著者
井上 幸次 藤井 雄一郎 笹邊 幸男
出版者
岡山県農業総合センター農業試験場
巻号頁・発行日
no.24, pp.11-15, 2006 (Released:2011-03-05)

岡山県において放射線育種法により黒斑病罹病性の‘清水白桃’から作出して育成し、品種登録された‘清水白桃RS’は、本病に対して中程度の抵抗性を有した。果実の特性は‘清水白桃’とほぼ同等であることから、‘清水白桃RS’は、黒斑病多発地における‘清水白桃’の代替品種として有望である。
著者
井上 幸江
出版者
山口大学
雑誌
特定研究
巻号頁・発行日
1987

シュードモナス属細菌より分離された, トルエンやキシレンの完全分解系を支配するTOLプラスミドについて, 発現調節機構を明らかにするために本研究を行なった.1.活性化因子XylRにより正の調節を受ける第1オペロンと調節遺伝子xylSのプロモーター領域を含むDNA断片をクローニングし, 逆転写酵素マッピング法により転写開始点を決定し, その周辺の塩基配列を決定した. その結果, 両プロモーターの構造は, 通常とは異なる大腸菌のシグマ因子NtrAをもつRNAポリメラーゼによって転写がおこるプロモーターと類似していることが示された.2.第1オペロンとxylSの発現を大腸菌のNtrA変異株を用いて測定した. その結果, 両遺伝子とも, 活性化にはNtrAが必要であることが明らかとなった.3.xylR遺伝子の全塩基配列を決定し, 一次構造を明らかにした. XylRのアミノ酸配列を窒素の利用や固定に働く遺伝子群の活性化因子NtrCやNifAの一次構造と比較した. その結果, これら3つの活性化因子のC末端側約200アミノ酸にわたって非常によく似た配列があり, お互いの相同性は約50%であった. この3つの調節蛋白に共通していることはNtrAをシグマ因子としてもつRNAポリメラーゼにより転写がおこる遺伝子群に対して正の調節因子として働くことである. このことから, 相同領域は, NtrA-RNAポリメラーゼと相互作用をもつことが示唆された.以上のことから, 分解系酵素誘導において各遺伝子が遂次発現されるときに, その発現調節に通常とは異なるシグマ因子が関与することが明らかとなった.XylR蛋白の分離精製は進行中である.
著者
守 一雄 鈴木 糺 井上 幸愛 箙 光 玉田 得三郎 築山 久一郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.1504-1510, 1967-12-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
9

脳卒中をはじめとして,中枢神経系障害の際消化管出血のみられることはしばしばあり,すでに19世紀前半、Rokitanskyらによりこのことはみとめられ,その後臨床的に,実験的に多くの報告があり,その原因についても諸説がある.一つには間脳・下垂体系を中心とする中枢神経刺激による消化管(とくに上部消化管)の潰瘍発生が出血の原因であり,また最近では卒中発作後の線溶系の変動,血中のplasmin活性の上昇に原因をもとめ,他方では卒中発作後一時的ではあるが,血液凝固能の亢進により消化管壁血管の血栓形成などの乏血による潰瘍発生が,その原因に考えられている.われわれは最近,当内科に入院加療した消化管出血を伴なつた脳出血5例(うちクモ膜下出血合併2例)を経験したので,文献考察をあわせここに報告する.
著者
栗原 明 井上 幸俊 汐見 勝彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.1506-1512, 1995-11-20
参考文献数
5

フライバックトランスは, テレビセット内で使用される高電圧発生用トランスであり, 従来の方式では, 使用されるコイル内の短絡に起因するレアショート事故が発生していた.生産開始以来, 約25年を経過して, この対策のための新たな巻線, 工法の評価法を開発した.このシステムの採用により, 社会問題になっていたテレビの発煙発火については保護回路の研究も進み, ほぼ皆無にすることができた.同時に, フライバックトランスを使用する方法も改善し, 寿命を短期間に推定可能な加速寿命試験方法の開発に取組み, 成果を得ることができたので, ここに報告する.
著者
井上 幸江 Yukie Inoue
雑誌
先端社会研究
巻号頁・発行日
pp.309-313, 2004-12-20

2004年度第1 回国際シンポジウム「高齢者のQOL とケアの質-アジア型モデルを模索して-」2004年5月6日(土)神戸国際会議場メインホール
著者
井上 幸治
出版者
同志社大学歴史資料館
雑誌
同志社大学歴史資料館館報
巻号頁・発行日
no.16, pp.1-5, 2013

調査・研究報告同志社大学歴史資料館が購入した応永18年(1411)11月10日付の室町幕府御教書の紹介。Introducing sources.ページは巻末(一)-(五)
著者
松岡 崇志 井上 幸治 水野 桂 北 悠希 仲西 昌太郎 浅井 聖史 田岡 利宜也 宗田 武 寺井 章人
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.223-226, 2012-05

Anticoagulant and antiplatelet medications are commonly used for the treatment and prevention of cardiovascular diseases. We studied 84 patients who received heparin as a bridging anticoagulant and antiplatelet therapy during the perioperative period. Hospitalization was extended for adjusting anticoagulant and antiplatelet drugs and also bleeding complications in the perioperative period. There were 25 instances of bleeding complications (29.7%) in this study. These complications mainly occurred when anticoagulant and antiplatelet medications were restarted in the postoperative period. In transurethral surgery, patients taking warfarin and antiplatelet drugs (aspirin or ticlopidine) had a statistically significant increase in bleeding complications compared to patients taking warfarin alone. We compared 51 cases of transurethral resection of bladder tumor, transurethral resection of the prostate holium laser enucleation of the prostate, nephroureterectomy and percutaneous nephrolithotomy with heparinization were compared to 692 cases with no heparinization. The heparinization group had a statistically significant longer hospitalization period and an increase in bleeding complications. There was one instance of thromboembolism (1.2%) in our series. This involved stent thrombosis of a patient who had drug-eluting stent in the left anterior descending coronary artery. She died three days postoperatively. The number of patients taking anticoagulant and/or antiplatelet drugs is predicted to increase in the future due to aging of the population. Guidelines for the management of anticoagulant and antiplatelet therapy in the urological period are considered necessary.
著者
川口 章 神谷 奈多紗 金谷 寛子 井上 幸次
出版者
近畿中国四国農業研究協議会
雑誌
近畿中国四国農業研究 (ISSN:13476238)
巻号頁・発行日
no.18, pp.69-72, 2011-03

既報のnested-PCR法を改良し,枯死したイチジク樹から1回のPCRで株枯病菌を検出できる方法を開発した.株枯病により枯死させたイチジクにおいて,通常の組織分離法による病原菌の検出が困難であったサンプルから,CFF5/CFR3のプライマーセットを用いた1回のPCRにより株枯病菌の検出が可能であった. また,PCRに用いるDNAを抽出するためのサンプルとして,イチジク木部をノコギリで切った際に得られる木くずが利用可能であった. これらの方法は,株枯病が疑われる,イチジク枯死樹の遺伝子診断として有効である.
著者
井上 幸孝
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

現地調査を引き続き行うために、8〜9月にかけてメキシコに滞在した。現地では、昨年度に引き続きメキシコ国立公文書館において原史料の調査を継続した。とりわけ、今回は同文書館内Mapoteca所蔵の関連史料を数多く参照し、地図や図版史料を写真という形で持ち帰ることができた。また、必要な文献で未入手だったものについても、メキシコ滞在中に手に入れることができた。さらに同地での2度の発表機会(下記)では、現地研究者との有意義な意見交換をすることができた。それ以外の期間については、昨年度以降に収集してきた史料の分析を進め、その成果を口頭発表いう形で積極的に発表した。口頭発表をしたのは、CANELA学会(5月27日、南山大学)、日本ラテンアメリカ学会(6月3日、アジア経済研究所)、社会人類学高等研究院での講演(9月13日、メキシコ市)、メキシコ国立自治大学歴史学研究所での研究発表(9月14日、メキシコ市)である。その上でさらに考察を深め、研究論文(次頁記載のもの)として公表した。研究論文の主たる内容は、土地権利認定書(論文では「権原証書」と訳した)のこれまでの研究の概要と問題点の指摘、ならびに、メキシコ盆地南東部の数村落のナワトル語文書の個別事例分析である。前者は昨年度までに収集した主にスペイン語の資料をもとに研究動向を整理し、本研究のみならずメキシコやその他の国々の研究者にも有益となる当該研究テーマの問題点と今後の方向性を示そうとした。後者については、これまで総括的にしか扱われてこなかった事例をナワトル語原文に基づいて詳細に分析し、16世紀(スペイン征服)以前の概念が17世紀以降に編纂されたこれら文書群に反映されている点を明らかにした。