著者
川角 由和 中田 邦博 児玉 寛 岡本 詔治 森山 浩江 若林 三奈 松岡 久和 潮見 佳男
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

本研究の目的は、第一にEU域内市場の拡大・展開を受け、EUレベルで進行する私法の統一化の動きを全体として跡付けてその特質を解明すること、第2に、こうした動きを基礎づける近代ヨーロッパ私法の原理(とくに契約法にみられる原理的共通性)や統一私法典の構想等を分析し、わが国の私法への影響を考察することにある。今回の研究期間内には、とくにこうしたヨーロッパ私法統一の動向そのものの分析と、日本法に対してそれがどのような影響を及ぼすのかを比較法的手法を用いて解明することに重点を置くものとした。この期間内には、本研究の中核メンバーによってヨーロッパ契約法原則の意義を明らかにし、それが日本法にどのような影響を及ぼすかを検討するシンポジウムを、比較法学会において開催した。また、こうした研究作業の基礎資料となる「ヨーロッパ契約法原則」についての翻訳プロジェクトに取り組み、すでに潮見佳男=中田邦博=松岡久和『ヨーロッパ契約法原則I・II』(法律文化社、2006)の刊行を終わり、IIIの刊行を予定している。また、これまでの研究成果を集大成した『ヨーロッパ私法の展開と課題』の刊行が予定している。以上のように、本研究は、さらなる展開を示しつつあるヨーロッパ私法・契約法の全体像を解明するために、さまざまなプロジェクトにおいて深化し、またすぐれた研究成果を挙げている。
著者
近藤 倫生
出版者
龍谷大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

数理モデリングの手法と食物網のネットワーク解析を組み合わせることで、生物を特徴づける適応的行動の、食物網構造やその個体群動態への影響を研究した。主な成果は以下の通りである:(1)捕食者の適応的採餌や被食者の適応的対捕食者防御によって、食物網における複雑性-安定性の間に成立する関係が質的に変化することを理論的に示した;(2)食物連鎖長とその生態系生産性への反応は適応的採餌の結果として理解が可能であることを理論的に示した;(3)自然食物網は適応的餌選択から予測されるようなネスト構造をもつ栄養モジュールの集合として理解できることを明らかにした;(4)自然生態系における捕食者と被食者の脳サイズにはいくつかの特徴的なパターンが見られることを発見した;(5)カリブ海の食物網は複数の栄養モジュールが、そこでの生物多様性を維持するような規則に従って配置されていることを発見した。
著者
松居 竜五 奥山 直司 橋爪 博幸 安田 忠典 小峯 和明 千本 英史 横山 茂雄
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究では南方熊楠の未公刊資料のうち、書簡、日記、ノート類など自筆原稿に関して、翻刻およびデータ編集をおこなった。またその結果に基づいて論文、展観、シンポジウムなどのかたちで南方思想の学際的かつ国際的な研究を進めた。このことにより、南方の比較説話学、仏教学、環境思想などに関して、従来よりも幅広く精緻な像を示し、今後の研究の方向性を切り開くことができたと考えている。
著者
大柳 満之 中沖 隆彦 中野 裕美 青井 芳史
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

積層不規則構造をもつナノ粒子の構造規則化と結晶配向、焼結の相関および、それに影響を及ぼす条件・因子に関する研究を行った。焼結パラメーターや添加材(CにはB、BNにはホウ素酸化物など)を変えることで、ナノ粒子の構造規則化・結晶配向・緻密化に及ぼす影響を調べた。積層不規則構造を保ちながら緻密化した焼結体と結晶配向の著しい焼結体を作り分けることに成功し、それらが特異な性質を示すことを明らかにした。
著者
宮永 昌男
出版者
龍谷大学
雑誌
社会科学研究年報 (ISSN:0288481X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-13, 1985-03-31
著者
福島 至
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

適切な公的検死(死因究明)制度を構築するためには、独立性・中立性、公開性、専門性、標準化の基本要素が不可欠であるとの結論に至った。独立性・中立性は、政府や自治体の各機関や当事者などの影響を受けないようにして、死因特定の結論が歪められないようにする。公開性とは、最低限のプライバシー保護をしつつも、得られた知見を事故等の再発防止に役立てる。専門性とは、法医学に精通した者が判断に関与することである。標準化は、全国的に等しいサービスを提供することである。
著者
中村 尚司 津田 守 広岡 博之 河村 能夫 鶴見 良行
出版者
龍谷大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993 (Released:1994-04-01)

本年度は、2年目であるため報告書のまとめ方を念頭において、4回にわたる研究会を開催した。5月27日の第1回研究会では、津田守が「ピナトゥボ大噴火にともなう災害とルソン島中部の地域開発」について報告し、自然災害に対する救助活動の国際比較をまとめることにした。6月27日の第2回研究会では斉藤千宏「貧困・ニーズの充足・指標--80年以降の諸理論の比較検討」について報告した。あわせて中村尚司が「参加型農村開発の諸問題」を取り上げ、コロンボ大学との共同研究案を紹介した。第3回研究会は、9月8、9の両日に原グループと合同で福岡にて研究合宿を行った。川村能夫が「貧困概念とその指標について」、広岡博之が「社会経済指標の再検討について」報告した。10月17日に行なった第4回研究会では、斉藤千宏が「民衆科学運動と政府の相互作用--インド・ケララ州の事例--」、中村尚司が「海の交易と経済システム」について報告した。12月16日に、食道ガンの予後が思わしくなかった研究分担者の一人である鶴見良行が急逝し、共同研究を続けることができなくなった。まことに残念である。最終回の第5回研究会は、2月13日から15日まで長浜市において合宿し、報告書の執筆内容について各自が概要を報告し、その研究内容について討論した。この研究会の報告書は、鶴見の執筆を得られないものの、次年度の総括班の刊行物として印刷される予定である。
著者
石塚 伸一
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

この3年にわたる調査研究、とりわけ、薬物依存に関する治療共同体や米国のドラッグ・コートの調査を通じて、われわれは、日本においても大胆なダイバージョン・プログラムを導入し、依存症回復のためのプログラムを開発する必要があるとの結論に到達した。そのためには、(1)依存症者自身が回復の主体であること、(2)その支援は非政府組織や地域社会を中心に行われるべきこと、そして、(3)再使用は回復のためのステップであることについて、司法、医療および福祉の関係者が前提理解を共有することが必要であること、なども明らかになった。その成果は、『日本版ドラッグ・コート〜処罰から治療へ〜』(日本評論社、2007年)の刊行や国際シンポジウムや学会報告を通じて公表した。この間、刑事施設の運営および社会内処遇の改善のための立法作業が進められていることもあり、われわれの「日本版ドラッグ・コート」構想にも関心が寄せられ、多くの理解者を得ることができた。しかし、この構想を実現するためには、(1)法的諸問題の精緻化、(2)社会的コストの算出、(3)効果的な回復モデルの開発、(4)関係機関・団体のネットワークの構築など、新たな課題も発見された。今後もその実現のための実践的な調査研究活動を継続していく予定である。
著者
川端 正久 勝俣 誠 原口 武彦 大林 稔 落合 雄彦 望月 克哉
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997 (Released:1997-04-01)

平成9年度は日本側研究者とナイジェリア側研究者との共同研究を主たる内容とした。研究項目は「変貌する西アフリカとナイジェリア」および「世界の中の西アフリカとナイジェリア」であった。日本側研究者とナイジェリア側研究者は共同研究シンポジウム(1997年12月、ナイジェリア国際問題研究所)を開催した。現地調査を実施し、大学の研究者と交流を実施した。西アフリカにおけるポスト構造調整への移行、ナイジェリアにおける民政移管の進行、ナイジェリアの状況(ビジョン2010、民政移管のプロセス、ナイジェリア経済の現状、日本・ナイジェリア経済関係、ナイジェリアの政治経済社会、市民社会の形成など)について分析した。平成10年度は日本側研究者とコートジボワール側研究者との共同研究を主たる内容とした。研究項目は「変貌する西アフリカとコートジボワール」および「世界の中の西アフリカとコートジボワール」であった。日本側研究者とコートジボワール側研究者は共同研究シンポジウム(1998年9月、社会経済研究センター)を開催した。現地調査を実施し、大学の研究者と交流を実施し、日本の援助案件のサイトを視察した。西アフリカの政治経済情勢、西アフリカにおける政治的民主化と民族・部族問題、CFA と非CFA、農業産品の生産と輸出、農業経済の状況、人民経済の可能性、アフリカ・アジア経済関係、日本のアフリカ外交などについて分析した。平成11年度は日本側研究者とアフリカ側研究者2人および研究協力者の共同研究を主たる内容とした。研究項目は研究課題全体の総括的研究であった。2回の共同研究シンポジウム(1999年9月と11月、アジア経済研究所)を開催した。西アフリカの持続的開発と金融制度、民族問題と民主化、人民経済の展望、宗教と社会、市民社会と新たなアクター、西アフリカの民主化、アフリカの民主化の成果と限界などについて分析した。研究分担者および研究協力者の論文12本で研究成果報告書を作成した。内容は西アフリカにおける政治的民主化、持続的経済開発、社会的変動などについて分析した論文から構成されている。
著者
ヤマンラール水野 美奈子 杉村 棟 関 喜房 小柴はるみ
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

本研究では、イスラーム世界の白羊朝(1378-1508のヤアクーブ・ベク(1478-1490の宮廷で編纂された2冊の詩画帳(ムラッカア(トプカプ宮殿美術館所蔵、登録番号H.2153, 2160の書・絵画合計2152点の作品の綿密な分析・分類・研究によって、15世紀の白羊朝を中心とした書画芸術の動向を解明した。本研究によって従来ティームール朝美術の影に隠れていた白羊朝美術の独自性が鮮明になり、白羊朝が東西交流の重要な拠点の一つであることを確認した。
著者
角岡 賢一
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷紀要 (ISSN:02890917)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-13, 2005-09-30

英語のオノマトペ(擬音語・擬態語)語彙は、総量としては1,500語程度で日本語よりも少ないと考えられている。この英語オノマトペ語彙を語形変化・引用性という2種類の基準で分類し、語彙化の程度を4区分するというのがKakehi(1981)の提案であった。この区分は、臨時形(nonce form)のように語彙化の程度が低い部類から順に語彙を階層化するという点で非常に有効であると思われる。語彙化の程度という基準以外にTamori(1990)の語形による分類、同じくTamori(1990)の意味による4分類など、複数の分類基準が用意されている。この小論では、これらの基準によって各語彙項目のオックスフォード英語辞書(OED)初出年代に差が認められるか否かを検証した。その結果、語彙化の程度・音節数・形態的特徴による区分では有意と考えられる差が認められた。他方で、擬音語と擬態語という区分を行った意味的基準では差が認められなかった。今回は60語程度という小規模なデータベースで試行したが、対象を拡大して同様の結果が出るか否かという点は今後の課題としたい。