著者
高後 裕 加藤 淳二 越田 吉一 新津 洋司郎 茂木 良弘
出版者
札幌医科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

Long-Evans Cinnamon(LEC)ラットは金属(銅および鉄)代謝異常を有し、肝炎・肝癌を自然発症することが知られている。本研究では申請当初、長期エタノール摂取の中止による肝癌発症に与える影響を検討することを目的として本ラットにエタノールを投与したが、数日以内に死亡することが判明したため、平成5年度は本ラットに存在するエタノール代謝異常について検討した。LECラットの腹腔内にエタノールを投与し(2g/kg体重),血中エタノールおよびアセトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフィーで測定すると,両者の血中濃度は,対照に比べエタノール投与4時間後まで約2倍遅延していた。次にLECラット肝のエタノール代謝関連酵素解析を行った結果、アルコール脱水素酵素(ADH)およびアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)活性(とくにlow KmALDH活性)は,対照のWistarラットに比べ約25%低下していた。そこで両酵素の活性低下の原因を明らかにする目的で、LECラット肝のADH-1遺伝子およびALDH-2遺伝子を解析した結果、LECラット肝ADH-1遺伝子の第1イントロンに16塩基のinsertionが存在するとともに、ALDH-2遺伝子の第67codonにCAG→CGG(Gin→Arg)の点突然変異が存在することを見い出した。すなわち、LECラット肝のADH-1およびALDH-2遺伝子は異常を有しているためにこれらの2つの酵素が不活性型となっているものと考えられた。
著者
加藤 淳
出版者
日本経営品質学会
雑誌
日本経営品質学会誌 オンライン (ISSN:18804365)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.20-26, 2012 (Released:2013-03-31)
参考文献数
5

ヒューマンエラー研究において、事務ミスを引き起こすエラー誘発要因の傾向と特性については、体系的な整理がなされていないのが現状である。そこで、本稿では、私立A短期大学における事務ミスの事例をまとめ、それらを引き起こすエラー誘発要因との因果関係を結びつけることで、エラー誘発要因の傾向と特性を体系的に整理する。なお、本稿では、Reasonによる保守エラーの体系(エラーのタイプとエラー誘発要因)を適用させた結果、主なエラー誘発要因、副次的なエラー誘発要因として、時間圧(タイムプレッシャー)、「キャンドゥ」態度、ドキュメンテーション(文書化)、不十分なコミュニケーション、未経験、タスク頻度、を抽出することができた。そのため、これら6つのエラー誘発要因を重点的な課題として取り組むことが、私立A短期大学における事務ミス防止に繋がると考える。
著者
加藤 淳平 カトウ ジュンペイ KATO Jumpei
出版者
山形大学大学院教育実践研究科
雑誌
山形大学大学院教育実践研究科年報 = Bulletin of graduate school of teacher training Yamagata University (ISSN:18848893)
巻号頁・発行日
no.4, pp.138-145, 2013-02-16

This research focuses on dialogue and reflection. In lesson study, the workshop called Unconference has no-borders between teachers and learners. The result of the workshop showed that active form of dialogue made all the participants become autonomic learners. The teachers came to realize the efficiency of reflection and find it a different learning experience. Learners in supportive environments have high levels of self-efficacy and self-motivation and use learning as primary transformative force. [キーワード] 対話, 内省, 学習環境デザイン, アンカンファレンス
著者
奥村 理 加藤 淳
出版者
北海道立農業試験場
雑誌
北海道立農業試験場集報 (ISSN:04410807)
巻号頁・発行日
no.85, pp.17-20, 2003-07

ドライケミストリー法による分析装置と組み合わせた小麦原粒に対応可能なα-アミラーゼ活性測定システムを開発するために、農業現場で活用しやすい簡易迅速な小麦α-アミラーゼ抽出方法について検討した。小麦α-アミラーゼの抽出は、麦専用ホモジナイザーを用いて、ジェネレーターと容器の位置関係を偏心2.0cm、クリアランス4.0cmとして、ホモジナイザーの運転条件を回転数8000rpm、破砕時間120秒とすることが適当であると判断した。本抽出方法とα-アミラーゼ活性測定装置を用いた場合、1点あたりの分析時間がおよそ12分、また連続操作することにより1時間あたり約25点(前処理装置2台稼働で35点)の分析が可能であった。
著者
杉本 充 津川 光太郎 加藤 淳 菱田 俊明 三宅 正武 立澤 一哉 冨田 直人
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

フーリエ積分作用素の大域的な有界性の理論を整備することにより、偏微分方程式の解の様々な評価式を導出する際に標準形へと変換してから考察する手法を確立し、さらには二つの偏微分方程式の表象の比較からそれぞれの解の評価式を比較する新しい手法も整備して、非線型問題にアプローチした。
著者
高田 弘一 堀田 彰一 目黒 高志 平山 眞章 丸谷 真守美 茎津 武大 河野 豊 高梨 訓博 加藤 淳二 新津 洋司郎
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 = ACTA HEPATOLOGICA JAPONICA (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.603-608, 2004-11-25
被引用文献数
2 4

症例は57歳, 男性. 平成7年11月25日全身倦怠感および食欲不振を主訴に近医を受診. 腹部CTにてHCCが疑われ, 精査加療目的に平成8年1月8日当院紹介入院となった. 精査の結果, 門脈腫瘍栓を伴ったHCC stage IVAと診断した. 同年1月16日と2月21日に, 主腫瘍であると考えられた肝S8, S4のHCCに対してTAEを施行した. 同時期より右骨盤部の痛みと歩行障害が出現した. 原因検索を目的にCTおよび血管造影を施行したところ右腸骨に hypervascular な腫瘍が描出された. 骨シンチグラフィーでも同腫瘍に一致してTcの取り込みを認めた. 臨床経過および画像所見よりHCCの骨転移と診断し, 同腫瘍に対してTAEおよび放射線治療を施行した. その結果, 疼痛は消失し歩行障害も改善した. 画像上も骨転移巣は消失した. その後肝内にHCCが再発し, TAEを計9回とRFAを1回施行した. 平成12年12月頃より肝不全が徐々に進行し, 骨転移が出現してから約6年後の平成14年1月31日永眠された. これまで, HCCの骨転移は予後不良であると考えられていたが, 本症例では長期生存が得られ貴重な症例と考え報告した.
著者
新津 洋司郎 佐藤 康史 瀧本 理修 加藤 淳二
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

組織線維症は現在全く治療法のない病態である。その責任細胞は星細胞であり、組織が傷害を受けると、それが活性化しコラーゲンを分泌するようになる。この分泌過程にはコラーゲンに特異的なシャペロン蛋白HSP47が補助的に関与する。本研究ではsiRNAHSP47を用いる事により活性化星細胞からのコラーゲン分泌を抑制する事を意図し、ラット肝星細胞での効果を検討したところ、明確に抑制効果が確認された。次いで星細胞がVitamin A(VA)を取り込み貯蔵するという性質を利用して、liposomeにVAを結合させその中に、siRNAHSP47(ラットではsiRNAgp46)を含ませてComplexを作製し、3種類(DMN,CCL4,DBL)の肝硬変ラットモデルでその抗線維活性を調べたところ、いづれのモデルにおいても明確な効果が見られた。また致死的なDMN モデルでは100%の生存率も確保できた。さらに同様な抗線維効果はDBTC膵炎ラットモデルに於いても確認された。本治療効果の機序としてはsiRNAHSP47によりコラーゲン分泌が抑制されると同時に組織中のコラゲナーゼ(一部は活性化星細胞からも分泌される)により既沈着のコラーゲンが分解される事によると考えられる。以上により本研究での開発された臓器線維症の治療法は、今後臨床への展開が多いに期待されるところである。
著者
栗田 弘之 加藤 淳也 川島 正久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.315, pp.13-18, 2007-11-08
参考文献数
10
被引用文献数
1

近年、公衆無線LANによるアクセス環境が普及しつつある。一般に公衆無線LANではIPアドレスの動的割当てが行われるため、接続ごとにIPアドレスが変化する。SIPなど永続的なIDをIPアドレスにひも付けてサーバに登録するアプリケーションを利用する時、IPアドレスの変化に対してサーバが保持する登録状態が追従できないと意図しない端末への誤転送が生じる。本論文ではIDにもとづいたIPアドレスの貸出しを行うネットワーク接続制御方式を提案し、意図しない端末への誤転送を防止する。またIPアドレスを詐称した端末によるパケットの奪取を防止するため、IPアドレスの詐称の抑止方式を提案する。