著者
村田 敏 小出 章二
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.41-49, 1994 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11

従来の弾性率の測定では, 接触面である両端の影響を無視するか, 摩擦力を減じて, 引張・圧縮試験結果を両端自由の境界条件で解析する方法が行われてきた。しかし, 大部分の農産物では試料が小さくて両端の影響を無視することが出来ず, また, 接触面の摩擦力が大きくて, 両端自由の境界条件で解析するには無理があった。この研究では, 逆に試料の両端を接着固定し, 数学的には複雑であるが, 両端固定円柱に関する Filon (1902) の式を導入して, 圧縮試験によって正確に材料定数 (ラメ定数) を測定する方法を開発し, 6種類の農産物・食品についてポアソン比とヤング率を求めたのでその結果について報告する。また, これらの測定値については, 従来求められていなかった温度依存性 (5~25℃) を明らかにした。
著者
村田 敏 松岡 孝尚 宮内 樹代史
出版者
The Society of Agricultural Structures, Japan
雑誌
農業施設 (ISSN:03888517)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-6, 1992-07-30 (Released:2011-09-05)

この研究は, 複数個採取した場合の重量和を一定にして包装する装置の確率論的考察とシミュレーションである。対象を既に実用化されているピーマンの包装装置にとり, まず, 採取されたピーマンの重量分布を詳しく測定し, それと確率計算に基づいて, 目的重量和Wが包装条件150 (g)≦W<152 (g) を満足する装置側の条件を明かにした。次に一つの選抜システムを提案し, それに基づいて実行シミュレーションを行い, 選抜が円滑に行われることを証明するとともに, 選抜精度の評価を行った。
著者
田川 彰男 村松 良樹 北村 豊 村田 敏
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.21-27, 1997-03-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11
被引用文献数
2

大豆の吸水特性を5段階の浸漬温度 (10, 20, 30, 40, 50℃) に関して測定した。その結果, 大豆の吸水では, 恒率吸水期間と減率吸水期間が存在し, 限界含水率は85% (d. b.) 近傍にあることが分かった。片対数グラフに減率期間における相対含水率と時間の関係をプロットしたところ, 各温度で直線関係を示した。減率吸水期間の測定データを拡散方程式の近似解に非線形最小二乗法を適用し当てはめたところ, 測定値と計算値は良く一致し, パラメータB1の値はほぼ1となった。吸水速度定数Kと浸漬温度との関係は, Arrhenius 型の式に良く従った。さらに, 吸水時の大豆の体積変化は, 所定の含水率における密度の測定結果を利用することにより把握することができた。
著者
村田 敏 スロウラ フセイン 今田 大介 アマラトウンガ K. S. P.
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.53-57, 1995 (Released:2010-04-30)
参考文献数
6

本報では, 製粉時に発生する熱による粉体の品質低下の防止に有効な減圧製粉について研究を行った。測定では, 圧力を (170~1025hPa), 水分を (13.4~20.2%w. b.) と変化させることにより, 各々の条件における製粉機の消費電力, 小麦粉末の水分変化を求めた。その結果, 常圧時 (この場合1025hPa) の製粉に比べ, 減圧時の製粉では, 製粉後の粉末の温度上昇が少ないことが明かとなった。また, 消費電力は減少し, 製粉後の水分の減少量は大きくなった。なお, 製粉機への小麦の供給速度は, 小麦の水分に依存することが示された。
著者
村田 敏一
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.602, pp.602_129-602_148, 2008-09-30 (Released:2010-10-15)
参考文献数
10

本年5月に成立した新保険法では,一定類型の保険契約につき,多くの片面的強行規定が導入されるとともに,全契約類型に適用される任意規定と絶対的強行規定に関しては,その仕分けが解釈に委ねられた。本稿では当該仕分けにつき,幾つかの手法を併用しながら確定作業を行うとともに,三つの規律の相互関係を包括的に分析することにより,保険法の構造を解明する手掛りを得ることとしたい。
著者
村田 敏彰 青山 眞二
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.35-45, 2016
被引用文献数
1

本研究では、特別支援教育コーディネーターによる連絡調整上の工夫の具体的方法を明らかにするため、関係者間の連絡調整に苦慮した30事例を、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて分析した。その結果、認識のずれや感情トラブル等の現状を認識したコーディネーターはさまざまな葛藤を経て、対象児童や保護者、担任の言動の意図を言語化したり、誤解の可能性がある表現を理解・受容しやすい言葉に変換するなど、伝達方法を工夫することで、関係性を改善させたり対象児童を向上させるなどの成果をもたらす、というプロセスが示された。苦慮の背景には、関係者間の齟齬や支援の行き詰まりなど、切迫・混沌とした状況があった。これらの事態を打開するキーポイントとして、「苦慮する原因や背景の本質を見極めながら、それに応じた具体的な伝達方法を選択すること」を挙げることができる。M-GTAにおけるコアカテゴリー生成にあたり、この伝達方法の工夫をコーディネーターによる「翻訳」と命名した。
著者
村田 敏
出版者
九州大学
雑誌
九州大學農學部學藝雜誌 (ISSN:03686264)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.247-257, 1973
被引用文献数
1

1) The transient heat transfer in precooling system with ice bunker and packed bed of fruits and vegetables is expressed Schumann's equations of heat transfer in packed bed with a particular boundary condition. The boundary condition is given as a constant ratio of the inlet gas temperature to the outlet gas temperature. The condition differs from Schumann's and Furnas', and is derived from the cooling characteristics of the column of crushed ice. The solution of this problem is expressed by a series in terms of coefficient of the exponent of the ratio with the integral which has the same form of Schumann's solution of integral. The series is rapidly convergent, so that the solution is easily computed using Schumann-Furnas chart. 2) The equation of steady state heat transfer of packed bed of rough rice is derived from Schumann's equation by adding heat generation term of respiration and removing time dependent term. The analytical solution is given and the numerical chart of the solution is made by measuring the heat transfer coefficient of the rough rice. 3) For calculating the cooling characteristics of rough rice in vertical duct, the equation of transient heat transfer is derived by the Schumann's assumption. The solution is given and transformed to the Furnas' solution by introducing two new variables.粒子堆積層の非定常伝熱に関する基礎方程式であるSchumannの方程式を,まず氷餅(アイスバンカ)と農産物堆積層をつなぐ循環冷却系の境界値問題として解き,氷槽による堆積農産物の冷却計算法を示した.次に基礎方程式を呼吸熱の発生する場合に拡張し,定常問題として穀物堆積層の呼吸熱除去のための送風温度,送風量決定計算法を導いた.最後に基礎方程式を極座標系で表示し,穀物の乾燥・冷却・貯蔵庫として一般に用いられているVertical ductにおける冷却計算法を示した.なおこれらの具体的計算に必要なデータを実験や文献により整理し計算図表を作製した.
著者
村田 敏
出版者
日本冷凍空調学会
雑誌
冷凍 = Refrigeration (ISSN:00343714)
巻号頁・発行日
vol.79, no.922, pp.634-640, 2004-08-15
参考文献数
12
被引用文献数
3
著者
村田 敏
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.77, no.9, pp.1018-1020, 2002-09
被引用文献数
1
著者
村田 敏 田中 史彦
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.333-338, 1992-04-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
10

大豆油,菜種油,綿実油,サフラワ油,米ぬか白絞油,胡麻油の6種類の食用油について蒸気圧の測定を行った結果,以下の知見を得た.(1) 先述の食用油の蒸気圧曲線が明かとなり,そのうち大豆サラダ油,綿実サラダ油,菜種サラダ油,米ぬか白絞油についての蒸気圧曲線は,その増加傾向が290℃前後で変わることが分かった.サフラワサラダ油については指数的増加の傾向を示すことが,また,胡麻油については280~300℃の間で蒸気圧一定の状態があることが分かった.(2) 測定データに非線形のRiedel型の蒸気圧式を最小二乗法によって当てはめた.その結果,極めて適合性は良好であり,その計算式ln PVD=A+B・T-1+C・ln T+D・T6は食用油の蒸気圧を算出する際,実用上極めて有用であることが示された.
著者
村田 敏郎
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.103-106, 1991-07-31 (Released:2018-02-01)

In Japan, the profession "pharmacist" as part of the medical care system was established in 1874. However, the object of this newly-formed profession has not been defined sufficiently at present. Because pharmaceutical practices have not been distinguished from the medical profession, pharmacists don't have their own practice in dispensing drugs, but work only as drug distributors. Consequently the profession of pharmacist is not regarded as a medical care activity, and the social position of pharmacist is appraised unfairly in Japan. The most important task, therefore, is to introduce the separation of pharmaceutical practices from the medical profession (BUNGYO) as in advanced countries. That system seems to be more reasonable not only for pharmacists but for both patients and physicians, even in Japan. And needless to say the pharmacist in Japan should study more, throughout their lives, in order to fulfill their obligations in the medical care system.
著者
村田 敏 小出 章二 河野 俊夫
出版者
農業機械学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.p67-72, 1992-01
被引用文献数
5
著者
市川 正人 大久保 史郎 倉田 原志 倉田 玲 北村 和生 渡辺 千原 和田 真一 吉村 良一 松宮 孝明 山田 希 毛利 透 木下 智史 渡辺 康行 田村 陽子 須藤 陽子 斎藤 浩 森下 弘 佐上 善和 渕野 貴生 村田 敏一 多田 一路 水野 武夫
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

最近の最高裁判決を分析した結果、法分野ごとに最高裁の役割が異なり、また、最高裁の人的構成の影響が異なることが、明らかになった。最高裁裁判官の選任のありようについて、下級裁判所裁判官人事(「司法官僚」の形成)と関連させながら検討する必要性が明らかになったため、最高裁裁判官データベースの作成を進めた。アメリカ、カナダ、ドイツ、韓国、フランス、オーストラリア、イギリスに対する実地調査を行った結果、日本の最高裁・司法制度の特質と、他方、現代国家の司法・裁判所の共通点が明らかになった。以上を踏まえ、最高裁について人的、制度的な改革案をまとめた。
著者
村田 敏一
出版者
The Japanese Society of Insurance Science
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
no.602, pp.129-148, 2008

本年5月に成立した新保険法では,一定類型の保険契約につき,多くの片面的強行規定が導入されるとともに,全契約類型に適用される任意規定と絶対的強行規定に関しては,その仕分けが解釈に委ねられた。本稿では当該仕分けにつき,幾つかの手法を併用しながら確定作業を行うとともに,三つの規律の相互関係を包括的に分析することにより,保険法の構造を解明する手掛りを得ることとしたい。