著者
沼田 宗純 井上 雅志 目黒 公郎
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.257-265, 2018-07-01 (Released:2018-08-01)
参考文献数
3

2016 年4 月14 日21 時26 分に熊本県と大分県で発生した地震では,初動対応における物資輸送に関しプッシュ型の物資輸送が行われた.本研究では,プッシュ型物資輸送のオペレーションの課題を整理し,円滑なプッシュ型物資輸送を実現するための要件定義を行った.大規模災害時に単に物資を被災地に送れば良い訳ではなく,要件が成立して初めてプッシュ型の物資輸送も機能する.首都直下地震や南海トラフなどの大規模災害に対してもプッシュ型の支援は必要となるが,円滑に実施するためにも本論で定義した要件の確認は必須である.
著者
小根山 裕之 新倉 聡 柳原 正実 大口 敬
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.269-274, 2020-05-01 (Released:2020-06-13)
参考文献数
8
被引用文献数
2

信号灯器位置の違いによる運転挙動の違いを実車実験により実証することを目的に,東京大学柏キャンパスの生産技術研究所(当時,千葉実験所)の試験走路を用いて,far とnear の信号灯器位置の違いによる運転者の挙動の違いを実証分析する.青信号表示終了時の切替り時の通過・停止の判断は,far に比べてnear では停止線から離れていても通過を判断し,最終通過時刻が遅くなること,青信号表示開始時の発進挙動に交差側信号表示の視認性による違いが見られること,および,青信号表示終了時に対応直進車両の停止を確認後の右折挙動では,near の右折開始がfar より1 秒ほど遅いことが確認された.
著者
桑野 玲子
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.575-578, 2010-11-01 (Released:2011-05-12)
参考文献数
2

2009年6月17日,東京大学生産技術研究所コンベンションホールにて,英国インペリアルカレッジ名誉教授のJohn.B.Burland氏による講演会“Rescuing the Leaning Tower of Pisa -the inside story”が開催された.イタリアのピサの斜塔は,12世紀の建設初期段階から傾き始めていたが,1990年には倒壊が危惧されついに観光客に対して閉鎖される事態に至った.Burland教授は,斜塔の安定に関して召集された国際検討委員会に委員として参加され,基礎の安定の見地から,観光客に気づかれない範囲で傾きを戻して恒久的安定を確保するという困難な課題に取り組まれた.建設当初から断続的に南側に傾き続けてきたピサの斜塔は,その800年におよぶ歴史の中でおそらく初めて北側に少し回復し,倒壊という破滅的状況を間一髪で免れ,検討委員会他多くの人々の10年に及ぶ斜塔との格闘がようやく終結した.講演会では,その一連の取組みについて,ご紹介いただいた.本報告は,その講演内容の概要を記すものである.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
越 正毅 赤羽 弘和 桑原 雅夫
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.p753-760, 1989-10
被引用文献数
2

東京都心部および東京周辺の行楽地における実地調査により交通渋滞の現状を定量的に把握し、それに基づいて渋滞対策を検討した。その結果、路上駐車の排除、交通信号機の調整、交差点の改良、そして適切な迂回路の設置・誘導などの対策により、現有の道路施設の交通処理能力をフルに活かせば、短期間に渋滞を大幅に緩和、あるいは解消することが十分に可能であることが明らかとなった。
著者
古関 潤一 ファウジ ウサマジュニアンシャー 佐藤 剛司 宮下 千花
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.565-568, 2014-11-01 (Released:2015-01-15)
参考文献数
2

浚渫土を用いて埋立てた砂質地盤が分級堆積構造を有している点に着目し,実際に液状化した埋立て砂質土を用いた2 種類の再構成供試体の非排水繰返し中空ねじり試験を実施した.浚渫埋め立て地盤を模擬する水中落下法で作成した不均質な供試体は,湿潤突き固め法でほぼ同一の平均相対密度となるように作成した比較的均質な供試体よりも液状化強度が高かった.不均質な供試体の試験では,堆積中の分級作用で生じた上部シルト薄層における局所的な変形量が,その下の砂層部分の変形量よりも大きかった.
著者
福元 和真 川崎 洋 小野 晋太郎 子安 大士 池内 克史
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.105-111, 2015-03-01 (Released:2015-03-30)
参考文献数
10

近年,ドライブレコーダーなどの車載カメラの増加とWeb による画像や動画の共有サービスの一般化により,世界中の都市の風景画像や映像をインターネットから取得することが出来るようになってきた.これらの情報は,都市の三次元モデル生成への応用や,地図の頻繁な更新,あるいは景観シミュレーションへの応用が期待出来るが,そのためには撮影された位置の情報が必要となる.しかし,必ずしもこのような情報が付加されているとは限らない.そこで,このようなシーンの情報から撮影位置を同定する研究が盛んに行われているが,複数の都市の画像や映像の同定に成功した事例はほとんど知られていない.そこで,本論文では世界中の画像を対象として,大域的な位置推定を行うことを目標とし,その国ごとの識別をすることを目標にする.提案手法では,ストリートビュー画像から各都市の情報をランダムフォレストを用いて学習させ,撮影位置の不明な画像の撮影場所の推定を行う.実験では15 都市の画像を用いて検証を行った.
著者
安藝 雅彦 中野 公彦 須田 義大 岸波 友紀 高須賀 直一 磯貝 俊樹 川合 健夫 小野口 一則 青木 啓二
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.105-107, 2013-03-01 (Released:2013-06-19)
参考文献数
4

本稿は専用道における大型車両自動運転のためのセンサシステムのフィージビリティスタディ環境構築の報告である.エネルギーITS 推進事業「自動運転・隊列走行に向けた研究開発」において,これまで開発した技術実証の場として,専用道を走行するダブルストレーラを対象に自動運転のためのセンシングシステム検証のために長期計測環境を構築したので報告する.
著者
井料 美帆
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.345-349, 2014-07-01 (Released:2014-09-27)
参考文献数
9
被引用文献数
1

現在の日本の歩行者青点滅表示は,横断歩道上の歩行者が横断歩道を渡りきるのに必要な時間を確保していない.にも関わらず,多くの歩行者が青点滅開始後に横断歩道に駆け込み,青点滅終了時までに渡り切れないという安全上の問題がある.本稿では,日米の歩行者現示設定方式の比較を通じ,日本の歩行者赤・車両青時間の存在が,左折需要の小さい横断歩道における青点滅開始後の歩行者の横断を助長している可能性を示した.また,米国の歩行者現示設定方式を適用することで,青点滅後の残留歩行者を減らしつつ,サイクル長を減少させられる例を示した.
著者
山口 莞爾 福元 和真 松下 侑輝 川崎 洋 小野 晋太郎 池内 克史
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.115-121, 2016-03-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
10

近年,ドライブレコーダーなどの車載カメラの増加とWeb による画像や動画の共有サービスの一般化により,世界中の都市の風景画像や映像をインターネットから取得することが出来るようになってきた.これらの情報は,都市の三次元モデル生成への応用や,地図の頻繁な更新,あるいは景観シミュレーションなど,幅広い応用が期待されるが,そのためには撮影された位置の情報が必要となる.しかし,GPS などの位置情報が,必ずしも画像や映像に付加されているとは限らない.そこで,このようなシーン情報から撮影位置を同定する研究が盛んに行われているが,ほとんどの研究は,ある程度の位置が分かっていることを前提に,詳細な位置合わせをするものであった.一方で,世界中の都市を対象として,大域的な位置推定を目指した研究例はほとんど無い.そこで,本論文では世界中の映像を対象として,大域的な位置推定を行うことを目標とする.大域的な位置推定ができれば,既存の詳細位置合わせ手法を適用できると考えられる.提案手法では,Google Street View の画像を学習データとして深層学習(Deep Learning) による認識を行うものとし,認識に際して,カメラごとの特性の違いや,視点の位置姿勢が異なることよる見えの変化に対応するものとした.都市の数が増えると難易度が上がると考えられることから,今回は,主要都市のみを対象として,どの程度の認識が可能か検証を行った.実験の結果,提案手法により,従来よりも高い認識率を実現できることが分かった.
著者
沼田 宗純 原 綾香 目黒 公郎
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.359-363, 2013-07-01 (Released:2013-12-24)
参考文献数
4

東日本大震災のような広域的な災害ほど,被害の全容を掴むことは容易ではないため,テレビ報道で取り上げられた市町村には積極的な支援が届き,逆に,報道されない市町村に対しては支援が不十分となる等,テレビ報道の有無が災害対応に影響を及ぼすことがある.そこで本研究では,報道された市町村と支援の関係を明らかにするために,報道と義援金の関係,報道とボランティアの関係を分析した.その結果,被害量とボランティア数や義援金総額は必ずしも比例関係にあるわけではなく,被害が大きいにも関わらず,ボランティア数や義援金総額が少数・小額の市町村が多く存在することがわかった.また同規模の被害量であっても,市町村によってボランティア数や義援金総額は大きな偏りが生じている.これは,特定の市町村に報道が集中していることが原因と考えられる.
著者
佐瀬 巧 北城 圭一 合原 一幸 平田 祥人
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.299-303, 2014-05-01 (Released:2014-07-31)
参考文献数
24

脳波力学系のダイナミカルノイズは,神経ネットワークの動的な振る舞いを理解する上で重要な情報である.本研究では,脳波力学系のダイナミカルノイズレベルの時間的変化を解析した.視覚野上の電極から得られた脳波データをダイナミカルノイズの時間的レベル変化に変換し,さらに,そのレベル変化をHurst指数により定量化した.結果として,開眼時にはHurst指数は徐々に低下し,閉眼時にはほぼ一定値を示した.つまり,開眼時における神経ネットワークの時間変化は過渡的な状態にあり,一方,閉眼時の神経ネットワークの時間変化は定常状態にあると考えられる.
著者
木内 学
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.61-69, 1984-02-01

特集 生産・加工システムの最適化
著者
秋葉 鐐二郎 中村 巖
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.77-81, 1957-03-01
著者
藤井 澄二 井口 雅一
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.132-138, 1961-05-01

運転者により操縦された自動車の運動特性は,自動車の運動力学的特性と,運転者の動作特性とから組み立てられる.そこでまずオーバ・ステアリング,アンダ・ステアリングで表現される自動車の静力学的特性から,さらに手放し走行などを含む動力学的特性を解説し,ついで運転者の操縦が加えられた自動車の運動特性へと論議を進め,最後に自動車の研究と平衡した運転者の研究の必要性を述べる.理解の助けとするためにアナログ計算機による計算曲線例を示す.
著者
伊藤 宏
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.8, pp.319-323, 1956-08-01

最近1.2ないし1.1という超大口径の写真レンズがわが国で生産されるようになった.これ等のレンズの展望,日本でこれ等のレンズが発達した理由,およびこれらレンズの性能に関し,最近の情報理論的の取扱いによる新しい見方を述べる.

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著者
[著者名なし]
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, 1959-03-01