著者
仙石 浩明 吉原 郁夫 今川 徹三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.66, pp.19-26, 1995-07-19
参考文献数
4
被引用文献数
3

遺伝的アルゴリズム()は、探索が大域的、制約条件の変化に柔軟、などの長所があり、開発・保守工数を削減できるが、遺伝子コーディング法、交差方法などを問題毎に考案しなければならない。一方、従来から広く用いられてきたヒューリスティック探索法は、人手で解かれていたような問題を解く場合は、容易にアルゴリズムを作ることができる。しかし実問題に適用するには、より詳細な知識を組み込むなどのチューンアップが必須であり、開発・保守工数がかかるという短所がある。そこで、ヒューリスティック探索において探索木の分枝選択に優先順位を定め、この優先順位をGAで最適化する手法を提案する。本提案手法をバス仕業ダイヤ作成システムに応用し、実用上十分な仕業ダイヤ作成が可能となった。本システムは実際にダイヤ改正で使われた。Genetic Algorithms (GAs) have advantages in ability to search globally and flexibly, but we have to design the gene coding and the crossover method depending on each problem. On the other hand heuristic search algorithms are easy to develop and have been widely used to solve the problems, which have been conventionally solved manually, but for practical applications, we have to tune up the algorithms, for example, adding knowledge in detail, adjusting parameters, and so on. In this paper, we present a method using GA as an optimizer of the heuristic search. In our method, GA tunes the priorities of choosing branches in search tree, with which heuristic search algorithm can find optimal solutions. We apply our method to bus drivers scheduling systems. It can generate enough practical schedules, and is already used for revising drivers schedules.
著者
山本 幸一 桃原 郁夫 西村 健
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.219-222, 1999-10-25 (Released:2009-05-22)
参考文献数
11

燻煙乾燥材と焼き丸太について野外での耐朽性を明らかにするため,スギ材杭試験を実施した。燻煙乾燥材の試験はつくば(茨城)で,焼き丸太の試験は高尾(東京)でそれぞれ行った。野外杭試験の結果,燻煙乾燥材と焼き丸太の野外での耐用年数は2年程度であり,無処理材とほぼ同等であった。燻煙乾燥材及び焼き丸太を野外で使用する際,十分な防腐効力を期待することはできない。
著者
奥平 敬元 原 郁夫 桜井 康博 早坂 康隆
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.42, pp.91-120, 1993-04-30
被引用文献数
20

岩国-柳井地域領家帯は主に低圧型変成岩(領家変成岩類)と花崗岩類(領家及び広島花崗岩類)から構成される。領家花崗岩類は古期花崗岩類と新期花崗岩類に大別され, 前者はシート状であり後者はストック状である。領家変成岩類は四つの鉱物帯(黒雲母帯, 菫青石帯, ザクロ石帯, 珪線石帯)に分けられ, これらと領家古期花崗岩類は三つのナップ(構造的上位から通津ナップ, 大畠ナップ, 柳井ナップ)を形成している。通津ナップど大畠ナップとの間には, 最高変成作用時の温度圧力条件において約3kb, 200℃のギャップがある。また, 柳井ナップは大畠ナップの構造的下位に位置しているが, 柳井ナップは大畠ナップよりも低温低圧の温度圧力条件を示す。このことは最高変成作用時の温度圧力構造が, 後の造構作用によって改変されたものであることを示している。菫青石帯には二つのミグマタイト帯(天ケ岳及び長野ミグマタイト)が存在するが, これらはより深部(約6kb)で形成され, 破砕帯に沿って貫入上昇し, 現在の位置に定置したものである。ミグマタイト中の含コランダムレスタイトの変成作用の解析結果から二つの変成時相(M0, M1)が識別され, M0変成作用は中圧型に対応することが明かとなった。M1変成作用はミグマタイトや領家古期花崗岩類の貫入直後に行なわれ, この変成作用はこれらの貫入岩の接触変成作用である可能性が高いパイルナップ構造の形成はM1変成作用後で, 領家新期及び広島花崗岩類の貫入前である。
著者
井原 郁夫 鎌土 重晴 MUKHOPADHYAY Subhas Chandra
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

高温に加熱されている物体内部の3次元温度プロファイルを計測・モニタリングするための新しい超音波手法(超音波サーモメトリ)を創製し、この手法を高温場の材料加工プロセスに適用し、その有効性を実証することを目的とした開発研究を行った。まず、開発した超音波サーモメトリーの有用性を検証するために1次元温度プロファイリングにおける同定精度を理論的、定量的に明らかにし、それらを実験により検証した。次いで、同定精度の向上の方策として横波計測の使用について検討し、その有効性を実証した。さらに、汎用性の高い温度分布モニタリングを実現するために、回転体の内部および表面の温度プロファイリングについて検討した。最後に、本手法の実用化の観点から、鋳造プロセスモニタリングへの適用について検討した。
著者
安永 守利 吉原 郁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.5, pp.915-929, 2005-05-01
被引用文献数
17

VLSI実装基板において, 配線上を伝搬する超高速信号の信号品質を向上することが重要な課題となっている.特に, クロック信号はディジタル電子機器の基本同期信号であり, 高い信号品質が望まれる.本論文では, 信号品質を向上させるための新たな伝送線構造である「セグメント分割伝送線」を提案する.セグメント分割伝送線は, 独立した特性インピーダンスをもつ複数のセグメントからなる伝送線である.複数セグメントの特性インピーダンスの不整合により発生する反射ノイズを重畳することにより, 伝送線上の注目点における信号を整形し, 信号品質を向上することが特徴である.セグメント分割伝送線の設計では, 複数セグメントの特性インピーダンスの最適な組合せを求める必要がある.この設計のために, 遺伝的アルゴリズムを適用する.また, その効率的な進化を実現するための新たな交差方法である「部分空間交差法」を提案する.更に, この新たな交差法に基づく遺伝操作を用いたセグメント分割伝送線の設計支援システムを開発する.開発した設計支援システムを用いて実際の実装基板上のメモリモジュール配線を設計し, 従来手法との比較評価を行い, その有効性を示す.
著者
菅原 郁夫
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稲田法学 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.492-518, 1999-02-20
著者
安永 守利 高見 知親 吉原 郁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.10, pp.2280-2292, 2001-10-01
被引用文献数
7

大量な画像データに対する高速な認識処理は, 産業の様々な分野で要求されている.我々は, 画像認識処理に内在している並列処理可能性に着目し, FPGA(Field Programmable Gate Array)の書換え可能性を利用した細粒度高並列な専用付加ハードウェアにより, 高速認識処理を実現しようと考えた.このために本論文では, 統計的パターン認識手法の一つであるParzen Window法をハードウェア化のために拡張することを提案する.この提案手法により, 画像パターンデータから直接パターン認識回路を生成することができる.これにより, サンプルパターン数と同数の並列度を有する専用回路が, 複雑な演算器等を使用せずに構成できる.したがって, 高速なパターン認識処理を小規模なハードウェアで実現できる.パターンデータを直接回路化することは, 対象問題ごとに異なる集積回路(1問題1品種)を最適設計することである.これは, 従来の方法, すなわちフォトマスクベースの集積回路(汎用1品種)を作成し問題の個別性にはソフトウェアで対応する方法とは根本的に異なる.このような個別対応の専用ハードウェアは, FPGAを利用することで実現できる.本論文では提案ハードウェアを試作し, 顔画像認識を題材に本方式の有効性を評価する.具体的には, 実験結果をニューロコンピュータや超並列計算機を用いた従来技術と比較し, 認識精度, 動作速度(認識処理時間), 回路規模の観点から評価する.その結果, 認識精度は従来手法とほぼ同程度(ベンチマークデータで95.8%)であったが, パーソナルコンピュータより2, 000倍以上高速で, 更に, ニューロコンピュータや超並列計算機より55〜125倍高速なナノ秒オーダの認識処理が可能なハードウェアを1ボードで実現することができた.
著者
手塚 宣夫 堀毛 一也 菅原 郁夫 鳥畑 与一 大山 小夜 佐藤 順子
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

金銭管理に関するアンケート調査により、合計3,304名の回答を得ました。(財)民事紛争処理研究基金の助成により実施した同様の調査結果と併せて、総計4,432名の回答を得ました。これは、労働組合や生協の組合員の方を中心とした調査なので、各人・各家庭の平均的な金銭管理について、ある程度の一般的な傾向を知ることができます。この調査結果を分析することによって、金銭管理の問題点を探り、多重債務にならないための予防策について、提言する予定です。
著者
坂野 昇平 平島 崇男 鳥海 光弘 鈴木 尭士 大貫 仁 原 郁夫
出版者
京都大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1986

昭和61年度は, 各自の野外調査と討論会を開いた. 討論会は11月22・23の両日, 京都府立セミナーハウスにて開催した. 参加者は総研メンバー・院生併せて38名に及び, 三波川帯に関する巾広い分野からの話題提供が行われた. 名発表に対して活発な議論が展開され, 大変レベルの高い討論会であった. 原岩年代論・変成相系列・変成年代については大方の意見の一致を見たが, 構造論と熱構造については意見の一致が得られなかった. 特に注目を集めた報告は, 板谷によるK-Ar年代測定であった. 彼は四国中央部汗見川で約70個の年代測定を行ない, 変成度や熱構造との関連を報告した. この研究により, 三波川帯は変成年代測定でも世界的レベルに達した. これ以外では, 横山による, 四国の第三条久万属群からの, 現在露出している三波川変成岩と同じか, それよりも高変成度の岩石由来の礫岩の発見, 高須・上阪による, 四国中央部五良津角内岩体からの異なる熱史を持ったエクロジャイトの発見も注目された. 討論会の発表内容は総研ニュースレターとして印刷し関係者に配布した.昭和62年度は討論会を開くにはやや予算が不足していたので, メンバー各自が野外調査を行うとともに, 自費研修として, 京都・舞鶴・徳島で開かれるオフィオライト野外討論会(昭和63年3月6-15日)に参加することとした. 総研報告書は, 昨年度の討論会の内容をもとに編集中である. また, 三波川変成帯の岩石学を中心とし, 世界各地の高圧変成帯の解説を加えた特集『高圧変成帯の岩石学』を月刊『地球』で発刊することにし, 現在原稿の編集中である. さらに, 三波川帯の原岩論・熱構造・時代論をJournal Metamorphic Geologyの特集号として出版する計画をたて, 編集部の内諾を得ている.
著者
仙石 浩明 吉原 郁夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.305-306, 1993-03-01
被引用文献数
4

遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)は生物進化のシステムをモデル化したものである。1975年にHollandによって提唱された。Grefenstetteが提案した遺伝子表現法および一点交叉法を用いると、GAで巡回セールスマン問題(Tyaveling Salesman Problem:TSP)が解けることから、近年GAが注目されている。ところがこの解法は収束が遅い。そこで本報告では、Grefenstetteの方法より高速に収束し、さらに最適解を高い確率で得ることが可能な、GAを用いたTSPの高効率探索アルゴリズムを提案する。