著者
鈴木 信一
出版者
東洋大学国際哲学研究センター(「エコ・フィロソフィ」学際研究イニシアティブ)事務局
雑誌
「エコ・フィロソフィ」研究 = Eco-Philosophy (ISSN:18846904)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.115-131, 2020-03

即興で行なうダンスセラピーは身体運動および他者との連動を試みることによって健常者、非健常者を問うことなく一定の効果を得ることができる。その一方で身体運動および他者との連動そのもの、さらに動作の選択可能性の拡大、他者との連動可能性の向上といった効果を具体的かつ肌理細かく記述し、分析することは難しいとされる。そこで本稿ではシステム論におけるオートポイエーシス、カップリングの手法を身体運動に展開し、動作単位産出システム、カップリング・システムを仮説設定した上で、即興ダンスセラピーの実践を記述し、現場で展開される実践の構造、実践による効果の明確化を試みる
著者
唐澤 太輔
出版者
東洋大学国際哲学研究センター(「エコ・フィロソフィ」学際研究イニシアティブ)事務局
雑誌
「エコ・フィロソフィ」研究 = Eco-Philosophy (ISSN:18846904)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.93-105, 2020-03

華厳僧・明恵坊高弁(1173〜1232 年)は、19 歳の青年期から晩年の 58 歳まで、断続的に自身が見た夢を記録し続けた。彼は、実に様々な夢を記録しているが、本稿で焦点を当てるのは、動物に関する夢である。明恵の夢には、非常に多彩な動物が登場する。しかし、それらを網羅的に捉え言及した研究はこれまでなかった。明恵の動物観あるいは非—人間への眼差しを知る上で、彼が見た動物の夢は大きなヒントを与えてくれる。同時に我々は、その眼差しが華厳思想(事事無礙法界:事物と事物が豊かにつながり合う様態を重視する思想)と深くリンクすることを知ることができるはずである。本稿では、まず、現在までに活字化され刊行されている明恵による夢の記録を概観し、そこから動物に関する夢を抽出しリスト化する。その上で、彼の夢に登場する動物の傾向を考察する。さらに、それらの動物が、明恵にとってどのような「意味」を持つものだったのかを論述する。最後に、明恵が経験した動物をめぐる共時的現象と華厳思想とのつながりについて述べる。
著者
中野 民雄
巻号頁・発行日
2014-12-06

第72回ふじのくに防災学講座日時:2014年12月6日(土) 10:30~12:00場所:静岡県地震防災センター(静岡市葵区駒形通5丁目9-1)
著者
春日 教測 穴倉 学 Norihiro KASUGA Manabu SHISHIKURA
出版者
甲南大学経済学会
雑誌
甲南経済学論集 = Konan economic papers (ISSN:04524187)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3・4, pp.15-44, 2020-03-20

本稿では, ①テレビ視聴者に関するデータの利用, ②経済理論の発展と分析手法の変遷という2点に着目してスポーツ経済学の研究をとりあげ, 主として不確実性と需要者行動に関する考察を行う。本稿を通じて, データの利用可能性や経済理論の発展と呼応して, 試合結果の不確実性とスタジアム観客数との関係検証からテレビ視聴者を対象にした分析にシフトし, 最近では心理的側面を取り入れた分析へと推移してきた状況について確認した。また,スポーツの試合を対象としつつも, 製品・サービスの代替性/補完性といった産業組織上の論点を検証する研究にも触れ, 今後の発展の方向性についても展望を行った。
著者
玉川 貴子
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 社会科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSYU; Journal of Nagoya Gakuin University; SOCIAL SCIENCES (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.177-186, 2015-10-31

本論文では,戦後から1964年に東京で開催されたオリンピックまでの時期までを対象とし,首都におけるインフラ整備のなかで問題となったし尿処理に現れる排除の視線と都市空間への取り込みについて社会学的にアプローチする。し尿処理については,その消化槽の建設用地や予算が問題とされたり,下水道未整備について言及されるが,そうした諸問題にはし尿に対する人々の視線,二元行政化による複雑さも関係していると考えられる。
著者
天野 由貴 隅谷 孝洋 長登 康 稲垣 知宏
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2019-CE-152, no.19, pp.1-6, 2019-11-08

広島大学では,学部新入生必修科目 「大学教育入門」 を開講している.その全 15 回のうち 1 回の 「アカデミック・プレゼンテーション」 の章で,反転授業をおこなっている.本研究では,事前学習動画で人物が映っていて説明しているものと,スライド映像に音声をつけているだけのもの 2 種類を用意し,新入生を約半分に分けて提供した.その視聴行動や小テストの得点にどういう影響を与えたかを比較した.
著者
亀田 尭宙 貴志 俊彦 原 正一郎
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2019-CH-119, no.12, pp.1-4, 2019-02-09

京都大学東南アジア地域研究研究所では,戦前戦中に発行された東アジアの絵葉書をデータベースとして整理 ・ 公開している.これまで国際連携のために,Linked Open Data や International Image Interoperability Framework に対応した公開を進めてきた.また,それぞれの弱点である,ドメイン研究者によるデータの簡便な登録と更新や応答の早い検索 API について,当研究所が構築してきた My データベースや Elasticsearch との連携によって補っている.本稿では,データの具体的な形式やシステム間の連携について詳述し,活用に至るまでの課題について議論する.