著者
井上 薫 山崎 正之
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 工学部 (ISSN:05636787)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.19-22, 2006-03-31

Some students in their study of wave motion have asked us "could you explain the contradiction that exists between the principles of superposition of waves and the energy conservation law?" We will answer the question in this paper. This question arises from their focusing only on either the constructive or destructive aspect of superposition of waves. They must pay attention to both aspects of superposition.
著者
寺田 己保子 岩本 紗八香 井上 薫 横山 真理 高田 奈津子 澤田 篤子 伊野 義博 松本 絵美子
出版者
日本学校音楽教育実践学会
雑誌
学校音楽教育研究 : 日本学校音楽教育実践学会紀要 (ISSN:13429043)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.67-84, 2012-03-31

課題研究1年目は『21世紀音楽カリキュラム』に基づいたこれまでの実践を振り返り、どのような実践が可能になったのか実践者からの感想も含めてその成果と課題を確認し、今後の研究の方向性を見出していくことがねらいである。全体を2部構成とし、第1部は実践発表、第2部を討論とした。第1部の実践発表では、『21世紀音楽カリキュラム』に基づいた日本伝統音楽の実践としてこれまでどのような実践が行われてきたのか、その指導内容に焦点をあて、「伸縮する拍を感じて自分たちのわらべうたをつくって歌おう」岩本紗八香氏(小学校)、「高い音と低い音を感じてわらべうたでふしづくりをしよう」井上薫氏(小学校)、「拍の特徴を感じ取って《ソーラン節》《小諸馬子唄》を味わおう」横山真理氏(中学校)、「カラ三味線で長唄をうたおう」高田奈津子氏(高等学校)の実践発表が行われた。第2部ではこれを受けて、実践についての成果と課題について、伝統音楽の理論的立場から澤田篤子氏、伝統音楽の指導方法等の立場から伊野義博氏、学校現場の実践を見る立場から松本絵美子氏がそれぞれ意見を述べ、その後会場からの意見も含めて全体で討論した。
著者
宮本 礼子 藤本 泰成 井上 薫 伊藤 祐子
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.289-298, 2023-06-15 (Released:2023-06-15)
参考文献数
22

本研究は右利き者の筆順に着目した際の左右手の運筆機能の相違を解明することを目的とした.20名の健常右利き男女を対象に,日本語の字体的特徴を含む図形4種に筆順条件を付加した課題を実施した.収集したデータは 図形を要素に分解し,描画時間・筆圧・仰角・方位角・筆跡躍度・筆跡一致率に関する左右手データを比較した.結果,多くの要素で右手での筆圧が高く,仰角と方位角は要素毎に特徴的な左右差を示した.一方筆跡躍度と筆跡一致率に左右の有意差はなかった.今回筆順条件を加えたことで左右手の運筆機能の違いを示すことができた.非利き手では筆順の影響に伴う不自然な運動方向となり,筆圧がかかりにくいことが明らかとなった.
著者
井上薫編著
出版者
作品社
巻号頁・発行日
1999
著者
井上 薫 重田 善之 梅村 隆志 西浦 博 広瀬 明彦
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.56-64, 2021-04-25 (Released:2021-04-22)
参考文献数
19

本研究では,5種の毒性試験事例から得たさまざまな病理組織学的所見の発生頻度データに実際にベンチマークドーズ(BMD)法を適用し,本法を発生頻度データに適用する際の留意点をまとめた.事例検討の結果,重要な所見について,毒性学的意義や用量相関性等が担保できれば,病変の程度毎に発生頻度データがある場合はある程度以上の発生頻度に対して,あるいは重症度が高い続発性病変ではなく,より毒性学的意義があると判断された前段階の病変の発生頻度データに対して,BMD法を適用することは妥当であることが確認された.また,BMD法を適用する必要性が高く,入手した個別所見の発生頻度データでは毒性学的にも統計学的にも妥当な計算結果を得られない場合は,可能であれば個体別の病理組織学的検査データまで遡り,新たに求めた総括的な所見名(診断名)に対する発生頻度データに基づきBMD法適用を試みることを提言した.BMD法適用の際は,必ず毒性病理学,毒性学,統計学の専門家が本法適用の対象となる所見やその発生頻度と計算結果を分析し,可能な限り統計学的にも毒性学的にも妥当な適用となるよう議論する必要がある.
著者
井上 薫
出版者
奈良大学文学部文化財学科
雑誌
文化財学報
巻号頁・発行日
no.3, pp.15-26, 1984-03

戒・定・慧の関係を仏典の経へ仏の説法を収録した書)律(仏が制定した修行規則を集めた書)論へ仏弟子や高僧が経典の内容を研究・解釈したところを記した書)の関係にあてはめると、定は経にあたり、戒は律に、慧は論に相当する。欽明天皇七年へ五三八)に仏教が百済から公的に伝わると、戒律も学ばれ、百済は律師を日本にたてまつりへ敏達天皇元年、五七二)、善信尼らは百済に行き戒律を修めへ用明天皇二年、五八七)、道光は唐から『四分律』を舶載しへ天武天皇六年、六七八)、『依四分律鋤撰録文」を著し、道融は唐の道宣の『四分律行事抄』を講義した。『四分律』は小乗戒へ自分だけ悟ればよいとする修行の方式で、大乗戒〔自分が悟るだけでなく、他人も悟らせることを理想とする修行方式〕に対する語)を内容とする四大戒律書へ『十調律』『四分律』『僧祇律』『五分律』)の一つで、後秦へ三八四~四一七)の仏陀耶舎・竺仏念らによって漢訳され、四〇巻本や六〇巻本などがある。大宝「僧尼令」の原典の一つに『四分律』が用いられていることが指摘されている。このように戒律は修得されていたが、戒律制度が不備で、三師へ授戒する戒和上・掲磨師・教授師各一人。掲磨は授戒や峨悔などの戒律に関する作法)、七証へ受戒を証明する僧七人)をそろえなければならないし、授戒の儀礼や結界登壇を行なう施設などを整えなければならなかった。天平五年(七三三)の遣唐使へ大使多治比広成、副使中臣名代)に従って入唐留学した栄叡・普照へともに興幅寺僧)・理鏡らは研究と戒師招請の任務を負ことになった。戒師招請は元興寺の隆尊が発案し、知太政官事の舎人親王に献策したことによると『東大寺要録』にみえるへ知太政官事は百官を統轄する官職。大宝令における太政大臣の任務規定が抽象的であったため設けられたという)。
著者
岡嶋 泰一郎 下池 朋子 井上 薫
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.279-283, 1997-06-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
4

9名の肥満症患者で, 高たんぱく・低カロリーダイエット食, ハイプロッキー®(クッキーおよびリゾットタイプ)を用い, 減量治療を行った. 9名中, 5名は14日間ハイプロッキーのみ(916kcal/日)を摂取し, 軽度ではあるが有意の体重減少が得られ, 総コレステロール値も低下した. 9名中2名ではハイプロッキー以外のカロリー摂取(200~300kcal)があったが体重は減少傾向を示した. 他の2名ではハイプロッキー摂取を10日間行い, 以後は低カロリー食を摂取したが, 体重は減少傾向を示した. 全例, 治療の支障となるような副作用はなかった. 以上の結果より, ハイプロッキーは肥満症治療に有用であるが, ハイプロッキー単独で長期のダイエットを行うことの困難性も示唆された. ハイプロッキーは減量治療の動機づけなど短期に使用することで肥満治療における有用性が期待される
著者
井上 薫
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.13, pp.p50-61, 1984-12

行基(六六八- 七四九)が狭山池(河内国丹比郡、大阪府南河内郡狭山町)を修理したことは、「天平十三年記」(泉高父編『行基年譜』収録) にみえ(第1表)、すなわち行基が造営・修理した灌概水利・交通関係の施設の名称・場所・規模などを列挙したなかに「狭山池河内国丹北郡狭山里」と記される。編者の泉高父について詳細は明らかでないが、建久七年(一一九六) ころまで生きた人で、『行基年譜』以外にも『泉高父私記』を書いている。すなわち『泉高父私記』が法空の『上宮太子拾遺記』第二巻(『大日本仏教全書』本) に引用されており、『泉高父私記』は本元興寺と、その北僧房に安置した弥勒石像の所在・形像などを『七大寺巡礼記』などによって考証し、かつ建久七年炎上のことを記している。
著者
吉田 緑 鈴木 大節 松本 清司 代田 眞理子 井上 薫 高橋 美和 小野 敦
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.39, pp.P-72, 2012

現在日本では農薬のヒト健康影響指標には、一日許容摂取量が慢性曝露に対する指標として設定されている。近年、海外や国際評価機関においては、この指標に加え、ヒトが極めて短期間に農薬を摂取した際の急性曝露影響に対する健康影響が評価され、その指標として急性参照用量(acute reference dose, ARfD)が設定されている。日本では急性影響評価は実施されていないが、ヒトが農薬等を短期間曝露した場合の急性影響評価およびその指標を設定は、食の安全のために重要である。そこで本研究では、食品安全委員会で公開された評価書およびFAMICで公開された農薬抄録を用いて、これらの農薬のARfDの設定を試みた。設定の基準として農薬の国際評価機関であるFAO/WHO 合同残留農薬専門家会議の基準を基本とした。[結果及び考察] 約200農薬の公開データからシミューレーションを行った結果、90%以上の農薬についてARfDの設定を行うことができた。ARfD設定根拠となる試験は発生毒性試験、急性神経毒性試験、薬理試験が多く、約30%の農薬で設定の必要がないと考えられた。農薬の作用機序別の比較では、全てのコリンエステラーゼ(ChE)阻害剤でARfD値設定が必要であり、その値は他の剤に比べて低く、ADIと近い値を示した。これはChE阻害作用が短時間に起きるためと考えられた。長鎖脂肪酸の合成阻害、細胞分裂時の紡錘糸機能阻害および昆虫の神経細胞に作用する剤ではADIとARfDの乖離が平均で300倍以上と大きいものが多かった。約10の農薬では急性影響に関するデータ不足によりARfDを設定できなかった。これらのデータ不足の多くは、評価書内の記載の充実(=投与開始直後に認められた変化の種類と観察時期)や投与翌日の検査を追加することで、多くの場合改善されると考えられた。