著者
加藤 慎 曽根 卓朗 塚田 学 江崎 浩
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2215論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.1373-1380, 2020-06-17

著者らが所属する SDM (Software Defined Media) コンソーシアムでは,2016 年より三次元映像音声メディアを管理するためのプラットフォームとして SDM Ontology の提案を進めてきた.SDM Ontology は,メディアデータとともに様々な種類・粒度,かつ,膨大な量のメタデータを階層構造に整理して管理可能とする.従来の提案は,収録段階についての記述に焦点を当てた設計となっており,収録されたメディアデータの編集段階まで考慮していなかったため,編集作業に用いられるソフトウェアやミキサーなどのメディアプロセッサの情報を記述するための構造がなかった.また,メディア収録の情報は静的である一方で,メディアの編集作業は収録されたデータや編集されたデータをもとに繰り返しおこなわれることも多く,一般に動的といえるため従来設計では対応しきれない.このような問題を踏まえ,本稿では SDM Ontology の構造について整理し直し,修正を加えるとともに,動的構造を表現するために再帰的記述を導入し,メディアの収録・編集について記述可能な SDM Ontology Version 2.0 を提案する.
著者
加藤 慎二郎 熊谷 信克 松本 敬子
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.113, no.2, pp.84-109, 2015-06-29

観察研究における対象の選択バイアスは,結論に影響しうる。本研究では,新契約無条件体の申込形態別死亡率,死因を調査し,生命保険加入者に特有な選択バイアスについて検討した。払方,保障額,新規転換,白地区分の申込形態は,いずれも有意に死亡率に影響していた。特に払方と保障額の効果は,大きくかつ長期的で,選択が難しいと考えられる悪性腫瘍,自殺,事故死,肝硬変,その他病死など多岐にわたる死因で差異が観察された。これらの効果は,おおむね射幸心やモラルリスクに基づくものと推測されるが,一時払契約では喫煙率が低く,一部で健康志向の関与が示唆された。観察研究の結論は,コントロールの選定や解析方法にも左右される。特にImpairment Studyを用いて疾病や検査所見の医学的リスクを正しく評価するためには,保険年度・観察年度構成とともに,これら申込形態や環境要因の選択バイアスの適切な調整・管理を必要とする。
著者
加藤 慎一朗 濱川 礼
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.27, pp.1-8, 2013-03-06

本研究では Twitter から得られる Tweet を処理することで,全ての単語に感情情報を付加し,その情報を利用してユーザの推薦を行う.例えば 「英語」 という単語に 「楽しい」 感情を抱く人もいるし,「哀しい」 感情を抱く人もいる.そこで,ユーザごとに全ての単語に対して感情情報を付加することで,その単語が使用される際に,ユーザ一人ひとりが単語にどのような感情を持っているのかを調査し,単語に対して同じ感情を抱くユーザを推薦する.In this study, using natural language information obtained from Twitter, we add feeling information to all words, and make recommendation user to user this information. For example, some people may have happy feeling to the word "English", some people may have unhappy feeling to word "English". By adding emotional information to all word, to investigate whether any have implications when that word is used, and recommend the user to feel the same emotion for words.
著者
萬谷 和香子 小林 皇 野藤 誓亮 松木 雅裕 橋本 浩平 加藤 慎二 舛森 直哉
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.283-285, 2018-06-30

We report a case diagnosed as both necrotizing fasciitis and frostbite of the male external genetalia. The patient was a 58-year-old man with diabetes mellitus. He was referred to our hospital with swelling of his penis and icing there for 3 weeks. We diagnosed his condition as necrotizing fasciitis of the external genitalia and decided to perform an emergency operation. Although we consulted plastic surgeons about debridement of a large area, they considered that there was no necessity for it because the scrotum, perineum and abdominal wall were frostbitten. The final clinical diagnosis was necrotizing fasciitis of the penile region and frostbite around the perineal region. We performed partial penectomy without debridement. Through collaboration with another medical department it was thus possible to avoid unnecessary invasive treatment.
著者
川島 史義 髙木 博 古屋 貴之 加藤 慎 佐藤 敦 前川 勝彦 浅井 聡司 中田 規之
出版者
日本関節病学会
雑誌
日本関節病学会誌 (ISSN:18832873)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.15-19, 2017 (Released:2018-03-31)
参考文献数
10

Introduction: Several methods have been proposed to determine proper femoral component rotation alignment in total knee arthroplasty (TKA). Usually the epicondylar axis, the posterior condylar axis and Whiteside’s line are used for landmarks. However, sometimes recognition of these landmarks is difficult intraoperatively. We decide on the rotation angle of the femoral component using the epicondylar view via a preoperative radiograph. The angle consists of the clinical epicondylar axis (CEA) and the posterior condyle line minus two degrees. We think the influence of the residual cartilage of the posterior lateral femoral condyle is about two degrees in varus osteoarthritis (OA).Objective: The objective of this study was to evaluate the rotation alignment of the femoral component after TKA, and the usefulness of our method for the decision of femoral component rotation alignment.Methods: There were 43 patients (7 males, 36 females) with varus OA who underwent primary TKA. The average age was 78.1 years (range, 64-87 years). The rotation angle of the femoral component was decided by the above-mentioned method. We evaluated the angle between the posterior border of the femoral component and the CEA, and the surgical epicondular axis (SEA) using postoperative computed tomography. These angles were expressed as∠CEA and∠SEA. External rotation was expressed as plus.Results: The mean∠CEA was−1.1 (−5-1)°. The mean∠SEA was 0.48 (−3-3)°. The mean angle of∠SEA−∠CEA was 1.5 (0-3)°. The femoral component was placed in internal rotation to CEA and parallel to SEA.Conclusion: Internal placement of the femoral component was considered to be caused abnormal patella tracking and dislocation and low value of Knee Society Knee scoring. We think that it can be difficult to recognize some landmarks intraoperatively. We decide on the rotation angle of the femoral component using the epicondylar view of preoperative radiographs. From the results of this study, the femoral component was placed in internal rotation to CEA and parallel to SEA. We conclude that our method for the decision of the femoral component rotation alignment is useful for TKA of varus OA of the knee.
著者
小笠原 恵 広野 みゆき 加藤 慎吾
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.41-49, 2013 (Released:2015-02-18)
参考文献数
14
被引用文献数
5 2

本研究では、行動問題を示すことによって授業における課題従事が困難になっている自閉症児1名に対して、トークン・エコノミー法を用いて課題従事を支援し、その効果を課題従事の促進および行動問題の低減から検討することを目的とした。支援開始前、授業中の本児の要求が拒否された場合に行動問題が生起し、課題従事をせずにその場から離されるという随伴性が成立していた。本研究では、この行動問題が生起する環境に、トークン・エコノミー法を用いて課題従事すれば本児の要求が満たされるという新たな随伴性を組み込んだ。その結果、課題の従事率は80%を超えた。しかし、行動問題は半減するにとどまった。これらの結果より、本研究で用いたトークン・エコノミー法は課題従事を促進することと、一部の行動問題の低減に有効であることが示唆された。また、残存する行動問題について、経時的にその機能を分析する必要性が課題として残された。
著者
加藤 慎吾 小笠原 恵
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.283-291, 2016 (Released:2019-02-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

本研究では、知的障害特別支援学校教員が機能的アセスメントに基づいた行動問題支援を行う際に、直面する困難について調査した。行動問題支援に関する研修に、自主的に参加した17人の教員を対象とした。研修は、講義と演習から構成された。演習では、参加者がそれぞれの学校で実際に支援をしている児童生徒を対象として、機能的アセスメントに基づた支援計画の作成、実行を行った。(1)アセスメント、(2)観察・記録、(3)支援計画の作成、(4)支援計画の実行、の各段階において難しかったことを質問紙により問い、回答を得た。質問紙は、全24項目の困難を5段階で問うリッカート尺度と自由記述法を採用した。結果として、(a)問題となる行動についての情報収集、(b)行動の記録、(c)計画の実行に関する具体的な困難が示された。知識やスキルの不足を要因とする技術的な課題と他の教員の理解や協力といった支援体制の課題が示唆された。
著者
寺田 厚 原 宏佳 加藤 慎二 木村 剛 藤森 勲 原 耕三 丸山 司 光岡 知足
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.291-295, 1993-04-15
被引用文献数
4

猫8頭(ヒマラヤン3頭とペルシャ5頭)に乳果オリゴ糖を50mg/kg/日を2週間投与し, 投与前, 投与7日目および14日目, 投与後7日目に糞便フローラ, 糞便内腐敗産物, 水分, pH, 尿内アンモニアおよび環境のアンモニアを測定した. 腸内フローラでは投与期間中Lactobacillusは有意(p<0.05)に増加し, Clostridium perfringensとEnterobacteriaceaeは有意(p<0.05)に減少した. FusobacteriumおよびStaphylococcusは乳果オリゴ糖投与7日目に投与前に比べて有意(p<0.01)に低下し, Bacteroidesは投与後14日目に有意(p<0.001)に増加した. 検出率については, 乳果オリゴ糖投与14日目においてBifidobacteriumは有意(p<0.001)に上昇し, 一方, Spirochaetaceaeおよびレシチナーゼ陰性Clostridiumは有意(p<0.05)に低下した. 腐敗産物については, 糞便内アンモニア, エチルフェノール, インドールおよびスカトール, 並びに尿内アンモニアはいずれも投与14日目に有意に(p<0.05)低下した. 糞便水分量および便量は乳果オリゴ糖投与中わずかに増加し, 逆に糞便pHはわずかに低下した. 飼育室のアンモニア濃度(p<0.01)は減少し, 糞便臭もかなり減少した.
著者
鬼沢 岳 加藤 慎一 青山 敬幸 奈良 安雄 大路 譲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.139, pp.103-107, 2008-07-10

自由にパルス形状を変えることの出来るフラッシュランプアニール技術(FSP-FLA:Flexibly-Shaped-Pulse Flash-Lamp-Anneal)を用いて、極浅接合形成およびメタル/高誘電率絶縁膜トランジスタの特性改善を行った。従来のFLA処理は、メタル/高誘電率絶縁膜トランジスタの移動度劣化・BTI (Bias Temperature Instability)寿命の劣化を引き起こす。FLA処理後の回復アニールによりそれらの劣化は改善できるが、不純物の拡散・不活性化を伴うため浅接合形成が困難となる。FSP-FLAを用い、高出力フラッシュ後に低出力・10ミリ秒のフラッシュを追加することで、不純物の拡散・不活性化を伴うことなく、高移動度・高BTI寿命を得ることに成功したので報告する。