著者
Akatsuki Kubota Hiroyuki Ishiura Jun Mitsui Kaori Sakuishi Atsushi Iwata Tomotaka Yamamoto Ichizo Nishino Shoji Tsuji Jun Shimizu
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
pp.9588-17, (Released:2017-12-08)
参考文献数
24
被引用文献数
6

A complete loss of merosin, which is encoded by LAMA2, causes congenital muscular dystrophy with leukoencephalopathy. Partial merosin deficiency can be caused not only by primarily LAMA2 mutations, but also secondarily by dystroglycanopathy. Although it can be molecularly diagnosed based on a genetic analysis, this method is labor-intensive because of its huge genome size. A 26-year-old male patient presented with mild muscular weakness, joint contractures, and epilepsy. Double immunofluorescence staining of a muscle biopsy specimen showed mislocalization of merosin, and a genetic analysis revealed a homozygous c.818G>A (p.Arg273Lys) mutation in LAMA2. Double immunofluorescence staining and whole exome sequencing were useful for the diagnosis of partial merosin deficiency.
著者
野田 俊之 藤原 久義
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.196-200, 1997-02-10
参考文献数
4

狭心症は,一過性心筋虚血に起因する胸部絞扼感・圧迫感などの発作を生ずる症候性疾患である.症状に関する問診は診断上重要な役割を果たす.痛みの性状,部位および放散,広がり,持続時間,始まり方,頻度,誘因,寛解のしかたなどを詳しく聞き取ることにより,かなりの症例で胸痛が狭心症によるものか否かを鑑別できる.胸痛がSAVES(突然発症,前胸部,漠然とした不快感,労作による発症,短い持続)という5つの特徴をもっていれば労作狭心症が強く疑われる.ニトログリセリンが有効であれば更に確実である.一方,胸痛発作が安静時,特に夜間から早朝にかけて起こりやすい場合は冠れん縮性狭心症が強く疑われる.発作時間はしばしば長く,全身症状を伴うこともある.鑑別すべき胸痛をきたす疾患としては,心筋症,不整脈などの心血管疾患,心臓神経症,食道けいれんなどの消化器疾患,頸椎疾患などがある.
著者
黒沢 元博 五十嵐 康 宮地 良樹
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1620-1626, 1993

マスト細胞は生体内に広く分布するが,その形態,機能には臓器差と種属差が存在する.ヒトマスト細胞は,顆粒内エンドペプチターゼの種類により,トリプテース含有マスト細胞とトリプテース,カイメース含有マスト細胞に分類可能である.マスト細胞はIgEを介する特異的刺激の他,多彩な刺激因子により活性化され,多彩なメディエータを遊離する.活性化マスト細胞における細胞内生化学的機構は,刺激により異なる.
著者
塩崎 宏子 星野 茂 押味 和夫 溝口 秀昭 続木 千春 肥田野 信 森 茂郎
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.374-378, 1984
被引用文献数
7 12

Neoplastic angioendotheliosisは血管内控に異常細胞が栓塞し,主に皮膚および中枢神経系の症状をきたすまれな疾患である,現在,本邦の3例を含め, 20例足らずの報告があるにすぎず,生前の診断が困難で有効な治療法が確立されていない.われわれは,皮膚症状を呈した本疾患に,多薬併用療法を行ない,寛解を得た症例を経験したので報告する.症例は64才,女性.主訴は発熱,下肢の紅斑および浮腫.現病歴は入院6ヵ月前より,めまい,悪心,意識消失発作,下腿の紅斑.浮腫,汎血球減少症,レイノ-現象が徐々に進行し,全身状態の悪化を伴つた.入院時現症では,眼底の出血および白斑,甲状腺腫大, 1横指の脾腫,腋窩リンパ節腫大を認めた.入院時検査成績では,汎血球減少症,単球の増加および単球類似の異型リンパ球増加, LDHの増加, CRP陽性, T<sub>3</sub>の減少とrT<sub>3</sub>の増加, BMGの増加が認められた.皮膚病変部の生検からneoplastic angioendotheliosisと診断した.本疾患では,従来試みられてきたステロイドホルモンや抗生物質が無効であることが多く,生検にて認められた血管内異常細胞が,悪性リンパ腫の腫瘍細胞に類似したものであることより,悪性リンパ腫に用いられるサイクロホスファミド,アドリアマイシン,ビンクリスチン,プレドニゾロンの多薬併用療法すなわちCHOP療法を施行したところ,寛解を得た.本報告では特にneoplastc angioendotheliosisの治療に関して文献的考察を加えた.
著者
松村 みなこ 田中 信治 玉木 憲治 隅井 雅晴 三重野 寛 吉原 正治 春間 賢 隅井 浩治 梶山 悟朗 井上 正規
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.85, no.7, pp.1150-1153, 1996-07-10
被引用文献数
4 2

症例は34歳,女性.主訴は上腹部不快感.胸腹水貯留,低アルブミン血症を認め, α<sub>1</sub>-アンチトリプシンクリアランステスト, <sup>99m</sup>Tcアルブミンシンチにより蛋白漏出性胃腸症と診断した。また,抗核抗体陽性,浸出性胸腹水,関節炎,汎血球減少を伴い,活動性の全身性エリテマトーデス(SLE)の併存を認めた.ステロイドパルス療法により血清アルブミン値の上昇,蛋白漏出の改善を認め,本症例はSLEを基礎疾患とし蛋白漏出性胃腸症を呈したものと考えられた.
著者
浦島 充佳
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.12, pp.3047-3053, 2010-12-10

EBMや診療ガイドラインは医療の範囲内で完結する.日本は現状ここまでしかできていない.一方アメリカでは,National Academy of Sciencesの1組織としてInstitute of Medicine(IOM)を設置し,専門家をワシントンDCに集めて,日々アメリカ国民の健康と医療の重要なテーマを選び,国に提言を行っている.国はIOMの報告書を引用しつつ国会答弁を行い,新たな法律をつくっていく.将にevidence-based policy makingである.日本においても,IOMのような組織ができることが切望される.<br>
著者
福本 誠二
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.719-724, 2007
被引用文献数
1

FGF23は,FGFファミリー最後のメンバーとして同定された.FGF23の作用過多は低リン血症性疾患を惹起するのに加え,FGF23の作用障害により高リン血症が惹起されることが明らかにされた.またklothoが,FGF23作用の発現に必要であることが示された.これらの成績は,FGF23がホルモンとして作用すること,FGFファミリーのリガントと受容体の関係が,従来知られていた以上に多様で複雑であることを示している.<br>
著者
田子 久夫
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.94, no.8, pp.1536-1540, 2005-08-10

痴呆には脳の病気以外にも数多くの問題が関与しており,生活機能障害をきたしている.当然行き届いた対策が求められるが,これを一カ所の施設でこなすのは困難である.そのため,諸機関の連携が課題となってきており,チームワークを有効に生かすことでむだな負担が軽減され費用の節約も期待される.連携の窓口ならびに中心には,患者の日常生活を把握しているかかりつけ医などの実地医家が位置することになる.これらの医師は連携を統括するためにも,痴呆に関する基本的な知識をあらかじめ身につけておく必要がある.
著者
長澤 浩平
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.10, pp.2460-2466, 2010-10-10

成人発症Still病(adult onset Still's disease:AOSD)は,高熱,多関節痛,皮疹,高度の炎症反応,及び血清フェリチンの著増などを特徴とする全身の炎症性疾患で,病態形成にはIL-18を初めとする炎症性サイトカインが深く関わっている.治療はステロイドを中心とするが,重症例にはシクロスポリンやメトトレキサートなどの免疫抑制薬,さらには生物学的製剤の使用が必要となることがある.<br>
著者
千葉 哲矢 石塚 豪 尾形 剛 但木 壮一郎 藤田 央 山口 展寛 尾上 紀子 田中 光昭 篠崎 毅 菊池 喜博
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.12, pp.3522-3524, 2012-12-10
被引用文献数
3

68歳男性,糖尿病性ケトアシドーシスで入院,亜急性前壁中隔梗塞を合併していた.第116病日に左前下行枝の慢性完全閉塞病変に対しエベロリムス溶出性冠動脈ステントを留置したところ,術後13日目より発熱,咳などの症状が出現.胸部単純写真,CTでは間質性肺炎所見を呈した.種々の検査所見から心不全,感染症,悪性腫瘍などは否定的で薬剤性間質性肺炎と診断した.内服薬はすべて4カ月前に処方されたものを継続していたため,2週間前に新たに植え込んだエベロリムス溶出性ステントの可能性を最も疑った.ステロイドの治療により比較的速やかに改善した.<br>
著者
山田 研太郎 村尾 茂雄 吉田 秀雄 中島 敏夫 吉井 町子 木村 正治 吉岡 寛康
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.70, no.7, pp.1007-1011, 1981
被引用文献数
3 10

非寄生虫性脾嚢腫は希な疾患であるが,今回我々は副脾から発生したepidermoid cystの1例を経験した.症例は51才,男性.下腹部痛のため来院し腹部単純撮影で左下腹部に環状の石灰化像を認めた.疼痛は速やかに軽快したが精査のため入院.下腹部に軽度の圧痛を認めるも腫瘤は触知せず.臨床一般検査ではγ-GTPの軽度上昇以外著変なし.経静脈性腎盂造影法(IVP)で腎孟腎杯の変形なし.上部消化管透視では腫瘤は胃体部の後方に位置した. CT-scan,超音波断層で膵尾部に嚢腫を認め,血管造影で伸展した大膵動脈分枝が見られた.膵嚢腫の診断で開腹.膵尾部から突出した直径約6cmの嚢腫を認め,膵尾部・脾臓とともに切除.内容は乳白色の液体で,寄生虫,毛髪,細菌を認めず.アミラーゼ・リパーゼは低値であつた.病理所見では嚢腫壁内に脾組織の薄い層が存在し内腔を重層扁平上皮様細胞がおおつており副脾のepidermoid cystと診断した.脾epidermoid cystの成因は明らかでないが,本例では重大な外傷の既往はなく迷入組織から発生したと考えられる.脾epidermoid cystは若年者に多く石灰化は希とされている.本例の石灰化は比較的高年令であることによるものであろう.副脾は10%以上の人に存在するが検索しえた範囲では嚢腫発生の記載はなく,本例が第1例と考える.
著者
尾上 剛士 薄井 宙男 八幡 真弓 吉江 祐 山本 康人 市川 健一郎 野田 誠 斉藤 壽一 磯部 光章
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.12, pp.2547-2549, 2006-12-10
被引用文献数
1

症例は42歳, 女性. 進行する浮腫, 全身倦怠感にて来院. 心エコー上右心負荷所見が強く当初原発性肺高血圧症を疑った. 入院後急性増悪しショック, 急性腎不全となったが右心カテーテル所見より脚気心が疑われビタミンB1投与により速やかに循環動態が改善した. 健康に関心が強く健康食品を中心とした食生活を送っていた事がビタミンB1欠乏の原因と考えられ, 偏った健康知識が致命的となりかねなかった教訓深い症例と考えられた.
著者
西谷 美智恵 森野 豊之 松岡 直輝 野村 栄一 宮地 隆史 丸山 博文 郡山 達男 三森 康世 松本 昌泰 仲 博満 梶川 博
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.93, no.11, pp.2424-2426, 2004-11-10
被引用文献数
3 4

症例は26歳,女性. 2年前より左方への頸部回旋時に失神様めまい発作が出現した.頸部血管超音波検査にて右椎骨動脈が左方への頸部回旋時に狭窄または閉塞を生じていることが明らかとなり,頭部MRAの検査結果と併せてbow hunter's syndromeと診断した.頸部血管超音波検査による脳循環病態のダイナミックな評価が,スクリーニングおよび補助診断として有用であったと考えられた.
著者
吉松 博信 坂田 利家
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.90, no.5, pp.902-913, 2001-05-10
被引用文献数
9 3

肥満症や肥満2型糖尿病の治療に食事療法と運動療法は欠かせない.しかし,継続して実行するとなると,多くの患者は治療から脱落し失敗する,肥満症患者特有の認知能,食行動,ライフスタイルと言った壁に阻まれ,患者はそれを凌駕出来ないからである.なかでも,その主体をなすのが食行動の「ずれ」と「くせ」である.栄養学的な知識だけで患者教育をしたり,それで効果がなければ疾患の怖さを武器に説得したり,言い換えると知識量による防御だったり,患者の恐怖感を煽るといった操作では,これらの障害を克服することは難しい.治療者に授けた知識そのものが「ずれ」と「くせ」に取り込まれ,患者の行動変容には結びつかないからである.治療者の役割として大切なことは,自分の食行動の問題点,具体的には「ずれ」と「くせ」に患者が自ら気付き,しかも治療経過の中でそれらを修復できるような治療的枠組みをどのように創っていくか,この一点にある.このような目的のために編み出された治療技法,その一つが「グラフ化体重日記」である.問題になる食行動の抽出,その修復,波形化されて描出される体重減少という報酬,この繰り返しが治療動機の向上とその長期的維持を可能にする.「咀嚼法」は満腹感の形成を促す.その結果,お腹がはち切れる程食べないと満腹出来ないと思い込んでいた患者に,摂取量は少なくても満腹できるのだと実感させることが出来る.つまり,肥満症患者の満腹感覚の「ずれ」を修復するのに有効な手段である.知識量の増加ではなく,患者自身が感じ取る感覚の修復,これこそが逸脱した脳機能を修復する最短距離なのである.
著者
瀬川 亜希子 大下 智彦 三好 美智恵 越智 一秀 大槻 俊輔 郡山 達男 松本 昌泰
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.11, pp.2794-2796, 2008-11-10

ムコ多糖症は,通常ほとんどが乳幼児~青年期に肝脾腫,ガーゴイル様顔貌,臍ヘルニア,関節拘縮,巨舌等の所見により診断される.今回,50歳代で初めて撮像した頭部MRIで,多数の血管周囲腔拡大像などの特徴的な所見によりムコ多糖症を疑われScheie病の診断に至った姉妹例につき,鑑別診断上の意義を含め報告する.<br>
著者
Hideki WAKUI Ikuko TADA Yasunori KIMURA Kosaku YOSHIDA Yasuyuki ENDO Akira B MIURA
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Japanese Journal of Medicine (ISSN:00215120)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.736-739, 1989 (Released:2006-03-27)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

We report an Rh(D)-negative man with myelodysplastic syndrome who produced six anti-erythrocyte alloantibodies (anti-D, -C, -E, -Dia, -Jka and -S) in succession. Three of these antibodies (anti-E, -Jka and -S) were not noted until delayed hemolytic transfusion reactions occurred. Treatment with cortico-steroids was effective in preventing both further formations of antibodies and other transfusion reactions. It was very difficult to find blood compatible with the patient, but repetitive blood transfusions were required for his progressive anemia and thrombocytopenia. Several problems concerning the transfusion of blood in such a case are discussed.
著者
長谷部 浩平 金城 紀与史 大西 富文 岸田 直樹 金城 光代 芹澤 良幹 松井 和生 西垂水 和隆
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.1075-1077, 2008-05-10

16歳,男性.モルディブから帰国後7日目に高熱と下痢を生じた.肝機能異常と血小板減少を認め,渡航歴から旅行者感染症を考えた.末梢血スメアでマラリア原虫を認めず,腸チフスとデング熱の可能性を考え抗菌薬を使用の上,国立感染症研究所に依頼しデングウイルス3型遺伝子を検出した.その後皮膚点状出血や凝固時間延長が出現し,デング出血熱の診断基準を満たした.支持療法で改善し入院7日目で退院した.渡航歴の確認が重要と考えた.<br>