著者
庄司 昭伸 井上 明子 谷 幸子 武林 亮子 盛田 直毅
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.501-506, 1998 (Released:2010-08-25)
参考文献数
13

アトピー性皮膚炎患者のボランティア25名を対象に治療に併行して, スキンケア化粧品であるヨモギエキス配合シートの使用試験を実施した。試験終了時において, 全般改善度は, やや改善以上20例 (80%), 不変1例 (4%), 悪化2例 (8%) および試験実施不可2例 (8%) であった。安全度は, 安全19例 (76%), どちらとも言えない3例 (12%), 安全性に問題がある1例 (4%) および安全でない2例 (8%) であった。6例において副作用を認めたが, 1回の使用で中止が2例, 2週間の使用で中止が1例, 3週間の使用で中止が1例であり, 残りの2例は4週間使用し乾燥皮膚では良好な結果を得た。試験結果からヨモギエキス配合シートはアトピー性皮膚炎に対して良好なスキンケア化粧品であり, 治療補助効果が認められると考えた。
著者
新関 寛二
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.492-500, 1998 (Released:2010-08-25)
参考文献数
13

molluscum contagiosumの治療に行った40%硝酸銀法 (薬液法) の難点を改良し, 40%硝酸銀ペースト法を考案して施術し, 良結果を得たので, 再度実際面について報告する。当該法は40%硝酸銀液に小麦粉を25%の割に加え撹拝し, ペースト状とし, 竹ひごの尖端に付け, MCの頂点にのみ微量に塗布し, 完全に乾燥させるだけでよい。このように当該法は薬液でなく, paste状なので容易に付け得てMCのvirus塊は完全に黒色痂皮となって2-4週後に脱落治癒す (Table1)。1995年から'97年の3年間に施術した380/389症例 (97.7%) が治癒した (Table2)。尚, 痒み, 痛みの訴えは軽微で65/389例 (16.7%)(Table3) であり, その中痒み, 痛みのため当該治療を中止したのは5例に過ぎない。
著者
東 順子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.11-16, 1986 (Released:2010-08-25)
参考文献数
7

エタノールに起因する慢性蕁麻疹, 接触蕁麻疹および化粧品皮膚炎について報告した。これらの症例の原因確定には, 通常の48時間のパッチテストでは診断困難である。エタノールの場合20-30分間のクローズドパッチテストが有用である。スクリーニングテストとして消毒用アルコール (添加物を含まない) を用いた。陽性の場合は確定診断のために99.5%試薬用エタノールを段階稀釈 (2倍へ32倍, エタノール濃度50-3%) したものを用いて行なった。8倍稀釈 (約13%) 以下の濃度で陽性反応を示す場合にはエタノールが皮膚障害の原因となっている可能性が大である。
著者
宇谷 厚志 新屋 明美 大野 佐代子 段野 貴一郎 市島 国雄
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.657-660, 1990 (Released:2010-08-25)
参考文献数
4
被引用文献数
1

90歳, 女性。メシル酸カモスタット内服が原因と思われる緊満性水疫を伴う多型滲出性紅斑型薬疹および白血球減少, 赤血球減少を起こした症例を報告した。内服薬剤中止とステロイド内服で軽快治癒した。病理組織像は, 表皮壊死と表皮下水疱が認められた。
著者
周 光平 森田 秀樹 浅野 翔一 長 等 相模 成一郎
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.219-226, 1986

組織学的に mononuclear infiltrative 型の多発性の granuloma annulare の皮疹を, 電顕とmonoclonal抗体法とによって検索した。この結果, 病巣内の類上皮細胞には分泌穎粒とphagoaomeは認められず, ミトコンドリアの増数が証明された。Leu 3a 陽性リンパ球とLeu 2a 陽性リンパ球は病巣の辺縁部に存在し, 前者が後者に比し数的優位を占めていた。免疫グロブリンの沈着は全ったく認められず, 僅かにC<SUB>3</SUB>が病巣内血管に一致して証明されたにすぎなかった。<BR>以上の検索成績と文献的事実とに基づき, granuloma annulare の組織発生について言及すると共に, 免疫病理学的見地からの類推を記述した。
著者
久保 容二郎 野中 薫雄 吉田 彦太郎
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.209-212, 1987 (Released:2010-08-25)
参考文献数
11

アロエによる刺激性接触皮膚炎の1例を報告した。本症例と健常者10名にキダチアロエの針状結晶をそのまま含むアロエ・ジュースと針状結晶を除去したジュース濾過液のパッチテストを施行した。本症例と健常者6名は針状結晶を含むアロエ・ジュースに陽性が認められた。しかし, 針状結晶を除いた検体に対して明らかな陽性を示した者は皆無であった。その結果より, アロエの外用は針状結晶による刺激性接触皮膚炎をきたす可能性があることが示唆された。上記パッチテストの陽性反応は浮腫と丘疹または小水疱で表現され, アレルギー反応を思わせる所見であった。すなわち, 針状結晶は偽陽性反応の原因となることも示唆された。
著者
南 宏典 佐藤 健二 乾 重樹 前田 知子 田口 博康
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.440-447, 1996 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

12歳以上のアトピー性皮膚炎患者でステロイド外用剤を中止したいと希望した28例と, すでにステロイド外用剤を中止してそれ以外の外用剤を用いているが皮疹が軽快しない4例を対象とし, ステロイド外用剤離脱後も紅斑が持続する場合は全外用剤を中止し, 内服, 入浴指導, ガーゼ保護など種々の治療を加えた。ステロイド外用剤を中止すると皮疹は増悪し, 平均7日後に最悪となるが, その後軽快した。さらに全外用剤を中止すると再び増悪して平均5日後に最悪となるが, 以後軽快に向かい平均6週間後に皮疹の面積は中止前の2割程度となった。またこのときの皮膚症状は古典的成人アトピー性皮膚炎に特徴的な乾燥性のものである。外用剤中止と外用以外の種々の治療を行った結果ほぼ全例が外用剤なしですごせるようになったことから, 現在問題とされているいわゆる成人型アトピー性皮膚炎の病変にはステロイドおよびその他の外用剤の影響が含まれていると推測された。
著者
上出 康二 塩谷 昭子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.511-517, 1999 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

平成10年7月25日和歌山市園部地区の夏祭り会場で出されたカレーに砒素が混入された事件の被災者で急性期に皮疹が認められた3名について報告した。症例1: 31歳男性。第6病日に肝機能異常の出現と同時に両腋窩, 両股部, 下腹部に点状赤褐色丘疹が左右対称性に集籏して認められた。病理組織学的に血管周囲に稠密なリンパ球の浸潤があったが汗腺などの付属器には異常は認められなかった。症例2: 17歳男性。第6病日に肝機能異常の出現と同時に両大腿, 両肘窩に左右対称性に症例1と同様の皮疹が認められた。組織学的にも症例1と同様であった。症例3: 48歳男。第12病日より四肢末端の葉状落屑が認められた。砒素暴露3ヵ月後の23名の検診時の問診から, 急性期にみられた皮疹は紅色丘疹を示した症例が6名, 顔面浮腫3名, 水痘様皮疹が3名, 指趾尖の落屑3名, 紅皮症が1名であり, 経口亜砒酸推定摂取量との関連性はみられなかった。(皮膚, 41: 511-517, 1999)
著者
夏秋 優 山下 紀子 相模 成一郎
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.160-164, 1992 (Released:2010-08-25)
参考文献数
13

成人アトピー性皮膚炎患者において抗核抗体の検査を行ったところ, 36名中20名が陽性 (40倍以上) であり, そのうち80倍以上を示したのは6名であった. 血清IgE (RIST) 値との関連をみると, 抗核抗体陽性者は総IgE値が高い傾向にあったが, 皮膚炎の発症時期や, 気道アトピーの既往・合併の有無と抗核抗体との間には明らかな相関は認められなかった. また, 顔面における皮疹の程度と抗核抗体価との間にも関連性はみられなかった.アトピー性皮膚炎患者における抗核抗体の出現の意義については不明であるが, 橋本病を合併してきた患者を自験しており, 注意深く経過を観察する必要があるものと思われた.
著者
中村 正 佐藤 広隆 芋川 玄爾 宮地 良樹
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.264-269, 2000 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

アトピックドライスキンに対するスキンケア剤使用の有用性を検討するために, 洗浄剤, クリーム及び入浴剤を用いて使用試験を行った. その結果, 角質層セラミド量の増加による皮膚バリア機能の回復が認められた. また, 試験前後の肌状態を観察した結果, ほとんどの症例において乾燥の改善が見られるなど多くの被験者で肌状態の改善が認められ, 高い有用性を示すことがわかった. また, 本試験品に起因する副作用は認められなかった.以上より, 本スキンケア剤は, 日常のスキンケアにおいてアトピックドライスキンの皮膚機能を回復し, 症状の緩和及び悪化防止に有用であることが明らかとなった.
著者
山中 正義 石川 治 高橋 昭彦 佐藤 広隆 芋川 玄爾
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4-5, pp.278-285, 2001 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15

1998年10月から2000年3月にかけて群馬大学医学部附属病院皮膚科を受診したアトピー性皮膚炎患者17例に対して, 「キュレル (R) 薬用クリーム」の臨床試験を実施した。本試験剤はセラミド類似の合成脂質とユーカリエキスを配合したことを特徴とするスキンケアクリーム (医薬部外品) である。6週間の使用試験において, 17例全例において有用性を認めた。また試験剤使用部位の角層内水分量, 経皮水分蒸散量を測定したところ, 試験前と6週間使用後の平均値の差がそれぞれ13.23μS, -7.61g/m2/hr改善されており, 対照剤として用いた20%尿素軟膏との比較でも有意に改善されていた。これらの結果から, 試験剤である「キュレル (R) 薬用クリーム」は皮膚保湿性と皮膚バリア能の改善に優れ, アトピー性皮膚炎患者の無疹部に対するスキンケア剤として有用であると考えた。
著者
加藤 順子 須貝 哲郎 庄司 昭伸 中西 健史 桑野 敦子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.115-124, 1994 (Released:2010-08-25)
参考文献数
22
被引用文献数
2

1982から91年までの当科におけるラノリンパッチテストの結果をまとめた。平均陽性率は単純ラノリンが0.6%, 還元ラノリンが1.7%, ウールアルコールが2.0%で, 1974から1976年と比較して前2者が減少していた。ウールアルコールの陽性者は, 20から50歳台に分布し, 男性に多いか男女同じだった。還元ラノリンとウールアルコールは過半数が単独陽性だった。ラノリン皮膚炎の原因物質は22.4%が医薬外用剤で大多数は不明である。基礎疾患にアトピー性皮膚炎26.8%と下腿潰瘍9.4%がある。ラノリン陽性者のうち80.5%が多感作例でそのうち41.6%が香料アレルゲンに陽性であった。アセチル化ラノリンとイソプロピルラノリンの陽性は11.3%と7.9%で, 刺激反応も考えられた。
著者
高島 務 清水 良輔 玉置 昭治
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.637-641, 1987 (Released:2010-08-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

インドメサシン (インダシン®) によるアレルギー性肝障害の経過中投与されたビタミンB1誘導体Niamine monophosphate disulfide (TMPDS) により, 薬剤熱, 蕁麻疹様皮疹を惹起した49歳, 女性症例を報告した。インダシン, TMPDS内服テストは陽性, リンパ球幼若化反応ではインダシンが陽性, TMPDSが陰性であった。
著者
山本 幸代 須貝 哲郎 麻生 五月
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.571-577, 1985 (Released:2010-06-04)
参考文献数
8

アミノグリコシド系のゲンタマイシンとフラジオマイシン (ネオマイシン) は繁用されている。最近5年間の本院のパッチテストはゲンタマイシン10. 4%(47/450), フラジオマイシン5. 0%(79/1577) の陽性率を示した。ここ3年間に両方に感作を示した患者について交叉反応か共感作かを推論した。
著者
湯浅 徹也 朝日 国比古 高橋 真智子 橋本 健治 谷口 芳記 清水 正之
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.341-345, 1995 (Released:2010-08-25)
参考文献数
13

35%水酸化ナトリウムにより, 顔面, 頚部, 四肢, 躯幹を受傷した19歳, 女性例を報告した。流水洗浄, 生食洗浄後, 保存的に経過をみたところ, 洗浄の遅れた胸腹部のみに瘢痕を残し治癒した。アルカリによる化学熱傷は受傷直後の洗浄が, 予後を決定する重要な因子と考えられた。
著者
斎藤 研二 日下部 圭吾 村田 洋三 熊野 公子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.49-53, 2000 (Released:2010-08-25)
参考文献数
18

65歳女性。肝細胞癌に対して経肝動脈腫瘍塞栓術 (transcatheter arteria embolization: 以下TAE) が施行された。第1回右肝動脈からのTAEでは, 皮疹は生じなかった。肝左葉の腫瘍に対して左肝動脈からの第2回TAE施行3日後, 臍上部に水疱形成を伴う有痛性紅斑が出現した。紅斑は消退したが, 6ヵ月後瘻孔を生じ手術加療を要した。TAE時の動脈造影CTにて, 肝左葉を経て腹部皮下組織に達する肝鎌状靭帯動脈が描出されており, この動脈を介して皮膚合併症が発症しているものと考えた
著者
堀川 達弥 高島 務 原田 晋 千原 俊也 市橋 正光
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.415-419, 1998 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
2

アトピー性皮膚炎の特に皮膚乾燥部に対しグリコセラミド含有外用剤 (AKクリーム, AKローション) を4週間外用しその効果を検討した。やや有効以上を含め有効率は67%であった。不変20%, 増悪は13%であった。やや有用以上の有用度は67%であり軽症のアトピー性皮膚炎ではグリコセラミド含有外用剤は有用であると考えた。
著者
伊藤 正俊 木下 美和子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.252-255, 1988 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5

乾皮症10例, 尋常性魚鱗癬2例, アトピー性皮膚炎2例, 及び進行性指掌角皮症9例の計23例に尿素10%含有クリーム (フェルゼア®) を用い臨床効果を検討した。その結果, 極めて有用5例, かなり有用13例, やや有用5例の成績が得られた。疾患別では尋常性魚鱗癬, 及びアトピー性皮膚炎で著しい効果を認めた。しかし, 乾皮症, 進行性指掌角皮症の一部の症例では皮疹の改善があまり著明でない症例を認めた。全例で副作用は認められなかった。
著者
三嶋 豊 芝田 孝一 瀬戸 英伸 大山 康明 波多江 慎吉
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.134-150, 1994 (Released:2010-08-25)
参考文献数
22
被引用文献数
3

コウジ酸 (KA) のメラニン生成抑制作用を基礎的ならびに臨床的に検索した。マウスB16メラノーマ細胞から抽出したtyrosinaseの活性は添加KA濃度に依存して抑制された。DOPAchromeからDHIを経由するメラニン重合体形成過程において, KAは更にDHIに直接的に反応し中間代謝物を形成することにより抑制的に働くことが見出された。培養B16細胞系でKA 2.5mM添加により, tyrosinase活性の低下と共に細胞は白色化する。なお, この細胞をKA無添加の新鮮培養液で更に培養するとtyrosinase活性およびメラニン生成は回復した。黒色金魚を0.15%KA添加水中で54日間飼育すると槌色し黄淡褐色へと変化した。これらKA群の金魚皮膚のtyrosinase活性は, 対照群の18.2%に低下した。有色モルモットで紫外線照射誘導色素沈着もKA塗布により濃度依存的に抑制された。本邦人男性31名および女性46名のボランティアの上腕内側に紫外線を照射し, 1%KAクリームを塗布し, 男性90.3%, 女性75.5%のKAクリーム塗布部位の色素沈着が明らかに抑制された。以上の基礎的知見も基に, 1%または2.5%KAクリームを肝斑, 日光性および老人性黒子, 炎症後色素沈着ならびに雀卵斑の患者に2カ月以上適用し, 合計204例で臨床効果を調べた。有効以上の例は93例 (45.6%) やや有効以上は151例 (74.0%) であったが, KA1%と2.5%の両群の有効率には大差がなかった。