著者
奥村 弘 市沢 哲 坂江 渉 佐々木 和子 平川 新 矢田 俊文 今津 勝紀 小林 准士 寺内 浩 足立 裕司 内田 俊秀 久留島 浩 伊藤 明弘 松下 正和 添田 仁 三村 昌司 多仁 照廣
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11

大規模自然災害と地域社会の急激な構造転換の中で、歴史資料は滅失の危機にある。その保存活用を研究する新たな学として地域歴史資料学の構築をめざした。その成果は、第1に、地域住民もまた保存活用の主体と考え地域歴史資料を次世代につなぐ体系的な研究手法を構築しえたことにある。第2は、それを可能とする具体的な地域歴史資料の保存と修復の方法を組み込んだことである。第3は、科研の中間で起こった東日本大震災での地域歴史資料保存について理念と具体的な方法を提示するとともに、全国的な研究者ネットワークによる支援体制を構築したことである。第4は、地域歴史資料学をグローバルイシューとして国際的に発信したことである。
著者
矢田 俊文
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.489-495, 1982-12-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
6
被引用文献数
1
著者
矢田 俊文
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.395-414, 2003-12-30 (Released:2017-05-19)

本稿は,50回の記念大会において「日本の経済地理学の半世紀と経済地理学会」というタイトルで記念講演したものを基調にして,戦後日本の経済地理学の潮流を筆者なりの視点で鳥瞰したものである.経済地理学の潮流を規定する要因として,(1)日本および世界の地域問題,(2)日本の地理学,(3)欧米の経済地理学,(4)経済学の基礎理論,以上の4つのそれぞれの時代の動向相互の影響のもとで営まれる4つの「知的空間」の作用の様態によって時期区分をした.「揺藍期」(1940年代後半〜1950年代前半)は伝統的地理学への批判による社会科学としての経済地理学の胎動,「離陸期」(1950年代後半〜1970年代前半)は,学会設立後の経済地誌論と経済立地論が並存しつつ成果をあげた時期,「発展期」(1970年代後半〜1990年代前半)は地域構造論の提起と理論的・実証的分析の進展,「転換期」(1990年代後半以降)は世界史的な時代の大転換を背景とした欧米の経済地理学の興隆と積極的な「輸入」として特徴づけられる.こうしたなかで,21世紀初頭の経済地理学は、経済の空間システムを対象としてきた地域構造論の再構築を通して,(1)世界経済,(2)国民経済,(3)地域経済,(4)企業経済,(5)情報経済,以上5つの分野の空間システムと相互のかかわりについて理論的・実証的かつ政策的な分析を行うことが求められる.
著者
村岸 純 西山 昭仁 矢田 俊文 榎原 雅治 石辺 岳男 中村 亮一 佐竹 健治
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクトの一環として,本研究では17世紀以降に関東地方に被害を及ぼした地震を対象とし,既刊地震史料集に所収されている史料に基づいて地震史料データベースを構築している.近代的な機器観測による記録がない歴史時代の被害地震について,被害分布や地震像などを検討するためには,史料の収集とその記述内容の分析が必要である.地震史料の調査・収集は20世紀初頭から開始されており,これまでに刊行された地震史料集は全35冊(約28,000頁)に及ぶ.しかしながら,これらの既刊地震史料集には,「史料」以外にも様々な種類の「資料」が収められており,自治体史や報告書の叙述からの抜粋記述なども含まれ,玉石混淆の状態にある.そのため,データベース化に際しては歴史学的に信頼性の高い史料のみを選択し,原典に遡って修正や省略部分の補足を行う校訂作業を実施している.なお,本研究で構築しているデータベースは,既存の「古代・中世地震・噴火史料データベース」や「ひずみ集中帯プロジェクト古地震・津波等の史資料データベース」と同様に,史料本文のテキストにはXML言語を使用している.また本研究では,安政二年十月二日(1855年11月11日)の夜に発生して,江戸市中や南関東一円に甚大な被害を与えた安政江戸地震について,新史料の調査・収集や既存の史料に関する分析を実施した.千葉県域では新たな史料を収集し(村岸・佐竹,2015,災害・復興と資料,6号),茨城・神奈川県域では収集した史料の再検討を行った(村岸ほか,2016,災害・復興と資料,8号,印刷中).さらに,被災地である関東地方からより離れた遠地で記された有感記録についても既刊地震史料集に所収されている史料を用いて検討した.地震発生当日の十月二日夜に遠地で記録された史料を選び出し,その中から「夜四ツ時」や「亥刻」と記されている信頼性の高い日記史料のみを選定した.このようにして厳選された史料にある遠地での有感記事に基づいて,震度を推定した.また,有感記事が記された当時の場所について,他の史料や当時の絵図,日本史における研究成果などに基づいて現在の地名を調査・検討し,その緯度・経度を導き出して遠地での有感記録の分布図を作成した.付記)本研究は文部科学省受託研究「都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクト」の一環として実施された.
著者
小野 映介 矢田 俊文 海津 颯 河角 龍典
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100029, 2015 (Released:2015-04-13)

1596年慶長伏見地震の際に,現在の徳島県鳴門市の撫養(むや)地区が隆起し,入浜塩田を営むことが可能になったとする史料が存在する.本研究では,史料に書かれた内容の信ぴょう性について,地形・地質学的な側面から検討を行った.入浜塩田では潮の満ち引きを利用して製塩を行う.したがって,その立地は地形条件によって制限される.撫養地区の塩田が鳴門南断層の上盤に広がっている点,塩田の開発域の南限が鳴門南断層とほぼ一致している点,16世紀に鳴門南断層が活動し,0.5~1.0 mの上下変位を生じたと考えられることなどを勘案すると,地震性隆起が塩田開発の契機となったとする文書の内容は事実である可能性が極めて高いと判断できる.
著者
行谷 佑一 矢田 俊文
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.73-81, 2014-03-25 (Released:2014-05-20)
参考文献数
56
被引用文献数
11 14

To find tsunamis that affected the Pacific coast of eastern Japan during period between A.D. 869 and the 1600s, we searched a historical earthquake and tsunami database for tsunami descriptions. We examined reliability of the descriptions considering the written dates and independence of documents. As a result, at least two events were found. One is the Oei tsunami which occurred on September 1st, 1420 on the Julian calendar (the 7th month 23rd day, 27th year of Oei era on the Japanese calendar). The tsunami affected Kawarago and Aiga villages in Hitachi city, Ibaraki prefecture. Sea receded 9 times during 4 hours, exposing the coastal seafloor, and many fish were carried to the land. No description of earthquake ground shaking was found. The other is the Kyotoku earthquake tsunami which occurred on December 12th, 1454 (11th month 23rd day, 3rd year of Kyotoku era). An earthquake occurred in night and the tsunami widely inundated the coastal area of “Oshu” (the old name of province from Aomori to Fukushima prefectures). Many people were killed in the tsunami. Another entry in the database on December 31st, 1455 (11th month 23rd day, first year of Kosho era) is likely to be a fake event.
著者
矢田 俊文
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.29-36, 2014-01-01

Google世代もしくはGoogle時代のインフォプロがおちいり易い「情報リテラシー」の盲点に留意し,調査研究を行う人材を育成するためには,どのような教育を設計し,どう実行するべきか。データベース会社のノウハウを通して,利用者教育のデザインと具体的手法について論じる。急増するエンドユーザに必要な「情報リテラシー」を伝え,利用者対応で疲弊しない,サステイナブルな知識と人材育成の方法を議論する。
著者
清水 洋 松本 聡 酒井 慎一 岡田 知己 渡辺 俊樹 飯尾 能久 相澤 広記 松島 健 高橋 浩晃 中尾 茂 鈴木 康弘 後藤 秀昭 大倉 敬宏 山本 希 中道 治久 山中 浩明 神野 達夫 三宅 弘恵 纐纈 一起 浅野 公之 松島 信一 福岡 浩 若井 明彦 大井 昌弘 田村 圭子 木村 玲欧 井ノ口 宗成 前原 喜彦 赤星 朋比古 宇津木 充 上嶋 誠 王 功輝 ハザリカ ヘマンタ 矢田 俊文 高橋 和雄
出版者
九州大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2016-04-22

2016年熊本地震について、地震活動や地殻変動、活断層、火山活動への影響、地震災害の特徴などを調査した。その結果、熊本地震は布田川・日奈久断層帯の右横ずれ運動によって発生したが、複数の断層面と複雑な断層形状を持つことを明らかにした。また、建物被害や土砂災害の地盤との関係、特に、地盤の過剰間隙水圧が地すべりの発生要因であることを明らかにした。さらに、災害情報や災害過程、被災救援、エコノミークラス症候群などについての調査から、広域複合災害の問題点と対応策を提示した。
著者
矢田俊文著
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
2009
著者
矢田 俊文
出版者
新潟史学会
雑誌
新潟史学 (ISSN:02874946)
巻号頁・発行日
no.72, pp.17-34, 2014-10