10日後でも観察されなかった。本研究において、五苓散のSE後脳浮腫に対する臨床適用の可能性を示した。
著者
小畑 千晴 中島 富美子 青木 宏
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.27-34, 2020-03-10 (Released:2021-07-16)
参考文献数
4

本研究は,若者のストーカー被害の実態調査を行ったその報告である。警察庁によれば,ストーカー被害相談が増加している。特に被害者の4割が20代であるが,以前より暗数が多いことが指摘されていた。そこで,大学と警察が協力し,県内の大学生を対象にストーカー被害の実態調査を行った。その結果,7人に1人が被害にあっていることが判明した。
著者
上田 穂積
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.B1-B11, 2018-03-09 (Released:2019-02-20)
参考文献数
4

本稿は、一九六〇年代後半に新進気鋭の評論家として出発した柄谷行人のテクスト「マルクスその可能性の中心」を手引きにして村上春樹の「風の歌を聴け」を読むことによって、ふたりの関係性および同時代の言説の問題を論究した。
著者
秦 裕也 藤崎 ちえ子
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.93-100, 2018-09-09 (Released:2019-02-20)
参考文献数
4

本稿は,通級に通う不登校ぎみの小学校1 年男児のプレイセラピーの事例を通して,セラピールームでの児童の行動化への対応と課題を検討したものである。児童は発達の緩やかさから学校での劣等感を抱え,それがセラピーでの攻撃行動に表現されていたと思われる。また,セラピー経過の途中より,母親の恋人との問題が浮上し,児童の攻撃行動が学校での人間関係だけでなく,家庭の問題とも関係している可能性が考えられた。しかし,セラピストは「受容的な関わり」に捉われたあまり,攻撃行動に対して明確な枠組みで制限を加えることができなかった。そのため,なかなか攻撃行動は収まらなかったと思われる。事例を通して,限界を超えた行動に対しての明確な枠を設けることの重要性を検討した。
著者
鍛冶 博之
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.33-42, 2021-09-30 (Released:2021-10-21)
参考文献数
28

鍛冶〔2018〕では,大正期末期から昭和戦前期に出現した娯楽(レジャー)のひとつであるパチンコに注目し,パチンコが日本社会に誕生した経緯と,戦前期におけるパチンコブームの到来と停滞の動向を明らかにした。本稿はその続編であり,戦前戦中期にパチンコが普及した背景とその影響(もしくはパチンコ出現の意義)を考察することを目的とする。鍛冶〔2018〕および本稿での諸考察を通して,戦後におけるパチンコの巨大産業化と大衆レジャー化の礎が,既にそれ以前の日本社会において醸成されていたことを明確にできると思われる。
著者
鍛冶 博之
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.185-196, 2018-09-09 (Released:2019-02-20)

本稿の目的は,筆者がこれまでの研究活動で取り組んできたテーマである「パチンコホール企業改革に関する史的研究」の成果を整理しつつ,パチンコ産業研究の現状と課題を明らかにし,今後の研究活動の方向性を示すことである。本稿は,筆者自身のパチンコ産業史研究の中間報告としてのみならず,学術分野におけるパチンコ産業研究の深化の必要性を強調する役割も担う。第1 章ではパチンコホール経営の現状について数値を活用しながら概観する。第 2 章から第5 章では筆者の研究活動の成果と位置づけを試みる。第6 章では本稿での考察を踏まえて,今後の研究活動の課題と展望に言及する。
著者
吉川 友規
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.89-97, 2019-09-30 (Released:2021-01-09)
参考文献数
1

本論文は,被告人がスマートフォンのOSを改変し,ネットオークションを通じて販売したという事案に関して,商標権侵害罪(商標法78条)の成立が肯定されるかが争われた千葉地判平成29年5月18日判例時報2365号118頁を契機とした事例研究である。 本論文では,まず,Ⅱにおいて民事の商標権侵害概念について確認した上で,次に,Ⅲ.1.において民事の判例が言及し,本判決も用いている「実質的違法性」(の欠如)の概念を刑事の犯罪論ではどのように扱うべきかを述べた。そして,Ⅲ.2.において商標権侵害罪の構成要件をどのように解釈するべきかについて,商標権侵害罪の罪質を危険犯として理解するべきか,侵害犯として理解するべきかという点(Ⅲ.2.⑴)と,商標権侵害罪の実行行為をどのように理解し,スマートフォンのOSを改変して販売する本件のような事例においては,その実行行為をどのような基準によって認定するべきであるかという点(Ⅲ.2.⑵,⑶)からそれぞれ検討を行い,最終的に,本件事例における商標権侵害罪の成否について明らかにした。最後に,Ⅳにおいて,本判決の妥当性・意義について言及した。
著者
川東 美菜 藍場 元弘 戎谷 友希 河野 友晴 柳澤 幸夫 橋田 誠一
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.23-33, 2018-09-09 (Released:2019-02-20)
参考文献数
31
被引用文献数
1

【背景】食後高血糖改善を目的に,食後の運動が推奨されている。しかし,高齢や運動機能に問題があり積極的に運動を行えない人が多く存在する。そこで我々は,電気刺激療法による筋肉運動に着目し,食後の血糖値およびインス リン分泌の抑制効果について検討を行った。【方法】対象者は健常な女子学生9 名(年齢:20.8±1.3 歳,BMI:22.5 ± 3.2 kg / m 2)。それぞれ,安静,20 分間電気刺激(EMS)および20 分間トレッドミルによる歩行運動(TM)を行い,75 g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)後の血糖値とインスリン分泌を検討した。【結果】血糖値は,安静時と比較し,EMSおよびTMで同程度の低下傾向がみられた。インスリン分泌量も同様に,EMSはTMと同程度またはそれ以上の低下傾向を示した。【結論】EMSはTMと同じような食後血糖値およびインスリン分泌の抑制効果が確認できた。 EMSはTMよりも簡便かつ低い運動強度で実施できるため,十分な運動が行えない対象者への適用が期待される。
著者
太田 紘也 喜多 紗斗美
出版者
徳島文理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

マクロファージは一般的には炎症を誘導性と見做されるが、近年では抗炎症作用を示すマクロファージの存在が明らかになり、M2マクロファージと総称される。M2マクロファージは、がんやメタボリック症候群などの様々な病気の発症に関わることが明らかになり、マクロファージの分極化(M1/M2)を制御機構に関する研究が注目されている。本研究では、ミトコンドリアNa+/Ca2+交換輸送体(NCLX)がM2マクロファージで高発現することを踏まえ、ミトコンドリアのCa2+輸送体によるミトコンドリアのCa2+動態制御と、マクロファージの分極化および機能発現の関連性の解明を目指す。
著者
山田 健代 森脇 智秋
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.35-41, 2021-03-31 (Released:2021-07-19)
参考文献数
30

本研究では妊娠期の「疲労感」に着目した。妊婦の疲労感は妊娠中のマイナートラブルの一つとして見過ごされ,医学的には問題がないとされることが多い。健康でより快適な妊娠期を過ごすため,「疲労感」に着目しその実態を把握するために文献検討を行った。医学中央雑誌Web版を用い,妊婦の疲労感に関する21文献を分析した。妊婦の90%以上が全妊娠期間を通して疲労感を感じていた。妊婦の疲労感の原因は妊娠に起因するものと考えられることが多く,ほとんどの妊婦が疲労感を感じながら妊娠期を過ごしていた。妊婦の疲労感に関連する身体的,社会環境要因については多くの研究がなされていた。今後の課題として,妊婦の疲労感と心理的要因との関連を明らかにしていくことの必要性が示唆された。
著者
土中 幸宏
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.67-76, 2021-09-30 (Released:2021-10-21)
参考文献数
16

人々が美術館,博物館に集うのはなぜか。美術品を鑑賞することの魅力は何なのか。徳島県は大塚国際美術館という日本最大の常設展示スペースを有する陶版名画美術館を有しており,西洋美術史の代表名画の数多くを原寸大の陶板で展示し,毎年,多くの鑑賞者が県内外から訪れている。そうした作品の持つパワーとは何か。絵画を見ることで生じる心理的効果とはどのようなものか。太古から音楽,絵画,舞踏等人々が織り成す芸術・芸能は,鑑賞して楽しむだけではなく,精神の解放あるいは魂の救済に機能してきた側面がある。現代においても,心理療法の枠組みで芸術療法は重要な位置を占めていると言える。本研究では,芸術と心理療法との関わりを歴史に沿って概観した上で,絵画鑑賞が人の思考に及ぼす影響を検証するための調査を実施した。その結果,絵画を媒介にすることで思考内容のイメージが広がり,過去のエピソード記憶の想起が円滑になることが示唆された。
著者
佐藤 理沙 松村 豊大
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.97-106, 2017

<p>人口減少を食い止めるために徳島県が策定した「vs東京『とくしま回帰』総合戦略」政策を参照し<b>,</b>人口減少問題は私たち世代の若い世代が解決すべき問題であるという視点を持った。徳島県は全国に先駆け<b>,</b>「人口減少・超高齢社会」の到来が現実のものになると予想されている。人口が減少すると労働力人口が減少し<b>,</b>経済成長・経済活力が減退したり<b>,</b>次世代を担う世代の減少により<b>,</b>伝統行事や文化の継承が次第に困難になることなど<b>,</b>様々な問題を引き起こす。今まで人口減少問題とはどこか他人事のように思っていたが<b>,</b>身近な問題に感じ<b>,</b>若い世代が結婚・子育てをするためにはどのような政策を求めているのか<b>,</b>また<b>,</b>何が必要なのかを「若者目線」から分析した。特に<b>,</b>県の政策の実現性を考察し<b>,</b>出産することができる若い世代の女性の意見を重要視し<b>,</b>政策に反映させることが重要であると主張する。</p>
著者
藤崎 ちえ子
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.1-8, 2018

<p>本研究の目的は<b>,</b>小学校の校長・教頭(副校長)と一般教師のバーンアウト傾向とエゴグラム自我状態による性格 傾向との関係を調査することで<b>,</b>バーンアウト対策に活かすことである。エゴグラムの結果<b>,</b>FC値は校長<b>,</b>一般教師の順に低く<b>,</b>AC値は教頭<b>,</b>一般教師の順に高かった。バーンアウト因子は「情緒的消耗感」と「達成感の後退」の全体において校長・教頭が一般教師より高かった。さらに校長ではCP<b>,</b>NPはバーンアウトの値との負の相関<b>,</b>校長と教頭ではACは正の相関がみられ<b>,</b>性格傾向とバーンアウトの相関関係は職位によって異なることがわかった。し たがって<b>,</b>性格傾向によるバーンアウト対策は<b>,</b>職位を考慮して立てて行く必要があると思われる。</p>
著者
小板 清文
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.21-33, 2019

<p>本稿は,公的な犯罪統計を用いながら,非行少年のうち,受刑者にまで至っている者の比率を調べることで,少年非行と成人犯罪との連続性について調べた。また,年齢犯罪曲線(age-crime curve)に関する国内外の研究をまとめた上で,最新の犯罪発達理論(developmental and life-course criminology),生物社会学的犯罪学(biosocial criminology)の研究動向,脳科学の知見についても把握した。年齢犯罪曲線に関する研究は,ヒトの発達や社会的な成熟とも深く関連している興味深い研究分野であり,社会的な逸脱行動の理解やそれへの対応を考える上で,総合的・学際的な分析・検討の視点を必要とする,重要な研究分野と考えられる。</p>
著者
黒澤 良輔
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.113-122, 2017-09-09 (Released:2018-04-18)
参考文献数
15

アメリカ精神医学会による「精神疾患の分類と診断の手引き(DSM-5)」によっていくつかの診断基準が変更され,「広汎性発達障害」は「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害」となった。 本研究は,大学生における自閉症スペクトラム(Autism Spectrum:以下ASという),大学生活における支援ニーズ及びエンプロイアビリティ(雇用されうる能力)の関係について分析しようとするものである。 約200名の大学生に対して,AS質問紙,支援ニーズ質問紙,エンプロイアビリティ質問紙を実施し,得られたデータを因子分析及びクラスタ分析によって分析した。 その結果,(1)AS特性の高い者は,大学生活において困難を感じやすい,(2)AS特性の高い者は,エンプロイアビリティが低い,(3)AS尺度得点,及びエンプロイアビリティ尺度得点の組み合わせによって学生を5グループに分けることができ,AS特性が高くエンプロイアビリティが低い者は全体の約8%であることが認められた。