著者
今野 穂
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.166-171, 2006-04-01
被引用文献数
1

札幌医科大学附属図書館は1999年6月,国内初となる異種データベース間連携システムの運用を開始した。アイヌ語で可愛いを意味し,"PIRKA"と名付けられた当館システムは米国国立医学図書館の"IAIMS"をモデルとし,利用者サービスの一元化と地域医療支援サービスの質的向上を目的としていた。2002年7月,PIRKAは,Ex Libris社の図書館ポータルシステム"MetaLib/SFX"を中心としたシステムに移行したが,地域医療支援サービスの利用者は北海道全域に拡大し,サービスの質的向上の重要性をあらためて示した。本稿では学術情報ポータルシステム"PIRKA"の概要とともに,開発に関わった当館職員の役割について述べる。
著者
栗山 正光
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.138-143, 2010-04-01

オープンアクセス(OA)の起源,定義,リポジトリ,OA方針/義務化という四つのトピックに焦点を当てて関連文献をレビューした。ハーナッドの破壊的提案,PLoSの公開状,BBB定義,機関リポジトリと主題リポジトリをめぐる議論,大学や研究助成機関のOA方針および義務化の事例などに関する海外文献を取り上げて論じた。
著者
時実 象一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.421-427, 2005-10-01
被引用文献数
7

オープンアクセス運動の歴史を, その重要な原動力であったSPARCを中心として振り返り, 最近の米国国立衛生研究所(NIH)の公共アクセス方針や欧州でのオープンアクセスの運動を紹介する。またオープンアクセス運動の主要な柱となっている, 電子論文リポジトリ(分野別リポジトリ, 研究機関リポジトリ, 研究助成機関リポジトリ)についてまとめた。
著者
中尾 康朗 永井 善一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.155-160, 2006-04-01
被引用文献数
1

現状のシステムライブラリアンの仕事は,広範囲で,明確に定義し難い面がある。まず,筆者のこれまでの経験から,システムライブラリアンに欠かせない基礎的なスキルについて考察する。続いて,サービス中心の展開を見せ始めている図書館の動向をまとめ,これからのシステムライブラリアンに期待される役割と,必要となってくるスキルについて考察する。今後は,標準的なシステムライブラリアンの役割とスキルの確立が必要である。
著者
菊池 誠
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.458-463, 2013-11-01

研究者にとって学術情報流通は研究成果の評価および研究活動の推進という観点から重要な役割を持つ。かつて,我が国の研究者には欧米の中心地から遠く離れて情報から孤立することによって様々な不利益を受けていたが,情報通信技術の発達と国際的な人的交流の活発化は,この学術情報流通の状況と我が国の研究環境を大きく変えている。しかし同時にその変化は学問の過度の均質化や競争,そして専門分野の孤立といった問題を生じさせる危険もある。本稿では数学と哲学における研究者にとっての学術情報流通の現状とその変革の可能性について論じる。
著者
時実 象一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.289-295, 2010-07-01

CrossRef創立10周年記念のパンフレットを翻訳した。CrossRefの誕生のきっかけになったのは1999年10月のフランクフルト・ブックフェアであった。それに先立って,DOI利用についての検討,「炭素繊維」プロジェクトにおける引用文献リンクの提案などがおこなわれていたが,それらから学んだアカデミック・プレス社のPieter Bolmanとワイリー社のEric Swansonが中心となり,1999年に密かにMonzuプロジェクトを開始,一方米国出版社協会を中心としてDOI-Xプロジェクトが進められた。この2つの流れがブックフェアに合流し,一気に出版社の協同事業としてのCrossRefの創立が実現した。
著者
江原 つむぎ
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.218-222, 2014-06-01

本稿では,米国での図書館情報学大学院留学が帰国後の業務にどのような影響をおよぼしているのか,留学で得られたものとあわせて筆者の経験をもとに述べる。前半は,学位取得までの課題への具体的な取り組み姿勢と図書館員として働く原動力となる意識,また,留学と研修の違いについて述べ,留学によって筆者がどのように成長したかを得た知見と共に記す。後半では,業務全般での英語の使用状況と学習支援業務における提案型の働き方について,筆者の留学経験が業務にどのように活かされているのか,あるいは今後どのように活かす方向性で考えているのか抱負を交えて紹介する。
著者
有川 節夫 渡邊 由紀子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.200-206, 2014-06-01

科学技術・学術審議会の学術情報基盤作業部会(2010年)及び学術情報委員会(2013年)による「審議のまとめ」をふまえ,主に大学図書館を対象に,図書館員の変わりゆく役割について考察する。現在の日本における大学や大学図書館が置かれている状況を整理したうえで,今後の図書館に起こり得る変革も視野に入れて,大学図書館員に求められる新たな期待と役割について説明する。また,九州大学が2O11年に開設した「教材開発センター」や大学院「ライブラリーサイエンス専攻」等の活動を紹介しながら,図書館員の人材育成・確保のための仕組みを構築する方法について述べ,最後に,図書館員の未来について展望する。
著者
高久 雅生
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.48-53, 2014-02-01

15年間にわたるオープンソース運動を振り返りながら,図書館サービスとの接点,オープンソースソフトウェアの利用事例を紹介する。図書館サービスにおけるオープンソースソフトウェアの例として,図書館管理システム,機関リポジトリ,次世代OPACといつた分野を取り上げ,国内及び海外の事例を紹介する。近年の図書館サービスの文脈におけるオープンソースソフトウェアの課題として,クラウドコンピューティングの進展やオープンデータ,人材育成などの観点から考察し,今後の課題を述べる。
著者
宮川 良男 本間 通正 狩野 延枝
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.326-331, 2014-08-01

近年Google Scholarの発展は目覚ましく,有料の学術情報検索データベースが有する様々な機能を付加するようになった。和文誌も英文誌も多く所蔵するGoogle Scholarに着目し,その統計情報から日本語出版物のアクセス頻度の高い資料100件を科学研究費の分野に沿って分類し比較を行った。結果は情報・電気電子工学系,環境・自然災害・エネルギー科学系以外は科学研究費の採択件数及び配分額の割合と整合するデータが得られ,無料データベースであるGoogle Scholarの利用統計は,ほぼ社会的動向に沿った結果を表していた。
著者
深見 嘉明
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.486-491, 2013

2013年7月にGoogleはRSSリーダー,Googleリーダーのサービス提供を終了した。変わって情報収集ツールとして活用されているのが,TwitterやFacebookなどのタイムラインインターフェイスをもつサービスである。用いられるツールの変化により,情報収集はコミュニケーションと一体化して,論点の創造まで一気通貫になされるようになった。タイムラインインターフェイスは,コミュニティベースでの価値創造を一般化,ならびに迅速化したのである。本論文では,ソーシャルネットワーク上のタイムラインが実現した価値創造プロセスの変化と迅速化について,筆者の経験に基づいて分析するとともに,その対処について考察する。
著者
小林 麻実
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.231-237, 1997-05-01
被引用文献数
2

米ユナイテッド・テクノロジーズ社の図書館・情報サービス機関, アトリスは, これまで独立採算組織として, 世界16万人社員に向け, イントラネット・サービスを含む独自のサービスを開発・提供し続けてきた. 根底にある「社員の生産性向上」という使命を達成するため, 組織の内外からの様々な評価を求めてきた. デジタル革命の進む今日, 図書館機能のアウトソーシングを行なう機関や, 利用者へのアンケート, 他の先進企業図書館との競合の中から, ヴァーチャル・ライブラリーこそが利用者の利益と判断したアトリスは, 全図書館の閉鎖と大幅な組織変更を実施し, UTCインフォメーション・ネットワークへと名称変更した. このように競争の中から自己の役割を新たに創り出していくことが, 企業図書館員に求められている.
著者
鎌田 篤慎
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.175-180, 2014-05-01

昨今,ビジネスの潮流を作っているWeb APIであるが,その歴史は意外にも古く,もっとも最初に企業が公開し,成功したWeb APIは米国のeBayが2000年に公開したものと言われている。それから十数年,インターネットに接続するデバイスの増加に伴い,これまでにない勢いでWeb APIの公開が進んでいる。また,政府が主導するオープンガバメントの流れを汲んだオープンデータもWeb APIで公開されることが増えてきた。そうした背景とHack For Japanの活動でも政府が公開したWeb APIを使ったHackathonにおける成果,また,より利用されるために提出した提言書などの紹介と共に,そこに存在する課題を説明する。
著者
行藤 洋二
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.49-54, 1979-02-01

従来より検索情報の不足していた博士学位論文に焦点をあて,「日本博士学位論文索引」を作成することとなった。 内容は,新しい学位制度により昭和33年3月より51年3月迄に学位を授与された全ての博士学位論文の書誌事項を分野別に編集したものである。これはI.人文・社会科学篇,II.農学・獣医学・水産学篇,III.工学篇,IV.理学篇,V.歯学・薬学・保健学篇,VI.医学篇の6分冊からなっている。 本文の分類は一次元的であり,補助として項目索引を設けた。又,分類の際における分野名,分野の順序としてはNDCを用いたが,刊行後十数年を経たNDCは,内容の比重の変化,項目の欠如等があり,単にNDCだけでは分類できず,独自の分類を作ったり,学位取得者の専門の調査も行なった。 この「日本博士学位論文索引」の刊行後も,研究者への情報サービスとして学位取得者の連絡先を調べることが必要であり,現在その調査を行なっている。
著者
野末 俊比古
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.2-7, 2014-01-01

情報リテラシー教育の「これまで」の動向と「これから」の方向性について,"情報リテラシー(教育)観"を軸としながら整理.検討した。次のような"大きな流れ"としてまとめた。「マルチメディアの視点からからトランスメディアの視点へ」「情報源の評価から情報の評価へ」「理念としての情報リテラシー(教育)から戦略としての情報リテラシー(教育)へ」「目的・目標としての情報リテラシー(教育)から手段・方法としての情報リテラシー(教育)へ」「『ツールを(で)教える』から『プロセスを(で)教える』」へ」「"教える"情報リテラシー教育から"教えない"情報リテラシー教育へ」
著者
矢田 俊文
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.29-36, 2014-01-01

Google世代もしくはGoogle時代のインフォプロがおちいり易い「情報リテラシー」の盲点に留意し,調査研究を行う人材を育成するためには,どのような教育を設計し,どう実行するべきか。データベース会社のノウハウを通して,利用者教育のデザインと具体的手法について論じる。急増するエンドユーザに必要な「情報リテラシー」を伝え,利用者対応で疲弊しない,サステイナブルな知識と人材育成の方法を議論する。
著者
薬師院 はるみ
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.434-440, 2007-09-01

電子化の進行は,図書館長のあり方を変えることになるのだろうか。事によると,司書は不要になるのだろうか。この種の議論は,図書館界で,これまでにも何度か提出されてきた。本稿は,この現象自体に注目するものである。議論が反復された背景には,不安の存在を指摘することができるだろう。新しい情報技術が,従来のあり方や既存の価値観を覆そうとすることへの不安である。ただし,未だに司書職制度が確立しているとはいい難い状況下,司書の新たな役割だけを追求しようとすることは,往々にして司書不要論に結びつく。そこで,本稿では,変化が激しい今日こそ,司書固有の存在意義という視点から情報化という事態を考え直すことを提案する。