著者
柿崎 淑郎 前田 陽二 辻 秀一
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2013-IS-124, no.1, pp.1-7, 2013-05-31

本稿では,属性を集約して管理する属性プロバイダ [1] において,ユーザの代理人として属性交換を制御する e-執事を提案する.e-執事は属性プロバイダの一機能として,サービスプロバイダからの属性要求に対して,属性交換の可否を判断したり,属性開示の粒度を設定したりする.また,e-執事は属性交換の履歴を記録することで,ユーザが把握しきれない属性交換の全容を管理し,ユーザを支援する.
著者
中村伸裕
雑誌
平成23年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, 2011-09-22

住友電工では、2006年よりCMMIのモデルを活用したプロセス改善による品質改善を進めている。品質改善の手法としてテストの強化があるが、コストや納期の悪化につながる可能性が高いという欠点がある。当組織では、できるだけコストを増加させずに品質を向上させる為に、欠陥の作込量削減とプロジェクト管理の一部である品質管理を改善することで出荷後の残存欠陥数の削減を実施してきた。本講演ではCMMIレベル4で求められている統計的手法を用いた品質管理とCMMIレベル5で求められている改善活動の進め方について具体的に紹介する。
著者
松瀬高志 岡田英彦
雑誌
平成23年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, 2011-09-22

スコパのルールを知らない初心者でもスコパのゲームを行うことができ,ゲーム中の経験を通してルールを習得できることを目標として,拡張現実感(AR)ユーザインタフェースを応用した初心者支援システムを開発した.
著者
川鯉 光起 中矢 誠 富永 浩之
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-119, no.20, pp.1-10, 2013-03-08

書籍関連サイトと連携した研究室規模の蔵書管理システムを構築し,その上に文献共有による学習支援を提案する.蔵書管理の対象は情報系の専門書であり,目的は知識や技能の向上のための精読である.そこで,貸出履歴や既読者のコメントを活用し,書籍利用を活性化させるため,記録部と分析部を追加した.また,文献共有による精読の形態を,個読・引継・輪講の3通りに分類し,支援に必要な機能を検討する.本論では,特に,プログラミングの解説書を題材とする演習付の輪講に着目し,コードレビューを取り入れた支援システムを検討する.レビュイーが書いているコードの編集状況をリアルタイムに中継し,レビュアーがその場でコメントを付与していく.その過程を,スナップショットとして保存し,後から再生して追体験することができる.試作版として実装した機能を議論し,ユーザによるシステムの試用結果について報告する.
著者
中矢 誠 富永 浩之
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-120, no.12, pp.1-6, 2013-06-29

近年,ハッキング競技 CTF が注目を浴びている.CTF は,サーバ上に隠された情報を旗に見立てて,攻撃側と防御側が競い合う競技である.ハッカー達の腕試しや交流の場として,各地で CTF 大会が開催されている.本研究では,初心者への情報セキュリティの導入教育の一環として,ハッキング競技 CTF を取り入れた教育イベントを提案する.また,大会運営サーバ BeeCon を開発している.参加意識を高めるため,エモーション機能や余興ゲームも取り入れ,競技者と応援者の協調を図る.本論では,大会の実施方法を述べ,支援システムの機能を論じる.
著者
古川園 智樹 井庭 崇
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MPS-92, no.21, pp.1-5, 2013-02-20

本論文の目的は,戦後日本の防衛政策を立案してきた防衛庁内の政策ネットワークを明らかにすることである.そのために,本論文では,1954 年から 2005 年までの防衛庁内の人事異動データを分析する.課をネットワークのノード,人事異動をネットワークのエッジとして捉えれば,人事異動は課同士のネットワークとして分析することができる.我々はこのネットワークを 「課ネットワーク」 と呼ぶ.この課ネットワークを分析した結果,このネットワークがスモールワールドネットワークであることも明らかになった.
著者
桑田 修平 前田 康成 松嶋 敏泰 平澤 茂一
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.20-30, 2013-03-12

推薦問題を扱うためのより一般化されたマルコフ決定過程モデルに対して,ベイズ基準のもとで最適な推薦ルールを履歴データから求める方法を提案する.推薦問題に関する研究において,これまで,ある商品を推薦した結果どの商品が買われたのか(推薦結果)や,さらには,一定期間内に行った複数の推薦結果が考慮されることはほとんどなかった.これに対して,マルコフ決定過程モデルを用いることで上記2点を初めて考慮した手法が提案されている.提案法は,その従来研究のモデルを一般化した点に新規性がある.また,もう1つの新規性として,推薦ルールを求めるためのプロセスを統計的決定問題として厳密に定式化した点がある.従来のモデルを一般化することで,マルコフ決定過程モデルを用いた推薦手法の適用領域が拡大され,かつ,推薦する目的に対して最適な推薦が行えるようになった.人工データを用いた評価実験により,提案する推薦手法の有効性を確認した.
著者
山本 岳洋 中村 聡史
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.61-72, 2013-06-28

本稿では,印象に基づく楽曲検索実現のために,動画共有サイト上に投稿された楽曲動画を,可愛らしい,切ない,元気がでるといった印象に分類する手法を提案する.楽曲動画の印象分類のため,ユーザの投稿した時刻同期コメントに着目し,単語の品詞,文字の繰返し構造,楽曲のサビ区間の3つを利用する.実験では1,314本の楽曲動画を7印象クラスに分類し,提案手法がF値のマクロ平均で0.659を達成しベースライン手法よりも高い精度を得た.また,楽曲の歌詞や音響特徴量を用いた分類手法とも比較し,提案手法の有効性を示した.
著者
西 友規 山口 実靖 小林 亜樹
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2013-DBS-157, no.29, pp.1-6, 2013-07-15

動画共有サービスが普及し,多くの動画が動画共有サイトで共有されている.しかし,既存の動画検索手法の精度は必ずしも十分とは言えず,単語による動画検索精度の向上は重要な課題の一つと考えることができる.本稿では,web コミュニティ抽出手法,動画共有サイトにおいてユーザが公開している動画リスト,タグ使用頻度分布に着目し,これらに基づく動画検索手法を提案し,動画リストの特徴を考慮した改善手法について考察する.そして,評価実験により提案手法の有効性を示す.
著者
村上 貴美子
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.39-47, 2013-03

1907(明治40)年3月19 日法律第11 号として公布された癩予防ニ関スル法律は,1996(平成8)年3月31 日法律第28 号をもって廃止されるまでの約1世紀にわたるハンセン病対策の基本政策を形成した.本論は,癩予防ニ関スル法律の制定要因を検証することにより,その後の差別意識醸成の根源の一つが法制定時に内在することを明らかにした.癩予防ニ関スル法律の制定に至る過程は,三段階に分けて考えることができる.第1段階は,ハンセン病を伝染病としての取り扱いを議論する段階であり公衆衛生上の論法である.第2段階は,伝染病対策を急性伝染病対策と慢性伝染病対策に分離する段階である.第3段階は,単独法として癩予防ニ関スル法律の制定を議論する段階である.この間一貫している論調が「国家の体面」であり,伝染病の怖さの強調である.この伝染病癩の怖さの強調がその後の差別意識醸成の根源の一因となった.