著者
金原 俊輔 Shunsuke Kanahara 長崎ウエスレヤン大学現代社会学部福祉コミュニティ学科 Faculty of Contemporary Social Studies Nagasaki Wesleyan University
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学現代社会学部紀要 (ISSN:13481142)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.21-28,

行動療法は、インフォームド・コンセントを重んじ、実験を通して有効性が確認されたエビデンス・ベーストの技法を用い、クライエントが望む介入結果に至ることがめずらしくない、心理療法である。しかし、研究者や実践者たちにおけるこの療法への敬意は必ずしも高くはなく、とりわけ日本においてその傾向が強い。本論文は、文献などに見られる「行動療法は人間をネズミあつかいする」「クライエントの過去の経験を重視しない」「冷たい」といった諸批判を検討するものである。まず、行動療法の母体である行動心理学を解説する。続いて行動療法を概観し、特にその技法を詳述する。以上を通して行動療法の位置と性格を明らかにした後、これまで行動療法に与えられてきた19種類の典型的な批判を紹介して各批判に検討を加える。検討は「批判への回答」形式でおこなうが、その内容は、科学というアプローチに対する誤解の指摘、行動心理学と行動療法を混同していることの指摘、ヒューマニスティックという語の定義の再考、などから成り立っている。

11 0 0 0 OA 変容、世界

著者
ナンシー ジャン゠リュック マンチェフ ボヤン
出版者
首都大学東京人文科学研究科 人文学報編集委員会
雑誌
人文学報. フランス文学 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
vol.513-15, pp.29-52, 2017-03-25

特集:ジャン=リュック・ナンシーの哲学の拍動
著者
家永 遵嗣 水野 圭士 林 哲民 タトヤン ディミトリ 小口 康仁 野里 顕士郎 熊谷 すずみ 安達 悠奈
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.17, pp.157-189, 2019-03

標題の史料を翻刻・提示し、主な問題点三点について解説した。 第一に、清原良賢が足利将軍家に奉仕するようになる契機が、持明院統の皇位継承争いのなかで、義満が良賢を後円融上皇・後小松天皇の支持者として固定しようとしたことにあったこと。第二に、標題の史料から、永徳元年に義満が編成した家政機関の政所別当一五名・侍所別当一〇名を特定でき、弁官系諸家を糾合することで崇光上皇の院政を阻止する布石であったとみられること。第三に、成立期の「室町殿」に「障子上」「侍所」が設けられていたことから、室町殿における公卿の家礼と殿上人の家司との意思疎通と連繫が窺い知れること。以上、標題の史料の重要性について解説した。|These three documents are related to Ashikaga Yoshimitsu’s “Ninnkai Daikyou,” a celebration banquet for taking up the third ministe “NaiDaijinn,” in Eitoku 1(A.D. 1381). From these three documents, we can know about Ashikaga Yoshimitsu’s “Kugeka,” becoming a ruler over the royal court. In those days, the “Hokucho” royal court was struggling for the royal throne. One was a descendant from Gokougonn Tennou, the other was Sukou Jyoukou, the elder brother of Gokougonn Tennou, and his son Yoshihito. Ashikaga Yoshimitsu was a nephew of Gokougonn Tennou. Therefore, Ashikaga Yoshimitsu supported Goennyuu Tennou, the son of Gokougonn Tennou, in cooperation with Nijyou Yoshimoto, a man of power in the “Hokucho” royal court. In preparing the “Ninnkai Daikyou” banquet, Yoshimitsu took talented court nobles as his manservants, such as Kiyohara Yoshikata, the original author of “Shoninndaikyouki”. Therefore, Sukou Jyoukou lost his power in the royal court. Then Gokomatsu Tennou, son of Goennyuu Tennou, was able to take the throne in Eitoku 2(A.D. 1382). These three documents reveal 25 people who bacame Yoshimitsu’s manservants. A transcriptor commented on each person’s kinship and the relationship between each person and his masters. And these three Documents reveal the location of the “Shoujinoue” and “Samuraidokoro,” the offices of the manservants, in “Muromachidono,” the palace of Ashikaga Yoshimitsu. They suggest the way in which Yoshimitsu came to understandings with his retainers.
著者
福留 範昭 亘 明志 Noriaki Fukudome Watari Akeshi 強制動員真相究明ネットワーク事務局 長崎ウエスレヤン大学 現代社会学部 社会福祉学科
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学地域総合研究所研究紀要 (ISSN:13481150)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.17-25,

本稿_<(1)>では、朝鮮人強制労働被害者の遺骨問題を、「記憶」と「記録」をキーワードにして社会運動論的観点から考察している。韓国では、「日帝強占下強制動員被害真相糾明委員会」が設立され、強制動員真相究明の事業が開始された。その一環として、強制動員被害者の遺骨の収集と返還の活動がある。日本政府は、日本に残された強制動員被害者の遺骨の調査と返還に協力を約束した。本稿では、先ず日韓政府によって60年間放置されてきた遺骨に対する事業が始まった経緯を概観した。そして、日本政府が行っている遺骨調査の進展状況を眺め、調査の問題点を指摘した。さらに、この遺骨調査の持つ意味を踏まえ、調査が実りあるものになるために、何が必要であるかを考察した。

6 0 0 0 OA 入菩薩行

著者
シヤンテ・デーヴァ 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1921
著者
坂田 亮一 岡谷 友三 アレシヤンドレ
出版者
麻布大学
雑誌
麻布大学雑誌 (ISSN:13465880)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.125-128, 2008

本実験では,蒸し加熱で試作したソフトソーセージの破断特性および微生物学的品質を調べた。最大荷重,破断荷重,破断応力,破断歪率,破断エネルギーのすべてにおいて,調理当日の試料の値が低く,冷蔵試料,凍結試料の順で値が上昇し硬くなることが分かった。また,当日試料はほぼ平坦な波形を示し,冷蔵試料,冷凍試料は破断後,上昇したり,下降したりする波形を示した。当日試料に比べて冷蔵試料,凍結試料が硬くなったのは,冷蔵,凍結のせいではなく,蒸し加熱と重曹によってケーキの様に膨らんだ生地が真空包装によって締まったからだと思われる。また,調理当日測定のソフトソーセージはつみれ(いわし,ほっけなどを原料)と非常に類似した破断特性を示した。 微生物学的品質では,大腸菌群,黄色ブドウ球菌,サルモネラは検出されず,生菌数も指導基準の菌数限度を大きく下回る値となった。これは80℃で30分間の加熱処理によるものと考えられる。Soft sausages prepared by steam-cooking were investigated to measure their rheological nical properties and microbial quality. Maximal force, breaking strain and other property values are lower in the fresh soft sausage but were found to increase with refrigeration and freezing. The fresh sausage showed a flat wave pattern, but those of the refrigerated and frozen samples rose and fell, which caused hard structure in the sausage. The fresh soft sausage showed to have similar rheological properties to tsumire (fish meatball). With regard to microbial quality, E. coli, Staphylococcus aureas and Salmonella were not detected, and the aerobic bacterial counts were observed to be below the standard guideline level in Japan. This seems to be the effect of steam-heating at 80 ℃ for 30 min.
著者
田丸 徳善 石井 研士 後藤 光一郎 孝本 貢 井上 順孝 柳川 啓一 島薗 進 浜田 哲也 金井 新二 ヤン スインゲドー 西山 茂 藤井 健志 林 淳
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1986

昭和61年度と昭和62年度の二年間にわたり, 現代日本における教団の総合調査を行った. 対象教団は, 神社神道, 仏教教団(浄土真宗本願寺派, 日蓮宗, 臨済宗妙心寺派, 曹洞宗, 真言宗智山派), キリスト教(日本キリスト教団, カトリック)および新宗教教団(金光教, 天理教等)である. これらに関してはできる限り統計処理の可能な資料を収拾し統計分析を行った. これに関しては報告書に掲載されている. また, 地域における教団組織と教勢を把握するために, 銀座と大阪梅田を選び, 都市化の問題をも含めた総合調査を行った. 神社神道は, 既成教団として, 変動がないように考えられてきたが, 内容は大きく変化しているように思われる. とくに都市化が神社神道に及ぼした影響はとくに顕著である. 仏教教団に関しても, 都市と農村の寺院の格差は著しく, 根底から寺院の質を変えようとしている. 都市化が都市と農村の寺院の経済的基盤に変化を与えており, そのことが寺院の世襲化を生む土壌となっている. キリスト教団は, これらに対して比較的変動のない歴史を送っている. そのことは同時に大規模な発展のなかったことをも意味している. 新宗教教団は, 通常の認識では最も変化の激しく, 現代社会に適応した形態をとっていると考えられるが, 実質的にはかなりの程度既成化が進み, 社会的認識との間にはずれがある. この点に関しては, 新宗教教団の詳細な歴史年表を作成することによって, 新宗教教団の歴史的経緯も考察した. 地域研究では, 都市化の顕著な銀座と大阪梅田の比較調査を行うことによって, 各宗教教団の組織的問題を考察した. また, 各教団の製作しているビデオテープを収拾し, 映像に関する考察をも取り入れた.
著者
ウド ヤンソン 平松 毅
出版者
関西学院大学
雑誌
法と政治 (ISSN:02880709)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.461-472, 1999-06-30