著者
藤井 恵子 藤井 智幸
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近年日本人に不足しがちなミネラルや食物繊維を豊富に含み、また、食物アレルギーの主要原因食物(小麦、牛乳、卵など)を含まないパンが求められている。本研究ではアマランサス粉、ホワイトソルガム粉、もち粟粉とうるち粟粉をブレンドしパンを調製した。製パン性を検討した結果、ホワイトソルガム粉にアマランサス粉を25%混合したところ、ホワイトソルガム単独パンに比べ軟らかく内相にべたつきが認められた。もち粟粉とうるち粟粉の混合割合を変化させるとパンの比容積はほとんど変わらなかったが、もち粟粉の比率が高いほど軟らかいパンとなった。官能評価においても、イヌリンや豆乳を添加したパンは有意に好まれた。
著者
黒須 充
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日本とドイツは今、共通の社会的課題を抱えている。本研究の遂行に当たり、日独の様々なスポーツ団体や組織を訪問し、現場の担当者や研究者と多くの話し合いを持つ機会を得た。そこで得られた知見は、日独のスポーツクラブとも、公的な補助金・助成金を受ける権利、税制上の優遇措置、公的施設をわずかの使用料で利用できる権利などが認められている一方、それに対してスポーツクラブが社会のために果たすべき義務も有している。スポーツクラブは会員の利益のために活動するだけではなく、同時に参加しない「第三者」あるいは社会全体に対しても公共の福祉を促進するために活動していかなければならないということである。
著者
石川 誠
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学環境教育研究年報 (ISSN:09193766)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-10, 2006-03-31

本稿はごみ処理の有料化に関して実施した調査の報告である。今回の調査ではごみ処理有料化を導入している100市町村を対象に,ごみ排出量,人口等の経年データを収集するとともに,手数料の金額等の情報も収集した。その結果,有料化導入後のごみ排出量の推移は4つのパターン(減量成功パターン,リバウンドパターン,変化なしパターン,増加パターン)に分類されることがわかった。これらの中ではリバウンドパターンに該当する市町村が多く見られ,有料化導入によるごみの減量効果が長期間持続できていないケースが多かった。このリバウンド現象の発生の主な要因は手数料が安く住民に経済的負担を与えていないことであるため,導入時の適切な手数料の設定と導入後についても手数料水準などの見直しが必要である。
著者
福嶋 祐介 中村 由行 早川 典生
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

本研究の目的は下層密度流先端部の流動特性を乱流モデルにより解析し明らかにしようとすることである。下層密度流先端部の乱流構造、連行機構を明らかにするため、室内実験を行った。実験は淡水で満たされた水槽内に塩水を流入させて、下層密度流を形成させる。測定は密度流先端部に注目して行い、導電率計を用いて塩分濃度を測定した。また、流速の測定には水素気泡法を用いた。水路床勾配を変化させてこのような測定を行い、先端部の諸特性と水路床勾配、流入密度フラックスとの関係を調べた。このような室内実験により、代表的な密度フロントの一つである下層密度流先端部の流速分布特性と密度分布特性の変化を水理条件の変化と対応させて把握した。次に代表的な二方程式乱流モデルであるkーε乱流モデルを用いて下層密度流の非定常数値解析手法の開発を行った。数値解析手法としては、差分法、有限要素法等があるが、本研究ではこれらの手法に比べて数値的に安定であるとされ有限体積法を用い、基礎方程式である微分方程式を離散化する。数値解析はかなり複雑であり、その妥当性を検討するため、予備計算を行った。対象としたのは、下層密度流定常部である。この計算結果を下層密度流定常部の実験結果、及びkーε乱流モデルを用いた定常部の相似解と比較し、本解析手法の妥当性を確認した。この解析手法により、下層密度流先端部の数値解析を行い、その流動特性を調べた。計算結果として得られるものに流速分布と密度分布、先端部の形状が得られ、これらを実験値と比較し、解析結果が下層密度流先端部の流動特性をうまく説明できることがわかった。