著者
並木 崇浩
出版者
関西大学臨床心理専門職大学院 心理臨床センター
雑誌
関西大学心理臨床センター紀要
巻号頁・発行日
vol.13, pp.47-56, 2022-03-15

本稿はパーソン・センタード・セラピーのトレーニングに関して、なにを学ぶか、いかに学ぶか、そして学びの構造の観点から検討し、トレーニングを実践する上での論点や今後の課題について考察するものである。1)エビデンスに基づく実践の要請、2)PCTに対する批判の払拭、3)公認心理師制度の開始、の三点を根拠として、パーソン・センタード・セラピーのトレーニングが重要なテーマであることを示した。そして、学ぶ要素としてセラピストのパーソナルな成長を中心に、パーソン・センタードな学びという学び方、そして学びの構造であるエンカウンター・グループについて、関係性の視点を踏まえつつ、その基本的な特徴と重視される根拠を整理した。次に、パーソン・センタード・セラピーのトレーニングにおける論点として、1)トレーナーが提供すべきものはなにか、2)日本の心理士養成課程にパーソン・センタードの要素をいかに取り入れるか、の二点を提示し論じた。
著者
所 功
出版者
京都産業大学法学会
雑誌
産大法学 (ISSN:02863782)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.324-351, 2010-09
著者
小山 治
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム = Forum of Higher Education Research (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-12, 2022-03-29

本稿の目的は、全国の4 年制大学の学部4 年生に対するウェブ調査によって、人文・社会科学分野の専門分野別習得度と関連する大学教育は何かという問いを明らかにすることである。本稿の主な知見は、10 個の専門分野ごとにみても、大学教育の中でも授業経験よりも学習経験(特に探究的な学習、授業間を関連づけた理解、授業外での活用)の方が専門分野別習得度と有意な正の関連があったという点である。以上から、本稿の結論は、人文・社会科学分野の専門分野別習得度と関連する大学教育は、授業経験(どういう授業をどれくらい受けたか)ではなく、学習経験(何を考え、どのように学んだか)ということになる。ただし、この具体的な内容については、専門分野間で共通する部分と共通しない部分があり、両者を慎重に見極める必要がある。本稿の知見の含意は、次の2 点である。第1 に、授業形態に過度に着目した大学教育改革・授業改善への警鐘が必要ではないかという点である。第2 に、大学に求められるのは、学生が自らの学習経験を高められるような仕組みづくりではないかという点である。
著者
吉田 敦彦 Atsuhiko Yoshida
出版者
学習院女子短期大学国語国文学会
雑誌
国語国文論集 (ISSN:02896753)
巻号頁・発行日
no.17, pp.116-135, 1988-03-20

特別寄稿
著者
二階堂 善弘
出版者
関西大学東西学術研究所
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.41-50, 2017-04-01

I have been engaged in research on temple guardian gods in Japan and China, as well as, over the course of several years, investigations into Buddhist temples in Vietnam. I have come to the conclusion that the Vietnamese temple guardian known as Duc chua ong has its origins in India Sudatta (Anathapindika). In mainland China some papers asset an Erlanshen influence from Zoroastrianism. I agree in part with this viewpoint.
著者
田中 宏幸
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2006

制度:新 ; 文部省報告番号:乙2104号 ; 学位の種類:博士(教育学) ; 授与年月日:2007/6/26 ; 早大学位記番号:新4563
著者
榛葉 賴子 矢田 大輔 小田 彩子 東堂 祐介 伊藤 敏谷 鈴木 康之
出版者
静岡産科婦人科学会
雑誌
静岡産科婦人科学会雑誌 (ISSN:21871914)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.59-63, 2020

腟内異物が放置される例は、産婦人科ではまれに経験される。症例は 50 歳。スプレー缶の蓋を腟内に自己挿入し、抜去できずに約2年間放置していた。抜去目的に当院を紹介され、腰椎麻酔下に子宮把持鉗子で抜去した。抜去された異物は、石灰化物質で覆われており、成分分析では、リン酸カルシウムとリン酸マグネシウムが検出された。報告では腟内のカルシウムイオン、マグネシウムイオンは尿の成分に由来 すると結論づけられるものが多い。腟内異物の症例では膀胱腟瘻を来していることも多い。本症例では画像検査で膀胱腟瘻などの解剖学的異常はなく、抜去可能であった。長期間放置された腟内異物の診療では、膀胱腟瘻などの解剖学的異常も含め、画像検査で評価することが有用である。