著者
田原 淳子 真田 久 嵯峨 寿 近藤 良享 建石 真公子 舛本 直文 師岡 文男 來田 享子
出版者
国士舘大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

オリンピック競技大会を招致する上で、国際オリンピック委員会(IOC)から求められる諸条件と評価される点について最近の動向を明らかにした。さらに、日本における過去のオリンピックの招致活動をその後の状況を含めて検証し、問題点と評価される点を明らかにした。将来のオリンピック競技大会を招致、開催するにあたり、重視すべき観点は、環境・人権・教育の3 点に集約された。
著者
田原 淳子
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
体育學研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.87-98, 1993-07-01

The purpose of this study was to analyze the responses of foreign countries on the cancellation of the Games of the XII th Olympiad, Tokyo, 1940, and to clarify the principles underlying the arguments for and against the cancellation. The documents used for this study centered around the correspondence between Ministry of Foreign Affairs and Japanese governmental establishments abroad and the stored archives as to the Games of the Diplomatic Record Office of the Japan Ministry of Foreign Affairs. The findings of this study are summarized as follows : After the outbreak of Janpan-China War in 1937, there were many opinions against the hosting the Games of the XII th Olympiad by the city of Tokyo as well as the participation in it which were expressed mainly by European countries and U.S.A., together with those for expressed by U.S.A. and Brazil. Olympism seemed to be the basic and standard thought for these opinions, and it was interpreted into two ways so that opinions were divided and varied. Some of the experts took the position that Olympism should be the means and occasion for "realizing the peace of the world", and others took it should be "independent from politics". Thus, such a pre-war problem of boycotting as the Games of the XII th Olympiad in Tokyo appears to entail the similar post-war pattern of thoughts and interpretations in repeated boycott cases of the Olympic Games.
著者
甲田 雅一 福原 淳子 竹内 美香 大川原 正文 松崎 廣子 遠井 初子 古畑 紀子 丸山 美樹 佐々木 希実 沢辺 悦子 池田 昭 鈴木 ツル 佐藤 仁美 高橋 一郎 木村 冨美子 野村 久子 小野 恵美
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.458-468, 1999

<I>Pseudomonas aeruginosa</I>に対する各種抗生物質の抗菌力は分離施設の使用抗生物質の種類や量により影響されることが多く, ある施設で有効とされる抗生物質が他の施設でも有効とは限らない。真に抗菌力に優れる抗生物質とはMICが低く, 薬剤耐性が進行し難い薬剤であり, そのような抗生物質こそ, どの施設からの分離菌に対しても有効と言えるであろう。著者らは薬剤耐性が進行し易い抗生物質ではMICの施設間差が大きいと考え, 6施設から分離した<I>P.aeruginosa</I>に対する各種抗生物質のMICとMICの施設間差を調査し, その結果をスコア化して, 総合的に抗菌力を評価する試みを行った。その結果, 真に<I>P.aeruginosa</I>に対する抗菌力に優れる抗生物質はimipenem, cefozopran, ceftazidime, cefsulodin, amikacinなどであると考えられた。本報告で提案した解析方法は, 入院患者の細菌感染症に対する優れた抗生物質の評価のための一方法になり得ると考える。
著者
小笠原 淳子 高島 一昭 山根 義久
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.133-137, 2005 (Released:2007-11-13)
参考文献数
18

5歳齢のマルチーズが元気消失,嘔吐を主訴に来院した。低蛋白血症を認め,蛋白喪失性腸症を疑った。試験開腹では腸間膜に脂肪肉芽腫が認められ,空腸の全層生検により腸リンパ管拡張症と診断した。プレドニゾロンと一時的にシクロスポリンの投与を行い,食餌を低脂肪食に変更した。その結果,臨床症状と血漿蛋白の改善が認められ,約4年間寛解が得られた。
著者
及川 江利奈 栗林 一人 栗原 淳子 高野 歩
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.811-818, 2022 (Released:2023-03-10)
参考文献数
24

目的:精神科における看護師から患者への暴力と虐待に関する文献を包括的にレビューし,その特徴と要因を明らかにする.方法:PRISMA-ScRに基づき,スコーピングレビューを実施した.文献検索には,PubMed,CINAHL,医学中央雑誌を用いた.文献選定の包含基準は,(1)精神科病棟や外来における看護師から患者への暴力,虐待行為に関する論文,(2)英語または日本語で書かれた論文とした.結果:最終的に,12件の文献がレビュー対象となった.暴力や虐待の内容は,暴行,暴言,無視,身体拘束に関する内容であった.暴力や虐待の要因に関する内容は,自分の行為は,ケアであって暴力ではないという思い込み,精神科における閉鎖的な治療環境に関する内容であった.結論:本研究結果から,精神科における看護師から患者への暴力,虐待の特徴や要因には,閉鎖性,密室性,強制性という精神科医療における構造的問題があることが示唆された.
著者
石原 淳子 津金 昌一郎
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.590-602, 2017-12-01 (Released:2018-02-20)
参考文献数
36

がんの発生には栄養・食生活などの生活習慣が深くかかわっている.本稿では,国内外で明らかとなってきている,がんのリスク要因となる栄養・食生活習慣のエビデンスの現状について紹介し,ライフコースを見据えたがん予防・対策における課題と今後の方向性について考察した.国立がん研究センターが提示する「日本人のためのがん予防法」の推奨項目は,科学的根拠に基づく日本人のがんリスクを総合的に評価し,提言された指針をもとに作成されている.評価の時点で発表されている論文の系統的レビューを行い,科学的な根拠としての信頼性の強さと,要因とがんの関連の強さを判定基準に沿って総合評価する方法で行われている.評価された項目のうち,「飲酒」「塩分・塩蔵食品」「野菜・果物」「身体活動」「体形」などの食と栄養に関わる項目は,予防可能なリスク要因のうち,日本人におけるがんの人口寄与割合が喫煙,感染の項目に次いで高いことが明らかになっている.また,国際的な動向として,世界がん研究基金と米国がん研究協会の「食物・栄養・身体活動とがん予防・継続的評価(Continuous Updating Project)」による評価がある.全粒の穀類・食物繊維,乳製品・カルシウム,赤肉・加工肉,コーヒー,体格,体脂肪(ライフコースにおける変化含む),βカロテンサプリメント,グリセミック負荷など,日本人を対象とした評価では関連が弱い,またはデータが不十分な項目についても評価されている.がんのリスク要因に関する知見のまとめと公表を目指したこのようなトランスレーショナル・リサーチは,疾病予防のための課題解決に向けて,優先順位をつけるため国内外で行われている.ライフコースを見据えたがん予防においては,①栄養・食生活について科学的に明らかながんリスク要因の具体的効果的改善方法に関する研究推進および実践,そして②若い世代が将来,がんを発症する世代になるまでの間の,食生活変化を踏まえた動向の注視,特に国際的に課題とされている要因についてのモニタリング,の二点が重要である.がんは生活習慣が長い年月蓄積して発生する疾患であるため,ライフコースを見据えた対策は特に重要である.生活習慣が確立されるライフコース前半に,身に着けるべき望ましい栄養・食生活の習慣を国民に広く伝えていくと同時に,将来,リスク要因となりうる,ハザードに関して国際的な研究結果に注意を払い,先手の対策を考えることも重要である.
著者
田原 淳子
出版者
杏林書院
雑誌
体育の科学 (ISSN:00398985)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.457-461, 2006-06
著者
水谷 雄一郎 小笠原 淳子 髙島 一昭 山根 剛 山根 義久
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.113-118, 2017-09-25 (Released:2018-09-25)
参考文献数
24

鳥取県西部の米子動物医療センターに来院した猫のFeLV抗原陽性率,FIV抗体陽性率などを過去12年間,カルテの記録をもとに回顧的に調査した。FeLV抗原陽性率は,12年間の平均で7.0%であり,年度別陽性率については低下していた。FIV抗体陽性率は,12年間の平均で16.8%であり,年度別陽性率は横ばい傾向であった。口内炎の罹患率は, FIV/FeLV陰性群16.1%,FeLV単独陽性群25.6%,FIV単独陽性群27.4%,FIV/FeLV陽性群29.7%であり,いずれの陽性群も陰性群に比べ有意に高値であった。リンパ腫の罹患率は,FIV/FeLV陰性群0.5%,FeLV単独陽性群14.6%,FIV単独陽性群1.9%,FIV/FeLV陽性群2.7%であった。死亡年齢の平均は,FIV/FeLV陰性群9.5歳,FeLV単独陽性群5.9歳,FIV単独陽性群10.3歳,FIV/FeLV陽性群6.4歳であった。
著者
川原 淳子 石橋 通江 坂本 洋子
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
日本赤十字九州国際看護大学intramural research report (ISSN:13478877)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.134-146, 2005-03-01

本研究の目的は、看護学生が認知的煩雑性によって対人認知に関する偏見的判断を促進させるか否かを検証することである。方法は、看護大学生103名を対象に、精神障害者に対する対人認知についての調査用紙を作成し実験を行なった。実験内容は、認知負荷強度3条件および、精神障害者ラベル提示有無の6つの実験群を設定し、それらの条件間で、認知する人物に対する印象、認知する人物の行動予測、認知する人物に対する自己の行動意図について測定した。その結果は、実験における認知負荷操作の有効性は確認できたものの、仮説を支持する結果は得られなかった。看護学生の対人認知傾向として、認知する対象人物が精神障害者である場合は認知的煩雑性によってその人物によりポジティブな印象形成が促進され、その人物のよりポジティブな行動予測が促進される傾向にあると考えられた。また、認知する対象人物の印象とその人物の行動予測、その人物に対する自己の行動意図には、他に異なる認知過程があることが示唆された。