著者
加藤 聖文 麻田 雅文 小林 昭菜 堀内 暢行
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2018-10-09

本研究は、日ソ戦争史研究の基盤(日ソ戦争アーカイブズ)構築を目的として2つの目標を設定する。第1の目標は、研究の土台となるロシアに点在する日ソ戦争関係の歴史資料(アーカイブズ)を日露共同で調査・収集を行う。第2の目標は、収集した資料の一部を翻刻して出版(またはテキスト公開)するとともに、独露間の資料共用化プロジェクトを参考に、国際的データベース・ソフトのAtoMを活用して所在情報・収集資料の共用化を図る。上記の目的に基づき、第3年度はロシア国内での調査収集の拡充を図る予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大のためロシアを中心とした海外調査が不可能となり、事実上研究遂行が停止状態のなかで計画の大幅な見直しを行わざるを得なかった。海外調査が困難ななか、研究成果の発信に力点を置くこととし、11月14日開催のロシア史研究会大会パネル「日ソ戦争-研究の新視点と新資料」において「ソ連軍の満洲占領と地域秩序の崩壊」と題する報告を行った。また、ロシア調査で収集した資料を基に『海外引揚の研究-忘却された「大日本帝国」』(岩波書店、2020年11月)を刊行した。また、各分担者においても単著の刊行など研究成果の発信に努めた。この他、資料調査に関しては、日本国内(樋口季一郎記念館・鶴岡市郷土資料館・舞鶴引揚記念館など)での日ソ関係資料の調査を行い、初年度から続けているロシア語文献収集および収集資料のデータベース化による基盤構築研究を進めた。
著者
加納 弘 KANEO SEKIGUCHI 下岡 釿雄 沖 俊一
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.32, no.Supplement4, pp.121-130, 1984-06-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
5

Sulbactam (SBT) およびSulbactam/Cefoperazone (SBT/CPZ=1: 1) の吸収, 分布, 代謝およひ排泄をマウス, ラットおよびイヌを用いて検討した。SBT/CPZをラット, イヌに静脈内投与した時の血中濃度半減期はラットでSBT: 20分, CPZ: 21分, イヌでSBT: 30~35分, CPZ: 42~46分であった。またマウスに皮下投与した時の血中濃度半減期はSBT, CPZともに20分であった。SBT/CPZをラットに籐脈内投与した時の臓器・組織内濃度はSBT, CPZともに腎臓肝臓, 血清, 肺臓の順に高く, マウスに皮下投与した時はSBTで腎臓, 血清, 肺臓, 肝臓CPZで肝臓, 腎臓血清, 肺臓の順に高かった。SBTはラット, イヌで尿中排泄型, CPZはラットで胆汁中排泄型, イヌで尿中排泄型であった。なおラット尿中にはSBT, CPZ以外の抗菌活性をもった代謝物は認められなかった。SBTCPZを併用した場合, SBTの各極助物の血清蛋白に対する結合率はラット: 56%, ヒト, イヌ, ウサギで約20%であり, CPZではこれらの動物で77~93%であった。SBTの吸収分布およひ排泄はSBT単独投与とSBT/CPZ併用投与ではほとんど差が認められなかった。

30 0 0 0 OA 海軍制度沿革

出版者
海軍大臣官房
巻号頁・発行日
vol.巻7, 1940
著者
福田 千紘 宮﨑 智彦 Lee Bo-Hyun
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨 平成26年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
巻号頁・発行日
pp.6, 2014 (Released:2014-10-01)

エチオピアからは 1994 年ごろにオパール の 産 出 が 報 告 さ れ て い る (KoivulaJ.I.,et al 1994).2008 年前半には Wollo地区において豊穣な鉱床がみつかり,多量のカット石が市場に供給されている(Rondeu.,et al 2010).また 2013年初め頃に原石のままでの輸出が禁止されたと報じられた(Addis Fortune Jan. 2013).これらは主に色調が無色∼白色から淡黄色∼褐色を呈し,半透明∼不透明まである.オーストラリア産オパールにみられる強い青白色の紫外線蛍光や燐光はほとんど認められず弱い青白色の蛍光が認められる.ほかの産地のオパールに比べて多孔質で日常の取り扱いで重量が変化しやすい個体が多く見受けられる. 2013年初めごろから暗黒色不透明なエチオピア産オパールとされるブラックオパールに似たオパールが流通し始めた.これらは売り手の情報によると処理を施してあり,酸と有機物を用いて黒色化しているとのことである.価格も処理を施されていない同産地のオパールよりも割高で明らかにブラックオパールを模して製造されていると推定される.外観はオーストラリア産ブラックオパールとは異なる独特の鮮やかな遊色とわずかに褐色を帯びた漆黒の地色を呈し,従来から知られている砂糖液処理やスモーク処理の処理オパールとも異なる.またあまり小さなカット石は存在せず数カラット以上の比較的大きく厚みのあるルースのみ存在する点も特徴的と思われる.透過光では暗赤色を呈する試料が多く,拡大検査にてスクラッチ状または斑点状の黒色の色だまりがみられる個体が多い.試料を切断したところ内部まで黒色で外形に沿った色の濃淡が認められた.これは内部まで処理の効果が及んでいることと原石のまま処理するのではなくカットして完成品に近い形状に仕上げた後に処理を施し表面を再研磨していることを示唆すると考えられる.色の起源に関してはアモルファスカーボンが原因との報告があり(Williams 2012),本研究でもアモルファスカーボンの存在を追認した. さらに今年に入ってから様々な色調に着色されたエチオピア産とされるオパールが流通し始めた.これらはファイアオパールに似せた黄色∼オレンジ色系のものと天然には存在しない地色が青色系,ピンク色系を確認した.これらは有色樹脂の含浸が疑われたが近赤外分光分析の結果,樹脂は検出されず色素を用いた着色処理であることが判明した. 本研究では黒色の処理オパールとそのほかの色の着色オパールの鑑別上の諸特徴を報告するとともに処理の再現実験の途中経過と暫定的な結果も報告する.
著者
Md.Sofiqul ISLAM Noriko HIRAISHI Mohannad NASSAR Ryohei SONO Masayuki OTSUKI Tsutomu TAKATSURA Cynthia YIU Junji TAGAMI
出版者
The Japanese Society for Dental Materials and Devices
雑誌
Dental Materials Journal (ISSN:02874547)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.362-367, 2012 (Released:2012-05-28)
参考文献数
36
被引用文献数
18 29

The aims of this study were to investigate the effects of hesperidin, a citrus flavonoid, on human root dentin demineralization and collagen preservation, and compare it with chlorhexidine and grape seed extract. Specimens were assigned to different treatment groups: hesperidin, chlorhexidine and grape seed extract. Specimens were subjected to pH cycling by demineralization for 14 h, incubation in testing solutions for 2 h and remineralization in presence of bacterial-derived collagenase for 8 h, for 8 days. Calcium release was measured by means of an atomic absorption spectrophotometer, and degraded collagen matrix was investigated by hydroxyproline assay. Specimens were assessed longitudinally with transverse micro-radiography to investigate lesion depth and mineral loss. In hesperidin and grape seed extract groups, demineralization was reduced when the collagen matrix was preserved. The hesperidin group showed the lowest value in lesion depth and mineral loss, indicating that hesperidin inhibited demineralization and probably enhanced remineralization even under fluoride-free conditions.

30 0 0 0 郵政

出版者
日本郵政公社広報部門広報部
巻号頁・発行日
vol.夏季増大18(7), no.204, 1966-07
著者
富川 光 森野 浩
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.39-51, 2012
参考文献数
49

Amphipods (Crustacea) are most diverse in marine environment but not a few species occur in freshwaters. To date, 36 species of freshwater amphipod taxa have been recorded from Japan. However, there are no taxonomical reviews of Japanese freshwater amphipods. In this paper, Japanese name, scientific name, major feature, and distribution for all species of Japanese freshwater amphipods are marshalled. In addition, a key to species is provided for identification of freshwater amphipods in Japan. Figures provided with this key indicate features of taxonomic importance. We proposed the new Japanese names for the following family/genera/species in this paper: families Luciobliviidae and Bogidiellidae, genera Octopupilla, Lucioblivio and Bogidiella, and species Octopupilla felix, Lucioblivio kozaensis and Bogidiella broodbakkeri.

30 0 0 0 OA 新文典別記

著者
橋本進吉 著
出版者
富山房
巻号頁・発行日
vol.上級用, 1935
著者
森脇 優紀
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.106, pp.12-22, 2017-05-31 (Released:2017-09-22)

本稿では,東京大学経済学図書館が所蔵する西洋の古文書を実例として,西洋古文書学について概説を加えつつ,西洋古文書の構造や特徴を紹介することで,文書の内容分析の研究とは違った視点から,西洋古文書を読み解く手法を示す。
著者
住吉内記<住吉広行>//〔ほか〕写
出版者
巻号頁・発行日
1798

『平治物語』を絵巻にしたもので、江戸時代の住吉派の画家住吉広行(1755-1811)による模写。原本を絵、詞書とも忠実に模している。原本は鎌倉時代中期(13世紀後半)の作とされ、三条殿焼討巻は現在ボストン美術館、信西巻は静嘉堂文庫の所蔵。住吉家の当主は代々内記を名乗り、幕府の御用絵師を務めた。古画の鑑定もしばしば行い、『住吉家鑑定控』(東京芸術大学所蔵)が残る。これによれば、広行はこの模写の日付と同じ寛政10年5月25日に当時本多家所蔵の「平治物語絵詞」を見て、住吉法眼慶恩画、詞書は家隆卿筆と鑑定している。