- 著者
-
向井 苑生
- 出版者
- 近畿大学
- 雑誌
- 新学術領域研究(研究領域提案型)
- 巻号頁・発行日
- 2011-04-01
大気エアロゾルの広域分布導出を目指すエアロゾルリモートセンシングが主たる研究課題である。 具体的には、地球大気モデルにおける放射シミュレーション手法の効率化と精度向上を目指し,実利用解析における実効性に留意した。 本年度に新たに得られた地球大気モデルにおける放射シミュレーションコードと地上集中観測DRAGONに焦点を当てて報告する。A)半無限大気モデル用の放射計算手法(順次散乱法: MSOS)のコード化並びに一般化を行った。これにより,MSOSの一般利用普及が期待出来る。MSOSをMODISデータに適用し、黄砂嵐粒子や森林火災由来の煤煙粒子の光学特性導出(エアロゾル リトリーバル)を実施し,良好な結果が得られた。B) 2012年春季(2月15日から5月31日)に実施されたNASA/AERONETのDRAGON-東アジアに参加しDRAGON-日本/大阪を統括運営した.NASA/AERONETの標準放射計の高密度設置の他,NIES/LIDAR, PM-サンプラー,全天カメラ,可搬型放射計(Microtops-II) 等多様な大気エアロゾル計測機器を導入して大気エアロゾルのローカルな空間変動を捉える事が出来た。特に3月11日に中国大陸から飛来した高密度汚染大気塊を,上記の多種多様な機器によるデータから実証できた意義は大きい。SEM-EDXを用いて,サンプリング採集したPM粒子の形態及び化学組成分析を行い,短い時間内における粒子組成の成分比の変化や非球形形状を検出した。