著者
年吉 洋 曹 崀 合原 一幸
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.139-140, 2020

<p>2020 年1 月から3 月の約50 日間にわたって中国の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の累積感染者数と累積死亡者の推移を追跡したところ,従来の報告には見られない特徴として,暫定死亡率(最終的な死亡率ではなく,その日までの累積死亡者数と累積感染者数の比)の推移データには極小点が見られ,かつ,そのタイミングは死亡者がピークとなる時期よりも8 日ほど早いことが分かった.また,統計データを近似したシグモイド曲線からも同様に,死亡率曲線に極小値が現れる条件が見出された.</p>
著者
中沢 護人
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.9, pp.243-248, 1964-09-01

平炉法の発明の100年にあたり,この方法の本質的契機である蓄熱方式と,高温製鋼反応の両側面について,同法が多くの科学的技術的成果を総合しながら形成されていった事情を明らかにする.
著者
金 池潤 金 栽滸 永島 佑樹 加藤 孝明
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.251-256, 2018

<p>2017 年11 月15 日発生した浦項地震(M5.4)は,韓国内で初めて地震避難所を運営した地震である.本研究では,韓国の防災対策の今後の方向性を示すために,浦項地震での避難所運営の実態に重点を置いて調査を実施した.</p><p>調査の結果,避難所として教会などの民間施設に最大約40% の避難者を受容しており,建築士会等の民間市民団体が緊急安全点検を実施し,企業からの物資支援が行われるなど,浦項地震では官民協力による対応が多く見られた.2016 年の慶州地震と比較して政府の災害対応は改善されたが,地震避難所運営マニュアルが存在しない点などの課題も抱えている.</p>
著者
中丸 智貴 合原 一幸 奥 牧人
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.261-264, 2016-05-01 (Released:2016-05-30)
参考文献数
10

近年ディープニューラルネットワークが多くの成果とともに再注目され, ディープラーニングに関する研究が改めて活発になっている. 特に多層ニューラルネットワークでは 学習に誤差逆伝播法が用いられるが, この手法は初期パラメータに非常に影響を受けやすいことも知られている. 本研究ではまずReLU (Rectified Linear Unit) を用いた 多層ニューラルネットワークにおいてXavier Initialization の改善を行った. さらに高次元数のニューラルネットワークについてもXavier Initialization の修正を行った.
著者
沼田 宗純 佐藤 唯行 目黒 公郎
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.897-905, 2012-11-01 (Released:2013-04-17)
参考文献数
1

本研究の目的は,大学と産業界の知恵と資源を有効活用し,わが国を襲う様々な災害から市民の生命と財産を守り,発生する被害の最小化に貢献する新しい魅力ある防災ビジネスの創造と育成である.著者らは,この目的の下,(財)生産技術研究奨励会の特別研究会として,「防災ビジネスの創造と育成のための研究委員会」を設立し,大学研究者と防災ビジネスに興味を持つ企業が相互に防災技術に関する情報を交換し合うとともに,新しい防災ビジネスを展開する上での技術的・制度的課題の抽出と分析を行った.そしてその結果に基づいて解決策を検討・提案し,さらにその解決策を産学協働の新しい防災ビジネスモデルにつなげ,育成するための戦略についても検討した. 本稿では,これらの成果の中から,マーケット全体を俯瞰し,企業の商品戦略や成長戦略を立案できる環境を構築するために,WBSによる「災害俯瞰モデル」を用いた災害情報のプロファイリング結果を紹介する.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
牧野 貴樹
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.305-308, 2014-05-01 (Released:2014-07-31)
参考文献数
20

機械学習技術の中でも、強化学習は、試行錯誤を通して最適化する研究領域として知られているが、ロボットのような自律システムのための手法であると狭く捉えられることが少なくなかった。しかし、近年、データの集め方を含めた未知の環境に対する最適化の技術として、多くの興味深い分野で応用され始めている。本解説では、強化学習の研究がどのような問題に応用できるかを概観するために、システムへの働きかけ・ヒトへの働きかけ・探索問題の効率化・分散最適化・ヒトのモデル化に関する応用例について紹介する。
著者
野崎 弘
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.194-201, 1972-05-01

100気圧程度の流体(液体またはガス体)を含む容器や管の接合部からの漏れ止めに固形ガスケットにかわって液状ガスケットが使われる.この程度の内圧になると固形ガスケットでは必ずもれるという宿命を克服し,一般車輌の油送管から航空機,ロケットに至るまでそのもれどめの役をつとめる.その液状ガスケットの耐圧機構は何か.それをほり下げることによって液状ガスケットの構造と特性はいかにあるべきかを解説した.
著者
中村 円生 吉山 巖
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.10, pp.383-385, 1961-10-01
著者
富永 五郎 岡田 繁
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.10, pp.375-377, 1956-10-01
著者
戸田 康明
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.82-86, 1957-03-01
著者
須田 義大 大口 敬 中野 公彦 大石 岳史 小野 晋太郎 吉田 秀範 杉町 敏之
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.95-98, 2016

新たなモビリティ社会の実現のためには,車両制御以外の様々な課題に対する取り組みが必要である.まず,全ての自動化のレベルでHMI が重要課題となる.次に,自動運転により人間にはできない高度な運転が実現できる一方で,一般交通への受容性評価もまた重要課題である.さらに,自動運転の実用化に向けては,自動運転に関する総合的なエコシステムを整え,社会制度との適合性を含む社会受容性を確保する必要がある.本稿では,このような自動運転により新たなモビリティ社会を築くための様々な重要課題と展望について述べる.
著者
棚沢 一郎 宮沢 忠男
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.136-137, 1968-03-01

p.137からp.130へ続く
著者
棚沢 一郎
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.9, pp.332-339, 1974-09-01

滴状凝縮過程に関する最初の研究論文が発表されてから四十数年が経過した.以来,この伝熱過程で実現されるきわめて高い熱伝達率がどのようなメ力ニズムに起因するものなのか,そしてそれを実用機器に応用するにはどうしたらよいのか,これらの問題の解決を目指した研究が各国で続けられている.しかし,発表される論文の数の増加と解決への歩みの早さとは必ずしも一致していない.一体,何が不足しているのであろうか.本稿は,滴状凝縮のメカニズムに関する研究でどのような点が未知のまま残されているのかについて,筆者の考えをまとめたものである.