著者
片井 加奈子 青木 洋輔 吉岡 瞳 桜井 ひろみ 濱田 和男 小野田 恵美子 今西 吉松 青木 康二 池見 明
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.157-166, 2018 (Released:2019-02-01)
参考文献数
48

We examined the effects of powdered Mekabu (sporophyll of Undaria pinnatifida) extract on bowel movement disorder among 15 elderly aged 65 years old or more and living in nursing homes. The participants were administered 1 g of powdered Mekabu extract (Mekabu group, n=10) or starch (control group, n=5) along with their meal once a day for 4 weeks. In the Mekabu group, the frequency of defecation, amount of stool per defecation and amount of stool per week significantly increased after ingestion for 4 weeks (p<0.05) . Moreover, fecal microbiota analysis of the Mekabu group showed that the occupancy rates of Lactobacilli (p<0.05) and Clostridium subcluster XIVa (p<0.01) significantly increased after ingestion for 4 weeks. Furthermore, the phenol concentration of the Mekabu group significantly decreased after ingestion for 4 weeks (p<0.01) . These results suggest that intake of powdered Mekabu extract improves the bowel movements of elderly people.
著者
今西 利之 神崎 道太郎
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学留学生センター紀要 (ISSN:1881834X)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-16, 2008

8冊の日本語教育初級教科書に提示されている語彙の数量的な分析を、特に教科書間に見られる提示語彙の異同の観点から行うとともに、日本語教育の現場において、その数値が意味するところについて考察を行った。その結果、1冊の教科書に提示されている語のうち、他の7冊の教科書と共通している語は2割から3割程度であること、逆に1割程度の語はその教科書にしか提示されていない語であること、日本語能力試験出題基準4級語彙表の語についても、提示するかどうかに教科書間でばらつきがあること、従って、教科書間での収録語彙に大きなばらつきがあることがわかった。この結果を踏まえ、初級語彙の再検討、全体像の把握、学習者や教授者へのわかりやすい形での提示の必要性について述べた。
著者
Tongjit KIDCHOB 木村 俊作 今西 幸男
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.192-199, 1998-04-25 (Released:2010-03-15)
参考文献数
10
被引用文献数
6 5

マイクロカプセルにポリ (N-イソプロピルアクリルアミド) (PNIPAAm) を組み込んだ2種類の異なる温度応答性マイクロカプセルを調製し, 親水性薬剤モデルの温度応答性放出を調べた. まず, ブロックポリペプチドマイクロカプセルの表面に開始剤を固定化し, N-イソプロピルアクリルアミドの重合を行って, マイクロカプセル表面にPNIPAAmをグラフト化したマイクロカプセルを調製した. PNIPAAmの下限臨界溶解温度より高温側では, マイクロカプセルの表面に密度の高いスキン層が形成され, 内包した薬剤の放出が抑制されたのに対し, 低温側ではスキン層の消失により放出が促進された. また, この薬剤放出の温度変化に対する応答は狭い温度範囲で素早く起こり, また, その応答は可逆的であった. もう一つの温度応答性マイクロカプセルとして, PNIPAAmゲルを内部に充填したポリ乳酸マイクロカプセルを調製した. このシステムでは, 下限臨界溶解温度より高温側ではゲルの収縮により含浸された薬剤の放出が促進された. また, マイクロカプセルからの放出は温度に応答して素早く起こり, 放出量はマイクロカプセル内部の空孔のサイズと充填したゲルの量により調節可能であった. このように, 生分解性ポリマーで調製したマイクロカプセルに, 温度応答性ポリマーであるPNIPAAmを組み込む方法を変えることで, 負の温度応答性および正の温度応答性を示すマイクロカプセルシステムを構築できた.

2 0 0 0 生物の世界

著者
今西錦司著
出版者
弘文堂書房
巻号頁・発行日
1941
著者
村上 征勝 今西 祐一郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.774-782, 1999-03-15

『源氏物語』は 我が国古典の最高峰であるばかりでなく その芸術性の高さゆえに諸外国にも広く翻訳され 古くから数多くの研究がなされてきた. しかしながら現時点においても なお研究課題は数多く存在し たとえば 複数作者説や成立過程等 依然として未解決のまま持ち越されているものも多い。本論文では 微妙な表現価値にかかわる助動詞を取り上げ その『源氏物語』における出現頻度を分析し その結果 巻の成立順序や 後半の10巻 いわゆる「宇治十帖」他作者説が生ずる理由等との関連の可能性について次の結果を得た。源氏物語は話の内容から3部に分けるのが通説となっているが (1) 源氏物語の第1部を構成する紫の上系17巻と玉鬘系16巻は別々に成立した可能性がある. その場合 玉鬘系の16巻は第2部の後に成立した可能性が高い. (2)「宇治十帖」とその前の11巻 (第2部および「匂宮三帖」)との間には助動詞の用い方に差が見られ この差が文体の違いの反映であるならば これが1宇治十帖」他作者説が生ずる原因の1つと考えられる。(3) 各巻の文章を会話文と地の文に分けた場合に 助動詞の用い方に差が出るのは地の文である.
著者
日高 俊夫 今西 真弓
出版者
九州国際大学現代ビジネス学会
雑誌
九州国際大学国際・経済論集 = KIU Journal of Economics and International Studies (ISSN:24339253)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-20, 2019-08

一般にイギリス英語の口語表現でhaveと同様に所有の意味を表すとされるhave gotを共時的に分析する。具体的には、先行研究(登田1994;Tamura2005等)において、「発話時である現在における(一時的)所有」という概念がhave gotの中核的意味とされるのに対して、本論では発話行為的側面に焦点を当て、have gotは富岡(2010)における「主張行為」を担うことを主張する。このことにより、先行研究におけるhave gotの分布に関する記述を統一的に説明できることを示す。また、have gotが主に用いられるとされる現在時制であっても「主張行為」にあたらない場合は容認性が低い一方で、先行研究において容認性が低いとされる「過去時制での使用」「不可分所有」「習慣的状態」「総称文」においても「主張行為」にあたる場合は容認性が向上する事実や、データに対する先行研究の容認性判断における齟齬が原理的に説明されうることを併せて示す。
著者
栗山 洋子 渡邉 聡子 忠井 俊明 福居 顯二 白畠 庸 今西 二郎
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.59-65, 2005
被引用文献数
2

目 的:マッサージの免疫学的,心理学的及び血清脂質に及ぼす影響を検討する.<br> デザイン:32 名に対する被検者内比較試験<br> 場 所:京都府立盲学校及び京都府立医科大学<br> 方 法:18 歳から 56 歳までの 32 人の成人(男性 10 人,女性 22 人)に 25 分間の全身のマッサージをおこない,白血球数,白血球分類,血清脂質,唾液分泌型 IgA,STAI 不安尺度 (State-Trait Anxiety Inventory) などにつき検討した.<br> 結 果:心理学的指標;状態不安,特性不安,ともに有意に減少した.血清脂質;統計学的に有意な血液希釈が認められ,血清 T-CHO HDL-c,LDL-c ともに有意減少した (p<0.001).免疫学的指標;統計学的に有意な好中球の減少 (p<0.05) と CD16 陽性細胞の減少 (p<0.01) が認められた.<br> 結 論:以上により,マッサージ療法は不安を軽減し,免疫力および血清脂質濃度に影響を与えることが示唆された.<br>
著者
今西 洋偉 高瀬 英希
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2020-ARC-240, no.48, pp.1-8, 2020-02-20

ROS 2(Robot Operating System 2)はアプリケーションの処理単位であるノードを複数組み合わせることでロボットシステムを構築する開発支援フレームワークである.2012 年に登場した関数型言語 Elixir は,軽量なプロセスモデルと耐障害性を兼ね備えている.我々は ROS 2 による分散ロボットシステムと Elixir のプロセスモデルとの親和性が高いと考えている.本研究では Elixir による ROS 2 のクライアントライブラリを提案する.ROS 2 における出版購読通信機能を提供する Elixir の API を設計し,これによって分散ロボットシステムのスケーラビリティの向上を図る.さらに Elixir のスーパーバイザを導入することで耐障害性を持たせた.提案手法を実装してその性能を評価し,ROS 2 アプリケーションにおける Elixir の適用可能性および技術課題を明らかにする.
著者
今西 一
出版者
大学進学研究会
雑誌
大学進学研究 (ISSN:03874583)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.64-67, 1985-01
著者
鳴海 俊治 今西 賢悟 大山 力
出版者
弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会
雑誌
弘前医学 (ISSN:04391721)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2-4, pp.101-106, 2011-12-26

2010年10月1 日より財団法人鷹揚郷からの寄付講座として弘前大学大学院医学研究科に先進移植再生医学講座が設立された.1997年10月16日に「臓器の移植に関する法律」が施行されて以来,青森県においても八戸市立市民病院から2 例の脳死下臓器提供があった.一方,2010年7 月17日より改正臓器移植法が施行され脳死下臓器提供者は増加しているものの,心停止下の提供者は減少しており,臓器提供全体は増加していないのが現状である.本講座の設立を機会に青森県の移植医療,特に肝移植と腎移植に関する歴史を紐解き,本邦及び青森県の移植医療の現状を報告するとともに,その発展に必要な事項や取り組みを述べる.