著者
山本 景子 長沼 大樹 油井 俊哉 原田 誠史 福谷 和芳 堀 修生 福澤 貴之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.313-323, 2019-09-30 (Released:2019-09-30)
参考文献数
56

"Astral Body" is an art installation for viewers to reveal the origin of life by showing the sense of life. A dead body and an artificial sign of life with dead matter are presented so that the viewers could think of relationship of the two. Astral Body has a kinetic surface made with ferromagnetic powder to present creature-like movements and human interaction. We have expressed the movements by using an automatic running robot with a magnet. Through the exhibitions, we have collected reactions and opinions from the attendees, and observed them. In this paper, we will conclude the overview, concept, design, implementation, and outcomes from the exhibitions.
著者
永沼 優一 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2018-HCI-177, no.4, pp.1-8, 2018-03-09

リアルタイムで状況が変わるゲームをプレイする際に,プレイヤーは変わっていく状況に対してその都度判断を下して行動し,その行動によって現れた状況に対し判断を下して行動するということの繰り返しを行っている.その中でも,判断し行動するまでの時間がきわめて短い判断を瞬間的判断と呼ぶ.プレイ技術の向上のためには,この瞬間的判断の傾向を分析し改善する必要があるが,プレイ動画を見返すだけでは瞬間的判断をした箇所や判断中にある無意識な偏りに気づけないという問題がある.そこで本研究では,イベントとアクションを定義し,その発生時間の差を元に瞬間的判断が行われた箇所を抽出してユーザに判断箇所と傾向を提示する手法を提案する.提案手法を評価するために,提案手法に基づき実装したツールと既存手法でプレイ中の判断の偏りを発見させる比較実験を行った.その結果,提案手法は既存手法に比べて有意に短い時間で判断の偏りを発見することができた.また,提案手法は既存手法と同程度の精度で判断の偏りを探せることがわかった.
著者
久保 克弘 村田 義人 山本 景子 西崎 友規子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第15回大会
巻号頁・発行日
pp.31, 2017 (Released:2017-10-16)

全自動運転走行システムの現実的な到達点として,システムが指示した場合にのみドライバが手動に切り替えて運転するという準自動走行システムが想定できる.ドライバがシステムからの切替案内にスムーズに応じるか否かは,他者受容性や機械への信頼感等,複数の特性によって異なることが考えられる.そこで,普通免許を所持する大学生40人を対象にドライビングシミュレータを用いた実験を行った.自動運転開始と同時に,参加者は運転とは異なる課題(計算課題)に集中することが求められた.一定時間経過後に,音声によって切替案内が提示され,その反応時間と切替後の運転安全性の変化を分析した.その結果,他者受容性が高いドライバは受容性が低いドライバに比べて,切替後の運転安全性が有意に低くなった.切替案内に従順に従うことによって,ドライバ自身で安全走行を確認しにくくなった可能性が考えられる.
著者
山本 景子 橋本 光平 倉本 到 辻野 嘉宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.45, pp.211-216, 2012-05-15

創造的な活動において,制作者は対象に集中して作業を行っているため,その後の活動において有用な情報を付与する機会を失っている.そのため,自身の制作物に対してPVR(Post-Valued Recall)の問題が発生する.この問題を解決するために再発見(re-finding)に効果的なインタフェースを構築する必要があるが,創作の作業自体を妨害しないよう,活動プロセスにおける情報を充実させる必要がある.個人的活動の記録である日記においても,作成時に自身の感情をデータとして付与できれば,後の振り返り時に有用であるが,意図的にそれを行うことは感情の性質から困難である.そこで本稿では,日記作成時のキーボードの打鍵間隔時間から感情を推定する手法を提案する.感情ごとの打鍵情報の特徴を評価した結果,悲しみ・怒り・喜び・諦めの4感情のうち悲しみの感情を約7割の精度で推定することが可能であることがわかった.
著者
桐戸 創也 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏 水口 充
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.7, pp.1-6, 2011-03-19

インターネットの発達により,個人で簡単にインターネット放送を行える環境が整っている.個人でインターネット放送をしているとき,放送者が次に何を話せばいいか分からなくなるという問題が発生することがある.この問題は "ある話題の中で次に話す内容を忘れた","ある話題の終了後,次の話題が思い浮かばない","視聴者との話と関連した話題が思い浮かばない" の 3 つの場面に分けられる.本研究は,3 つの場面において,放送者が次に何を話せばいいのか分からなくなるという問題を解決することを目的とする.ここで,話題を収集し,各場面に応じて適切に選択および提示することで,放送者が放送を続けるための支援を行う手法を提案する.また,提案手法を実現したシステムである "言うストリーム" を実装し,提案システムを用いて実際にインターネット放送を行ったところ,提案システムが放送者を支援するユースケースを得た.これは,提案手法は放送者が放送を続けるための支援ができることを示唆している.It has been much easier to perform live streaming via the Internet. When some performers broadcast, it is occurred that the performers have no idea for what they should talk next. Such cases are classified into three: the performers forget a phrase which they want to talk next in a topic, the performers cannot remind a new topic after finishing a certain topic, and the performers cannot realize a topic that relates to some talk with audiences. IUstream is a personal live streaming support system which solves the problem by recommending proper topic to the performers in those cases, so that it supports them to keep talking in their video streaming. We found the cases that IUsream supports the performers in actual personal live streaming. This indicates that IUstream can supports performers to keep talking in their webcast.
著者
葛西響子 山本景子 倉本到 辻野嘉宏
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2014-UBI-44, no.8, pp.1-8, 2014-10-07

人前で話をする場面において,不安や緊張が生じてしまい,話し手の頭が真っ白になり,思った通りに話せなくなる場合がある.本稿では,この人前で話をするときに生じる不安や緊張を緩和することを目的とし,聴衆に肯定的な反応を重畳することによって不安や緊張を和らげる手法を提案する.この提案手法に基づき,聴衆ににこにこしてうなずくカボチャの画像を重畳するシステム 「コウテイカボチャ」 を実装した.そして,コウテイカボチャが,実際に人前で話をするときに生じる不安や緊張を緩和できるか,および,人やカボチャの表情が人前で話をするときに生じる不安や緊張にどのような影響を与えるかを評価する実験を行った.その結果,人やカボチャが睨んでいる場合は人前で話をするときに生じる不安や緊張が大きくなり,人やカボチャが笑顔である場合は人前で話をするときに生じる不安や緊張が小さくなることがわかった.つまり,コウテイカボチャは,睨んでいる人が見えるときよりも人前で話をするときに生じる不安や緊張を緩和できることがわかった.さらに,緊張しやすい性格の話し手に満足感を与える効果は,笑顔のカボチャよりも笑顔の人の方が大きく,緊張しやすい性格の話し手の緊張感を緩和する効果は,笑顔の人よりも笑顔のカボチャの方が大きいことがわかった.
著者
山本 景子 田中 厳貴 倉本 到 辻野 嘉宏
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-17-00070, (Released:2017-11-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Choreography is one of the important parameters in dance performance. To make dance cool, it is necessary to design the cool choreography. However, beginners can hardly design choreography because they do not know how to judge the choreography good or bad. In this paper, we propose a system which automatically estimates the coolness of choreography for Lock dance and supports for the beginners to design choreography more sophisticated. To realize the proposed system, we focus on the suitability between the dynamics of dance move and music as a parameter of the coolness. We propose the estimation formula of the coolness based on the suitability, and evaluate it experimentally. As the result, it is revealed that the higher the suitability becomes, the higher the coolness becomes especially for the experienced participants feel on the experimented environment. Consequently, it is expected that the proposed system enables beginners to design cool choreography.
著者
石橋 拓也 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.25, pp.59-64, 2012-05-07
参考文献数
4

混雑中の公共交通機関において,立ち続けることは疲労と退屈さを感じさせる.しかし,通勤・通学時には時間や路線の制約から常に座席に座ることは難しく,無理に座ろうとするとマナーの問題が発生する.筆者らは以前,積極的に立ち続ける動機を与える手法として,加速度センサを用いてユーザの立ち座りを判別し,立ち続けることに対する報酬として育成ゲーム上のキャラクタを成長させるエンタテインメントシステムを提案・実装した.本稿では,実際の通学環境におけるシステムの有効性評価実験を行った.その結果,座席がほぼ埋まっている程度の混雑時において,ユーザを積極的に立ち続けさせる効果があることがわかった.
著者
水口 充 上田 晃寿 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.9-20, 2012-02-25 (Released:2019-07-01)
参考文献数
13

Kinetic typography, which temporally modifies display attributes of text, is able to express implicative meaning, including emotion.In contrast to animation of geometrical figures and body motion of CG avatars, kinetic typography can convey specific messages by text itself. The effect of motion pattern on emotive expression, especially interaction effect between text and motion, has not been evaluated quantitatively. We thus conducted a basic investigation using elemental words of emotions and frequently-used motion patterns. The results showed that words and motion patterns can be each categorized into three groups and effects were varied according to a combination of a word group and a motion group.
著者
山本 景子 南部 俊輔 佐藤 宏介
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.29-37, 2010 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14

キャプチャデバイスの進歩により,長時間のコンテンツ収録が可能になったことから,限られた動作だけを記録するのではなく,動作の一部始終をキャプチャする機会が増えている.それに伴い,コンテンツ検索,すなわち長時間に亘るキャプチャデータの中から,ユーザが必要とするシーンを選び出すための技術が必要とされている.本論文ではこの問題に対して,人が中心となる動作風景を撮影した映像を対象とし,動作時に映像と共に対象者の把持圧の変化を記録し,把持圧情報から求められる動作状態を提示することで,内容検索を支援する手法を提案する.筆者らは把持圧から,把持状態,把持対象,把持して行う動作についての情報が得られると考える.そこで,把持圧計測装置を構築し,動作映像と同時に取得した把持圧を分析することで,対象者の状態を判別する手法を提案し,実験により判別精度の検証を行った.ユーザが動作毎に所望のシーンを効率的に閲覧する支援となるコンテンツ検索支援システムを構築し,提案手法の動作確認を行った.
著者
山本 景子 金谷 一朗 佐藤 宏介
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.102-112, 2008 (Released:2008-10-08)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

本論文は,工業デザイン支援システムのための三次元形状操作インタフェースに関するものである.従来のコンピュータ支援設計(CAD: Computer Aided Design) システムは,操作が複雑かつ非直観的であるため,専門のCAD オペレータを介して形状操作する必要があり,デザイナの造形上の意図を直接表現することが困難という問題がある.本論文では,複合現実感技術によるデザイン支援システムのための新たなユーザインタフェースを提案する.本提案インタフェースは,道具を握るときの手のフォームを埋込型センサにより取り込むことによって,実際に道具を持ち替えるのではなく握りを変えることによって道具を持ち替えるのと同様の効果をもたらすものである.著者らは本提案の試作システムを作成し,評価実験により三次元形状デザインシステムの入力インタフェースとしての有効性を確認した.
著者
山本 景子 田中 厳貴 倉本 到 辻野 嘉宏
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.119-126, 2018
被引用文献数
1

Choreography is one of the important parameters in dance performance. To make dance cool, it is necessary to design the cool choreography. However, beginners can hardly design choreography because they do not know how to judge the choreography good or bad. In this paper, we propose a system which automatically estimates the coolness of choreography for Lock dance and supports for the beginners to design choreography more sophisticated. To realize the proposed system, we focus on the suitability between the dynamics of dance move and music as a parameter of the coolness. We propose the estimation formula of the coolness based on the suitability, and evaluate it experimentally. As the result, it is revealed that the higher the suitability becomes, the higher the coolness becomes especially for the experienced participants feel on the experimented environment. Consequently, it is expected that the proposed system enables beginners to design cool choreography.
著者
尹 浩 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.618-627, 2020-03-15

通信技術の発展にともない,Q&Aウェブサイトは大規模な知識共有の重要な手段の1つになっている.しかし,Q&Aウェブサイトにおける回答者と質問者の間には,1)相手のことが分からない,2)質問者の態度やいい方が好きではない,という2点に起因する知識共有バリアが存在する.そこで本論文では,これらのバリアを低減するために,Q&Aシステムにおいて質問者と回答者を仲介する,各ユーザにとって好ましいバーチャルエージェントがデザインできるツールを提案する.このツールでは,エージェントの外見と性格に関するパラメータをユーザが調整するだけで自分にとって好ましく感じるエージェントが自動生成される.評価実験の結果より,このツールを用いることで,実験参加者の大多数が自分にとって好ましいバーチャルエージェントを作成できることが確認できた.また,作成されたエージェントをQ&Aシステムに導入した場合,回答意欲が高まることが分かった.
著者
川手 友貴 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2017-HCI-172, no.14, pp.1-8, 2017-02-27

アマチュア漫画家は自分のスケジュールをうまく管理できず,締め切りに間に合わなくなることがある.これを回避するには,現在の漫画制作の進捗を推定し,それをスケジュール通りに漫画制作を行った場合の進捗と合わせて漫画家に提示することで,遅れを具体的に把握させるという方法がある.本研究ではこれを実現するために,漫画家の下書きとペン入れの段階に着目し,それらの描画ピクセル数の関係性を用いて,ペン入れの進捗状況を推定する手法を提案する.まず下書きとペン入れの関係性を調べるために,制作された漫画における下書きとペン入れの描画ピクセル数を調べた結果,それらには相関があることが確認できた.これに基づき,過去の漫画から算出される相関を用いて現在の漫画制作の進捗を推定する式を定め,その精度を評価した.その結果,一人の漫画家の制作した異なる作品においては下書きとペン入れの比率は一定でなかったため,推定精度は低くなった.しかし,同一作品内での比率はほぼ一定であるということがわかった.そこで,制作途中の漫画を推定に使うよう式を改善することで,精度が向上することがわかった.
著者
尹 浩 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.413-416, 2018-11-25 (Released:2018-11-25)
参考文献数
12

With the development of internet technology, people can share knowledge through Q&A websites anytime and anywhere. However, two types of barriers between the questioners and respondents make knowledge sharing difficult: 1) lack of trust for other users, 2) an arrogant or negative attitude exhibited by the questioners. We conducted an experiment to evaluate the effect of the virtual agent for lowing these barriers with two characteristics: 1) similar profile to users, good appearance and affable personality for users, 2) positive attitude and reaction. The results indicate that the virtual agent can improve the users’ motivation to answer questions.
著者
山本 景子 田中 厳貴 倉本 到 辻野 嘉宏
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.119-126, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Choreography is one of the important parameters in dance performance. To make dance cool, it is necessary to design the cool choreography. However, beginners can hardly design choreography because they do not know how to judge the choreography good or bad. In this paper, we propose a system which automatically estimates the coolness of choreography for Lock dance and supports for the beginners to design choreography more sophisticated. To realize the proposed system, we focus on the suitability between the dynamics of dance move and music as a parameter of the coolness. We propose the estimation formula of the coolness based on the suitability, and evaluate it experimentally. As the result, it is revealed that the higher the suitability becomes, the higher the coolness becomes especially for the experienced participants feel on the experimented environment. Consequently, it is expected that the proposed system enables beginners to design cool choreography.
著者
石橋 拓也 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.13, pp.1-6, 2012-05-07

混雑中の公共交通機関において,立ち続けることは疲労と退屈さを感じさせる.しかし,通勤・通学時には時間や路線の制約から常に座席に座ることは難しく,無理に座ろうとするとマナーの問題が発生する.筆者らは以前,積極的に立ち続ける動機を与える手法として,加速度センサを用いてユーザの立ち座りを判別し,立ち続けることに対する報酬として育成ゲーム上のキャラクタを成長させるエンタテインメントシステムを提案・実装した.本稿では,実際の通学環境におけるシステムの有効性評価実験を行った.その結果,座席がほぼ埋まっている程度の混雑時において,ユーザを積極的に立ち続けさせる効果があることがわかった.In crowded public transportation such as buses, trains and so on, standing passengers feel fatigue and boringness. However, if they would occupy the seats in buses or trains at any times, it might cause moral hazard. To solve the problematic situation, we had proposed an entertainment system to motivate users to stand. In the proposed system, they have their own avatars, and the avatars grow up while their owners stand in buses or trains. The system discriminates whether an user is standing or not with an accelerometer. In this paper, we conducted an experimentation to evaluate the effectiveness of the system practically. As a result, it is found that the system can motivate participants to stand in buses or trains when their seats are almost occupied.
著者
芥川 洋平 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏
雑誌
研究報告 ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.18, pp.1-8, 2012-05-25

日常生活において我々は所属するコミュニティに貢献する活動を分担して行っている.その1つに,研究室などのように部屋を共用する場合の共用ゴミ箱のゴミ出しがある.このゴミ出しにおいて,ゴミをあまり捨てていない人がゴミ出し当番となると,その人は不公平感を覚えるという問題が生じる.本稿では,この不公平感を解消することを目的とし,個人認識をすることなく,各人の捨てたゴミの量の割合に応じた確率でゴミ出し当番を自動選出する「出す当ボックス」を提案する.評価実験の結果,ゴミ出し当番を決定する際に不公平感は生じなかったが,ゴミ捨てがゴミ出し当番になる確率を上げることに繋がることと,ゴミ出し当番を通知する際に用いられる写真を撮られることから,ゴミ捨てへの抵抗感が生じたことが分かった.In daily life, people usually share some activities for contributing to their community. For example, when people share one room such as a laboratory, it is one of such activities to take out garbage from their shared trash box. However, if a member of the community who has thrown the small amount of trash is required to become a dustman, he or she might feel unfair. In this paper, we propose "Judgemental Trash Box", which determines a dustman automatically without personal identification, based on the amount of trash thrown by each member. As the result of an experimental evaluation of the proposed system, it is found that the participants do not feel unfair when this system chooses a dustman. However, they do not want to throw trash because throwing trash is directly related to raising their probability of assigning to a dustman. Moreover, they feel uncomfortable because the system unexpectedly takes their pictures for informing next dustman to all community's members.
著者
中村 洋 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏 水口 充
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-8, 2011-01-14

ユーザが携帯電話を所持していても,実際に相手と通話できるか否かは相手の物理的・社会的状況に依存する.そのため,相手の無事を知るために通話をしたいと感じても,相手が通話に応じてくれるかどうかわからないため,漠然とした不安が生じてしまう.そこで本研究では,相手の携帯電話に付与したセンサにより相手の状況を自動的に判別し,相手が通話できかつ電話に出てもよいと考えているかどうかという通話是非情報を通知する手法を提案する.それにより,「相手の無事による安心感」,「相手に自分を助けてもらえることによる安心感」,「相手の意思・意図」の 3 つの感覚が伝達でき,その結果として安心感の拡大や行動を決定する上での判断の助けとなる.アンケート評価の結果,安心感を拡大することができ,行動を決定する上での判断の助けとなることがわかった.さらに試作システムによる携帯電話所有者の通話是非状態の判別精度を評価し,高い精度で判別できることを確認した.Whether a person with mobile phone can receive someone's call is dependent on the physical and social situation of him/her. Therefore, when we want to communicate with our partner to know his/her safety, we feel insecure because we cannot know whether he/she can accept our call or not. To solve the problem of insecurity feeling, we propose a method which helps to emphasize our sense of security by notifying the partner's acceptability of receiving our call. The acceptability is estimated with several sensors attached to mobile phone. The method aims to transmit three senses ― "sense of security about the partner's safety", "relief by the partner's help", "intention of the partner". From the result of questionnaire about the proposed method, it is found that the method can enhance sense of security so that we can decide what to do. In addition, it is found that the prototype can estimate participants' acceptability with high accuracy.