著者
松田 郁生 森嶋 博 瀬尾 康久 相良 泰行
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.75-82, 1990
被引用文献数
2

食パン工場のオーブンから未利用のまま排出されている130~180℃の排ガスの再利用を検討するために, オーブンの熱および物質収支を計測した。そのデータからエクセルギを算出し, 排熱エネルギの質を明らかにした。排熱エネルギを吸収冷凍機の熱源として利用したエネルギリサイクリングを想定し, 冷凍能力を試算した。その結果, 冷却工程においてパンを冷却するのに必要な冷熱が得られることが分かった。
著者
加藤 宏郎 坂口 守彦 大井 康之 丸尾 信 豊田 薫
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.76-83, 2000-05-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
21
被引用文献数
6

魚介類の官能的鮮度評価法に代わる迅速かつ簡便な鮮度評価方法の1つとして, 10kHz以上の高周波域での電気的評価方法の開発を試みた。電気インピーダンスやその要素の周波数特性による材料評価法はインピーダンススペクトロスコピー法とも呼ばれ, 生物組織では損傷や鮮度低下など細胞レベルの劣化情報を迅速に得ることができる。本報では, マダイ背肉部分の抵抗・リアクタンスなどの周波数特性や複素インピーダンス軌跡の氷蔵期間中の変化を測定し検討した。その結果, 鮮度変化に伴い明らかに変動する実用的鮮度指標として, 電極分極インピーダンスが微小となる10kHz~1MHzの高周波域から算出した Cole-Cole の円弧半径, 異なる周波数 (10kHzと1MHz) における抵抗比と差, 中心緩和周波数, リアクタンスのピーク値などを選び出した。
著者
川村 登 並河 清 藤浦 建史 浦 元信
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.353-358, 1984 (Released:2010-04-30)
参考文献数
3
被引用文献数
7

トマト等の果菜類の自動収穫を目的として比較的安価で, 消費電力の小さい小型の農業用知能ロボットの試作を行った。マニピュレータは自由度5で, 直流モータ駆動の人間腕型のものとし, その動きを数値制御して果実の把握を行えるようにした。テレビカメラにはMOS形固体撮像素子を用いたものを使用し, 赤信号と輝度信号をコンパレータで比較し2値化してDMAにより画像メモリに入力した。画像入力はカメラを移動して2度行い, ステレオ写真の方法で果実の3次元位置を得た。このロボットを用いて野外で連続した果実収穫実験を試みた。本報では主にマニピュレータのハードウェアとソフトウェアについて, また果実収穫の基本動作の実験結果について報告する。
著者
細川 明 瀬尾 康久
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.86-92, 1975 (Released:2010-04-30)
参考文献数
8

Investigations of different types of banana ripening rooms have been made to collect data for aiming at the automation of process of banana ripening and some discussions were given to current commercial processing of banana ripening.1. Actual conditions of banana ripening rooms concerning CO2 and C2H4 concentration, ripening room temperature, pulp temperature of bananas, relative humidity during banana ripening have been obtained.2. Those data have shown that current processing of banana ripeing in practice is conducted by skilled operators' own way.3. Constant air circulation in a ripening room is remained as a future study for uniformity and more accurate control of room temperature during banana ripening. Combined effects of temperature, concentration of CO2 and C2H4, variety of bananas and other factors as well as individual effect are also left for a further study.
著者
横江 未央 川村 周三 樋元 淳一 伊藤 和彦
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.121-125, 2005-07-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
5

大型精米工場で普通精米と無洗米, および普通精米と同程度の搗精歩留の無洗米 (高歩留無洗米) を調製し, その品質特性について調べた。その結果, 普通精米と無洗米の品質特性の違いは, 一部は主として歩留低下に起因するものであるが, 多くは主として米粒表面の研磨と除糠に, または歩留低下および表面研磨と除糠の双方に起因していることが明らかとなった。高歩留無洗米は, 白度が高く洗米水の濁度や乾固物量が低いなど無洗米としての品質特性を備えていた。しかし, 無洗化処理では胚芽がほとんど除去されないため, 高歩留無洗米は普通精米に比べて炊飯米外観が悪く, 食味評価が低かった。
著者
芋生 憲司 森嶋 博 瀬尾 康久 澤田 達也
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.67-74, 1993 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10

果実の品質を非破壊で迅速に評価する方法の一つとして, 果実を平板上に落下させた際に受ける衝撃荷重に関する研究を行った。果実の質量, 速度および力学的物性が衝撃荷重に及ぼす影響を理論的に示し, 果実硬度を示すパラメータの計算方法を提案した。この値は衝撃荷重と果実の質量から計算され, 衝突速度を特定する必要はない。実験は加様々な熟度のキウイフルーツを用いて行い, 衝撃荷重を測定, 解析すると同時に非破壊果実硬度, 糖度および酸度を測定し, 衝撃荷重から求めた硬さ指数とこれらの測定値の関係を示した。
著者
竹田 策三
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.197-203, 1967-03-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
6

The following results obtained in the test of the engine oil, which contained some friction-proof agents.1 The engine performance was constant, but lowerd the temperature of oils by about 7-8° C when Moly Slip was added.2 Fuel consumption was unchangable.3 It was supposed that the oil consumption depended mainly upon the number of oil rings are not upon the friction-proof agent.4 Any effect of the friction-proof agent was not recognized in the results of both physical and chemical analyses, such as the carbon residue, ash content, total base number, and the n-pentane insolube.5 The effect of friction-proof agent was recognized in boundary lubricant, for example, in case of four ball test.From the above result, little effect of the friction-proof agent was recognized under the moving condition of 1/2 load and 1300rpm. Reverse result, however, might have been obtained under the moving condition of over-load and max, revolution.
著者
梅田 重夫 毛利 建太郎 村田 利男 守田 伸六
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.99-104, 1978 (Released:2010-04-30)
参考文献数
4

ビニール温室の暖房に用いられる温風暖房機による騒音を低減するため, 暖房機を囲む防音壁を設計し, その防音効果を調べた。防音壁は孔あき板による共鳴吸音法を採用し, さらに吸音材を併用した。吸音材にはウレタンフォームともみがらの2種を使用した。その結果, 騒音低減の目的をほゞ達成し得た。また農業廃棄物であるもみがらは吸音材として利用できることが明らかになった。
著者
佐竹 利子 福森 武 劉 厚清 目崎 孝昌 河野 元信 佐々木 泰弘 石渡 健一
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.117-124, 2004-09-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10

玄米を微量加水 (玄米水分約17%以下までは加水速度約0.5%/h, 17%以上では0.5~1.2%/h) で水分23%程度まで調質し, その後約12h放置すると, GABA (γ-アミノ酪酸) 含有量が15~20mg/100gにまで増加し, しかも重胴割れ率が低いために搗精にはほとんど支障がなかった。この玄米を搗精した精白米 (精米歩留り約90%) と胚芽米 (精米歩留り約95%) のGABA含有量は, それぞれ玄米の約83%と約91%を示し, 高い含有量であった。これより, GABA成分が高くてしかも発芽玄米に比べて食べやすい高機能性米を調製加工できる新たな方法が見出された。
著者
伊藤 博通 山下 律也
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.55-63, 2000-01-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
28

本研究の目的は黒大豆 (丹波黒) 乾燥処理後に発生する被害粒の自動判別である。このための基礎的技術として, 被害粒の一種であるしわ粒の判別アルゴリズムを作成した。デジタルカメラを使用して黒大豆画像を撮影し, これをコンピュータによって画像処理した。この結果入力画像の第1次および第2次統計量やランレングス統計量などのテクスチャ特徴量が求められた。これらの画像特徴量を用いて線形判別関数を構成し, 整粒としわ粒の判別を行った。誤判別率は最小値で18%となった。
著者
山口 信吉 若林 嘉一郎 細野 八郎
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.179-184, 1977 (Released:2010-04-30)
参考文献数
12

米の応力割れ発生機構を考察するため, 米粒の含水率変化に伴う容積変化特性を究明する。精白米および3品種の玄米を実験試料とし, 液体置換法と空気比較法で試料の密度および乾量基準の比容積を測定して, その測定値と含水率の関係を検討した。規定の含水率 (0.18d. b.) 程度に乾燥された玄米では, 密度測定値に水分履歴の影響および品種間差異が認められず, 粒密度は含水率のみの関数 (等温系) とみなされる。また, 精白米の密度は玄米より高い値を示した。含水率0.08d. b. 以上における米粒の比容積 (乾量基準) と含水率の関係を表す実験式を求め, その結果より, 含水率変化による米粒の膨張係数を推定した。
著者
中島 健一郎 寺尾 日出男 野口 伸
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.49-58, 1997-01-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
18

本研究は, 地磁気方位センサ (以下, GDSという) を中核とした農用自律走行システムを構築して, GDSを航法センサとして使用した場合の有効な利用法の確立を目的としている。 GDSの方位情報のみを用いたPI制御によって, 平坦な路面を自律直進させた場合, 60mの行程長に対して約20cm程度の横方向偏差で直進走行させることが可能である。しかしながら, GDSを用いて傾斜地や任意経路を自律走行させる場合には, 磁性体である車体の影響による磁気環境の歪みや車体傾斜による方位誤差をさらに高精度に補正することが課題となる。本研究は, ニューラルネットワークを適用した傾斜・磁気環境補正法を考案して, ほ場走行試験によって方位補正効果を確認し, その有効性を明らかにした。
著者
清水 浩 山崎 稔
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.43-50, 1995 (Released:2010-04-30)
参考文献数
12

本研究は, 画像処理技術を応用した三次元非接触計測システムを用いて, バーベナ (Verbena bonariensis L.) の伸長生長量に対する昼夜間温度差 (DIF) と日長の相互作用を計測, 解析したものである。昼間温度が夜間温度より高い正のDIFでは一日当たりの節間生長が促進され, またその逆である昼間温度が夜間温度より低い負のDIFでは抑制された。DIFは明期における生長に顕著な効果を示すが, 暗期の生長にはほとんど効果のないことが判明した。さらに単位時間当たりの生長量である生長速度は, 日長には影響されずDIFの値のみによって決定されることが明らかとなった。
著者
長広 仁蔵 岩本 順二郎 樋口 健
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.79-87, 1989 (Released:2010-04-30)
参考文献数
1

極微細気泡は, 食品の感覚機能の改善や水中の溶存酸素量を急増させるのに有用である。本研究は極微細気泡のこのような有用性に着目し, 種々な液体中に極微細気泡を発生させる新しい技術を開発する目的で行ったものである。そのため, ガスノズルの主要寸法や液体噴流速度などエゼクタ式ガスノズルの最適設計標準値を決定するために多数の実験を行った。その結果, 試作したエゼクタ式ガスノズルによって直径10~200μmの極微細気泡を, 水, サラダ油, 卵溶液, 溶融チョコレートなどの各種液体中に安定・連続的かつ高能率で発生できることを確認した。