著者
酒井 浩二 吉川 秀樹 徳田 仁子 松本 しのぶ 千葉 晃央 西川 潤 中木 直子 高見 茂
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.3, pp.180-187, 2023-10-16 (Released:2023-10-16)

大学設置基準改正で,2019年度から大学は学部等が連携して編成する教育課程「学部等連係課程」を置くことができるよう制度化された.本稿では,学部等連係課程の特色を概観し,本学で設置された学部等連係課程「人間健康学群」を事例として,設置の背景,連係学部,教育プログラムの特徴を概説する.社会課題の発見・解決力を修得して社会で活躍するための教育課程として,学部等連係課程の効率性と有効性を考察する.
著者
千葉 晃
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.298-303, 1968-06-30 (Released:2008-11-10)
参考文献数
10

On November 19, 1967, one female Great Crested Grebe, Podiceps cristata, a rare species, was obtained on Lake Toyano-gata, Niigata City, one of the largest alluvial lakes near River Shinano on Japan Sea coast. After preserving it in 10 to 15% formalin solution, various parts of the body and internal organs were measured and weighed (with % for body weight). They are shown by tables and figures. Stomach contents were analysed and illustrated.
著者
千葉 晃
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2020, 2020

<p>2011年3月11日の東日本大震災当日・避難時に、どこで降雪があったのかを、動画投稿サイトYouTubeの動画と生徒の作文集を用いて特定した。本研究は、先行災害の復旧途中で別の災害が加わる複合災害を意識し、今後の減災への情報提供としたい。津波襲来時に最も激しく雪が降っていたのは、宮城県東松島市である。YouTube上に投稿されている「震災を忘れない」の番組配信動画からである。そのなかで宮城県多賀城市では河川への津波遡上時に、うっすらと積雪があることを確認した。宮城県石巻市では、日和山公園において住民の避難時に降雪がみられた動画が存在する。宮城県仙台市宮城野区南蒲生浄化センター、夢メッセみやぎでも降雪が確認できた。特筆すべきは仙台沖15海里の海上で大粒の雪が降っている動画もあった。前述の「つなみ」作文集でそれを補った。一例として宮城県気仙沼市立大谷(おおや)小学校3年生(当時)、同名取市にある宮城県農業高校1年生(当時)の証言から、これら行政域内で降雪があったことが証明された。以上のように大震災当日に降雪が確認できた範囲は、連続的ではないものの最も北は宮城県気仙沼市、南は同県岩沼市まで直線距離で約110kmにわたっていた。</p>
著者
千葉 晃
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.93, 2004 (Released:2004-07-29)

1.目的 気候学・気象学辞典(1985)によると、日最低気温とは「24時間内にもっとも低い気温」と定義され、「晴れた日は日の出前後に出現する」と言われている。 日最低気温の出現時刻を場合分けをせずに単純に集計すると、日界に近接した時間帯にその出現頻度が大きくなり、辞典の内容とは矛盾している。晴天日のみを抽出したいが、雲量データがないので他の方法を使用するしかない。 また1時間値よりも詳細な検討を期待して10分値を使用すると、情報量こそは単純に6倍となるが時刻特定を行おうとするといくつかの問題点が介在してくる。そこで本報告では、アメダス10分値を使用して最低気温の出現時刻の特定を行う場合、その問題点と手法について、北海道内の地点を一事例として試案を提示する。2.資料 解析資料は、気象庁提供のアメダス観測日報10分値(1999・2000・2000年の3冬期の1月と2月、計179日)とした。1979年以降のアメダス1時間値により日本低極を記録している(気象庁WEB・千葉,2000による)北海道旭川市江丹別の事例を用いた。 アメダス江丹別は、旭川市江丹別町にある地点で、「江丹別そば」で有名な地区である。石狩川水系の江丹別川流域の小盆地で、谷は南北に走る。放射冷却の発生しやすい地形となっており、気象官署の旭川と比較した報告なども存在するので比較検討に適した地点と判断した。3.方法と問題点 従来のように日界を午前0時とし24時間全てを解析対象とすると、当日日中の寒気流入などで午後に日最低気温が記録されるケースを拾ってしまう。晴天日の最低気温の出現時刻を特定するという意味があるので、午前0時10分から午前9時までに絞り、この区間を解析対象とした。 また、前夜半からの放射冷却が順調に進行したとしても、暖気流入などにより放射冷却が鈍化し最低気温が午前0時10分に記録されるケースもある。このような日界の影響による最低気温の抽出を極力避けたいので、場の統一も不可欠と考えた。さらに、擾乱や日変化の小さい曇天日を事例に含まないことが重要となる。しかしながら、各アメダス地点では雲量計測はなされていないので、179例の中で最低気温が低い事例を36例(20%)を抽出し、雲量が少なく放射冷却が進んだ日と見なした。抽出例からモデルケースとして、気温の低い方から5番目までの事例を示す。 さて、次にアメダスの分解能は0.1℃であるがその誤差は±0.25℃ある。気温最低値とその2位の値が0.2_から_0.3℃以内でかつ、両者に時間的な隔たりがあれば、2位のデータも軽視すべきではない。逆に最低値のみで議論するのは危険である。従って、当日朝の低い方から1位から6位までのデータも含め統計をとることにした。この抽出方法を使用すると、日界付近の事例は抽出されにくくなる。4.この方法による結果 上記の手法で抽出した結果、アメダス江丹別では午前6時30分の15例を最大に6時から7時20分まで7時10分まで9事例以上を記録し、日の出時刻(旭川7時4分_から_6時10分)とほぼ対応していることが明らかになった。
著者
千葉 晃 本間 義治
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.287-294, 1981

日本海側の新潟海岸へ多数漂着するハリセンボンの新鮮標本8尾を用い, 各種器官を組織学的に観察した.いずれも軽い飢餓状態にあったが, 消化器官, 膵外分泌組織, 腎臓, 脾臓には異常は認められなかった.しかし, 肝臓への脂肪蓄積が著しく, 胸腺は退行状態にあり, ブロックマン小体にはグルカゴン産生細胞が優勢で, 甲状腺は機能低下状態を示した.一方, 間腎腺とスタニゥス小体は正常と目された.卵巣は卵黄形成前の若い卵母細胞によって占められていたが, 精巣の大部分は精原細胞よりなるものの, ごく少数の精子もみられた.視床下部神経葉には相当量の神経分泌物が検出されたが, 腺性下垂体の生殖腺刺激細胞はまだ小さく, 染色性に乏しかった.冬季に対馬暖流によって日本海の高緯度地域まで運ばれるハリセンボンは, 前報 (Chibaetal., 1976) したアミモンガラ同様に未熟の若魚で, 死滅回遊の過程にあると思われるもので, ほぼ同様の組織像を示していた.
著者
千葉 晃
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2019年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.92, 2019 (Released:2019-09-24)

筆者は、2011年3月11日に発生した東日本大震災直後から月末までの岩手・宮城両県太平洋岸のアメダス地点の気温を調査した。この震災直後は体育館や寒い屋外で避難を余儀なくされていた被災者が多く、どの程度の気温であったのかを明らかにしておく必要がある。地震直前の14:40JSTでは0.5〜5.8℃で、直後の14:50JSTでは0.6〜5.6℃であった。16:00JSTに最も低温であったのは宮城県の塩釜で0.0℃を記録した。翌日3月12日に日最低気温が最も低かった地点は岩手県の譜代で-5.6℃、3月31日までも譜代で-6.4℃であった。
著者
金子 尚樹 中田 誠 千葉 晃 伊藤 泰夫
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 = Japanese journal of ornithology (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.100-111, 2012-04-20
被引用文献数
2

新潟市の海岸林において,秋季2シーズンにわたる標識調査で捕獲された鳥類の糞分析により,鳥類の果実利用を評価した.メジロは糞から得られた種子数,種子含有率とも最も高く,12種の比較的小型の果実を利用していた.ウグイスの糞の種子含有率は低かったが,捕獲個体数が多く,林内の下層に生育する9種の植物を利用していた.鳥類が利用していた果実は口角幅よりも有意に小さいか,または口角幅と統計的な有意差が認められない場合が多かった.果実サイズが口角幅より有意に大きい場合でも,両者の測定値の範囲には重複があった.ヒヨドリと大型ツグミ類の口角幅は,本研究で種子を得られたすべての植物の果実サイズよりも有意に大きく,海岸林内に多数生育し,比較的大型の果実を着けるタブノキ,シロダモ,モチノキなどの常緑広葉樹の果実を利用していた.しかし,口角幅の大きな鳥種が大きな果実を選好して利用する傾向は見られなかった.本調査地では,秋季には鳥種ごとの生息・採食場所において,十分な種数と量の果実資源が存在していると推測された.糞から種子が得られた植物のほとんどは,海岸林内で果実が見られるものだった.とくに,エノキのように調査地付近に多数生育し,比較的小型の果実を着ける植物が多くの鳥類により利用されていた.しかし,今後,周辺の住宅地の庭木などから新しい植物種が侵入する可能性も示唆された.
著者
深井 宣男 須川 恒 千葉 晃 尾崎 清明
出版者
The Japanese Bird Banding Association
雑誌
日本鳥類標識協会誌 (ISSN:09144307)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.8-36, 2010
被引用文献数
2

1998~2000年に実施された日露共同標識調査の結果から,優占種,日周変化,再捕獲記録,主な種の渡り時期について解析した.3年間で合計46種5,278羽が標識放鳥され,21種361羽が再捕獲された.優占種は,カシラダカ,コガラ,メボソムシクイ,オジロビタキ,オオジュリンであった.日本での捕獲数との比較から,オジロビタキとアカマシコはカムチャツカ半島からオホーツク海を越えて大陸沿いに南下するものと推定される.種別の日周変化では,シマゴマなどの朝型,マミチャジナイの朝夕型,オオジュリンなどの午前型,オジロビタキなどの平均型の4つに類別された.移動後回収の記録はオオジュリンで18例あり,日本での回収地および放鳥地は宮城県から宮崎県まで広範囲に及んだことから,日本各地で越冬するオオジュリンにとって,カムチャツカ半島が重要な繁殖地の一つであることが再確認された.渡りの時期には,換羽様式などさまざまな要因が関係していると考えられる.成鳥が繁殖地で完全換羽をおこなうオジロビタキ,カシラダカ,オオジュリンでは幼鳥が先に渡り,越冬地で換羽をおこなうアカマシコ,メボソムシクイでは成鳥が先に渡ることがわかった.体重や皮下脂肪量との関係では,成鳥の渡りのピークは脂肪量の増加とほぼ一致していたが,幼鳥の体重と脂肪量の増加はピークから10日ほど遅れていた.成鳥の渡り期間に比べ幼鳥の渡りの期間が長いのは,体重や脂肪量の増加が渡りのピークとずれていることが関係している可能性が考えられた.