著者
野崎 昭弘
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻女子大学紀要. 社会情報系, 社会情報学研究 (ISSN:13417843)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.251-255, 2006

円周率πを表すいわゆるブランカーの公式の初等的な導き方を示し,その打切り誤差が,π/4の逆数をグレゴリー級数で表したときの打切り誤差と正確に一致することを示した。またその導き方を応用して,自然対数の底eの収束の速い連分数展開を与えた。さいごにそれらの無限連分数の数値計算法を検討して,これまでに知られている直接的な計算法をブランカーの公式に当てはめるとすぐ桁あふれが起こってしまう(最初の10項しか計算できない)こと,また本論文で提案される計算法によれば,桁あふれを大幅に抑えられる(4百万項計算できる)ことを示した。
著者
近藤 滋
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本申請研究では、動物の皮膚模様ができる原理をゼブラフィッシュを使って解明することを目的とした。研究開始時点では、ゼブラフィッシュの模様がチューリングの反応拡散波としての性質を持つことは解っていたが、その詳しい原理については未解明だった。理論から予測された細胞間の相互作用と作用分子を、細胞生物学、分子生物学的な手法を使って同定して行き、最終的には、チューリング波を作るために必要な相互作用ネットワークの同定に成功した。インビトロ系での模様形成や、ギャップジャンクションが関与する原理など、興味深い研究の種はまだ多くあるが、模様形成原理という点に関しては、ほぼ目的を完遂することができたと考える。
著者
金 熙珍
出版者
国際ビジネス研究学会
雑誌
国際ビジネス研究 (ISSN:18835074)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.37-50, 2016 (Released:2017-11-06)
参考文献数
34

定性研究(Qualitative Research)の方法論には共通して使われる「型」があるのだろうか。優れた定性研究とされる論文は、どのような方法論的手順を採用しているのだろうか。本研究の目的は、定性研究の方法論的頑健性を確保するために必要とされる要件を、既存研究から導出することである。国際経営のトップ3ジャーナルとされるJIBS、MIR、JWBに最近5年間掲載された定性研究92本の方法論を分析し、共通してみられる9項目を取り上げ、説明した。この9つの「科学的ケース・スタディの要件」を研究デザインや実行、論文執筆の段階に取り入れることで、より積極的に世界に発信できる定性研究が多く生まれることを願う。
著者
諭吉著
出版者
ワニブックス (発売)
巻号頁・発行日
2010
著者
宇田川 武俊
出版者
The Society of Agricultural Meteorology of Japan
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.199-207, 1978-03-15 (Released:2010-02-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1
著者
家永 遵嗣
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1994

博士論文
著者
川島 夏希 久永 貴之 浜野 淳 前田 一石 今井 堅吾 坂下 明大 松本 禎久 上村 恵一 小田切 拓也 小川 朝生 吉内 一浩 岩瀬 哲
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.237-243, 2019 (Released:2019-09-26)
参考文献数
24

【目的】せん妄を呈した進行がん患者における苦悩の実態の検討.【方法】国内14施設の緩和ケア病棟に入院中または国内10施設の一般病棟に入院し精神腫瘍科が介入中の進行がん患者のうち,せん妄と診断され抗精神病薬の定期投与を受ける患者を前向きに連続サンプリングした.苦悩の有無を緩和ケア専門医が判断し,患者背景,DRS-R-98で評価したせん妄の重症度を比較した.【結果】対象患者818名のうち99名(12.1%)に苦悩を認めた.年齢,39歳以下,認知症の有無に有意差を認めた.治療前のDRS-R-98(15.3±8.1点 vs 17.3±7.8点,p<0.02)は苦悩を伴う群で有意に低く,情動の変容は有意に高かった.【考察】せん妄を呈した進行がん患者で苦悩を伴うものでは年齢が低く,認知症の併存が少なく,せん妄の重症度は低く,情動の変容が強いことが示された.