著者
森田 学 稲垣 幸司 王 宝禮 埴岡 隆 藤井 健男 両角 俊哉 伊藤 弘 山本 龍生 吉江 弘正
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.352-374, 2013-01-16 (Released:2013-04-24)
参考文献数
106

2011年8月「歯科口腔保健の推進に関する法律」が公布・施行された。高齢化が進む中,生涯を通じて歯科疾患の予防や口腔機能の維持に取り組み,国民が健全な生活を営める社会の実現に向けた法的な整備が開始したことになる。この動きを受けて,本論文では,日本歯周病学会として,ライフステージごとの歯周病予防戦略について提案する。How to 式ではないので,「読んですぐ実践できる」という種類のものではない。むしろ,どのような考えをベースにこれからの歯周病対策をすべきか,診療室・地域において,歯周病学会会員ならではの活躍の参考資料になればと願う。日本歯周病学会会誌(日歯周誌)54(4):352-374, 2012
著者
辻上 弘
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.46-54, 2002-03-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
18
被引用文献数
4 3

オゾンは強力な酸化作用を有する気体で, その殺菌効果は様々な分野に応用されている。現在, 医科領域では, 末梢血液循環障害, 潰瘍, ウィルス感染症等の治療にオゾンが用いられている。本研究は, 歯周組織由来細胞ならびに歯周病原細菌に対するオゾン治療の影響について検索し, 歯周治療におけるオゾンの有用性を明らかにすることを目的とした。オゾン水処理後の歯周組織由来平面培養細胞に対する細胞傷害性はFDA-PI二重染色法を用いて評価した。浮遊細胞に対しては, オゾン水処理後6時間培養し, 付着した細胞数により評価した。歯周病原細菌および歯肉縁下プラーク細菌に対する殺菌効果はオゾン水処理後, 平板培地に塗抹し発現したコロニー数を計測することにより評価した。その結果, オゾン水による細胞傷害性は, 平面培養細胞に対しては軽微で, 浮遊細胞において著明に認められた。また, 5%ウシ胎仔血清含有ダルベッコ変法イーグル培地 (DMEM) はオゾン水による細胞傷害性を減弱した。これらのことは細胞外基質, またDMEMの含有する血清や有機物がオゾンの傷害に対し抑制的に働くことを示唆するものと考えられる。またオゾン水による殺菌効果は, 歯周病原細菌に対して著明に認められ, 食物残渣や細菌産生物質を多く含む歯肉縁下プラーク中の細菌に対しても, 濃度依存的に効果が認められた。以上のことからオゾン水の歯周治療における有用性が示唆された。
著者
佐藤 ゆかり
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.255-260, 2008 (Released:2009-02-19)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

本報では, 歯周治療で消失した歯間乳頭が, セルフケア用具の使用時期を術者が入念にコントロールすることにより, 回復してきた過程を報告する。患者は43歳の女性で, 45の修復物の脱離を主訴に来院した。主訴への対応後, 全顎的な歯周治療が必要と判断し, 歯周基本治療を開始した。当初はモチベーションも低く, 上顎前歯部の歯間乳頭は消失し審美性も失われていたが, 治療が進むにつれモチベーションが上がり, 歯間空隙を気にするようになった。そこで, 歯肉の回復の時期に合わせて歯間乳頭の回復を妨げないように歯間ブラシの使用を中止したところ, 歯間乳頭の回復がみられた。その後サポーティブペリオドンタルセラピー(以下SPTと略す)に移行し, 全顎的に良好な状態を維持している。歯間乳頭を回復させることは審美性の追求だけでなく, 隣接面の清掃性の向上や患者負担の軽減につながる。また, 患者も満足するためにモチベーションの維持としても効果が期待できる。日本歯周病学会会誌(日歯周誌)50(4) : 255-260, 2008
著者
木下 四郎 渡辺 久 米良 豊常 北村 滋 小林 誠 長田 豊 和泉 雄一 小鷲 悠典 野口 俊英 石川 烈
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.509-517, 1981-09-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
16
被引用文献数
3 4

Maintenance phase is the most important stage in terms of the patient's continued oral health. Whether periodontal therapy succeeds or not depends on his plaque control.O'Leary et al. (1972) has devised “Plaque Control Record” and noted that goal in teaching oral hygiene procedures was to reduce plaque accumulations until they were found on 10 percent or less of the available tooth surfaces.The purpose of this study was to investigate appropriate level of plaque control in order to maintain periodontal health at the maintenance phase using the plaque control record.36 patients who had been recieved periodontal therapy at our department and visited hospital for periodic recall were investigated. Oral hygiene status and periodontal tissue condition of these patients were evaluated by the plaque control record, oral hygiene index, gingival index and pocket depth. In addition, oral photographs of the patients were taken.The results obtained were as follows:1. It seemed to be very difficult that patients maintained at the level of 10 percent or less of plaque control record at the maintenance phase.2. The patients, who showed the level of teen to twenty percent of plaque control records, exhibited clinically no inflammation at their gingiva and did not recur the deepening of periodontal pockets.3. At the thirty percent of plaque control record, edematous gingiva was observed. When the level of plaque control reached to forty clinically inflammatory change was evident.4. It was found that the plaque was retained more at the mandibule than the maxilla, on the left than the right, at the mesiodistal surfaces than the buccolingual and at the mesial aspects than the distal.
著者
茂木 美保
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.130-133, 2015-09-28 (Released:2015-10-06)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1
著者
李 文昭 塩野 宗則 鈴木 丈一郎 武山 和夫 片井 秀典 野村 典生 新井 高 中村 治郎
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.252-262, 1986-03-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
25
被引用文献数
2 4

歯周初期治療におけるO'Learyらのプラークコントロールレコードの推移を分析する目的で本研究を行った。被検者は比較的軽度から中等度の歯周疾患患者156名 (女98名, 男58名) であった。TBI毎にブラッシング方法と時間, O'Learyらのプラークコントロールレコードなどを記録し, 10%を目標に指導した。結果は, 術前のブラッシング法で一番多いのはスクラッビング法であり, 術前のブラッシング時間は3分以下が72 %と圧倒的割合であった。プラークスコァ20%へは92%の患者が達成でき, TBI回数は4.6回, ブラッシング時間は8.6分であった。プラークスコア10%へは58%の患者が達成でき, TBI回数は5.9回, ブラッシング時間は9.8分であった。部位別では下顎, 右側, 臼歯部, 近心, 舌側, 近遠心部が磨きにくい傾向が見られ, 特に臼歯部, 舌側, 近遠心部が極端に磨きにくかった。
著者
高橋 直紀 山縣 貴幸 峯尾 修平 加藤 光太 多部田 康一
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.171-182, 2021-12-28 (Released:2022-01-14)
参考文献数
26
被引用文献数
1

世界中で猛威を振い続ける新型コロナウイルスの感染経路のひとつにエアロゾル感染がある。歯周治療で頻用される超音波スケーラーから発生するエアロゾルが交差感染のリスクとして懸念されているが,そのエアロゾル特性については十分に知られていない。本研究の目的は,微粒子可視化システムを用いた流体工学的検討と,感水試験紙およびパーティクルカウンターを用いた模擬臨床試験から,超音波スケーラーから発生するエアロゾル特性およびエアロゾル感染予防策を検討することである。流体工学的検討から,超音波スケーラーから発生するエアロゾルの平均粒子径は約40 μmで,液滴速度が3 m/sであった。また感水試験紙を用いた模擬臨床試験から,超音波スケーラーの向きによるエアロゾルの飛散距離の違いが観察された。パーティクルカウンターを用いた解析において,1-10 μmの粒径のエアロゾル飛散量は距離とともに減少し,口腔内外バキュームの使用によりエアロゾル量が大幅に減少することが確認された。これらのことから,超音波スケーラーから様々な粒子径のエアロゾルが発生するが,吸引装置の適切な使用によって超音波スケーラーから発生するエアロゾルを介した交差感染リスクを抑制できる可能性が示唆された。
著者
池野 直人 笹谷 育郎 高瀬 俊博 藤井 敦子 石川 純
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.193-200, 1979-06-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

The important role of plaque control has been recognized recently. The goal of plaque control is based on a continuous activity by patient himself. It is a main point that dentist gives them propelling power to lead them to the activity; that is “Motivation”. And how to motivate the patient is a great subject.There are many clinical reports of motivation, however it was very hard to find corroborative studies concerning estimation of the effect of motivation for plaque control. H. M. Goldman emphasized the importance of motivation in 1940, and stated that initial preparation combined with tooth brushing is essential to the all patients with periodontal disease. We believe that motivation to all dental patients is indispensable to control plaque thoroughly.The purpose of this experiment is to make clear the effect of motivation in tooth brushing instruction. The patirnts were separated to three groups as follows; 1) Brushing instruction without motivation 2) Motivation with brushing instruction 3) Control. The amount of plaque accumulation was measured before and after the experimental period. To standardize the contents of motivation and tooth brushing instruction for individual patients, a home made cassette tape was prepared and presented on closed circuit TV. Any personal chair side instruction was not given during experimental period. Plaque was stained using liquid of Plak-Lite and was evaluated by U. S. Navy Plaque Index (Modified).
著者
五味 一博
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.367-374, 2015-01-30 (Released:2015-02-18)
参考文献数
60
被引用文献数
2
著者
大森 みさき 宮崎 晶子 佐藤 治美 片野 志保 田邉 智子 将月 紀子 今出 昌一 佐野 晃
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.36-43, 2005 (Released:2006-04-06)
参考文献数
20
被引用文献数
7 5

本研究の目的は口臭治療における舌清掃の有効性を評価することである。被験者は舌苔を認める患者および本学職員と学生であった。最初に舌清掃指導して1カ月後に舌苔付着量と官能試験を行い, 両方に改善が見られることを確認した。その後, 舌苔付着を認める26人の被験者の官能試験と機械的測定により口臭の強さを評価した。また, 同時に口腔清掃状態, Probing Pocket Depth (PPD), Bleeding on Probing (BOP), 舌苔付着度を舌清掃前後において評価した。初回の診査の後, 被験者に舌ブラシ (ジャックス) を使用して1日1回は舌苔を除去するよう歯科衛生士または歯科医師が指導した。舌苔の除去は舌の表面に舌苔が見えなくなるまで舌ブラシでこするように指導した。口臭測定はポータブルサルファイドモニターとガスクロマトグラフィを使用し, 揮発性硫黄化合物 (VSC) 濃度の機械的測定と官能試験を行った。被験者には測定の2時間前から歯磨き, 飲食, 洗口, 喫煙を避けるよう指示した。舌苔付着程度は付着の厚さと範囲によって5段階に評価した。清掃後の診査は1週間から1カ月後に行った。舌清掃後の診査時には口臭と舌苔付着量は改善していたが, PPD, BOPやプラーク付着状態には影響がみられなかった。またVSC濃度と舌苔付着度との間には有意な相関が認められたが, BOPやプラーク付着状態との間には有意な関係はみられなかった。口臭の予防のために舌清掃を推奨していく必要性があると思われた。
著者
八島 章博 鈴木 丈一郎 田村 紗恵子 松島 友二 五味 一博 新井 髙
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.159-167, 2015-12-28 (Released:2015-12-29)
参考文献数
34

近年,音波歯ブラシが一般に普及している。音波歯ブラシの利点は高振動数によりプラーク除去効率に優れ,歯周ポケット内細菌に影響を与えていると考えられる。しかし,音波歯ブラシの歯周ポケット内細菌への影響を評価した研究は少ない。本研究では,音波歯ブラシのプラーク除去効果と臨床パラメータの変化,歯周ポケット内細菌への影響について評価した。振動数の異なる音波歯ブラシ3種と手用ブラシを無作為に40名の被験者に割り振り,使用前,2, 4週後に臨床パラメータ(Probing Pocket Depth, Gingival Bleeding Index, Gingival Index)とPlaque Control Recordを評価した。歯周ポケット内細菌はPCR-Invader法により総菌数と歯周病原細菌数を評価した。全歯ブラシで,ベースライン時に比べ,4週後のPlaque Control Recordと臨床パラメータで改善傾向を認めた。歯周ポケット内細菌は,いずれの歯ブラシでも総菌数の顕著な変化はみられなかったが,歯周病原細菌の中には音波歯ブラシの使用によって減少傾向を示す細菌種も存在した。以上より,どの歯ブラシを用いても縁上プラークの減少と臨床パラメータの改善が認められ,一定の効果を有することが示された。また,音波歯ブラシは,歯周ポケット内細菌叢に影響を与える可能性のあることが示唆された。
著者
井原 雄一郎 深谷 千絵 笠井 俊輔 中川 種昭
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.25-32, 2016-03-28 (Released:2016-04-15)
参考文献数
15

本研究は,毛先が歯間部に届きやすくするために,長さの異なる毛束を植毛したブラシヘッド(インターケアブラシ)と,毛束の密度を高くしたブラシヘッド(ダイヤモンドクリーン)を使用した音波式電動歯ブラシのプラーク除去率を比較検討した。被験者は,補綴物がなく,歯肉退縮や小帯の付着異常を認めない歯科医19名とした。実験2日前に全顎的にスケーリングを実施し,プラークフリーとした。その後2日間ブラッシングを停止させ,PCR100%として実験を行った。インタケーケアスタンダードブラシ(IS群),インターケアミニブラシ(IM群),ダイヤモンドクリーンスタンダードブラシ(DS群),ダイヤモンドクリーンミニブラシ(DM群)の4群を設定し,刷掃時間は2分間とした。プラーク除去率はO'LearyのPCRの改良法6点計測を用いて評価した。4群間において全顎,部位別に比較した結果,統計学的に有意なプラーク除去率の差は認めなかったが,平均値,中央値においてIS群,IM群はDS群,DM群と比較して高い傾向にあった。
著者
永田 俊彦 笠原 千佳 木戸 淳一 篠原 啓之 西川 聖二 石田 浩 若野 洋一 加藤 良成 郡 健二郎
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.504-509, 1995-09-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

尿路結石と歯石には, 成分や発現年齢においていくつかの共通点が認められる。本研究では, 尿路結石を有する人の歯石沈着程度を明らかにするために, 尿路結石患者40名および結石の既往のない対照被験者57名の口腔内診査を行い, 歯石沈着指数を調べることによって, 両群を比較検討した。さらに, 尿路結石患者の尿中成分と歯石沈着指数の相関についても検索した。-歯石沈着指数は, OHI指数に基づいた前歯および大臼歯6部位を検査するCI-S指数を採用した。結石群のCI-Sは1.10±0.09 (平均値±標準偏差値) であり, 対照群の0.37±0.05と比べ3.1倍と有意に高い値を示した。また, 下顎前歯舌側部に限定して指数を調べた場合でも, 結石群1.63±0.15, 対照群0.60±0.11と, 2.7倍の有意な高値を示した。この現象は男女の性別にかかわらず認められた。一・方, 尿中Ca量およびPi量とCI-Sとの相関を調べたところ, これらの問には何ら相関関係は認められなかった。以上のように, 尿路結石患者は, 結石をもたない人に比べて, 歯石沈着量が多いことが明らかとなり, 尿路結石患者の尿中Ca量およびPi量と歯石の沈着程度には関連がなかった。今回の調査結果は, 尿路結石および歯石形成機構には何らかめ密接な関連があることを裏付ける興味深い結果であると言うことができる。
著者
鴨井 久博 佐藤 聡 岡部 俊秀 岡田 裕香子 吉田 聡 鴨井 久一
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.253-262, 1993-03-27 (Released:2010-08-25)
参考文献数
36

正常歯肉を有する, 成人10名を対象とし, 実験群に1, 200~1, 300 gaussの歯ブラシ, 対照群に30 gaussの歯ブラシを使用させ, それぞれ歯ブラシ静置 (15秒・30秒・60秒), ブラッシング (15秒・30秒・60秒) 後の歯肉表層における血流の変化を, レーザースペックル血流計を用いて観察した。血流量の測定は, 上顎中側切歯の唇側中央部付着歯肉部とし, 測定を行った。実験群・対照群とも, 5分間経時的に測定を行い, 血流量の変化を比較観察し, 以下の結果を得た。1) 15, 30, 60秒静置群では, 全ての測定期間を通じ各対照群に比較して, 有磁気群では高い値を示し, 統計学的有意差が認められた (p<0.05, p<0.01) 。2) 15, 30, 60秒動置群では, 全ての測定期間を通じ各対照群に比較して, 有磁気群では高い値を示し, 15, 30秒ブラッシング群においては, 統計的有意差が認められた (p<0.05, p<0.01) 。
著者
中川 種昭 池上 暁子 鷺 二郎 伊藤 幸高 林 智子 大島 みどり 島 信博 山田 了
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.901-906, 1992-12-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2

本研究は, スクラビング方式の電動歯ブラシを用い, 刷掃時間, 振動数などの違いによるプラーク除去効果および手用歯ブラシとの比較検討を行った。被験者は本大学保存科医局員10名とした。プラークの付着状態を各条件のブラッシング前後で比較した結果, スクラビング方式の電動歯ブラシのプラーク除去効果は手用歯ブラシと同程度であり, 短時間で高い刷掃効果は得られなかった。刷掃時間は電動歯ブラシ, 手用歯ブラシともプラーク除去効果に与える影響が大きく, 刷掃時間が短いと刷掃効果は著しく低下し特に隣接面におけるプラーク除去効果の低下が認められた。