著者
早瀬 彩乃 木村 祐哉 伊藤 直之
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.47-52, 2019-07-20 (Released:2020-01-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

獣医療従事者や獣医学生は過度なストレス状態におかれることが多く,メンタルヘルスの懸念が大きいと言われている。本調査は全国の獣医学生を対象としてウェブを介して行い,国際的なスクリーニングツールであるK6により,対象となった348名中89名(25.6%)が不安・気分障害と判定された。また,在学中の精神科受診歴,依存症,自殺念慮,自殺未遂はそれぞれ26名(7.5%),33名(9.5%),168名(48.3%),19名(5.5%)にみられていた。各要因ごとに不安・気分障害に関係するオッズ比をベイズ統計により推定したところ,事後期待値[95%確信区間]が高かったのは,精神疾患について誰にも相談できない場合2.40[1.15, 54.77],鳥取県中部地震で被災していた場合12.05[1.15, 54.77],精神科受診歴3.50[1.46, 7.13],自殺念慮17.62[8.30, 35.22],自殺未遂13.86[4.29, 37.04]であった。さらに所属大学および学年を変量効果として投入し,階層2項ロジットモデルで推定したところ,調整オッズ比が高かった要因は,精神疾患について誰にも相談できない場合2.75(1.32)[1.62, 4.73],鳥取県中部地震の被災経験22.67(4.57)[1.67, 669.78]であった。本調査により,日本の獣医学生においてもメンタルヘルスの問題が実在することが明らかとなったが,頻度やオッズ比には選択バイアスの影響が想定される。今後は正確な実態把握を行い,対策を検討することが必要であろう。
著者
山本 健久 早山 陽子 筒井 俊之
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.48-54, 2015-07-20 (Released:2016-01-04)
参考文献数
17

We developed a deterministic mathematical model to grasp transmission features of the large scale epidemic of Ebola virus disease (EVD) occurred in the West African region since March 2014. Basic reproduction number (R0) was estimated as 1.32, and the number of days between clinical onset and isolation into caretaking facilities was estimated as 5.0 days. If the days to isolation was less than 3.3 days, the epidemic was considered to be successfully controlled.

1 0 0 0 OA 一般演題抄録

出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.18-45, 2014-07-20 (Released:2015-01-07)
著者
高崎 智彦
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.114-116, 2011

チクングニア熱はチクングニアウイルスを原因とする蚊媒介性急性熱性ウイルス性疾患である。時に激しい関節痛,発疹を伴う。近年,アフリカ,南アジア,東南アジアの熱帯・亜熱帯地域を中心に流行が報告されている。2007年には温帯地域で初めての流行がイタリアで確認され,さらに2010年9月にはフランス南部においても国内流行が発生した。イタリア,フランスにおけるチクングニア熱の国内流行は日本にも生息しており活動の活発なヒトスジシマカにより媒介されているため,チクングニアウイルスの日本への侵入,定着の可能性は否定できない。平成23年2月1日付けで「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律」で4類感染症全数把握疾患に指定された。当該患者を診断した医師はただちに保健所を経由して都道府県知事に届け出ることが求められる。また,同時に検疫法にも検疫対象疾患として指定された。
著者
横溝 祐一
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-13, 2001-06-30 (Released:2010-05-31)
参考文献数
76
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医情報科学雑誌 (ISSN:09128913)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.16, pp.53-53, 1986-06-25 (Released:2010-05-31)
被引用文献数
2
著者
高島 郁夫
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.97-99, 2002-12-26 (Released:2010-05-31)
参考文献数
3
著者
森川 茂
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.142-143, 2013-12-20 (Released:2014-07-01)
著者
佐藤 克 村中 志朗 増川 洋史 杉山 和寿 小林 元郎 今林 徹 南 尚人 渡辺 智之 鈴木 綾香 重松 美加 井上 智
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.33-34, 2011-07-20 (Released:2013-01-04)

Overseas, the surveillance on companion animals have been reported by "NASPHV (National Association of State Public Health Veterinarians)", "CCWHC (Canadian Cooperative Wildlife Health Centre)", "ECDC-EFSA (European Center for Disease Prevention and Control - European Food Safety Authority)", "CSVID (Chilean Society of Veterinary Infectious Diseases)". According to pet boom in Japan, the disease surveillance of pets utilized IT (information technology) becomes available by spreading of "insurance-for-pets" and Electric Health Record in animal hospitals. We report challenges and results of new pet-surveillance by using of clinical data in animal hospitals. Clinical data of companion animals were analyzed by using cloud computing and electrical patient records without personal identifiers. Analyzed history, profile and clinical information of cases were rapidly feedback to veterinary surgeons in automated fashion from the system. The surveillance is designed with intention to answer some questions of the transmission routes of zoonotic diseases. Cloud computing combined with electrical patient records provided environment for easy daily operation with automated real-time feedback of data collation and limited descriptive analysis as additional advantage. Public and animal health epidemiologist may be able to provide further time trend, statistical, and geo-spatial analysis using with whole or subsets of this readily available database. Together the surveillance will improve understanding of pet animal health in the community and transmission of zoonosis in between human and animal.
著者
高梨 ありこ 纐纈 雄三
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.10-14, 2011-07

本研究は、低生涯生産性を示す母豚(LE母豚)に関連する要因の探査を目的とした。要因は、初交配日齢(AFM)、産次0の種付け回数、産次1の生存産子数(PBA)とした。本研究では、101農場における2001-2003年に導入された34,728頭の分娩記録を用いた。LE母豚は、年間化生涯PBAの下位25パーセンタイルを持つ母豚と定義した。AFMは151-209日、210-230日、231-251日、252-272日、273-293日、294-365日の6グループに分類した。産次1のPBAは≦7頭、8-11頭、≧12頭の3グループに分類した。産次0の種付け回数は、初回種付けと再種付けに分類した。統計分析には混合効果モデルを用いた。母豚のAFMが151-209日から294-365日に上がるにつれ、LE母豚になる割合は、18.7%から37.3%に増加した(p<0.05)。再種付け未経産豚は、初回種付けと比べて、LE母豚になる割合が10.3%高かった(P<0.05)。産次1のPBAが≦7頭の母豚は、8-11頭と≧12頭の母豚と比べて、LE母豚になる割合がそれぞれ19.4%と28.5%高かった(P<0.05)。結論として、LE母豚になる割合を減らすためには、成熟した未経産豚における早い日齢での初交配、再種付け未経産豚割合を減少させること、そして産次1におけるPBAを増やすことが推奨される。
著者
森川 茂
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.76-77, 2010

エボラ出血熱は、1976年にアフリカのスーダンとザイール(現コンゴ民主共和国)で初めて大流行したウイルス性出血熱で、原因ウイルスの名称はザイールのエボラ川に由来する。エボラウイルスは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)で特定1種病原体に指定されているため、日本でのウイルスの取扱いはBSL4となる。エボラウイルスと近縁なマールブルグウイルスは、ウイルス感染サルを介してヒトへ感染することが多いため、平成12年から動物検疫所により輸入サルの検疫が行われている。また、感染症新法で、獣医師はエボラ出血熱・マールブルグ病等に感染または感染した疑いがあると診断したときは、都道府県知事に届ける義務がある。これまで、エボラウイルスの感染はヒトや霊長類とアフリカの一部のレイヨウ類に限られていたが、近年フィリピンの豚飼育施設でレストンエボラウイルスの豚への感染が確認された。また、ザイールエボラウイルスとマールブルグウイルスの自然宿主がオオコウモリであることが明らかになった。
著者
大西 守 澤田 拓士 原田 和記 江嵜 英剛 志村 圭子 丸茂 健治 高橋 敏雄
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.142-147, 2012
被引用文献数
2

本研究の目的は日本の乳牛における乳房炎に関与するCTX-M型 <I>β</I>-ラクタマーゼ(CTX-M)産生<I>Enterobacteriaceae</I>の存在を明らかにすることと,その乳房炎罹患牛の臨床経過を調査することである。2006年の8月から2007年1月に北海道根室支庁の1,000酪農場で発生した20,194頭の乳房炎牛の30,237検体の分房乳から分離した51株のセファゾリン耐性のオキシダーゼ陰性・グラム陰性桿菌株をClinical Laboratory Standards Institute(CLSI)標準のコンビネーションディスク法による基質拡張型 <I>β</I>-ラクタマーゼ (ESBLs) 確認テストを用いてスクリーニングした。ESBLs確認テスト陽性株はPCRとDNAシークエンスによりCTX-M-,TEM-,SHV-型 <I>β</I>-ラクタマーゼの遺伝子型別を行った。また21の抗菌薬の最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。2農場における2頭の乳房炎罹患牛の3つの分房から3株のCTX-M-2産生<I>Klebsiella pneumoniae</I>を分離同定した。1頭の乳牛は全身症状のない軽症の急性臨床型乳房炎(ブツを含む軽症の水様乳汁,分房の軽度の腫脹と熱感・硬結)を表し,診断後4週間で軽快した。他の1頭の乳牛は全身症状を伴う重症の急性臨床型乳房炎を表し,診断後10週間で軽快した。これらの分離株はアンピシリ,セファゾリン,セフロキシム,セフォタキシム,セフトリアキソン,セフポドキシム,セフチオフル,セフキノム,カナマイシン,オキシテトラサイクリンには耐性を表した。一方,セフタジジム,セフメタゾール,モクサラクタム,イミペネム,アズトレオナム,ゲンタマイシン,トリメトプリム/スルファメトキサゾール,エンロフロキサシンには感性であった。本研究は日本における牛乳房炎に関与するCTX-M産生<I>K. pneumoniae</I>分離株についての初報告である。
著者
榎田 将司 纐纈 雄三
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.32-38, 2011-07

本研究の目的は間隙方向が雌豚に対して縦(PRL)または横(PPD)であるすのこ床で飼育されている妊娠豚の蹄損傷、行動、繁殖成績を比較することであった。2008年に繁殖一貫経営農場に3回訪問し、雌豚の後肢蹄と行動を観察した。全ての雌豚はPRLまたはPPDであるコンクリートすのこ床があるストールで飼育され、両床面は同じ豚舎に混在した。蹄損傷は5段階のスコアを用い、後肢8つの蹄、それぞれ6部位と蹄球肥大を記録した。4つの蹄損傷の測定値として、雌豚の合計スコア(TCLS)、部位のTCLS、雌豚の最高スコア(HCLS)、部位のHCLSを用いた。雌豚のTCLSは全部位のスコアの合計、部位のTCLSは部位毎のスコアの合計とした。雌豚のHCLSは全部位中最も高いスコア、部位のHCLSは各部位で最も高いスコアとした。比較のために統計分析として混合効果モデルを用いた。雌豚162頭の平均TCLS(±SEM)は9.5±0.44、雌豚のHCLS0、1、2、3、4の割合はそれぞれ1.2%、39.4%、54.5%、4.3%、0.6%であった。PPDの床面で飼育された雌豚は、PRLよりも蹄球のTCLSが高かった(P<0.05)。すのこ床の間隙方向は、他の部位および雌豚のTCLSとは関連がなかった。PPDの床面で飼育された雌豚は、PRLよりも蹄壁と蹄球におけるHCLS≧1の割合が高かった(P<0.05)。すのこ床の間隙方向とHCLS≧2と≧3の割合は他の部位において関連はなかった。すのこ床の間隙方向と行動、繁殖成績は関連がなかった。結論として、PPDの床面は妊娠豚の表皮における蹄損傷に関連したが、行動と繁殖成績に関連がなかった。
著者
蒔田 浩平
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.4-6, 2010-07-20 (Released:2011-01-20)
参考文献数
6

Epidemiology is the study of diseases in populations and factors associated with them, and quantitative analysis dominates it; however, such conventional methods have several limitations. It is too expensive in resource poor countries and qualitative (eg. anthropologic and sociologic) information necessary for effective and sustainable disease control cannot be obtained.Participatory epidemiology (PE) was developed to overcome above mentioned problems mainly in developing countries and has been used in the surveillance for important diseases such as rinderpest and avian influenza. The philosophy stands on the fact that traditional communities do have veterinary knowledge accumulated in thousands of years and the principles and methods are based on Participatory Rural Appraisal (PRA). Participatory methods are used to collect epidemiological information and/or to seek sustainable control options. The techniques used in PE are briefly introduced in this paper. Even in developed countries, considering current economic crisis, such low cost methods may be appreciated, and participatory methods can be applied for risk communication with consumers, formulating sustainable disease control options and improvement of veterinary communication at the farm level.
著者
浅川 満彦 大沼 学 吉野 智生 相澤 空見子 佐々木 均 前田 秋彦 斉藤 美加 加藤 智子 盛田 徹 村田 浩一 桑名 貴
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 = The journal of veterinary epidemiology (ISSN:09128913)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.25-26, 2008-07-20

極東ロシア地域からのウエストナイル熱ウイルスが日本に伝播することが懸念されており,その場合には,野鳥の大量死が発生することが想定されている。酪農学園大学野生動物医学センター(以下,WAMC)では,学外専門家との共同で野生鳥類の普通種を対象にウエストナイルウイルスの簡易診断キットVecTest(米国Medical Analysis Systems, Inc. 社 : 同ウイルスのモノクロ抗体応用)(以下,キット)応用の可能性とこの感染症に関連した調査を行っている。WAMC(担当 : 吉野・浅川)において口腔内スワブを採取し,このスワブをキット用サンプルとした。一部は脳,心臓,腎臓から抽出したRNAをリアルタイムPCR法(担当 : 大沼)および10%脳乳剤Vero細胞接種法によるウイルス分離法(担当 : 前田)による確定診断を実施した。これまでの実績としては658個体(20目123種)(傷病入院個体含む)(吉野ら,2008)が検査され,疑陽性を呈したスズメ(<I>Passer montanus</I>)一個体を除く,すべてが陰性結果を呈した。疑陽性を呈した個体については,同時期・同地域に由来する5個体のスズメと共に,前記確定診断により陰性を確定した。さらに,関連調査として北海道の野鳥(カモ類)および哺乳類(アライグマなど)血清中の抗フラビウイルス中和抗体価測定(担当 : 斉藤),キットを用いた酪農大構内のアカイエカを対象にした予備調査(担当 : 佐々木)および救護鳥類でのキットによる診断(担当 : 加藤,盛田)などを実施している。混合感染で症状を増悪化させる可能性がある原虫類については,血清分離後の血餅およびスライド塗沫標本による<I>Plasmodium</I>属などの分析(担当 : 村田)も予定され,サンプルの有効活用も計る。<BR>今回行ったモニタリング調査の結果も含め,信頼性が高いとされるキットを用いた検査であっても,疑陽性・陽性反応が出た時点における確定診断検査の体制をあらかじめ組み立てておくべきであろう。また,病原体の伝播と混合感染という病原体の生態現象を鑑みた場合,媒介昆虫や寄生虫を含む他の病原体なども対象とした調査としなければ,自然生態系に生息する野鳥の絶滅リスクの増大を予見することは困難である。よってWAMCではより広範囲な動物・病原体を対象とした調査研究を実施しているのでその概要についても触れたい。本研究は環境省地球環境研究総合推進費(F-062 : 渡り鳥によるウエストナイル熱および血液原虫の感染ルート解明とリスク評価に関する研究)および文部科学省科学研究費(18510205)の支援を受けて行われた。
著者
李 謙一 中 臺文 岩田 剛敏 加藤 卓也 羽山 伸一 廣田 好和 林谷 秀樹
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 = The journal of veterinary epidemiology (ISSN:09128913)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, 2007-07-20

アライグマ(<I>Procyon lotor</I>)は北米を原産とするアライグマ科の中型哺乳類である。我が国では1960年代から持ち込まれた個体が野生化し,現在では全国各地で野生化が確認されている外来生物である。近年,野生化したアライグマは農作物の被害をもたらし,その分布の拡大に伴って社会問題化している。しかし,これら野生化したアライグマにおける人獣共通感染症原因菌の保有状況に関してはこれまでほとんど検討されていない。本研究では,我が国で野生化しているアライグマにおける人獣共通感染症原因菌の保有状況を検討するとともに,得られた結果からアライグマが生態系の中で占める位置や役割についても考察した。
著者
浜崎 利之 山本 茂貴
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 = The journal of veterinary epidemiology (ISSN:09128913)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.21-22, 2008-07-20

牛海綿状脳症(以下BSE)は牛の脳組織にスポンジ状の変化を起こす疾病で,人の変異型クロイツフェルトヤコブ病の原因と考えられている人獣共通感染症である。日本国内では,2001年9月に最初の一頭を確認してから,2007年12月までに計33頭の陽性検体を検出している。本研究は,2001年10月から実施されている全頭検査の検査データおよび農場でのサーベイランスデータをもとに,日本国内でのBSE感染牛頭数の推定を行った。