著者
秋葉 拓哉
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.1128-1136, 2016-10-15

本稿は,プログラミング経験のない読者を対象とし,コンピュータやプログラミングを一切用いずにコンピュータの背後にある数学やアルゴリズムについて説明する.具体的には,カードとコインを用いた並び替えゲームによりソートアルゴリズムを,迷路により右手法と幅優先探索を,そして石取りゲームにより2進法を説明する.
著者
但馬 康宏
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2010-GI-24, no.8, pp.1-7, 2010-06-18

ゲームの評価関数を強化学習を用いて獲得する場合,一般的には終了局面における勝敗を報酬とし,途中局面の報酬を 0 とする手法が知られている.本研究では途中局面に対する報酬をその局面におけるランダムシミュレーションの勝率とし,終了局面における勝敗の報酬の大きさを変化させた場合の違いを検証する.さらにオセロゲーム Zebra において利用されている盤面パターンの評価重みを本手法により学習し,実験的評価とする.
著者
大倉 俊平 村尾 一真 田頭 幸浩 小野 真吾 田島 玲
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.386-393, 2016-10-15

記事推薦システムにおいて,機械学習を用いてユーザと記事をマッチングする手法については,すでにさまざまな研究が成されている.一方で,大規模トラフィックを処理する実サービスにそれらを適用しようとすると,システムの応答速度に関する制約や,季節性によるデータ分布の変化などさまざまな問題が浮上する.また,機械学習の「精度」が利用者の満足に直接結びつくとは限らない.本稿では,筆者らが実際の記事推薦システムを構築する上で,それらの問題にどのように対処したかを事例と実験結果を合わせて紹介する.
著者
佐藤 重幸
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.1154-1156, 2016-10-15
著者
川端 愛子
出版者
北海道文教大学 ; 2004-
雑誌
北海道文教大学研究紀要 = Bulletin of Hokkaido Bunkyo University (ISSN:13493841)
巻号頁・発行日
no.40, pp.15-28, 2016-03

本論文は子育て・教育支援における「関係力育成プログラム」の実践を反応収集提示装置「PF-NOTEプロトタイプ」を活用して評価し,この指導法の有効性と,分析法として採用したPF-NOTEプロトタイプの活用の有用性を明らかにしたものである.分析のツールに用いた「PF-NOTE プロトタイプ」は,収録したビデオ映像を視聴しながら臨床実習生がリモコンでマーキング情報を記録することができるシステムである.ここでは,「関係力育成プログラム」が重視している「行動を流れの中で捉える」,「関係的視点から子どもの行動を捉える」,「構造化された場の構築」の3つの視点に耐えうる分析法として採用されている.これまでの研究は次の4つに大別することができる.研究1は「子育て・教育支援における評価方法の教育工学的研究」,研究2は「臨床観察法におけるPF-NOTEプロトタイプの運用効果」,研究3は「文教ペンギンルームにおける実践的研究」,研究4は「ミュージックセラピィの振り返りにおけるPF-NOTEプロトタイプの活用に関する実践的研究」である.本研究では,これらの4つの研究を概観することにより,今後の研究の方向性について総説した.

1 0 0 0 OA 表紙・目次

雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, 2016-10-15
著者
松浦 司 金田 康正
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.53(2000-NL-137), pp.1-8, 2000-06-01

本稿では、文章中のn-gram分布状況を著者の特徴量として、文章の著者を推定する手法を提案する。文章中におけるn-gram出現確率分布関数間の非類似度に基づいて著者推定を行うが、非類似度は提案関数dissimの他、Tankardの手法、ダイヴァージェンス、およびクロスエントロピーを用いてそれぞれ計算し、4関数の著者判別精度を比較した。1-gramから10-gram分布を特徴量とし、日本近代作家8人の92作品を対象とする著者推定実験結果について報告する。本手法は文章に関する付加的な情報を全く必要とせず形態素解析などを要求しない。また特定の言語および文章の性質を利用しないため、多くの言語・テキストにそのまま適用可能であることが期待できる。
著者
山田 寛康
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.47(2007-SLP-066), pp.13-18, 2007-05-24

本稿では日本語固有表現に対してShift-Reduce法に基づく抽出法を提案しIREX日本語固有表現抽出タスクを用いてその有効性を検証する. 提案手法はShift-Reduce法に基づくことで 文頭から順に固有表現の語境界推定後にその種類を推定するという自然な解析が実現できる. また日本語における形態素単位解析では 形態素語境界と固有表現の語境界が異なる場合の誤抽出が問題となる. この問題に対し 提案手法は簡単な拡張アクションを追加することで 入力文全てを文字単位に解析することなく対処できる. CRL固有表現抽出データを用いた五分割交差検定による評価実験では 文頭から文末に向かって部分的に文字単位解析する効率的な方法で 0.88 のF値を得た.
著者
武田 浩一 住田 一男 那須川 哲哉
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.394-405, 2016-10-15

「デジタルプラクティスの読者の方には,自分の専門をちょっと壊してほしい!」.人工知能の父と呼ばれるMarvin MinskyやAlan Kay等との親交が深い静岡大学教授の竹林洋一氏を迎え,これまでの人工知能技術の研究開発を俯瞰するとともに,「ディープラーニングには何が足りていないのか」,「将来を見据えて研究開発のターゲットを設定することの大切さ」,現在精力的に取り組まれている「人工知能の医療介護への応用」といったテーマで大いに語っていただきました.
著者
津上 智実
雑誌
論集
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.51-69, 2005-07-15

Pianist HARA Chieko (1914-2001) is now under revaluation. She was the first Japanese pianist who completed the Conservatoire de Musique de Paris with Premier Prix (1932) and also won a special award at the Third International Concours de Chopin in Poland (1937). She was the most popular, most admired pianist in Japan around the-Second World War. HARA Chieko held a professorship at KOBE COLLEGE from April 1957 to March 1961. It is a mystery why she accepted it, because she refused all the other offers from universities in Tokyo including even GEIDAI (the National University of Fine Arts and Music). What made her decide to come to Kobe and make time to teach students? My research in programs of her concerts and articles and interviews in some periodicals and journals in her time has made the following clear. 1) She gave two concerts for KOBE COLLEGE in 1935 and 1951, through her mother's connection. Her mother Hisako was one of KOBE COLLEGE'S alumnae. 2 ) The autumn of the year 1955 was a turning point for her life. She noticed the necessity to hand down her skills and knowledge to younger generation as her master Lazar Levi did. 3) In the year 1956 KOBE COLLEGE earnestly asked her to join, offering her conditions which allowed her to continue her activity as a concert pianist. On 2 November 1956, she visited KOBE COLLEGE and gave a mini concert, of which many photos have been kept. 4) She selected three students as her pupils by audition for the academic year 1957, and one more for 1958. Her lesson took place once a month at Room M34. 5) In addition, four alumnae were given chance to play, as solists, piano concertos by Beethoven (Nos. 3 and 5), Ravel and Schumann with orchestra as 'HARA Chieko's pupils' in spring, 1958. 6 ) She wrote a letter to the President of KOBE COLLEGE on 1, September 1980. It is evident from this letter that she was proud of her contribution and her pupils, some of them were teachers of the College. HARA Chieko left Japan in December 1958 to marry the Celist Caspar Cassado. The curricula of the academic year 1959 and 1960 have her name in the list but with a comment 'now in France'. Her tenure was short, but her legacy is profound.
著者
宮西洋太郎 富樫敦 Goutam Chakraborty MiyanishiYohtaro MizunoKoh YamamotoMitsuaki TogashiAtsushi NoguchiShoich Department of Software and Information Science Iwate Prefecture University Department of Design Information Miyagi University Kansei Fukushi Research Center Tohoku Fukushi University Kansei Fukushi Research Center Tohoku Fukushi University Department of Design Information Miyagi University Sendai Foundation of Applied Information Science
巻号頁・発行日
vol.9, pp.111-116,

In this project, various life-style related data of a large number of individuals were collected at regular time intervals. The data consists of 90 items, and almost all aspects of life-style, possible to collect without violating individuals privacy, are covered. This project started with two main objectives. One is to nd relationship between life-style and general physical and mental health of individuals. The other one is more subjective, to induce health-consciousness among individuals through declarations of their life-style. At this beginning stage of the project, we have the one-time data of about 4000 individuals. Some interesting observations were made by statistical analysis as well as cluster analysis of the data by Self-Organizing-Map neural network. Index Terms-Health-Consciousness, Life-style Check List, Healthcare, Statistical Clustering, Clusteirng using Self Organizing Map.
著者
大村 一史
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 教育科学 = Bulletin of Yamagata University. Educational Science
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.67-84, 2010-02-15

要旨 : 従来から認知神経科学研究における様々な疑問に答えるために使用されてきた脳波(electroencephalogram : EEG)を利用した研究が見直され始めている。そのような流れの中で、注意欠陥・多動性障害(attention-deficit/hyper activity disorder : ADHD)を主とした発達障害児のセルフコントロールトレーニングとして、ニューロフィードバック(neurofeedback)または脳波フィードバック(EEG feedback)という手法が注目されている。この技法においては、自身が脳波をモニタリングしながら、脳活動をコントロールすることによって、知的機能や注意行動を改善させることを目的としている。この10年ほどで、批判はあるものの、ニューロフィードバックの利用が劇的に増加してきた。ニューロフィードバックの効果を慎重に検討した研究報告では、ADHDの新しい代替療法としての可能性が支持されている。本論文では、主にADHDを対象としたニューロフィードバックを概観し、教育分野における将来の可能性を展望する。
著者
藤川 真⼀
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.870-876, 2016-08-15

フィンテックにおいて,新しい取り組みにチャレンジするスタートアップの存在は欠かせない.日本のスタートアップのフィンテックは,ブロックチェーンのような新しい取り組み以外にも,既存の金融機関と連携を行うビジネスモデルが注目されている.その際に重要になるのはユーザエクスペリエンスによる使い勝手の良いサービスである.また与信などを活用した高いユーザエクスペリエンスが,摩擦の少ないお金の流れを実現することで,その可能性を大きく広げる.その他,海外のスタートアップが日本に参入する際の難しさや,今後のフィンテックの課題について述べる.