著者
XING Yuqing
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.15-06, 2015-05

This paper argues that global value chains (GVCs) have functioned as a vehicle for “Made in China” products to enter international markets, especially the markets of high income countries. It identifies three spillover effects to Chinese firms participating in GVCs: brands, distribution networks and lead firms’ technology innovations. By participating in GVCs, Chinese firms are able to bundle low skilled labor services with advanced technologies and globally recognized brands, and then sell their low value added services to the consumers of international markets. The competitiveness of China’s processing exports is largely determined by more than 50% of foreign contents embedded in the exports. Using the panel data of bilateral processing exports covering more than 100 China’s trade partners, it shows there exists a significantly positive correlation between the share of processing exports and the income of trading partners, implying that processing trade is an effective means for “Made in China” products to enter high income countries. The cross-country heterogeneity of processing exports also indicates China captures relatively more value added in its exports to low income countries than to high income countries.
著者
江渡 浩一郎 高林 哲 増井 俊之
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.115(2004-HI-111), pp.5-11, 2004-11-11

メーリングリストはグループ・コミュニケーションにおいて一般的であるが,送られたメールは通常はユーザが保持するだけであり共有されない.また送られたメッセージを編集してまとめることはできない.WikiWikiWeb (Wiki) はWeb 上で情報を編集・共有するための柔軟で使いやすいシステムであるが,通常は編集履歴を保持せず,また誰が編集したのかはわからない.本論文では,この両者の長所を統合した新しいグループ・コミュニケーション・システムqwikWeb を提案する.qwikWebは,メールを送信するだけで新しいメーリングリストを作ることができ,同時に対応するWiki サイトが作成される.全てのメールはWiki ページとして蓄積され,通常のWiki ページと同じように編集できる.ユーザは特別な管理を必要とせずに,メーリングリストとWiki の両方の機能を同時に活用することができる.
著者
川崎 惣一
出版者
宮城教育大学附属教育復興支援センター
雑誌
教育復興支援センター紀要 = Bulletin of Support Center for Revival in Education, Miyagi University of Education (ISSN:21884080)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.61-72, 2015-03-11

近年,欧米やアジア諸国において注目されている教育実践として,「子どもの哲学(p4c:philosophy for children)」がある。これは「対話による探究」の実践である。本論はクリティカル・シンキングとの比較を行うことで「子どもの哲学」の意義を明らかにすることを目指すものである。 「子どもの哲学」は創造性を重視しており,新たな問いを立てることの重要性を強調していることに加え,問いそのものに対する前向きな態度や,他者および文脈に対する感受性を持つことをその柱の一つとしているのに対して,クリティカル・シンキングは「思考の質を高めること」に重点を置いている。このことから,両者は,互いに支え合い,含み合うような(楕円の二つの中心のような)関係のもとで,「子どもの哲学」がクリティカル・シンキングの基盤を形成しつつ,同時に後者の習得が前者のさらなる発展・深化を可能にする,そのような関係性にあると理解できるように思われる。
著者
福島 隼人

2013年度修士論文要旨, 情報科学研究科システム科学専攻
著者
北本 朝展
雑誌
じんもんこん2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.9-16, 2014-12-06

遷画とは画像の収集と並べ替えに基づく参加型キュレーションシステムである.クラウドソーシングの観点から見れば,遷画は文脈依存的なアノテーションを通して画像に対する人々の多義的な解釈を引き出し,そのキュレーションを通して仮想展示「ツアー」を共有するシステムと位置づけることができる.2011年10月に遷画が東洋文庫ミュージアムに常設展示された後は,来館者が無料のお土産制作ツールとして遷画を利用する場合も増えたため,既に仮想展示の制作数は2600件を越えている.本論文はこうしたツアーが形成する集合的な文脈について,画像やツアーのレベルから分析を進めるとともに,展示の数学モデルを複雑ネットワークの手法などで分析し,展示の自動生成の可能性についても検討する.最後に遷画がミュージアムに対して与えるインパクトを,実例とともに議論する.
著者
五十嵐 治一 森岡 祐一 山本 一将
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.90-94, 2014-10-31

コンピュータ将棋において探索木の枝を成長させる際に,その枝までの探索経路に沿った指し手の累積的な選択確率の値を基に探索制御を行う方法を提案する.このときの指し手の選択には,将棋の指し手に関するヒューリスティクスを組み込んだシミュレーション方策を使用する.この際,枝成長を決定論的に行う場合と確率的に行う2つの場合を考えた.さらに,本手法ではこのシミュレーション方策中のパラメータを強化学習の一手法である方策勾配法により学習する.
著者
北﨑 勇帆
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2015-CH-106, no.5, pp.1-6, 2015-05-09

洒落本は,近世期に刊行された小説の一形態であり,近世日本語の口語資料としての有用性が高い.この洒落本には,書名や話の粗筋を同一にしながら,江戸板・上方板で内容や語彙に異同のある作品が存在する.上方で刊行されたものが後に江戸で改作された 『月花余情』 組と,江戸で刊行されたものが後に上方で刊行された 『郭中奇譚』 組である.本稿ではそのような江戸・上方間で改作が行われた洒落本のテキストを TEI P5 に準拠してマークアップすることにより,当時の東西言語の比較資料として用いることができる対照コーパスを構築した.
著者
四井 恵介 関野 樹 原 正一郎 桶谷 猪久夫 柴山 守
雑誌
じんもんこん2010論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.15, pp.211-216, 2010-12-04

近年,Google Mapsをはじめとして地理情報を扱うことが当たり前となり,様々な地理データも整備されつつある.しかしながら歴史的な地理データとしては,江戸時代はもとより明治・大正期の地理データについては,ほとんど整備されていない.本稿では明治・大正期に陸軍陸地測量部によって作成された旧5万分の1地形図をベースとして,日本全国を対象とした地名辞書および地理データの作成を行い,その作成方法,問題点等を報告する.
著者
KINOSHITA Tomohiro
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.14-25, 2015-03

Forward guidance or more specifically policy duration commitment invented and developed by the Bank of Japan has become an essential part of unconventional monetary policy instruments employed by modern central banks. This paper’s simple empirical analysis finds that the market believes or perceives Bank of Japan’s policy duration commitment to be credible, which has in turn helped the Bank to manage expectations of future interest rates and control the level and shape of the yield curve at an extraordinarily low range. The suppressed yield curve has contributed to reduction of financing costs for businesses and households and has supported macroeconomic growth through the conventional interest rate channel of policy transmission. However, forward guidance including policy duration commitment does have difficulties. The magnitude of its impact has been time-variant, which appears to depend on evolution in policy frameworks and communication skills. More importantly, this paper projects that the extraordinarily low and flattened yield curve coupled with maturity extension of the Bank assets could pose threats to the future income of the central bank in the event of policy normalization, which could have unintended fiscal implications.
著者
藤原 和典
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.380-385, 2015-03-15

最近,DNSへの攻撃が改めて注目されている.本解説ではDNSへの攻撃を可用性に対する攻撃と完全性に対する攻撃に大きく分類した後,ソフトウェアの脆弱性,サーバそのものの乗っ取り・悪意による操作,通信路をタッピングしてクエリに対応する偽装応答を与える中間者攻撃,フルリゾルバのキャッシュに偽造情報を注入するキャッシュポイズニング,DNSサーバを攻撃に用いるDNS反射攻撃,DNSサーバを停止させたり,大量のパケットを送ることでサービスを妨害するDoS攻撃などに分類し,それぞれごとに対策方法を紹介する.
著者
尾上 紗野 畑 秀明 松本 健一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.715-719, 2015-02-15

オープンソースソフトウェア(以下,OSS)開発には多くの開発者が携わっており,異なる特徴を持つ開発者が存在すると考えられる.開発者の特徴を明らかにすることで,OSSプロジェクトの成功に必要な開発者を明らかにできるなどのソフトウェア工学における新しい観点の発見が期待される.本稿ではGitHubで活発なOSSプロジェクトであるhomebrewとnodeに参加する開発者を活動履歴からクラスタリングし,その結果から開発者を分類した.クラスタリングで得られた樹形図を分析した結果,活発なOSSプロジェクトには迅速・議論型,迅速・総合型,悠然・総合型などの異なったタイプの開発者がいることが分かった.