著者
古賀 麻奈美 長谷 麻由 芳野 千尋 籾井 佑都 松本 彬 田鍋 拓也 有吉 雄司 山本 浩由 甲斐 悟 高橋 精一郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.H4P3260, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】大脳皮質でストレスと認知された刺激は自律神経系,内分泌系,免疫系を介して全身に伝達され,身体的,心理的な反応を引き起こし,精神疾患以外にも生活習慣病など様々な疾患の引き金になると考えられている.そこでリラクセーションとして用いられている深呼吸のストレス緩和効果を明らかにする.【方法】健常成人女性15名(平均21.8±0.7歳)を対象とした. ストレス後の深呼吸の効果をみるために,深呼吸介入と非介入の条件で測定日を2日以上離してランダムに測定した.対象者には椅子坐位での5分間の安静後にストレス負荷として内田クレペリン検査を15分間実施し,その後,深呼吸群は5分間の深呼吸行い,コントロール群は5分間の安静を行った.深呼吸はストップウォッチを見せながら呼息6秒・吸息4秒の条件で実施した.深呼吸非介入時は安静を保った.安静開始4分後,ストレス負荷12分後,深呼吸開始及び深呼吸非介入時には安静4分後に,唾液アミラーゼを測定(CM-2.1,ニプロ株式会社)した.飲食物の影響を避けるため,食後直ぐには行わなかった.測定は,室温23~26°C,湿度30~50%の環境で実施した.統計学的分析は,二元配置分散分析と多重比較検定を行った.有意水準は5%未満とした.【説明と同意】対象者には本研究の目的および方法を説明し,同意を得たうえで測定を実施した.また,被験者はいつでも研究への参加の同意を撤回する権利を有し,それによる不利益は決して生じないことを説明した.【結果】深呼吸介入時の唾液アミラーゼの値は,それぞれ安静時 45±21.3 KU/L,ストレス負荷時:83.2±33.3 KU/L,深呼吸時:40.7±16.3KU/L であった.深呼吸非介入時の唾液アミラーゼの値は,それぞれ安静時51.7±17.9 KU/L,ストレス負荷時:86.2±23.0 KU/L,深呼吸非介入時:69.8±33.2KU/Lであった.ストレス負荷時と深呼吸介入時には統計学的有意差(p<0.05)が認められたが,深呼吸非介入時には有意差が認められなかった.【考察】本研究の結果,唾液アミラーゼの値からは深呼吸がストレスを緩和する効果があることが示された.ストレス負荷時では,大脳皮質でストレスと認識された刺激により大脳辺縁系が不安,怒りなどの情動を引き起こし,視床下部へと興奮が伝わった結果,内分泌系や自律神経系に作用し交感神経を刺激したことが考えられる.その結果,交感神経系の指標とされるノルエピネフリンの増幅器として働く唾液アミラーゼの分泌が亢進されたことが考えられる.生理学的に,深呼吸をすると迷走神経が興奮して心拍数減少が認められており,副交感神経活動が優位となるといわれている.また,深呼吸時に吸息時間より呼息時間を長くすることで,副交感神経をより高めるという報告もみられた.このことから,深呼吸を行うことで副腎髄質のノルエピネフリン分泌と交感神経の興奮が抑制され,唾液アミラーゼの値は減少し,副交感神経が有意に働いたことでストレスを緩和したと考えられる.【理学療法学研究としての意義】理学療法領域での深呼吸の有用性に関しては,肺気腫や気管支喘息などの呼吸器疾患患者に対する症状改善が報告されている.また,平成19年の労働者健康状況調査では仕事上のストレスを感じている人が58%,すなわち2人に1人がストレスを感じていると報告されている.臨床で接する対象者や医療従事者も日常生活で様々なストレスを抱えていると考えられ,ストレスに対するコントロール法が必要とされている.今回の研究においては,深呼吸を理学療法に取り入れることで治療場面のみならず,予防医療の一環として有用である可能性が示された.
著者
山本 浩三
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.124-136, 1960-01-20

資料
著者
山本 浩二郎 前田 晃佑 原口 珠実 里岡 達哉 青山 瑛里子 横山 靖法 草薙 みか 大里 恭章
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.588-592, 2021-08-31 (Released:2021-08-31)
参考文献数
11

薬剤による重篤な有害事象の発生頻度は低く,患者の症状の変化が薬剤性であることを疑うには薬剤師の積極的な介入が有効である。薬剤による有害事象の1つである血管性浮腫は,舌・咽頭に発生すると気道閉塞を起こし重篤な転帰を招く可能性がある。八尾徳洲会総合病院(以下,当院と略す)では集中治療室(intensive care unit,以下ICUと略す)に薬剤師を配置し重症患者の薬物治療管理を行っている。今回われわれは急性の舌・咽頭浮腫により気道閉塞をきたし救急搬送された症例に対して,ICU常駐薬剤師が薬剤性を疑い,医師へ発症機序の説明,代替薬や必要な検査提案など積極的治療介入により診断に結びついた症例を経験したため報告する。また,ICUにおいて薬剤師が介入することで薬剤性の有害事象に関する情報提供をリアルタイムに行うなど,医師の診断と治療方針に大いに貢献し,救急・集中治療の充実を図ったので併せて報告する。
著者
山本 浩二
出版者
常葉大学造形学部
雑誌
常葉大学造形学部紀要 = TOKOHA UNIVERSITY FACULTY OF ART AND DESIGN RESEARCH REVIEW (ISSN:21884366)
巻号頁・発行日
no.16, pp.103-110, 2017-12-31

我が国においては明治期以降、美術教育における基礎的な造形力を養う方法としてデッサンの習得が行われてきた。特に日本の美術系高等教育においては入学試験でデッサンを課すという場合が多く、受験のための訓練と認識されることも多いのが現状である。本稿ではデッサンを単に描画のための技術と捉えるのではなく、ものを見るという行為について知るとともに様々なものの見方を獲得するための訓練と位置づけ、あらゆる美術ジャンルに共通する問題である視覚ということについて考察を進めることで美術教育におけるデッサンの役割について明らかにしようとするものである。
著者
久保田 浩史 渡辺 直勇 渡辺 涼子 佐藤 武尊 山本 浩貴
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.99-104, 2014-01-31 (Released:2015-01-31)
参考文献数
18

It is possible that quick reaction of the whole body is delayed during exerting muscle strength, and this effect is larger when exerting larger muscle strength. This study aimed to examine the defensive motion reaction time in judo competitors, while exerting different handgrip strengths. Subjects were 46 young males (mean age, 19.7 ± 1.3 years; mean height, 172.5 ± 4.6 cm; and mean weight, 79.0 ± 13.9 kg) with black belt in judo. They performed the defensive motion reaction time test exerting handgrip strength. They placed only one leg on a mat with a device measuring the whole body reaction time, grasped a grip strength device with one hand, and reacted to a light stimulus under each condition (different grip strength levels): 0%, 20-30%, 50-60%, or >80% of their maximal handgrip strength. One way analysis of variance was used to evaluate the significant differences among the means of the defensive motion reaction time values for each condition. On statistical analysis, the reaction time was significantly longer in the 20-30%, 50-60%, and the >80% conditions than in the 0% condition, and significantly longer in the >80% condition than in the 20-30% condition. The size of difference (effect size) between the 0% and the 20-30% conditions was small, and that between the 0% and the 50-60% conditions were moderate, and that between the 0% and the >80% conditions were moderate, and it tended to be larger with increasing handgrip strength exertion. Moreover, as the handgrip strength became larger, also the reaction time was significantly delayed (Y=9.6X+332.6). In conclusion, the defensive motion reaction time in judo competitors is delayed with handgrip exertion, and the delay is larger when larger strength is exerted.
著者
山本 浩一 大和谷 厚
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.132, no.2, pp.83-88, 2008 (Released:2008-08-08)
参考文献数
20
被引用文献数
3

ラットやマウスなどの齧歯類動物には嘔吐反射はないが,抗がん薬の投与や回転刺激,放射線照射など催吐作用のある刺激を与えると,カオリンなどの通常の餌としては異常な物に対して食欲を示すパイカ行動(異味症)が現れる.催吐刺激により現れるこの行動はそれぞれの刺激に特異的な制吐薬の前処置によって抑制でき,われわれはパイカ行動を指標とすれば齧歯類を悪心・嘔吐の研究に応用できることを報告してきた.齧歯類でも特にマウスは遺伝子改変動物を用いることができるなど利点も多いが,催吐刺激によるカオリン摂取量は,ラットに比べて非常に少ないことや,カオリンペレットをあちこちに食べ散らかすために摂取量の正確な測定は困難であった.そこで,われわれは経口摂取しても消化管から吸収されず糞便中に排出される赤色色素のカルミンを添加して作成したカオリンペレットを用い,催吐刺激後2日間の糞便を回収し,糞便中から抽出したカルミンを比色定量することにより精度よくマウスのカオリン摂取量を定量する方法を開発した.これまではイヌ・フェレット・ネコ・ブタ・サルなどの中型から大型の比較的高価で遺伝的なバックグラウンドが一定していない動物を用いざるを得ず,多大な労力と費用のかかっていた悪心・嘔吐の実験を,齧歯類動物のパイカ行動を利用することによって簡便化することができ,悪心・嘔吐の発症機構そのものの研究に加え,新規薬物の有害作用としての悪心・嘔吐のスクリーニングにも広く応用できるものと期待している.
著者
南 ひとみ 井上 晴洋 佐藤 裕樹 川﨑 寛子 山本 浩之 荻原 久美 中尾 一彦
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.327-332, 2020-03-25

要旨●食道アカラシアおよびその類縁疾患の診断および治療は,近年新たな低侵襲治療の内視鏡的食道筋層切開術(POEM)やhigh resolution manometryが登場したことによって飛躍的に進歩した.運動機能の異常である本疾患群は,形態学のみでは診断困難な場合も多く,内視鏡の典型像を知る以外にも,食道X線検査や食道内圧測定などの検査所見から総合的に病態を把握することが重要である.本稿では,食道アカラシアや遠位食道痙攣,jackhammer食道などの食道運動機能障害の内視鏡所見について概説する.
著者
山本 浩孝 児嶋 剛 岡上 雄介 大槻 周也 長谷部 孝毅 柚木 稜平 堀 龍介
出版者
公益財団法人 天理よろづ相談所 医学研究所
雑誌
天理医学紀要 (ISSN:13441817)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.37-43, 2021-12-25 (Released:2021-07-01)
参考文献数
26

背景:バセドウ病に対する甲状腺亜全摘出術は,バセドウ病の再発のリスクはあるものの,甲状腺機能の正常化が期待でき,その場合は術後抗甲状腺製剤,LT4製剤などの薬物の内服なしで寛解を持続させることができる.近年,再発を確実に回避することを意図して甲状腺全摘出術や甲状腺準全摘出術が推奨されているが,全摘出術は術後甲状腺機能低下が必発であり,LT4製剤を内服しなければならない.当科でのバセドウ病に対する甲状腺亜全摘出術は,2002年よりその術式を甲状腺両葉の亜全摘出術(以下両側亜全摘術)から甲状腺片葉切除と他葉の亜全摘出術であるHartley-Dunhill法 (以下Dunhill法) に変更した.Dunhill法では甲状腺片葉しか残っていないため, バセドウ病が再発し再手術が必要となった場合でも,片側のみの手術のため両側反回神経麻痺などの合併症リスクを低減することが可能である.今回,当科で施行した甲状腺亜全摘術の成績を報告する.方法:1997年から2019年までの22年間に甲状腺亜全摘出術を行い,術後6か月以上経過観察が可能であった128例について術後甲状腺機能を評価した.結果:51例に両側亜全摘術,77例にDunhill法を施行した.Dunhill法は両側亜全摘術よりも手術時間が短く,出血量が少なかった.両手術間で合併症や再発率に有意差は認めなかった.術後,最終観察時の甲状腺機能は,機能亢進17例,寛解27例,機能低下84例であった.甲状腺の残置量で再発率に有意差は認めなかった.再発した17例のうち3例に再手術を行ったが,術後に有意な合併症なく,現時点まで再々発なく経過している.結論:当科の過去22年間の甲状腺亜全摘出術の成績を報告した.甲状腺亜全摘出術は甲状腺機能を寛解できる可能性があるものの再発を完全に防止することは難しい.バセドウ病の手術としては甲状腺全摘出術が第一選択であるが,患者背景を鑑みて寛解を目指す甲状腺亜全摘出術を行うこともあり,その場合,初回手術をDunhill法とすることで,再発した際でも再手術を安全に行うことが可能である.
著者
滝沢 正仁 大島 創 山本 浩司 高橋 秀喜 北 真吾
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.2_29-2_38, 2017-09-30 (Released:2017-12-22)
参考文献数
29

高速道路の可変式道路情報板には,危険回避やルート選択に役立つ情報が表示される.近年,グローバル化や高齢化社会への対応策として,シンボル活用の機運が高まっているが,情報板シンボルには,わかりにくいものが存在する.また,媒体特性や環境特性を考慮したデザイン指針や評価手法も定められておらず,改良への手がかりが乏しい.そこで本稿では,情報板シンボルのわかりやすさに関する,「造形の基本的取決め」,「評価手法」,「改良の手がかりとなるデザイン指針」の導出を目的に検討した.まず,情報板の特性を道路標識や一般シンボルとの比較から整理し,取決めと評価手法を導いた.次に,提案した評価手法を用いて,取決めに基く代替案と現行シンボルの理解度調査を実施した.以上の結果から,取決めの妥当性を確認し,デザイン指針として,「車の造形を高評価のもので統一」,「熟知性の高い図材を用い,図材間の因果関係や,主体と客体を明確化」,「熟知性が低いまたは高速道路の文脈と関連付けが困難なシンボルは意味内容の見直しも検討」を導いた.
著者
小川 和郎 平井 明日香 山本 浩平 古門 直樹
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.81-85, 2011 (Released:2011-02-25)
参考文献数
11
被引用文献数
3 3

シクロデキストリン(CD)の包接能を利用した吸着材を開発するため,CD をセルロースに導入することによって CD の不溶化を試みた.架橋剤にはエピクロロヒドリン(EP)を用い,CD-セルロース系不溶性共重合体は NaOH 水溶液中で合成した.合成物の評価はメチルオレンジに対する吸着率から行った.吸着効率は EP 添加量の増加とともに向上し,EP 添加量の増加に伴って CD 導入量が増すことがわかった.一方,収率は EP 添加量に関係なく一定であった.また,収率および吸着効果は 40%の NaOH 水溶液中で合成するときに最大となった.NaOH 水溶液量を多量に使用することは効果的でなかったが,少量の水溶液中で合成したときは収率および吸着効果がほぼ一定であった.合成した共重合体は水や有機溶媒に不溶で,CD による吸着特性を示すことから,吸着材として広く利用されることが期待できる.
著者
山本 浩大
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.695-700, 2020-03-30 (Released:2020-04-15)
参考文献数
13

中学校理科第3学年第2分野「地球と宇宙」の「太陽系と恒星」では,太陽の観察を行い,その観察記録や資料に基づいて,太陽の特徴を見いだすことを目標としている。その中には,黒点の観察も含まれているが,太陽直径の推測が生徒実験として導入されている事例はない。本研究では太陽を直視せずに太陽直径を生徒に算出させる方法を授業で導入し,算出精度を向上させるための教材教具の工夫とそれによる生徒の太陽に関する興味の変化を明らかにすることを目的とした。太陽直径を1,391,400 kmとした場合,ひもを用いた平成28年度は約70%の班が,光学台を用いた平成29年度は約80%の班が誤差30%未満で太陽直径を算出した。太陽像の直径とピンホールから太陽像までの距離の関係において,理論値から算出される近似直線の傾きと実測値から算出される近似直線の傾きに差があるかを調べるために,t検定を行った。平成28年度は有意差があり(df=44,p<0.01),平成29年度は有意差がなかった(df=29,p=0.4332)。授業の前後で,太陽の興味に関するアンケートを実施し,事前には約50%の生徒が太陽に興味があると回答し,事後には約70%に上昇した。太陽に加え,他の天体の大きさや地球からの距離に興味を示していた。実験時に,はっきりした太陽像の大きさを測定させる操作に課題が残った。
著者
山本 浩史 成田 卓也 山浦 玄武 石橋 和幸 山本 文雄 山本 浩史 千田 佳史 向井田 昌之
出版者
秋田大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

平成19年度の研究計画として(1)血流量と電磁誘導効果によって発電された電流量の研究(2)電磁誘導コイルの作製(3)電磁誘導コイルの挿入手技の開発とした。しかし進行の遅れと変更が生じた。誘導起電力が極めて小さく、蓄電およびペースメーカー電源としては不充分な電力しか得られないことが根本的な問題であった。また高冠動脈圧での大動脈圧の加速度的変動が起電力の源となるが、かなり高い大動脈圧では、冠動脈の圧力により心筋コンプライアンス(主として拡張機能)が大きく影響を受けることがわかってきた(coronary turgor effect)。さらに開心術中に心筋が受ける虚血再灌流傷害は、冠動脈内圧力が心筋に与える影響を増強するらしいこともわかってきた。そこで日常、遭遇する肥大心筋の場合はどうような影響を受けるかを調べることにした。これは高い圧力(高血圧)が加速度的に生じる場合の起電力評価の前に、心機能に与える影響を評価することを意味している。ラットの肥大心モデルを作成し、ランゲンドルフ摘出灌流とし、逆行性冠灌流の圧力を変化させた。左室内に留置したバルーンを用いて左室拡張末期圧(心筋コンプライアンスとしての指標)を虚血再灌流の前後で測定した。冠動脈内圧が100mcmH_2Oと150cmH_2Oおよび冠動脈遮断(0cmH_2O)下の左室拡張末期圧を測定した。冠動脈圧の変化は肥大心筋でより大きな影響を受けるが、特に虚血再灌流後ではその影響が著しく大きいことがわかった。電磁誘導を利用した起電力を得るための血圧の加速度的変化は高血圧下では心機能に悪影響を与える可能性が出てきた。