著者
松本 幸三
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

軸回転運動が可能な官能基としてコハク酸イミド構造の官能基を持つビニルエーテル系ポリマー、ならびに5員環環状カーボナート構造の官能基を持つポリカルボシランを合成し、得られたポリマーにリチウム塩を添加して高分子固体電解質としての特性評価、ならびに、リチウムイオンバッテリー用の電解液のゲル化によるゲル電解質よしての特性評価を行った。その結果、5員環環状カーボナート基を持つポリカルボシランが、高リチウムイオン添加条件下で特に高いイオン伝導度を示すことを見出した。
著者
梶 博史
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

筋と骨ミネラル代謝の相互関連を解明するために。筋における骨化調節因子および筋から産生され、骨形成促進的に作用する体液性因子の同定を試みた。筋由来の細胞と骨化シグナルを増強させた細胞で網羅的遺伝子解析をおこない、骨形成活性を有する因子を抽出した。そのなかで、Tmem119は筋骨化を局所性に誘導する因子として期待され、オステオグリシンおよびFAM5Cは筋から産生される新規の体液性骨形成因子の候補として、今後の骨粗鬆症治療薬開発の標的としてさらなる研究を進めたい。
著者
安永 達也
出版者
近畿大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

1.圧力ジャンプ法により、炭酸カルシウム懸濁液において二重緩和を見い出した。得られた速い緩和時間は粒子濃度とともに速くなったが、遅い緩和時間はほとんど粒子濃度に依存しなかった。また、前者は【Ca^(2+)】濃度の増加とともに遅くなり、後者は塩無添加の場合、最大値を示した。【Ca^(2+)】および【CO(^(2-)_3)】の吸着量はかなり小さく、結晶成長が起こっているサイト濃度は炭酸カルシウム結晶表面全体のごく一部であり、【Cu(^2+)】および【NH(^+_4)】の吸着等温曲線よりサイトとしてのキンク濃度を決定した。一方、炭酸カルシウム微結晶表面近傍のイオンの動的挙動に重要な役割を演じているゼータ電位は、塩無添加の場合に最大値を示し、塩添加とともに急激に減少した。以上の結果を考慮して解析した結果、速い緩和および遅い緩和をそれぞれキンクサイトへの【Ca^(2+)】の吸脱着および吸着した【Ca^(2+)】の加水分解した状態CaOHへの【HCO(^-_3)】の吸脱着反応に帰属し、結晶成長機構の素過程を明らかにした。2.上法により、リン酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム等の懸濁液においても緩和を見い出しており、現在測定中である。3.ストップトフロー法により、塩化バリウム水溶液と硫酸ナトリウム水溶液を急速混合することにより結晶核形成過程に関する高速現象を見い出しており、現在測定中である。
著者
松本 長太
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学医学雑誌 (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.1-17, 1989-03-25
被引用文献数
6

The physiological character of the pericentral visual field near the fixation point is not so well understood as in the central 30° visual field. In this paper a report is made on the influences of stimulus size and background illumination on the sensitivity of this area studied in normal subjects and patients with several eye diseases. According to the SARGON program of the automated perimeter Octopus 201,49 test points on a 2° grid in the pericentral area were tested in normal subjects. These test points were examined under the conditions of stimulus sizes 1,3 and 5 (the visual angles of 0.108°, 0.431° and 1.724°) and under the background luminances of 0.4,4 and 31.5 asb. In the normal subjects the sensitivity curve of this pericentral area was rather flat when large stimulus sizes were used. But within the range from 0.4 to 31.5 asb the background illumination did not affect the sensitivity curve of this area so remarkably as the stimulus size. Differential light sensitivity decreased with age and its decrease was more evident under the condition of smaller stimulus sizes. The influence of stimulus size of this area was then studied in patients with several eye diseases. In many of the patients with optic neuritis, chiasmal syndrome and optic tract diseases, the stimulus size 1 was more sensitive in detecting pericentral scotoma and hemianoptic changes than the standard stimulus size 3. Thus the present results suggested that a small static target such as the stimulus size 1 should be used to examine the pericentral visual field abnormalities in neuro-ophthalmological cases.
著者
岡本 忠
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.61-68, 1992-03-15

接着性タンパク質の最近の進歩,特に水生動物の接着性タンパク質について紹介した.
著者
辻本 典央
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大學法學 (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.124-99, 2006-12-30

本文データは, CiNiiから複写したものである。本稿は, 2003年10月25日に開催された刑事判例研究会(於・同志社大学)での報告をまとめたものである。
著者
甲田 勝康 伊木 雅之
出版者
近畿大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

二重エネルギーX線吸収法(DXA法)による体組成(骨量、脂肪量、除脂肪軟部組織量)のデータについては、我が国の母集団を代表としたものはない。本研究課題では、我が国の成人母集団の代表性のある大規模無作為抽出標本調査の15年後の追跡調査対象者の体組成をDXA法によって測定した。その結果、体組成に地域差や年齢による変化がみられた。また、体組成と骨密度の関連や、体脂肪の分布パターンと心血管系疾患等のリスク要因との関連が示唆された。
著者
玉置 了 若林 靖永 堀川 宣和
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は,消費者のソーシャルメディア上の消費者のコミュニケーション行動をアイデンティティと倫理的消費の視点からの解明を目的としたものである。本研究は,(1)ソーシャルメディアにおける消費者のコミュニケーション行動をアイデンティティの視点から分析する手法を検討し,テキストマイニングにより感情と消費スタイルに基づくアイデンティティとの関係を解明した。(2)倫理的消費の動機及び意識のそれ自体の検討として,倫理的消費がアイデンティティと共感によって促進されることを明らかにした。(3)SNS上の倫理的消費に関する消費者発信の情報を抽出し自己表現と関係構築の視点から分析を行った。
著者
武田 徹
出版者
近畿大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本研究は、葉緑体のモデル型とされるラン藻synechococcusPCC7942のカタラーゼ-ベルオキシダーゼ遺伝子をタバコ葉緑体に導入し、最終的に活性酸素に起因する環境ストレスに耐性を有する植物の作出を目的としている。今年度得られた結果は以下に記すとおりである。1. すでに当研究室で確立されているタバコ葉緑体への遺伝子導入法を用いて、まず、トマトリブロース-1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼスモールサブユニットのプロモーターおよびトランジットペプチドの下流にSynechococcusPCC7942のカタラーゼ-ペルオキシダーゼ遺伝子(katG)を連結したプラスミドを構築した。2. 上記のプラスミドをAgrobacterium tumefacienceLBA4404を用いてリーフディスク法によりタバコ(Nicotiana tabacum cv.Xanllthi)に形質転換した。3. カルス化および再分化した後、植物体にまで生育したタバコとして6検体得られた。これら6検体のうち、サザンハイプリダイゼーション、ノーザンハイブリダイゼーションおよびPCRによりキメラ遺伝子の導入が確認されたのは2検体であった。4. 上記2検体の形質転換タバコのカタラーゼ活性はコントロールタバコ(野生株)に比べて1.4-2.3倍であった。また、Synechococcus PCC7942のカタラーゼ-ペルオキシダーゼに対するポリクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティングより、これら2検体の形質転換タバコにカタラーゼ-ペルオキシダーゼタンパク質が発現していることが明きらかになった。5. 上記2検体の形質転換タバコのリーフディスクを用いてパラコート耐性実験を行った。その結果、形質転換体は野生株に比べて明らかにパラコートに対して耐性であることが明らかになった。現在、上記2検体の当代(To)の植物体を自家受粉させT1世代を作製中である。
著者
永井 博史
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学法科大学院論集 (ISSN:1349791X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.65-103, 2006-03-01

記事区分:原著
著者
宮下 盛
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学水産研究所報告 (ISSN:09117628)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-171, 2002-03-25
被引用文献数
19

水産業における国際的重要魚種の一つであるクロマグロは, 資源量の減少から年毎に資源保護の機運が高まりつつあり, 放流および養殖用の人工種苗生産技術の開発が強く求められている。しかしながら, 本種が大洋横断回遊を行い, 親魚が巨大であることと, 擦れ易く扱い難いことから増養殖に関する研究は著しく少なく, 現在まで人工種苗を養殖用に供したという報告がない。クロマグロ人工種苗量産のためには, 安定採卵技法の確立とともに, 仔稚魚の発育に伴う総合的な基礎知見の集積が不可欠であり, これに基づいた飼育技術の開発が重要である。このような観点から, 本研究では養成親魚の産卵生態, 卵発生, 仔稚魚の発育に伴う外部形態および内部形態, 遊泳能力と減耗期などの種苗生産に関わる一連の基礎知見集積を図るとともに, 人工生産魚の養殖用種苗への実用化を試み, 各発育段階における仔稚魚の飼育技法に検討を加えた。I.1987年に採捕した天然産幼魚を親魚に養成し, 成熟および産卵を観察し, 次の結果を得た。(1)串本周辺海域での産卵期は, 6月中旬から8月中旬の約2ヶ月間と推定された。(2)自然産卵が認められた水温範囲は21.6〜29.2℃であった。(3)成熟雌個体の卵巣内の卵径組成は多峰型を示し, 産卵様式は多回性であると断定した。(4)精子は全長約35μmで, 頭部, 中片部および尾部から構成され, 硬骨魚類の一般的な形態を示した。(5)卵は無色透明, 球形の分離浮性卵で, その平均直径は0.926〜1.015mmの範囲を示し, 水温が高いほど小さくなる傾向を示した。II.採卵から孵化までの卵管理技術の基礎となる発生に伴う生物学的, 化学的変化を調べた。1.卵発生過程を観察するとともに, 発生速度, 孵化所要時間および孵化率に及ぼす水温の影響を調べ, 次の結果を得た。卵内発生の各段階は一般硬骨魚と大差なく, 水温24℃の条件下で産卵32時間後から孵化した。50%以上の正常孵化率を示した水温範囲(孵化限界水温)は21.2〜29.8℃, 最高正常孵化率および最低奇形率を示した水温は25℃付近であったことから, クロマグロ卵の最適孵化水温は25℃付近と推察した。2.発生に伴う卵の生化学成分と酵素活性の変動を調べ, 次の結果を得た。発生に伴う卵の水分, 全窒素およびリン脂質含量に変化はなかった。遊離アミノ酸含量は発生に伴って僅かに減少したが, タンパク質含量は徐々に増加した。卵割初期の主要構成成分であるトリグリセライド(TG)含量は, 嚢胚後期以降急激に減少し, 孵化直前には初期の1/3に達したことから, 主にTGを卵発生中のエネルギー源として消費することがわかった。アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ, アラニンアミノトランスフェラーゼ, クレアチンキナーゼ, 乳酸デヒドロゲナーゼおよびアルカリフォスファターゼなどの活性の変動から, クッパー胞出現前後に器官の分化および形成が促進されることが示唆された。III.仔稚魚を飼育して, 発育に伴う外部形態の変化, 消化器官の形成と酵素活性の変動, 並びに体側筋の発達と酸素消費量の変動を調べた。1.初期発育に伴う外部形態の変化を調べ, 次の結果を得た。孵化仔魚の平均体長(BL)は2.83mmで, 20日目(10.6mm BL)までの成長はマダイと大差なかったが, 以後, 顕著に速くなった。孵化仔魚は約4mm BLまでに, マグロ属の前屈曲仔魚に特有の黒色素胞パターンを発達させた。マグロ類仔稚魚を同定する上で形態上の特徴として役立つ赤色素胞は4.63mm BLで躯幹部背側後部に, 以後, 尾鰭鰭膜, 下顎および下尾骨にそれぞれ出現したが, これらは体長19.72mmまでにすべて消失した。顎歯は5〜6mm BLで出現した。頭部の棘は, おおよそ7mm BLまでに発達し, 38mm BLまでに消失した。脊索末端の屈曲は6〜8mm BL(10日齢前後)で認めた。鰭条数は10mm BL(20日齢前後)で成魚と同数に達し稚魚期へ移行した。鱗の出現は27mm BLで始まった。体各部の相対成長は, 3〜4個の成長屈折点を持つ多相アロメトリーで, 前期仔魚から後期仔魚への移行期, 脊索末端の屈曲期, 後期仔魚から稚魚への移行期に, それぞれ成長屈折点の集中が認められ, 生理生態学的な変化が示唆された。2.稚魚から若魚における外部形態の発育過程を調べ, 次の結果を得た。稚魚期以降の絶対成長(平均体長)は, 既往の種苗生産魚種の何れに比べても著しく速く, 29日齢, 32.5mm;50日齢, 140mmとなり, 串本海域で毎年8月を中心に採捕される幼魚の体長200〜300mmに達するのに要する時間は約2.5カ月であることが分かった。魚体各部の相対成長は, それぞれ体長80〜100mmの間に成長屈折点が集中してみられ, これ以降多くの部位で体長に対する比率が一定となり, 成魚のそれにほぼ等しくなることが分かった。またこの頃, サバ型魚類の特徴である小離鰭の独立および尾柄主隆起縁の発現が観察され, 遊泳行動にも大きな変化が認められたことなどから, 体長80〜100mmが稚魚期から若魚期への移行期に当たることが分かっ
著者
坂本 栄治 泊 正雄
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学九州工学部研究報告. 理工学編 (ISSN:0288738X)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.7-15, 1992-12-01

The coal ashs which are burned at low temperature for the purpose of inhibiting nitrogen oxide generation have small size pores and contain relatively large amounts (〜35wt%) of carbon because of mperfect burning. We ixammed how to utilize these waste coal ashs for the adsorbent of agncultual chemicals. First, we tested the method of hardening or graining these coal ashs with cement Mortar by the ashs did not harden because of high water/cement ratios The pellets which are grained by the pan type pelletizer have more holding capacities of water and agncultual chemicals than by other methods The smaller the quantities of the adding cement are, the higher these abilities are and but the weaker the hardness of the pellets is Secondaly, we examined the abilities of holding or adsorption of 13 kinds of agncultual chemicals on the pellets These chemicals can be well holded or adsorpted with a few exceptions for Captain. The larger the contents of carbon in coal ashs are, the greater these abilities are.