著者
斉藤 日出治 佐藤 正人 金 静美
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

民間団体「海南島近現代史研究会」の一員として3年間で5回海南島を訪問し、侵略犯罪の犠牲となった方々から、日本政府・日本軍・日本企業によって被った被害の状況について話を伺った。この聞き取りを通して、殺害された方々の氏名、人数を確認すると同時に、住民虐殺、食料・資源・土地・家財・家畜・諸資源などの略奪、諸産業の支配、性暴力、強制労働などの実態を記録した。さらに、このような日本国家の侵略犯罪が敗戦後70年にわたって明らかにされてこなかったことが戦後日本社会のありかたにどのようなかたちで投影されているのかを検討し、日本の近代社会を植民地主義の視座から再考した。
著者
若宮 建昭
出版者
近畿大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1995

血液脳関門(Blood blain barrier;BBB)透過性を有するダイノルフィン様ペプチド(DLAP)および副腎皮質刺激ホルモン類縁体のエビラタイドの構造をもとに約20種のペプチドを合成したところ、両者の下線部分の構造を合わせ持つペプチドH-MeTyr-Arg-MeArg-D-Leu-NH(CH_2)_8NH_2(001-C8)が極めて高い透過性を示した。この001-C8を蛍光標識したペプチド001-C8-NBDの調製を行ない、まだ推測の域をでないAMT機構解明研究に用いた。その結果、従来の放射性標識では不可能であったペプチドの経時的な透過過程の追跡が可能となり、正電荷を持つペプチドが脳毛細血管細胞脂質膜上の負電荷部分に吸着したあと、徐々に膜を通過して脳実質へ移行する。AMT機構を視覚的に確認することができた。しかしながら、脂質膜上の負電荷部分の詳細に関してはまだ全く未知であり、今後明らかにされねばならない重要な課題である。001-C8を用いた種々の実験から、これを薬物の運搬役として利用するにはまだ血液中のペプチド分解酵素に対する安定性および脂溶性が、必ずしも十分高くはないことが明らかとなった。そこで、H-D-Tyr-D-Arg-D-Arg-D-Leu-NH(CH_2)_8NH_2,H-MeTyr-Arg-MeArg-D-Leu-NH(CH_2)_8NHCH(CH_3)_2,H-MeTyr-Arg-MeArg-D-Leu-NH(CH_2)_8NHCH_2CH(CH_3)_2などのペプチドを新たに合成し、それらの酵素安定性と透過性の試験を行っているが、その結果をもとに運搬役として理想的なペプチドの創製を目指す予定である。以上のように、本研究課題はまだ緒についたばかりであるが、これまでの研究により基礎的な問題は解決したので、今後の飛躍的な展開を期待して研究を続けて行きたい。
著者
仲宗根 薫
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学工学部研究報告 (ISSN:0386491X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.15-18, 2005-12-20

Acetyl-CoA carboxylase is key enzyme involved in the starting for fatty acid synthesis. In this study, we have cloned and sequenced gene cluster encoding acetyl-CoA carboxylase from a deep-sea piezo-and psychrophilic bacterium, Shewanella violacea strain DSS12. Sequence and structural analyses were done to understand structural-function relationships for adapting under high pressure and low temperature conditions. The cloned fragment contained two open reading frames, designated the accB and accA genes, capable of encoding a 538-amino-acid protein of 58.1 kDa and a 573-amino-acid protein of 61.5 kDa, respectively. The protein (AccA) encoded by the accA gene was strikingly similar to biotin carboxylase subunits of acetyl-CoA and propionyl-CoA carboxylases and of pyruvate carboxylase. The putative motifs for ATP binding, CO_2 fixation, and biotin binding were found in AccA. The aceB gene was located upstream of the accA gene, and they formed a two-gene operon. The protein (AccB) encoded by the aceB gene showed high degrees of sequence similarity with carboxyltransferase subunits of acetyl-CoA and propionyl-CoA carboxylases and of methylmalonyl-CoA decarboxylase. Carboxybiotin-binding and acyl-CoA-binding domains, which are conserved in several carboxyltrausferase subunits of acyl-CoA carboxylases, were found in AccB.
著者
千川 道幸 海野 和三郎 湯浅 学
出版者
近畿大学
雑誌
理工学総合研究所研究報告 (ISSN:09162054)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.35-39, 1989-01

The structure in the Virgo Cluster is studied on the basis of fractal structure analysis. The numbers of galaxies used are about two hundreds in this analysis in the area of 12h to 13h and 0° to 20° of right ascension and declination respectively. We get a result of the fractal dimension of 1.98±0.23 as preliminary result.
著者
中路 正恒
出版者
近畿大学
雑誌
文学・芸術・文化 : 近畿大学文芸学部論集 (ISSN:13445146)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.1-10, 2006-02-25

本文データはCiNiiから複製したものである
著者
村田 修
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学水産研究所報告 (ISSN:09117628)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-101, 1998-03-31
被引用文献数
6

養殖魚における品種改良の歴史は栽培植物および家畜のそれに比べまだ著しく短い。しかし, 水産養殖業の将来の一層の進展を計るためには, 養殖魚の品種改良によって, 成長, 外観, 肉質, 環境ストレスおよび病気に対する耐性など経済的特質の向上を期待する必要がある。このような観点から, 本研究では海水養殖対象魚として重要な数種の魚類について, 選抜育種, 交雑育種, 導入育種および倍数体育種による品種改良を行い, 作出した魚類の特性を調べそれらの養殖効果について検討した。I.農畜産物および養殖魚における品種改良の意義と歴史について述べた。II.天然マダイよりも成長の早い養殖用マダイ種苗を生産することを目的として, 選抜育種によるマダイの品種改良を試みた。すなわち1964年前後に天然幼魚を飼いつけて親魚になるまで育て, それから仔魚を得て育成し, 成長の速いものを選んで親魚とする選抜法を25年以上に亘って繰り返した。その結果, (1)選抜世代回数を重ねる毎にその4歳親魚の平均体重は増加し, 1世代目では2,000gであったものが, 6および7世代目では5,009gになった。(2)選抜マダイ種苗の成長も世代を重ねる毎に明らかに速くなり, 商品サイズの1kgに達するまでの平均日数が約320日も短縮された。(3)各世代4歳親魚の平均体重と各世代の成長曲線より求めた実現遺伝率は0.33±0.28であった。さらに, 長期間に亘り選抜育種されたマダイ種苗についてアイソザイムを遺伝標識とする集団解析を行った。その結果, 本実験に用いたマダイ種苗では, その長年に亘る継代交配にも関わらず, ホモ接合体過剰すなわち近親交配の影響は認められなかった。しかし, 1遺伝子座当たりの平均対立遺伝子数および多型的遺伝子座率の減退より, 集団としての遺伝子保有量は天然魚に比べ著しく減少していることが示唆された。このことは, 優良形質の獲得と固定化をめざす選抜育種の観点からすれば, 本学のマダイ種苗が選択育種系として遺伝的に均質化されているとみなすことができる。III.海水養殖魚類の生産効率を高めるための手段の一つとして交雑による品種改良を試みた。1.マダイ♀×クロダイ♂(以下, マクロダイと呼ぶ), マダイ♀×ヘダイ♂(以下, マヘダイと呼ぶ), イシダイ♀×イシガキダイ♂(以下, キンダイと呼ぶ), ブリ♀×ヒラマサ♂(以下, ブリヒラと呼ぶ)およびカンパチ♀×ヒラマサ♂(以下, カンヒラと呼ぶ)の特性を明らかにする目的で, これらの交雑魚の成長, 生残率, 外部形態および環境ストレス耐性などをそれぞれの親魚種と比較した。その結果, (1)マクロダイおよびマヘダイの成長は孵化後8〜10ヶ月目まではそれぞれの両親魚種よりも速かったが, 約3ヶ年目になるとマダイと他の親魚種との中間となった。(2)マクロダイの環境ストレス耐性はクロダイよりも弱いがマダイよりも著しく強がった。(3)マヘダイでは海水比重低下耐性だけがヘダイよりも弱くマダイよりも強かった。(4)外部形態や体色などから, マクロダイはクロダイに, マヘダイはヘダイに近く, いずれも父系遺伝が強いことが示唆された。(5)キンダイは, イシダイよりも速く商品サイズにまで成長した。またその生残率は両親魚種イシダイおよびイシガキダイよりも高かった。さらにキンダイの外部形態はイシダイよりもイシガキダイに近いことが分かった。(6)ブリヒラとヒラマサを比較した場合, ブリヒラの方が成長が良く, 約1年6ヶ月間養成後の平均体重はヒラマサの約2倍であった。飼料効率でもブリヒラはヒラマサ, ブリに優った。またブリヒラの高水温ストレス耐性はヒラマサとブリの中間であった。(7)カンヒラはカンパチおよびヒラマサよりも飼料効率が高く, 増肉係数は6.2となり, またその高水温および低水温に対する耐性も両親魚種より高かった。これよりカンヒラは今後の養殖対象魚として注目される。2.前節に記した各種交雑魚における産卵期の生殖腺成熟の様相を調べ, 次の結果を得た。(1)マクロダイおよびマヘダイは雌雄ともに生殖不能すなわち雑種不妊であった。(2)キンダイの雌はすべて正常に成熟し, かつ雌の割合が90%以上を占めた。一方, 雄のそれは6%にすぎないにもかかわらず, その成熟状態から生殖能力をもった正常な雄が存在することが分かった。(3)ブリヒラおよびカンヒラの成熟は親魚種のカンパチおよびヒラマサよりも容易に進むことが分かった。3.交雑魚の遺伝生化学的, 細胞遺伝学的分析を試みた。すなわち, 次の3種の交雑魚マクロダイ, マヘダイおよびキンダイのアイソザイムおよび染色体分析を行いそれぞれの両親魚種との比較を行った。その結果, (1)各交雑魚の染色体は両親魚種の半数染色体の和で構成された二倍体雑種であることが確認された。(2)イシダイとイシガキダイとの間の遺伝的距離が, マダイとクロダイおよびマダイとヘダイとのそれらよりも比較的近い位置にあることが示唆された。このような違いは, マクロ
著者
滝井 健二 石丸 克也 吉田 幸功 井上 修一 日高 久美 眞岡 孝至 谷本 文男 伏木 省三
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学水産研究所報告 (ISSN:09117628)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.11-18, 2006-03-25

飼料への自己消化酵母Hansenula anomala(Ha)の添加が,アユの飼育成績やレンサ球菌症の自然発症率に及ぼす効果について調べた。チリ魚粉をタンパク質源とした飼料に,Haを18,9および3%配合した飼料(Ha-18,-9および-3)を,体重35.7gのアユに1日4回,1週間に6日飽食給与して12週間飼育したところ,Ha-9およびHa-3区の成長および飼育成績は,対照のHa無配合飼料区(Ha-0)やHa-18区より優れていた。また,終了時におけるレンサ球菌症の発症率は,Ha配合区がHa-0区より僅かに低かった。ついで,レンサ球菌症の発症を抑えるための,Ha-3飼料の効果的な給餌法を検討するため,平均体重33.0gのアユにHa-0およびHa-3をそれぞれ連続給与する区,Ha-3とHa-0を毎日交互に給与する(Ha-3, 0)区などを設けて10週間飼育したところ,増重率はHa-3給与によって向上し,発症率はHa-3, 0区で28.6%で低く,Ha-0区の45%,Ha-3区の50%の順に増加した。以上の結果から,飼料のHa添加は成長促進だけでなく,レンサ球菌の感染防御にも効果のあることが示唆された。
著者
湯浅 学 Umetani Masafumi Yamamoto Nawo DAS M. K.
出版者
近畿大学
雑誌
理工学総合研究所研究報告 (ISSN:09162054)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-7, 2005-02-28

It happens frequently that the observational data is not complete but missing partly by various reasons. A preliminary study for supplementing adjusted values to such imperfect data based on Principal Component Analysis (PCA) is executed. IRAS 3 colors of mass-losing stars and their expanding velocity on the ground based observations are adopted for the experiment. One of these 4 data is eliminated for each star and the adjusted value is restored. The original data and the restored one are compared and the distribution of the restored errors is studied.本文データの一部は、CiNiiから複製したものである。
著者
折原 茂樹 目黒 忠道
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学医学雑誌 (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.21-30, 2006-03-25
被引用文献数
1

大学生の生活習慣と健康意識などとの関係をみるために,大学生を被験者として,「日常生活調査」,「疾病経験・相談者調査」,「健康意識調査」の3種の質問紙調査を実施した.その結果,(1)「日常生活調査」質問紙より「規則的生活リズム因子」,「生活習慣妨害因子」,「健康生活習慣因子」を,(2)「疾病経験・相談者調査」質問紙より「健康サポータ因子」,「疾病経歴因子」を,(3)「健康意識調査」質問紙より「健康将来展望因子」,「健康楽観因子」,「生活習慣不安因子」,「健康情報希求因子」をそれぞれ抽出した.(4)「健康楽観因子」以外の因子に性差がみられた.(5)住居別(自宅通学者と自宅外通学者)の差がみられた因子は「規則的生活リズム因子」,「生活習慣妨害因子」であった.(6)各因子得点間では「規則的生活リズム因子」と「生活習慣不安因子」との間に相関があった.(7)「生活習慣調査」調査の各因子に関連した「健康意識調査」調査等の各因子と,関連しない因子を認めた.(8)学年差では,「規則的生活リズム因子」と「健康楽観因子」で学年差がみられた.
著者
大家 正太郎 清水 壽一 堀川 芳明 山本 慎一 中村 元二
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学水産研究所報告 (ISSN:09117628)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.129-142, 1984-10-30

本文データはCiNiiから複製したものである
著者
辻 陽
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大學法學 (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.63-88, 2007-12

[目次]はじめに, 第1章 分析枠組み 1.従属変数 2.独立変数 (1)「革新」知事と90年代「非自民」知事 (2)官僚出身知事と政治家出身知事 3.事例選択 4.仮説, 第2章 分析 1.概観 2.各県政の模様 (1)長野県政(「革新」・官僚出身, 第1期4年) (2)畑県政(「革新」・政治家出身, 全5期20年) (3)浅野県政(90年代「非自民」・官僚出身, 第1期・第2期) (4)北川県政(90年代「非自民」・政治家出身, 第1期4年) 3.仮説の検証, おわりに本稿は, 日本公共政策学会2007年度研究大会において報告した原稿を加筆・修正したものである。
著者
小林 邦雄
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学生物理工学部紀要 = Memoirs of the School of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.47-61, 2008-03

大学生の基本的学習観について,アイデンティティ,孤独感,及び映画鑑賞のあり方との関係において,検討することが,本研究の主要な目的である.1年生,上級学年の学生の2群からなる162名の大学生に,思春期・青年期をテーマとした映画を鑑賞させた.映画は2種類あり,各群は1種のみ鑑賞した.直後に映画鑑賞のあり方を評定する課題,基本的学習観,アイデンティティ,及び孤独感を査定する質問紙を実施した.回答に対する因子分析,及び項目分析の結果に基づき尺度構成を行い,尺度間の関係の分析には主として相関分析を用いた.基本的学習観の測定尺度は「失敗に対する柔軟性」,「過程重視志向」,「方略志向」,及び「意味理解志向」の4尺度で構成した.「アイデンティティの確立」の進んだ被検者において,「失敗に対する柔軟性」が高く,「意味理解志向」も強い傾向が見出されたが,「アイデンティティの基礎」は学習観に関わりがないことが示された.3尺度からなる「孤独感」尺度の中で人間どうしの「理解・共感の可能性」への期待・信頼を査定する尺度の得点が高い被検者において,「失敗に対する柔軟性」が高く,「方略志向」と「意味理解志向」も強いことが示されたが,「孤立感」については,1年生では「孤立感」の強い者が「方略志向」も強いが,上級学年では,「孤立感」の強い者は「方略志向」が弱いという学年によって全く反対の結果が示された.また,「自己の個別性の自覚」が強い被検者は「失敗に対する柔軟性」,「過程重視志向」が強く,「意味理解志向」も弱くはない傾向が見出された.1年生では「自己の個別性の自覚」が強い者は「方略志向」も強かった.上級学年群では,映画の「卓越性」に高い評定を与えた被検者ほど「方略志向」,「失敗に対する柔軟性」が強く,「過程重視志向」も弱くないこと,また「強靭」に高い評価を与えた被検者ほど「方略志向」が弱くはない可能性が示唆されたが,1年生では基本的学習観と映画鑑賞のあり方との間に有意な相関は見出されなかった.以上の結果は,アイデンティティ,孤独感において発達の進んだ被検者は,基本的学習観もポジティヴであり,映画鑑賞力も高いであろうという仮説を概ね支持するものであった.
著者
遠藤 剛 古荘 義雄 山田 修平
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

隣接するトリ・テトラカルボニル化合物が水およびアルコール類と可逆的に付加ー脱離反応を起こすことを利用して、これらを架橋剤として用いることで水酸基含有のポリマーであるエチレングリコールやポリビニルアルコール等の多価アルコールのネットワークポリマーを構築できた。さらに、ネットワーク化により得られたゲルに水を加えると解架橋が進行し、原料のポリマーを収率よく回収することができた。
著者
山根 猛 田中 祐志
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.37-43, 1999-03-31
被引用文献数
2

熊野灘南部太地湾での定置網漁獲量と水温変動の関係について検討した。夏季に熊野灘海域に発生する沿岸湧昇に起因する湾内の一時的な水温低下は, 深海性魚類であるムツ, そしてクロシビカマスの漁獲量に影響する。特に, 当該漁場で商業的有用種であるムツの漁獲量は, 沿岸湧昇による水温変化が大きいほど多獲される傾向が見られた。熊野灘沿岸に発生する沿岸湧昇は外洋に向けて広く開口した太地湾の湾奥にまで波及し, 夏季に太地湾で漁獲される深海性魚類の漁獲量に大きく影響する可能性を示唆する。
著者
飯山 悟 山口 陽 都甲 潔
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学九州工学部研究報告. 理工学編 (ISSN:0288738X)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.15-19, 1996-12-01

In mixtures of substances with different taste qualities, the components can still be recognized but are usually perceived as less intense than when unmixed. Responses of electric potential in an artificial lipid-membrane to several taste substances such as HCl, quinine and NaCl were investigated. In the presense of another taste substance, responses of membrane potential to each taste substance were suppressed markedly. Pretreatment of the membrane with anesthetic tetracaine or bitter substance quinine also suppressed the response to quinine, HCl and NaCl; the suppression could be attributed to adsorption of tetracaine or quinine to the membrane.
著者
岸上 哲士 若山 照彦 佐伯 和弘
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

世界初のクローンヒツジ「ドリー」の報告以来、クローン動物の作出効率は動物種によらずわずか数%と低率であった。本研究代表者は、クローン胚をヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)、トリコスタチンA(trichostatin A, TSA)で処理することでクローンマウスの作出効率が大幅に改善されることを発見した。本課題ではその作出効率改善の機構解明として発生におけるHDAC酵素やタンパク質アセチル化の重要性を明らかにし、さらにこれまで不可能であったマウス系統からのクローンマウスの作出に世界で初めて成功した。