著者
永瀬 純也
出版者
龍谷大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

人間と共存する環境におけるロボットハンドにおいては対人環境に対する安全性や親和性が要求される.また,日常生活の支援動作を行う場合は,それらに加えて,器用な操り動作や,柔軟な対象物の把持,および摩擦を利用した動作など,様々なタスクが求められる.そこで本研究では空気圧剛性可変フィンガを有する腱駆動ロボットハンドの開発を行った.本フィンガは,タスクに応じて空気圧を調整することにより表面剛性や摩擦係数を自在に変化可能であり,また,力制御に予測機能制御系を適用することにより,風船のような柔軟物においても,容易に力制御可能なことが実証された.
著者
林 尚毅
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷大学経営学論集 (ISSN:09183434)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.1-8, 2011-12-30
著者
野村 竜也 山田 幸恵 鈴木 公啓 神田 崇行
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

対人不安・評価懸念の高い人間がどのような状況で人よりもロボットを好むかについて、心理実験による検証を試みた。本研究の最終目標である人間カウンセラーへの誘導を考慮し、個人の悩み等の自己開示を要求する実験を設定、人相手・ロボット相手による条件間での様々な指標による比較を行った。結果として、対人不安の高い人ほど人前よりもロボットの前で話すほうが緊張が低下する傾向にあることが確認された。これと並行して、ロボットが人よりも好まれる業務場面についての大規模サンプルによる社会調査を行い、対人不安の高い人は多くの場面で人よりもロボットとの対話を望む傾向が確認された。
著者
松浦 さと子
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷紀要 (ISSN:02890917)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.69-79, 2005-09-30

これまで行政セクターの独占領域であったさまざまな地域の仕事がNPOセクターに「協働」というかたちで移譲され、市民参加を実体化する公共圏の再構築が行われている。一方2005年初頭、2002年まで日本で唯一の非営利放送であったNHKが、受信料管理の面からも、編集権行使の面からも厳しく指弾される立場となった。その公共性において、特殊法人である日本放送協会の、存立理念が問われているといえよう。市民参加と公共部門の再構築が放送の分野においてどのように行われているかを探るため、本報告では2004年に20周年を迎えたドイツの「オープン・チャンネル(Offener Kanal)」の歴史の側面を探る。1984年この制度の創設で、ドイツの放送は、「カメラとマイクを、万人の手に引き渡」すことになった。毎年多くの人々が自らの意見表明の自由についてオープン・チャンネルを通じて初めて認識するようになり、特異な人々の意見で満ち溢れるとの予測に反して、ごく普通の人々がオープン・チャンネルでテレビ・ラジオ番組の作り方を学び、提供された機会を自分自身の関心事を伝えるために利用しているという。ドイツ基本法第5条に保障された「放送および放映の自由」をもとに民主主義という明確な目的を共有し、国民の基本的人権のためのインフラであることを20周年にあたり再確認したオープン・チャンネルの現状とその議論について報告する。
著者
村岡 倫 森田 憲司 佐藤 智水 桂華 淳祥 渡邊 久 舩田 善之 渡辺 健哉 井黒 忍 櫻井 智美 松川 節 宮澤 知之 松田 孝一
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

研究期間中に、ニューズレター『13,14世紀東アジア史料通信』の第16号~第22号および別冊の計8冊を刊行し、研究代表者および研究分担者・連携研究者の石刻史料に基づく研究成果を掲載した。本科研費で購入した『西安碑林全集』に関して、奈良大学図書館では「『西安碑林全集』を見る」という企画展を開催し、ニューズレター別冊は、その展示に関連して刊行したものであり、研究成果を一般に還元した。第19号、第20号も『西安碑林全集』研究の成果として刊行したものである。そのほか、特筆すべき研究として、新たに発見された漢文・パスパ文合璧碑文の研究、元代のモンゴル高原における地方行政制度の研究などが挙げられる。
著者
武田 俊信
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

内外の成人期のADHDに関して研究機関の訪問や学会への参加を通して情報を得た。また精神神経学会に於いてシンポジウム『成人期のADHDにおける診断および治療上の課題』を企画した。ADHDをもつ成人から日常生活上の困難さや症状についての情報を収集して半構造化面接のプロトタイプを作成し、予備調査を経て本調査を施行した。同時にASRSというスクリーニングのデータを収集した。その予備的な成果を児童青年期精神医学会などで発表している。現在、DSM-5にも対応した成人期のADHDの半構造化面接の論文作成が終了し投稿準備中である。同時に成人期のADHDの単語記憶検査の特徴について神経心理学会で発表している。
著者
村田 哲也
出版者
龍谷大学
雑誌
東洋史苑 (ISSN:03876403)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.58-87, 1996-03-31
著者
植村 邦彦
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷大学経済学論集 (ISSN:09183418)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.173-175, 2012-02-10
著者
芳村 博実 荒牧 典俊 桂 紹隆 早島 理 能仁 正顕 内藤 昭文 藤田 祥道 乗山 悟 那須 良彦
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

「何が仏説か」という問いは大乗経典の登場によって部派仏教徒から初めて投げかけられたものではない。仏滅後徐々に増大していった初期経典のなかに「善説」であれば「仏説」であるという考えが登場し、アビダルマの学僧たちによって「法性に違わなければ仏説である」と定義されたのを受けて、大乗仏教徒たちは「大乗仏説論」を確立することができた。『大乗荘厳経論』第1章は、最も完成された「仏説論」を展開している。
著者
坂井 定雄
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷法学 (ISSN:02864258)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.1195-1227, 2013-03-12
著者
藤岡 章子 金森 絵里 太田原 準
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究ではこの保育所の事業システムを分析対象とし、その現状を経営学的視点から明らかにするとともに、システム再構築の可能性を検討してきた。保育所の中でも本研究ではマイナスのイメージでとらえられることの多い民営の認可外保育所に特に焦点をあて、その内実について検討を重ねてきた。これらの調査からは、資金的制約の多い認可外保育所が独自のマネジメント・システムと外部リソースの柔軟な活用によって、良質の保育の実現を可能としていることが明らかとなった。
著者
石井 大輔
出版者
龍谷大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

米ぬかやコーヒー粕等の農産廃棄物から取得可能な芳香族ヒドロキシ酸である、カフェ酸およびフェルラ酸の重縮合によるポリエステル化を行い、耐熱性および機械的特性を検討した。フェルラ酸に関してはグリコール酸との共重合体化により熱可塑性および液晶性が発現し、460°Cにおいて50%の重量残存率を示す高耐熱性ポリエステルが得られた。ポリ(カフェ酸)は110°C付近に軟化温度(ガラス転移点)を有する一方、熱分解開始温度が最大で320°Cに達する高耐熱性を示した。さらに加熱下でせん断を加えることで液晶構造を形成する外場応答型の液晶ポリマーであることも明らかとなった。
著者
亀山 佳明 西山 けい子 村澤 真保呂
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

われわれの研究の主要な目的は、スポーツや芸能、ダンスなどの身体的パフォーマンスがリズムとどのように関係するかを調べることであった。この目的を達成するために、まず一方において、パフォーマンスとリズムに関する過去の研究や文献を渉猟し、それらを詳しく調べることによって理解することをめざした。また、もう一方において、特定のパフォーマンスを選定して、それらの現場に足を踏み入れ、調査することであった。ここで選定されたのは、スポーツ領域ではサッカー(びわこ成蹊スポーツ大を中心とした関西学生リーグの参与観察と監督・選手へのインタビュー調査)とボート(龍谷大学ボート部の朝日レガッタにおける活動の参与観察と選手へのインタビュー調査)、また芸能では能(金春康之氏の公演取材とインタヴュー取材)、さらにダンス(黒田育世氏の公演取材)などである。これら両者の活動を平成17年度から18年度にかけて並行して行いながら、考察のための基礎的なデータ収集に努めた。さらに、それらのデータと先の理論研究を相互につき合わせることによって、パフォーマンスとリズムとの関係についての探求のための研究会を重ねた。そして、平成19年にいたって、以上のような基礎的な作業にもとづいた、われわれの研究の成果を日本社会学会などいくつかの学会において発表するとともに、それらの一部を『龍谷大学大学院研究紀要』等に掲載してきた。パフォーマンスの研究は社会学の領域においては、いまだ確立されていない状況にあり、そこに、われわれは「リズム」という方法論からのアプローチを試みた。リズムという視点にこだわったのは、リズムを介してパフォーマーの身体が生成するという考え方に由来しており、この点から、パフォーマンスを「身体の社会学」として考察することが可能となるからであった。われわれの調査研究にもとづく身体の生成論的研究は社会学の領域に新しい知見をもたらすといえよう。