著者
佐伯 裕司 大和 宗久 大西 博昭 久保 隆一 田中 順也 中野 敬次 山田 博生 中嶋 一三 北條 敏也 奥野 清隆 岩佐 善二 安富 正幸
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学医学雑誌 (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.299-305, 1985-09-25
被引用文献数
4

The breast is one of the most common site of cancer originated primarily. Metastatic neoplasma to the breast, however, has been reported as rare. According to the Annul of the Pathological Autopsy Cases in Japan, seventy six cases who had metastatic neoplasma to the breast out of 219,41 cases were reported in 1981,which included 35 cases of the opposite side breast cancer, 9 of gastric cancer, 9 of malignant lymphoma, 5 of cervical or corpus cancer of the uterus etc. The incidence of the metastatic cancer to the breast is 0.35% in all the malignant neoplasma. In this paper, the authors reported 3 cases with the metastatic neoplasma to the breast experienced during a period of these 10 years. The first case was intrahepatic bile ductal cancer, the second was pancreatic cancer, and the third was descending colon cancer. The intrahepatic bile ductal cancer was the first case of metastatic cancer to the breast in Japan in the literature.
著者
三橋 洋治
出版者
近畿大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

H7 7月研究物品購入。申請額を下回る予算の為予定のインキュベータ-の購入ができなかった。培養液及び染色液及びエストロゲン抗体とプロゲステロン抗体などの消耗品のみの購入費用にあて、既存のCO_2インキュベータ-を使用せざるを得なかった。8月よりヒト子宮内膜の分離培養実験を開始するもインキュベータ-が多人数多目的に使用されている為、contaminationが問題となりカビによる汚染により細胞の増加が見られなかった。10月より趣旨を変えパーコールグラディエントを用いた絨毛細胞の単離実験を進めている。12月トロホブラストの単離に成功したがやはりインキュベータ-の精度の不良により、初代培養までは可能となったが継代培養は今も尚成功するに至っていない。従って当初の目的であるヒト子宮内膜の立体構築も残念ながら今だ樹立されてはいない。今後も努力を続けていく予定である。
著者
白木 琢磨 五十嵐 和彦
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

細胞外シグナル分子は膜結合型受容体を介したシグナル伝達に加え、その細胞内代謝物がリガンドとして働くにより直接PPARγを制御している。申請者自身のこれらの研究結果から、「膜型受容体と核内受容体のクロストーク」の解明を目指した。細胞内シグナルと、リガンドによる作用を時間的・空間的に分離し定量化するために、最大6つの転写制御について時間的な制御を視覚化するシステムを開発した。細胞内リン酸化シグナルによる核内受容体PPARγの活性制御を解析し、PPARγ蛋白質の安定化の変化と細胞内局在変化という、代謝物リガンドとは別の次元での制御機構でPPARgの活性調節を行っていることを明らかにした。
著者
馬場谷 成
出版者
近畿大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

1型糖尿病は難治性疾患であり、早期発見・早期治療のための方策が必須である.本研究では、1型糖尿病予知(早期発見)システムの構築を目的とし、1型糖尿病診断前より検出されるインスリン抗体の、より高感度な検出法を確立し報告した.また同様に、1型糖尿病において検出されるIA-2抗体の、より高感度な検出法の開発を継続中である.これらと、DNA遺伝情報を組み合わせることで、より適切な早期発見のための方策を検討した.
著者
冨永 徳幸 田口 節芳
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学工学部紀要. 人文・社会科学篇 (ISSN:03894606)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.23-32, 2006-12-20
被引用文献数
4
著者
井田 民男
出版者
近畿大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2001

微視的な拡散燃焼過程の理解は,流れと燃焼反応の相互作用からなる燃焼挙動の定常性を定量化する上で重要である。微視的な拡散燃焼過程を研究するには,分子レベルでの燃焼反応による挙動と分子拡散による流れの条件との相互関連を定量的に理解することが重要となる。同時に微視的な定常拡散燃焼過程を造りだすことは,それらの条件の整合性を見出せる可能性を含んでいる。本研究で開発されたシングル・マイクロフレームでは、分子拡散作用と燃焼反応現象との微視的な燃焼メカニズムに基づく性状を定量的に把握することができた。次のステップとして開発されたダブル・マイクロフレームでは、異なる燃料種における微視的な燃焼過程の変化を可視化することができた。1つの興味ある現象は、アウターバーナ(OB)によって形成された半球状の水素拡散燃焼場にインナーバーナ(IB)よりアセチレン燃料を微流量を供給することにより、輝炎発光の発生制御が可能となり、水素拡散火炎の半球状の極点からのみ輝炎発光が生じ出すことが明らかとなった。本研究では、微視的な燃焼過程を究めるために分子レベルでの拡散作用と燃焼反応が非対称かつ非定常な燃焼過程を実現できる微視的な燃焼場を造りだした。この微視的な燃焼場は、非同軸のバーナで,OBで形成された定常な拡散火炎内においてIBにより分子数千個のオーダで任意の位置から燃料が供給され形成される。結果次のような成果を得た。1)微視的な定常拡散燃焼場において、ススの生成過程である輝炎発光がマイクロフレームの半球状の極点で発生するメカニズムは、拡散燃焼場が軸対称であることが必要条件であることが示唆された。2)フレキシブル・ダブルマイクロフレームによって形成される非対称燃焼場では、輝炎発光像が不定位置でかつ非周期で発生することが定量的に明らかとなった。
著者
有馬 麻理亜
出版者
近畿大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

第二次大戦期におけるブルトン固有の理想主義を分析したうえで、ファシズムの台頭期にツァラ、バタイユとブルトンの再接近を可能としたのは異なる形態の理想主義であること、また、バタイユとブルトンに共通する理想主義的傾向が、大戦後の両者における神秘主義への関心や聖なるものへの追求に関係していることを明らかにした。さらに30年代に断絶したアラゴンとの思想上の相違が文体やジャンルの選択に表れていることを示した。
著者
大西 弘子
出版者
近畿大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

現代民主主義は、単位とメンバーシップの双方において、民主主義の規範理論にとって想定外の条件のもとで機能している。すなわち、国家・自治体・超国家組織などの単位が相互に入り組んだところで、専門家や利益集団といった有権者以外のメンバーによって諸政策は決定されている。こうした政策決定を議会主権から正統化することは、もはや困難である。それでは、現代民主主義における政策決定の正統性はどこに求められうるのか。本研究は民主主義の規範理論の更新にむけて、論点の整理をおこなっている。
著者
村瀬 晃平
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

カメラ画角や位置をコンピュータ制御し工場内での協調的な重労働動作を捕捉できる,三次元動作計測システムを開発した.下肢の屈曲動作計測をX線透過装置診断と比較したところ,本システムは作業着着衣時でも良い追従性を有することが証明された.加えて,膝関節の有限要素モデルを作成し非線形構造解析シミュレーションを行なった.靭帯の有無や少しの屈曲角度が荷重支持機能や周辺の最大応力値の増加に強く関与することを明らかにし,協調作業による微妙な姿勢変化が生体内の負担に大きく影響を与えていることが示唆された.
著者
郡 俊之 山本 茂 吉川 賢太郎 蒲 尚子
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

中学生とその親が共に関係している食育モデルを新規に開発すること、および客観的指標によりその効果を評価することを目的とした。親子が関与する弁当をテーマにした食育介入は、給食の副菜(野菜)の摂取量増加、弁当のバランス改善に有効であった。また、介入終了7か月後の追跡調査では、給食の喫食状況は効果が持続していたが、弁当のバランスは元に戻っていた。食育は効果を確認しながら継続的に実施する必要があること、および効果が持続する食育プログラムの開発が必要であると考えられた。
著者
坂東 誠 杉野 守
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-6, 1997-03-15

ウメノキゴケを3,4日毎にpH2の人工酸性雨に10分間,またはpH4及び5の人工酸性雨に90分間浸けると,2週間後のレカノール酸相対含有値が減少した。室内において,ウメノキゴケを0.15ppmのS0_2ガスに3,4日毎に90分間晒しても,レカノール酸相対含有値は有意に変化しなかった。都市域の外気にウメノキゴケを晒しても,レカノール酸相対含有値は有意に変化しなかった。また,都市域に降った雨にウメノキゴケを晒すと,レカノール酸相対含有値が有意に減少したが,非都市域の降雨では有意に変化しなかった。以上のことから,ウメノキゴケのレカノール酸相対含有値は,酸性雨の指標になり得ると考えられた。
著者
大越 愛子 井桁 碧 白水 士郎 森岡 正博
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

社会や技術の変化と進展に伴って、特に生殖をめぐる旧来の法・制度の限界が明確に意識されつつある中、本研究では後者の本質を生殖と身体をめぐる「自然主義」と特徴づけ、フェミニズム理論から代理母出産等の環実問題、過去の国家政策に至るまで、広範な領域における「自然」概念の検証・批判と、今後に向けた課題の整理を行った、最終年度にその成果を、研究分担者・連携者を中心とした6名の寄稿者による論文集として印刷・配布を行った。
著者
赤木 將男
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

トレッドミルを用いてC57/BL6マウスおよびつくば高血圧マウス(THM)を強制走行させた。走行開始後2、4、6、8週にて左膝関節を摘出し組織学的に評価した。THMのOAスコアは4週以降有意に高く、8週後にはOAマーカー発現の有意な亢進が認められた。また、THMではRASコンポーネントであるアンギオテンシンII1型受容体(AT1R)、AT2R、ACE、アンギオテンシノーゲンの発現が認められ、AT1R、AT2Rは走行開始後経時的な発現亢進が認められた。RAS系の亢進しているTHMは運動負荷によるOAを発症しやすく、OAの発症と進展には局所RASが関与していることが示唆された。
著者
吉野 成美
出版者
近畿大学
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.431-448, 2007-03-25

19世紀初頭のイギリスにおいて古典派経済学の大衆化に貢献した人物として,女性著述家であるジェイン・ハルディマンド・マーセットとその著書の一つ『経済学対話』を取り上げる。女子高等教育の制度が整っていなかった当時において,この著書は特に女性読者にとって経済学を学習する上で大きな役割を果たした。本論では,その貢献を,マーセットのジェンダー意識や文学テクストへの言及に顕著な作品内の様々なレトリックに注目し,それらを精読・分析しながら,当時の女性読者を「感傷的」文学の世界から,いかにして経済学といういわゆる「科学的」学問の世界に導くことに成功したかを考察する。
著者
奥村 博司 畠山 元 山地 弘起 石賀 伸太郎 若月 利之
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.71-80, 2007-03-31

The Nara Campus of Kinki University is located in the satoyama of Yata Hills. There are many terraced paddy fields and farm ponds on the campus that were abandoned in the previous six decades. In this study, the existing circumstances of the paddy fields, farm ponds and the surrounding Satoyama forest were investigated in order to complete basic information. These data will be useful for planning the restoration of the Satoyama.As a benchmark watershed, we selected 15-20 ha watershed for detailed survey on abandoned terraced paddy fields, farm ponds and the Satoyama forest. We established one ha Satoyama plot for detailed survey on vegetation, soil, and water condition. Some results of those were described by means of figures. After this, ecosystem model of the Satoyama should be developed for the planning the restoration of the Satoyama.記事区分:原著
著者
市川 尚紀 崔 軍
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、わが国の一般的な木造住宅に採用可能な太陽熱、雨水、地中熱による自然冷暖房システムの開発を行うものである。特に、雨水を地下に貯めて地中熱を蓄える装置として、既製品のドラム缶を連結した独自のシステムの有効性を確認することが本研究の特徴である。研究では、実物大の木造実験住宅を用いて、太陽熱で温めた雨水による暖房と、地中熱で冷やした雨水による冷房の実験を行い、夏と冬の冷暖房実験を実施した。この時、タンク切り替え自動制御盤の修理とバルブの調整などを行った。その結果、真夏日であっても、このシステムで継続冷房することができることがわかった。冬は暖房可能な時期について把握することができた。
著者
日下志 厳 磯貝 典孝
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

自家移植を目的とする耳介軟骨の再生実験として、自家膝関節(犬)より採取した軟骨細胞を単離し、耳介形状を有する生分解性ポリマーに播種した。実験群として、4群(軟骨細胞のみを播種した群、骨膜組織のみを縫合した群、軟骨細胞を播種した後、骨膜を付加した群、基材のみの群)を作成し、自家移植およびヌードマウス皮下へ移植した。その結果、ヌードマウス移植後11週目において、耳介形状を有する複合体の外観形態を観察したところ、耳介形態は、全ての群において保持されていた。また、組織学的検討を加えた結果、軟骨細胞群および軟骨細胞滑膜群において、分化した小円形の軟骨細胞とSafranin Oに強く染色された細胞外基質が認めれた。一方、骨膜群では、基材の骨膜側に沿って骨組熾の形成が認めれた。また、基材のみの群では、わずかなマクロファージ様細胞の浸潤は認めたが、軟骨、骨絹織などの新生組織の形成は認められなかった。Laser capture assisted PCR法の結果より、コラーゲンII型の遺伝子発現は軟骨細胞群および軟骨細胞/骨膜群のみに認めれ、特に、軟骨細胞/骨膜群では発現がdown regulationされる傾向を認めた。今後、自家移植モデルにおける長期的観察の結果を検討している。
著者
加藤 暢
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,物流システムに対する貨物の取扱いの形式的な監視を目的として,物流システムをプロセス代数を用いてモデル化する方法の確立,及び貨物の移動が正しく行われているかを監視するシステムの開発を行った。モデル化のための記述方法の定式化においては,既存のプロセス代数を拡張し,物流システムのモデル化に特化した多重Ambient Calculusを提案した。これにより物流システムの持つ階層構造,並列性などが適切に表現できるようになった。さらに,物流システムをモデル化した式と,UHF帯RFID機器を用いて検知した貨物の移動を対比させることにより取扱いの監視を行うシステムを構築した。
著者
近藤 真理子
出版者
近畿大学
雑誌
文学・芸術・文化 : 近畿大学文芸学部論集 (ISSN:13445146)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.83-97, 2006-07-20

本文データはCiNiiから複製したものである