著者
関 哲夫
出版者
国士舘大学法学会
雑誌
國士舘法學 = KOKUSHIKAN HOGAKU = KOKUSHIKAN LAW REVIEW (ISSN:02868911)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.161-198, 2016-12-20

本稿は、2015年7月に、中華人民共和国長春市にある吉林大学で開催された『現代における違法性の変化に関する中国、日本及び韓国の刑法シンポジウム』における私の報告 (「日本における結果無価値・行為無価値の議論状況」) がもとになっているが、それを改題し、加筆・修正したものである。
著者
土井 正 Tadashi Doi
出版者
麗澤大学経済学会
雑誌
麗澤学際ジャーナル = Reitaku Journal of Interdisciplinary Studies (ISSN:09196714)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.27-40, 2009-03-10

In recent years, the rapid development and penetration of the Internet have brought about convenience to users on one hand, while on the other hand, so-called "black websites" are becoming a social issue. Consequently, there is an increasing numer of incidences where minors can get access to harmful material and consequently become involved in crime. To tackle such illegal and harmful information, the police have set up cyber patrols and are cracking down on those who post illegal information. Also, measures are being carried out by providers and ebulletin board administrators to prevent the sending of illegal or harmful information, and the filtering of information is performed by the receivers of information. But an enormous amount of new information is circulated daily on the Internet, and in addition, there is also data that is stored on servers installed abroad. It is very difficult to shield children from harmful web sites. The Japan Newspaper Publishers and Editors Association, which is the representative of the mass media, opposes any move that would appear to foster government intervention, because it must refrain from making any moves that would restrict the constitutionally-guaranteed freedom of expression. However,they find it unacceptable to help with the circulation of such harmful information. The mass media enterprises in the Internet age should change their business structures and strategies. The study described in this paper examines the influences of the mass media and harmful information on the Internet.
著者
航空宇宙技術研究所史編纂委員会
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
独立行政法人航空宇宙技術研究所史
巻号頁・発行日
pp.387, 2003-09

航空宇宙技術研究所は平成15年10月1日をもって宇宙3機関統合を迎え、宇宙航空研究開発機構(JAXA)として新たな出発を致します。日本は終戦から昭和27年4月まで航空に関する研究開発、生産が禁止されていました。この7年間の空白によって途絶えた航空技術を早急に立ち上げ、遅れを取り戻し、これを向上させることを目的として、当研究所は昭和30年7月に総理府航空技術研究所として設立されました。その後、昭和36年に調布飛行場分室を設置、昭和38年にはロケット研究部を加えて航空宇宙技術研究所と改称し、昭和40年には角田支所を設置してほぼ現在の姿となりました。以来、航空宇宙科学技術に関する国立試験研究機関として、その中核的機能、役割を果たすべく、遷音速風洞や大型低速風洞等の大型設備の整備、YS-11の疲労強度試験、STOL実験機「飛鳥」の研究開発、LE-7液酸ターボポンプの研究開発、飛行船を用いた成層圏滞空試験等で成果を挙げてきたところであります。このような数々の成果の達成は関係各位の航空宇宙技術研究に対するご理解とご支援、ならびに諸先輩の並々ならぬ努力の賜であり、厚く御礼を申し上げる次第です。この機会に、当研究所の誕生から統合までの48年間の研究活動を「航空宇宙技術研究所史」として刊行する運びとなりました。本著を通じて当研究所の職員が過去の足跡を振り返り、将来の発展に資するとともに、日本の航空宇宙分野で当研究所が果たしてきた役割について皆様のご理解を深めることができましたら幸いであります。航空機はいずれ亜音速機から超音速機へ、そして極超音速旅客機へと進むものと思われます。そして宇宙輸送機も使い切りロケットから再使用型宇宙輸送機、有人宇宙輸送機へと進むのも必然のように思われます。そのとき航空機と宇宙輸送機の間に一体いかほどの違いがあるでしょうか。その未来の航空宇宙輸送機の実現と究極の信頼性向上に向けて研究を進めるのが新機関の一つの使命ではないかと考えています。統合後も航空宇宙技術研究の中核として、不易流行の精神をもってプロジェクト研究(ニーズ研究)と基礎研究(シーズ研究)をバランス良く遂行して成果を挙げて行くことを願っております。宇宙航空研究開発機構の益々の発展を心から祈念して航空宇宙技術研究所史刊行にあたってのご挨拶とします。平成15年8月
著者
航空宇宙技術研究所20年史編纂委員会
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
独立行政法人航空宇宙技術研究所史
巻号頁・発行日
pp.330, 1975-07

当研究所が航空技術研究所として昭和30年7月に40名の陣容で発足してから本年で満20年を迎え、ようやく480名を越す研究所に成長した。この間に,わが国における宇宙開発の進展を見通して宇宙技術の研究を加え,昭和38年に航空宇宙技術研究所と改称し,さらに,昭和40年にはロケット研究センターとして角田支所を設置して今日に至っている。これはひとえに諸先輩の並々ならぬ御努力と関係各位が寄せられた御支援の賜物であって,深く感謝の意を表する次第である。当所は航空,宇宙両分野において,技術水準の向上と先導的研究を推進する研究センターとしての役割と,開発への支援協力を行う試験センターとしての役割とを果さなければならないが,ここに取りまとめた20年史は,この20年間に急激な進展を見せた航空,宇宙の世界的推移の中にあって,当所が指向し推進してきた研究および試験の流れを示すものである。設立の初期には,航空再建の熱意に燃え,全員一丸となって,選音速風胴を始めとして,航空機の進歩に応じうる空力性能,構造強度,原動機等の試験研究設備の整備を急いだ。次いで,これらの設備を活用した研究段階へと進んで成果を挙げてきたが,わが国で開発された中型輸送機YS-11その他幾つかの航空機に対して,当所の研究成果が陰に陽に取り入れられ,現実の姿となって世に出ていったことや,超軽量ジェットエンジンの研究成果が基となってVTOLの実験研究が進展し,また,推進用ファンエンジンの研究開発へと順調に発展しつつあることは喜ばしいことである。然し,近来わが国における航空機の発展は最初の意気込程ではなく,むしろ沈滞しつつあることを憂えると共に我々の努力の至らなかったこことを深く反省している。宇宙開発の一環として当所がロケットおよび人工衛星の研究を開始してから12年になる。研究と開発とは密接不可分の関係にあり,当所は宇宙開発担当機関と常に密接な連繋を保つよう努力しつつ開発への支援協力を行うと共に,次期以降においてはわが国の宇宙開発が自主開発路線を進みうるように,ロケットエンジン,ロケットの誘導制御,人工衛星の姿勢制御等に関して鋭意基礎先行研究を進めてきた。今後も一層の努力を続けて実り多い成果を挙げていくことを念願している。過去20年間を振り返って,諸先輩の御努力の跡を偲び,衷心より敬意を表すると共に今後の研究推進に資したいと考えている。20年史を刊行するに当り,当所の発展に寄せられた皆様の御厚情に深く感謝し,併せて今後一層の御指導ご鞭撻を賜わるようお願いする。昭和50年7月航空宇宙技術研究所長山内正男
著者
小林 孝郎
出版者
拓殖大学言語文化研究所
雑誌
拓殖大学語学研究 = Takushoku language studies (ISSN:13488384)
巻号頁・発行日
vol.144, pp.79-96, 2021-03-25

「待遇性接頭辞」の「お」と「ご」とその使い分け方法については,従来から問題点の存在が指摘されてきた。おおかたの研究の示すところは,その使い分けの要諦を「お,ご」に後接する語彙情報に拠るとするもの(「語種原則」)であったが,そこで生じる問題として「お,ご」と後接する語種とのミスマッチをどのように説明するかという点があった。本稿はこれに対して,「お+漢語」「ご+和語」の問題を含めて研究史を概観し,学術的にも日本語教育分野においても「語種原則」が浸透している現状について考察した。次に,「語種原則」に代わる可能性を持つ新たな説明項を模索する研究潮流について論じた。そして,それらの説明項(本稿では「解釈要素」とした)を初級日本語教育に応用することが可能かどうかを日本語教科書の「漢語語彙」を実際に検証することで考察した。
著者
Kohei Matsumura Yasuyuki Sumi Mitsuki Sugiya
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, 2017-05-15

Nonverbal information plays an important role to convey feelings and/or interests of the people in conversations. Since Bibliobattle, a book-review game, has pleasant features to investigate non-verbal information on conversation settings, we conduct a series of experiments on Bibliobattle settings. In Bibliobattle, each speaker presents his/her own recommended book to listeners as a bibliobattler in 5 minutes. At the end of all presentations, everyone votes for the champion book. We analyzed a series of Bibliobattle experiments by video investigation. In the analysis, we focused on the listeners' non-verbal information, in particular, nods, laughs and change postures. Our results showed that there are co-occurrence of nonverbal action among the audience in Bibliobattles. The frequency of co-occurrence of positive non-verbal information were assumed to be excitement of the presentation. However, interestingly, the results showed that the frequency does not affect the result of voting for the champion book in Bibliobattle. We discuss the cause of the results in the paper.------------------------------This is a preprint of an article intended for publication Journal ofInformation Processing(JIP). This preprint should not be cited. Thisarticle should be cited as: Journal of Information Processing Vol.25(2017) (online)DOI http://dx.doi.org/10.2197/ipsjjip.25.361------------------------------
著者
黃 馨儀 Hsin-Yi Huang
出版者
同志社大学
巻号頁・発行日
2014-03-20

本研究は朝の連続テレビ小説(朝ドラ)の女性表象及びその社会的意義を検証したものである。研究範囲となる50年間を5つの時期に分け、テクスト分析を主な研究方法とし、作品の特徴・傾向を分析した結果は以下となる。朝ドラは最初から女の一代記ではなかったこと、全盛期の朝ドラは戦時のジェンダー的構造を、映像を通し、視聴者に再体験させる役割があることと、女性の自立、家庭と仕事の両立が可能な条件は「女性職」、明治大正昭和というテーマに限られていることが指摘できる。本研究は「女性のジャンル」の下位概念から、メディアでの女性文化に関する分析を試みた。
著者
渡辺智美 中村亮太 上林憲行
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.695-696, 2013-03-06

面接対策のための書籍はあるが, 面接者に良印象を与える話速の具体的数値や, 悪印象を与えてしまう音声フィラーの頻出等, 言語情報以外のコミュニケーション法に関する記載は少ない. 本研究では面接者が重視する受験者の話し方を構成する要素を明らかにするために, 本学で開講された模擬面接官養成講座の受講生を面接者とした模擬面接を実施した. その中で面接者による声の大きさ・話速・音声フィラー・繰り返し・沈黙の項目に対する4段階主観評価, 音声フィラー・繰り返し・沈黙の頻出数, 内容も含む面接印象評価の取得と, 逐語記録実施による話速分析を行った. その結果, 話速と声の大きさが面接者の印象評価に影響を与えていることが示唆された.
著者
新見雄亮 狩野 均
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.46, no.SIG17(TOM13), pp.122-130, 2005-12-15

本論文では,筑波大学学園祭の人員配置問題を例にあげ,ウイルス感染を用いた進化戦略による解法を紹介する.対象問題では,複数の学園祭実行委員に仕事を割り当てることが問題となるが,この割当ては強い制約を必ず満たす範囲内で弱い制約をできうる限り満たすことが重要となる.弱い制約を制約条件と部分解列挙型の制約に分類し,前者で仕事を多くの人に分散させ,後者で特定の人に仕事を集中させる.本論文は部分解列挙型の制約をウイルスとして定義し,進化戦略と組み合わせることで従来手法と比べて高速に実用的なスケジールが編成できることを示す.
著者
丸山 誠太 若林 哲宇 森 達哉
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.2, 2017-10-16

静電容量方式のタッチパネルに能動的に干渉を行い,ユーザの意図しないタッチイベントを引き起こす攻撃手法を提案する.提案する攻撃手法は二つ存在する.第一の手法は,攻撃回路からタッチパネルに対して特定周波数の交流電流が印加されるように外部から電界を加えることでタッチイベントを引き起こす.第二の手法は,攻撃回路とタッチパネル間の静電容量を任意に変化させることでタッチイベントを引き起こす.それぞれの手法を実装し,複数台のスマートフォンを利用して評価を行った結果,本攻撃が実用的であることが明らかになった.