著者
高崎 みどり 杉本 明子 佐々木 泰子 立川 和美 星野 祐子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、文章・談話の中の引用表現について、その実態を明らかにし、分析を施すことを目的とした研究である。扱ったデータは雑談、目的をもった会話、随筆等と多岐に渡る。引用表現について、文レベルでは扱えなかった諸現象に注目し、話し手および書き手の言語行動の戦略的所産として捉え直すことで、引用表現研究の新たな研究の可能性を示すことができた。
著者
佐竹 利子 福森 武 劉 厚清 河野 元信 佐々木 泰弘
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.115-121, 2004-01-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11
被引用文献数
2

玄米の水浸漬条件が, 米粒内のGABA (γ-アミノ酪酸) と遊離必須アミノ酸の生成量, 並びにビタミンB1とミネラルMgの含有量に及ぼす影響を明らかにし, 高い機能性を有する主食用米の調製加工技術の開発を図る。本報では浸漬工程における処理条件を解明することに主眼を置き, 続く蒸熱, 加湿熱風, 通風冷却, 精米, 通風乾燥の一連の工程については同一条件で処理した。試験の結果, GABAと遊離必須アミノ酸の生成量は浸漬条件によって大きく異なり, ビタミンB1とミネラルMgについては, 粒内各部位の含有率に変化が生じた。試験条件の範囲では, 水温30℃で2時間浸漬後に水切りし, 吸水玄米が乾かないようにして雰囲気温度30℃で22時間放置した場合に, GABAと遊離必須アミノ酸が最も顕著に増加し, ビタミンB1とミネラルMgと同様に胚乳部に移行することを認めた。
著者
佐々木 泰子
出版者
お茶の水女子大学日本言語文化学研究会
雑誌
言語文化と日本語教育 (ISSN:09174206)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-10, 1992-12-05

終助詞の「ね」は、日本人の談話で多用される。終助詞の「ね」について、辞書には、「詠嘆、念押し、同意を求める気持ち」などの記述が見られる。しかし、終助詞「ね」の使用には、上記用法のほかに談話における「丁寧さ」とのかかわりがあるように思われる。小論では、まず、類似した分析視点を有する主だった先行研究をサーベイし、次いでテレビの談話分析とアンケート調査を行い、終助詞「ね」が親しみをこめた丁寧さの働きかけをしていることを明らかにする。
著者
佐々木 泰子
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
日本乳酸菌学会誌 (ISSN:1343327X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.167-175, 2016-11-18 (Released:2017-12-02)
参考文献数
28

乳酸菌の遺伝子操作が本格化したのは 1980 年代後半であり、乳酸菌独自のベクターの探索に始まり、染色体への組み込みベクターの開発、さらに乳酸菌の特徴である“food-grade”な安全マーカー・ベクター・挿入遺伝子などが開発されて大いに進展した。 21 世紀に入りゲノム時代に突入すると、重要な産業株のゲノム解析が始まり、ゲノム情報を利用したトランスクリプトーム・プロテオーム・メタボローム研究が活発化した。ポストゲノム研究によって乳酸菌全体の代謝やストレス応答を鳥瞰的に捉えることが初めて可能となった。その後オーム解析の対象は単菌から複合系へと進展を見せ、発酵食品や腸内菌叢を構成する菌のメタ解析が行われ、 30 年前とはケタ違いの情報の蓄積が得られている。筆者は 1987 年にヨーグルト発酵を担う乳酸菌の研究を開始して上記の乳酸菌研究の時代の流れそのものと向き合ってきた。格段の進展が認められる乳酸菌研究であるが、その一方で未だに遺伝子操作が出来ない菌も多い。特に発酵食品に使用されてきた乳酸菌産業株は、外来遺伝子の攻撃に強い株が繰り返し選抜されてきた結果、形質転換が困難になったと推定される。以上 30 年の筆者らの研究の流れを紹介してみたい。
著者
佐竹 利子 福森 武 劉 厚清 目崎 孝昌 河野 元信 佐々木 泰弘 石渡 健一
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.117-124, 2004-09-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10

玄米を微量加水 (玄米水分約17%以下までは加水速度約0.5%/h, 17%以上では0.5~1.2%/h) で水分23%程度まで調質し, その後約12h放置すると, GABA (γ-アミノ酪酸) 含有量が15~20mg/100gにまで増加し, しかも重胴割れ率が低いために搗精にはほとんど支障がなかった。この玄米を搗精した精白米 (精米歩留り約90%) と胚芽米 (精米歩留り約95%) のGABA含有量は, それぞれ玄米の約83%と約91%を示し, 高い含有量であった。これより, GABA成分が高くてしかも発芽玄米に比べて食べやすい高機能性米を調製加工できる新たな方法が見出された。
著者
宮原 広翼 江尻 祐介 池田 栄次 佐々木 泰芳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.2G3OS2a02, 2019 (Released:2019-06-01)

IoT技術や各種センサーの進化によって、ヒト・モノに関連する膨大な情報をデータ化、蓄積できるようになってきた。同時にビッグデータ解析やAI(人工知能)の活用によって、新たな価値創出を目指す動きが世界的に加速している。 一方で、多くのデータが組織やシステムに閉じて蓄積されているため、組織を超えて相互利活用可能な状態になっておらず、データが経営資源として資産化されていない。富士通はブロックチェーン技術をベースに、信頼のおける関係者同士が参加し、データを用いたイノベーション活動を促進するサービス「Virtuora DX データ流通・利活用サービス」(以下、Virtuora DX)を発表した。 本システムでは、東京大学・大澤幸生研究室によって提唱された「データジャケット」と「KeyGraph」の概念を取り入れており、各企業が保有するデータの概要情報を安心・安全に共有・可視化することで、企業を超えたデータ流通・利活用とアイデア創出が可能となる。 本稿では、アイデア創出が必要な利用者の状況に応じて、「KeyGraph」の見方を柔軟に変更できる方法を考察・検討した。
著者
村山 淳 村山 悦子 竹中 弘行 佐々木 泰仁 寺見 彰洋
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.C0102, 2008

【はじめに】人工股関節全置換術(以下THA)を施行された患者では胡座坐位での靴下着脱動作練習後に、歩容の改善をしばしば経験する。今回は、足部の知覚と動作の関係に着目し,THA患者の靴下着脱動作練習前後の片脚立位能力および歩行能力を比較し若干の知見を得たので報告する。<BR><BR>【対象】片側THA患者17名。男性2名、女性15名、平均年齢66.9±9.8歳、平均体重56.6±9.8kg、平均身長153.2±7.5cm。全荷重可能となり杖歩行自立した者で胡座坐位での靴下着脱練習が可能な者とした。<BR><BR>【方法】靴下着脱練習前後における片脚立位保持時間とTimed up and go test(以下TUG)を測定し比較した。靴下着脱練習はセラピストと一緒に胡座坐位をとり、両側足部の可動性を確認した後、靴下の中に足部が入り込んでいく感覚を感じながらの着脱を両側共おこなった。片脚立位保持時間は2m前方の壁のマークを注視しながら片脚立位を保持し30秒可能で終了とした。TUGは5__m__前方に棒を立てセラピストの合図で立ち上がり、棒を回って戻り、イスに座るまでの時間を測定した。靴下着脱練習前後の差の検定はt検定にて行った。<BR><BR>【結果】術側片脚立位平均時間は靴下着脱前平均12.7±1.0秒、着脱後平均17.3±11.7秒と練習着脱後の方が長くなり有意差を認めた(P<0.01)。非術側片脚立位平均時間は靴下着脱前平均20.1±11.9秒、着脱後22.8±10.6秒と着脱後の方が長くなったが有意差を認めなかった。TUG平均時間は靴下着脱前平均19.8±4.9秒、着脱後平均18.2±4.1秒と着脱後の方が速くなり有意差を認めた(P<0.05)。被験者の主観は練習後靴下着脱がしやすくなり、歩きやすいと答えた者が多かった。<BR><BR>【考察】今回の結果ではTHA患者に対し靴下着脱練習をセラピストと一緒におこなった後の術側片脚立位時間が有意に延長し、TUGが短縮した。胡座坐位は脱臼肢位の股関節屈曲、内転、内旋を取らないということを理解しやすいことと,支持面上で安定しており、足部に手、頭部が向かっていける姿勢のため触運動覚及び視覚での足部の知覚と足関節自体の運動が引き出しやすい姿勢と考えられる。靴下着脱は靴下から受ける触、圧感覚に対し足部が無自覚に反応して行われる。THA患者は術後疼痛が軽減し筋力、可動域が改善しても術前同様の非術側主体の姿勢、動作となり易く術側足部の反応が乏しい。靴下着脱を練習する事により術側足部の活動性を促した結果、足部で支持面を探索し知覚することができバランス反応を引き出す事が出来たと考えられる。このことにより、術側の片脚立位時間が延長し、立ち上がり、歩行し、座るという一連動作であるTUGも短縮したと考えられる。THA後の後療法としてROM改善、筋力強化、歩行練習が主体であるが、術側下肢をADLの中で自分の脚として使えるようになるという視点が大切であることが再認識された。
著者
植松 一良 増永 朗 佐々木 泰造 須田 沖夫
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.727-731, 1998-12-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
9

市販の皮下埋め込み型個体識別用マイクロチップを犬11頭の皮下に埋め込み後, 1カ月にわたり臨床的影響について観察したところ, 全身的および局所的影響は軽微であり, 埋め込み後1カ月間にマイクロチップの体内移動はみられなかった. また, 同時に行った記録文字読み取り試験においても問題はなかつた.
著者
大島 弥生 佐藤 勢紀子 因 京子 山路 奈保子 山本 富美子 佐々木 泰子 アプドゥハン 恭子 清水 まさ子 張 瑜珊 トンプソン 美恵子 二通 信子 李 セロン
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

国内外の日本語学習者および母語話者の大学生・大学院生,その指導者の学術的受信発信技能向上の支援方法充実のために以下を行った:人文科学・社会科学・工学の9分野270編の日本語学術論文の構造の分析;人文・社会科学系論文における引用を解釈に活用する談話展開の分析;学術語彙習得過程を調査するテストの開発と母語話者・非母語話者への実施;海外の日本語教員・国内の留学生等へのインビューによるニーズ調査。同時に、パネルディスカッションを通じて問題を分析・共有し,アカデミック・ジャパニーズ教育の中核的意義は広く洗練された視野を獲得し学術的追求の意義を認識する得難い機会を与えることであることを確認した。