著者
藤原 賢哉 善如 悠介 西尾 圭一郎 小早川 周司 若森 直樹 地主 敏樹
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

近年、政府は、「キャッシュレス決済比率」の引き上げを政策目標として掲げている。しかし、上記の指標は、銀行の口座間送金が考慮されていないほか、最近、普及しつつあるモバイル決済等については十分カバーしていないという問題がある。「キャッシュレス決済比率」は、一つのマクロ指標ではあるが、消費者のライフスタイルや社会構造の変革(デジタル化)に対応したものになっていない。本研究では、消費者の決済手段の選択、利便性や生産性への影響、金融・決済業の産業組織や規制監督のあり方(消費者保護、金融政策含む)について、1)統計整備(普及調査、新たな指標作成)と、2)経済的影響について分析(理論・実証)を行う。
著者
市原 晋平
出版者
神戸大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

本研究は18世紀のハンガリー王国において「周囲からツィガーニと呼ばれた人々」(以下、ツィガーニ)が取り結びえた社会的諸関係の解明を企図し、とりわけ市場町ミシュコルツにおけるこの人々の状況を地域定的文脈や、より広範な社会的・政治的情勢と関連付けて検討することを課題としている。本年度は、博士論文執筆に必要な史料・文献の入手を目的とするハンガリーへの調査渡航(2016年1月27日~2月15日)を除けば、前年度までに入手した史料・文献の内容整理、その中で明らかとなった知見の公表に努めた。結果、研究報告2本と図書1点の成果を得た。研究報告では、まず日本西洋史学会大会(2015年5月17日)にて、18世紀半ばのミシュコルツにおけるツィガーニ集団の指導者、頭領の機能とその変化を、1767年の頭領の法的廃止という王国規模の政策の影響なども考慮しつつ、検討した。また、東欧史研究会・ハプスブルク研究会合同報告会(2015年10月18日)では、18世紀初頭のミシュコルツにおけるツィガーニ、とりわけ鍛冶師の経済活動を、地域の経済的状況やギルドなどその他の経済活動主体との関係の中で検討した。さらに、次年度にはジプシー/ロマ研究会(2016年4月16日)にて、ミシュコルツにおけるツィガーニによる「犯罪行為」について、18世紀ハンガリー王国で実施されたツィガーニに対する「同化」の試みと関連付けて検討する予定である。図書については、ハプスブルク家とブルボン家の宮廷を比較検討したJ. ダインダム『ウィーンとヴェルサイユ』の翻訳に参加し、18世紀当時ハプスブルク家領に属したハンガリー王国を、より広い枠組みから捉え直す重要性を再認識した。目標としていた年度中の博士論文完成には至らなかったが、以上の研究報告、調査などによって、本博士論文は完成に向けて大きく前進し、2016年度中に提出できる見込みである。それと合わせて、以上の研究報告を今後、論文の形で公表することを目指したい。
著者
平野 亮
出版者
神戸大学
雑誌
研究論叢 (ISSN:09197664)
巻号頁・発行日
no.20, pp.39-51, 2014-06-30
著者
吉田 典子
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究は、エミール・ゾラの《ル-ゴン=マッカール叢書》において、19世紀後半のフランスにおける産業や科学技術、ならびに都市の発達と、そこに新しく生じた文化や人間の心性との関係が、どのように表象されているかを、次の3つの面から検討したものである。1.オスマンの都市改造に関しては、まず『獲物の分け前』において、この事業がどのように巧みに小説化されているかを示し、とりわけプランス=ウ-ジェーヌ大通りの解体工事視察の場面で、都市の「解剖」が、「下方にある真理」をめざす近代の諸科学の隠喩になっていることを示した。また改造後のパリを特徴づける鉄とガラスの建築物の原型ともいうべき「温室」が、展示の空間、欲望の空間として「近代」を具現していることを明らかにした。2.デパートの発展とモード産業の興隆に関して、まずゾラのボヌ-ル・デ・ダム百貨店とオスマンのパリ改造の関係を調査し、ゾラのデパートがめざした新街路「12月10日通り」は、株式取引場とオペラ座を結ぶ通りで、デパートがまさに「投機スペキュラシオン」と「演劇スペクタクル」の結合として提示されていることを示した。またショウ-ウインドウに象徴されるデパートのガラス空間における誘惑の美学についても考察した。また『獲物の分け前』の女主人公ルネの衣裳の分析を通して、第二帝政期のモードと社会、モードと文化の関係を検討した。3.産業化社会とジェンダーの問題に関して、ゾラはム-レの経営するデパートを産業化社会を象徴する一個の巨大で怪物的な「機械装置」として構想している。それは「男性」によって発明された「女性」誘惑の装置である。デパートをめぐる女性たちを、女性客(消費者)、女性従業員(労働者)、経営者の妻(主婦)の3つのカテゴリーにわけ、女性と消費資本主義社会の関係を考察した。
著者
段 智久 赤松 浩
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

地球温暖化の要因となるGHG(CO2、CH4など)を排出する熱機関において、それらの排出量を低減させることが環境保全の観点からも必要である。その手法として、燃料燃焼を促進させる効果のあるプラズマを熱機関の燃焼室内部で生成させて作用させることを試みる。レトロフィットで試作するガス燃料を利用する二元燃料エンジンシステムを用いて、プラズマのガス燃焼促進効果を検証して、本手法の有効性を明らかにする。
著者
山地 秀樹 勝田 知尚
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ウイルス様粒子は,ウイルス感染症を予防するための有効かつ安全な次世代ワクチンとして利用が期待されている.本研究では,A型のインフルエンザウイルスの構造タンパク質であるヘマグルチニンHAおよびマトリックスタンパク質M1の遺伝子を昆虫細胞に導入し,両遺伝子を共発現する組換え昆虫細胞の作製を検討した.異なる薬剤耐性遺伝子を有する2種類の高発現型プラスミドベクターを用いて両遺伝子を導入し,薬剤耐性遺伝子に対応する2種類の抗生物質の存在下で培養することにより,HAとM1を含むインフルエンザウイルス様粒子を分泌生産する組換え昆虫細胞を効率よく作製することに成功した.
著者
山上 憲太郎
出版者
神戸大学
巻号頁・発行日
2021