著者
池田 里奈 吉田 圭佑 髙橋 諒 松澤 暢 長谷川 昭
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

地震の応力降下量は,地球内部の応力サイクルの理解の上で重要なパラメータである.小中地震の応力降下量は,従来,Brune (1970), Sato & Hirasawa (1973), Madariaga (1976)などの震源過程モデルの当てはめにより推定されてきたが,近年では,観測ネットワークの発達により小中地震の破壊伝播過程そのものについての推定もある程度可能になってきている.本研究では,2011年3月11日から2018年10月31日までに福島-茨城県境周辺で発生した小中地震 (Mw 3.3-5.2)の破壊伝播指向性を調べ,さらにそれを考慮して応力降下量の推定を行った. 初めに,経験的グリーン関数法を用いて,対象地震 (348個)の観測波形を近傍で発生したひとまわり小さな地震の波形でdeconvolutionすることにより,各観測点での見かけの震源時間関数を求めた.その結果,本研究で解析対象にした小中地震の多くに,見かけの震源時間関数の継続時間や振幅に明瞭な方向依存性が確認できることがわかった. 次に,楕円形断層の非対称破壊を含む一般化した震源過程モデル (Dong & Papageorgiou, 2003)を用いて,見かけの震源時間関数のコーナー周波数とその方向依存性から断層サイズと応力降下量,破壊の進展方向を推定した.楕円形断層の非対称破壊を導入することにより,従来の円形断層の対称破壊モデルよりも理論コーナー周波数の残差を大幅に減少させることができた.解析を行った348個の地震のうち,306個の地震が有意な破壊伝播指向性を持つことが分かった.破壊の進展方向には偏りがあり,本研究で解析した地震には,破壊が南東方向へ進展したものが多いことが分かった. 推定した断層サイズから求めた応力降下量は,対称破壊モデルを仮定して求めたものより系統的に大きな値を示した.このことは,円形断層の対称破壊伝播を仮定した場合には,同じ継続時間でも破壊域が大きくなり,断層サイズが過大評価されると考えられることから理解できる.推定した応力降下量の平均値は20.2 MPaであり,先行研究によりこの地域で推定されている最大剪断応力の大きさと同程度であった.このことは,個々の小地震が,断層面上の剪断応力の殆どを解消していることを意味するのかもしれない.
著者
岩田 貴樹 吉田 圭佑 深畑 幸俊
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.128, no.5, pp.797-811, 2019-10-25 (Released:2019-11-15)
参考文献数
49
被引用文献数
10

In order to understand crustal dynamics, including the occurrence of earthquakes and the development of mountain ranges, it is important to estimate the stress state in the Earth's crust from observed data. This paper reviews stress tensor inversion techniques using seismological data. The techniques were originally applied to a dataset of slip orientations taken from focal mechanisms. Subsequently, other techniques, which use P wave first-motion polarities or centroid moment tensor (CMT) solutions, were developed. This paper clarifies the principles and basic hypotheses, on which each technique is built. In the techniques using focal mechanisms and P wave first-motion data, the Wallace–Bott hypothesis that a fault slips in the direction of maximum resolved shear stress plays the principal role; basically, we search for a stress state that satisfies observed data on the basis of the Wallace–Bott hypothesis. On the other hand, the stress inversion technique using CMT data is not based on the Wallace–Bott hypothesis; instead, it is assumed that stress released by earthquakes is proportional to the stress tensor in the region surrounding the hypocenter. The characteristics and advantages of these techniques are also compared from physical and pragmatic viewpoints. It would be valuable to further improve these techniques, as well as to compare their performance using synthetic and actual data to clarify the differences and advantages of their characteristics in more detail.
著者
吉田 圭一郎 飯島 慈裕 岡 秀一
出版者
首都大学東京小笠原研究委員会
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
no.29, pp.1-6, 2005

植生や生態系に関する研究に比べ、小笠原諸島における気象観測研究は少ない。本稿では小笠原諸島を対象とした気象観測やデータ解析の研究成果をレビューし、今後の課題について述べた。小笠原諸島は水文気候学的に乾燥域と湿潤域の境界に位置していた。近年は気候の乾燥化が顕著であり、その植生に対する影響が危惧されている。島嶼スケールを対象とした気象観測研究では、水平分布と比べて、気候の鉛直分布に関するものはほとんど行われていない。今後は雲霧帯のような植生分布に影響する気候の鉛直分布を詳細に観測していく必要がある。
著者
内田 直希 東 龍介 石上 朗 岡田 知己 高木 涼太 豊国 源知 海野 徳仁 太田 雄策 佐藤 真樹子 鈴木 秀市 高橋 秀暢 立岩 和也 趙 大鵬 中山 貴史 長谷川 昭 日野 亮太 平原 聡 松澤 暢 吉田 圭佑
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

沈み込み帯研究のフロンティアである前弧の海域下において,防災科学技術研究所は新たに日本海溝海底地震津波観測網(S-net)を構築した.S-netは東北日本の太平洋側の海岸から約200kmの範囲を海溝直交方向に約30km,海溝平行方向に50-60km間隔でカバーする150点の海底観測点からなり,その速度と加速度の連続データが,2018年10月より2016年8月に遡って公開された.観測空白域に設置されたこの観測網は,沈み込み帯の構造およびダイナミクスの解明に風穴をあける可能性がある.本発表ではこの新しいデータを用いた最初の研究を紹介する.まず,海底の速度計・加速度計の3軸の方向を,加速度計による重力加速度および遠地地震波形の振動軌跡を用いて推定した.その結果,2つの地震に伴って1°以上のケーブル軸周りの回転が推定されたが,それ以外には大きな時間変化は見られないことがわかった.また,センサーの方位は,5-10°の精度で推定できた.さらに得られた軸方向を用い,東西・南北・上下方向の波形を作成した(高木・他,本大会).海底観測に基づく震源決定で重要となる浅部の堆積層についての研究では,PS変換波を用いた推定により,ほとんどの観測点で,350-400mの厚さに相当する1.3 – 1.4 秒のPS-P 時間が観測された.ただし,千島-日本海溝の会合部海側と根室沖の海溝陸側では,さらに堆積層が厚い可能性がある(東・他,本大会).また,雑微動を用いた相関解析でも10秒以下の周期で1.5 km/s と0.3 km/sの2つの群速度で伝播するレイリー波が見られ,それぞれ堆積層と海水層にエネルギーを持つモードと推定された(高木・他,本大会).さらに,近地地震波形の読み取りによっても,堆積層およびプレート構造の影響を明らかにすることができた.1次元および3次元速度構造から期待される走時との比較により,それぞれ陸域の地震の海溝海側での観測で3秒程度(岡田・他,本大会),海域の地震で場所により2秒程度(豊国・他,本大会)の走時残差が見られた.これらは,震源決定や地震波トモグラフィーの際の観測点補正などとして用いることができる(岡田・他,本大会; 豊国・他,本大会).もう少し深い上盤の速度構造もS-netのデータにより明らかとなった.遠地地震の表面波の到達時間の差を用いた位相速度推定では,20-50sの周期について3.6-3.9km/sの位相速度を得ることができた.これはRayleigh波の位相速度として妥当な値である.また,得られた位相速度の空間分布は,宮城県・福島県沖の領域で周りに比べて高速度を示した(石上・高木,本大会).この高速度は,S-netを用いた近地地震の地震波トモグラフィーからも推定されている.また,このトモグラフィーでは,S-netの利用により海溝に近い場所までの速度構造がよく求まることが示された(豊国・他,本大会).雑微動解析によっても,周期30秒程度の長周期まで観測点間を伝播するレイリー波およびラブ波を抽出することができた.これらも地殻構造の推定に用いることができる(高木・他,本大会).また,海域の前弧上盤の構造についてはS-net 観測点を用いたS波スプリッティング解析によって速度異方性の特徴が明らかになった.プレート境界地震を用いた解析から,速いS波の振動方向は,海溝と平行な方向を向く傾向があり,マントルウエッジの鉱物の選択配向や上盤地殻のクラックの向きを表している可能性がある(内田・他,本大会).プレート境界においては,繰り返し地震がS-net速度波形によっても抽出できることが示された.プレート境界でのスロースリップの検出やプレート境界の位置推定に役立つ可能性がある(内田・他,本大会).さらに,S-net加速度計のデータの中には,潮汐と思われる変動が観測されるものもあり,プレート境界におけるスロースリップによる傾斜変動を捉えられる可能性があるかもしれない(高木・他,本大会).以上のように,東北日本の前弧海洋底における連続観測について,そのデータの特性が明らかになるとともに,浅部から深部にわたる沈み込み帯の構造や変動についての新たな知見が得られつつある.これらの研究は技術的にも内容的にもお互いに密接に関わっており,総合的な解析の推進がさらなるデータ活用につながると考えられる. 謝辞:S-netの構築・データ蓄積および公開に携わられた皆様に感謝いたします.
著者
伊藤 綾香 五十嵐 大貴 吉田 圭佑
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0908, 2017 (Released:2017-04-24)

【目的】Schinzel-Giedion症候群(以下,SGS)は,1978年にShinzelとGiedionが報告した先天性疾患で,顔面中央部低形成,重度精神遅滞,痙攣,心・腎奇形,内反足等の骨格異常を特徴とし,国内外で数十例の報告しかない予後不良な稀少疾患である。2歳前後の死亡例や呼吸不全が死因となるという報告がある。責任遺伝子としてSETBP1の同定等,近年報告は増えているが,リハビリテーションに関する報告はない。今回,SGSに対し,1歳11ヶ月から3歳にかけて訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)介入を行ったため経過を考察し報告する。【方法】対象は,SGSの女児。在胎37週,帝王切開で出生。出生時体重3106g。APS3-7。両側腎盂拡張,脳室拡大,特異顔貌,第5指・第4・5趾重複趾や内反足を認め,遺伝学的検査でSETBP1が同定されSGSと診断。2ヶ月時,全身性強直発作が群発,6ヶ月時にWest症候群と診断,ACTH-Z療法で発作は軽減。副作用として低カリウム血症,高血圧,脳萎縮を認め,低カリウム血症,高血圧は投薬で対応,脳萎縮は改善しなかった。ADLは全介助レベルで表情は乏しい。経鼻栄養だったが,2歳5ヶ月時に胃瘻造設。サービス利用はなく,週1回の訪問リハのみ利用。介入時,心拍数70-160bpm,SpO280-99%と変動あり,夜間酸素投与していた。呼吸数15~16回/分,時折咳嗽,舌根沈下があり,シーソー呼吸様で痰貯留による喘鳴あり。肺炎での入院が1回/1~2ヶ月で,母は夜間不眠があった。発作による四肢のぴくつきや,非対称な反り返りが多い。体幹低緊張で未定頸なため座位保持困難。左背面皮膚短縮,胸郭の非対称性,可動域低下著明で下肢は蛙状肢位。日常姿勢は背臥位又は側臥位のみ。口腔内唾液貯留が多い。易感染性のため外出は病院受診のみであった。医療的ケアは母のみ実施で,外出も制限されていた。【結果】易感染性により呼吸器感染リスクが高く訪問リハ適応となった。肺炎再発防止,母の負担軽減を目標に,上気道通過障害の改善,胸郭呼吸運動の発達促進を目的とした運動療法と腹臥位ポジショニング指導を行い,排痰を促した。呼吸状態が不安定な時は主治医へ報告した。介助座位で喘鳴軽減したため座位保持装置を作製,抗重力姿勢増加により体力向上を図った。日中覚醒時間,夜間睡眠量が増え,2歳5ヶ月頃より入院頻度が1回/3~4ヶ月に軽減した。2歳9ヶ月時に夜間CO2平均50.8mmHgのため,夜間時のみ非侵襲的換気療法を開始した。夜間時SpO2値の変動や痰量は減少し,換気量は0.08L→0.13Lに上昇。移動用バギー貸出で外出頻度が増加した。また,入浴時負担軽減のため,入浴用椅子を作製。しかし,痙攣発作や痰貯留は継続しており,母の不安は残存し夜間不眠が継続している。【結論】呼吸障害に対し呼吸理学療法,ポジショニング指導を実施し,生活の質向上のため補装具作製を行い,生活リズムや外出頻度が変化した。SGSに対し呼吸理学療法は必要であり,補装具利用による日常生活管理の重要性が示唆された。さらにDrへの適宜報告と連携が必要であると考える。
著者
儀保 翼 森本 哲司 吉田 圭 森内 優子 小川 えりか 高橋 悠乃 鈴木 潤一 石毛 美夏 渕上 達夫 高橋 昌里
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.87-91, 2017-04-01 (Released:2017-05-02)
参考文献数
12

集団食中毒で,急性脳症を合併した腸チフスの小児例を経験した.海外渡航歴はなく,発熱や消化器症状を主訴に入院.便・血液培養からSalmonella typhi が同定され,腸チフスと診断した.入院後みられた急性脳症は,後遺症なく治癒した.急性脳症発症時の髄液でIL-8,monocyte chemoattractant protein-1 が高値をとり,脳症発症にこれらのサイトカインの関与が示唆された.
著者
仁平 尊明 コジマ アナ 吉田 圭一郎
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.32, 2007

<BR> 熱帯湿原特有の豊かな動植物相を有することで知られるブラジル・パンタナールでは,1990年代からエコツーリズムが盛んになり,とくに欧米から多くの観光客が訪れるようになった.エコツーリズムのブームにともなって,ファゼンダの観光化や大規模なホテルの建設が進行し,生態系へのインパクトや住民生活の変化などの地域問題が顕在化した.本研究では,南パンタナールのエストラーダパルケ(パンタナール公園道路)を対象として,宿泊施設の立地展開に注目することから,パンタナールにおけるエコツーリズム発展の課題を考察する.調査を実施した時期は,2003年8月,2004年8月,2005年3月,2005年8月,2006年8月であり,調査の内容は,宿泊施設の経営者や管理者への聞き取りである.<BR> <b>研究対象地域</b> 南パンタナール(マトグロッソドスル州)のエストラーダパルケは,北パンタナール(マトグロッソ州)のトランスパンタネイラと並んで,ブラジル・パンタナールにおいて観光開発が最も進んでいる地域の一つである.エストラーダパルケは,ボリビアとの国境にある大都市・コルンバの南から湿原に入る未舗装の道路である(Fig.1).パラグアイ川の渡河点であるポルトダマンガからクルバドレイキまでは東西に走り,クルバドレイキから連邦道路262号線沿いのブラーコダスピラーニャスまでは南北に走る.総延長は120kmであり,ミランダ川,アボーブラル川,ネグロ川などの主要河川とその支流の上には87の木橋が架かる.<BR> <b>宿泊施設の分布</b> トランスパンタネイラ沿いとその近隣には,19の宿泊施設が立地する(Fig. 1).そのうち,スポーツフィッシング客を主な対象とする釣り宿は6軒(サンタカタリーナ,パッソドロントラ,タダシ,パルティクラ,カバーナドロントラ,ソネトゥール),エコツアーを提供する設備が整った大規模なホテルと民宿が3軒(パルケホテル,パンタナールパークホテル,クルピーラ),既存のファゼンダが観光化したエコロッジが5軒(ベーラビスタ,アララアズール,サンタクララ,シャランエス,リオベルメーリョ),キャンプ場または素泊まりの安い部屋を提供する民宿が3軒(エキスペディションズ,ボアソルテ,ナトゥレーザ),そのほかに,ホテルに付随した観光ファゼンダ(サンジョアオン)と大学の研修所(UFMS)がある.<BR> <b>宿泊施設の開業年</b> 1960年代と1980年代に開業した宿泊施設は,5軒が釣り宿であり,そのほか,民宿,研修所,キャンプ場が1軒づつある.1990年代に開業した宿泊施設は,ホテルが2軒,釣り宿が1軒,エコロッジが1軒である.2000年以降に開業した宿泊施設は,ファゼンダが4軒,キャンプ場などが2軒,ホテルの付随施設が1軒である.このように,エストラーダパルケの宿泊施設は,1980年代以前には大河川沿いの釣り宿,1990年代には大河川沿いの大規模なホテル,2000年以降には河川から離れたファゼンダとキャンプ場の開業に特色がある.<BR> <b>エコツーリズム発展の課題</b> 世界遺産にも登録されたパンタナールは,観光地として有名になり,観光によるバブル経済を引き起こしている.1990年代後半に宿泊施設を開業した経営者は,1haあたりの土地を230~300レアルで購入した.2001年に開業した宿泊施設の土地購入価格は,350~400レアル/haであり,2003年になると730レアル/haまで上昇した.近年では,東部海岸の大都市や外国出身の地主が増加している.また,観光客が家族から個人の若者になったことも問題である.彼らの多くは,ボリビア,ブラジル西部,パラグアイ,アルゼンチンと移動するムッシレイロ(バックパッカー)である.<BR>[本研究は,平成16・17・18年度科学研究費補助金「ブラジル・パンタナールにおける熱帯湿原の包括的環境保全戦略」(基盤研究B(2) 課題番号16401023 代表: 丸山浩明)の補助を受けた.]
著者
吉田 圭吾 高山 泰一 福原 弘太郎 内田 敦 関根 秀真 鹿志村 修
出版者
社団法人 日本リモートセンシング学会
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.287-299, 2012-11-20 (Released:2013-08-24)
参考文献数
53

This paper presents a monitoring method for paddy fields with hyperspectral remote sensing images in West Java, Indonesia. The statistical modeling method called sparse reguralization is introduced in two forms, that is, LASSO regression for the rice yield estimation and sparse discriminant analysis for the growth stage classification of rice plants, in order to take advantages of the detailed reflectance spectrum measured by numerous bands and to overcome the difficulties in hyperspectral image analysis such as model overfitting. Results of the experiment with airborne hyperspectral images measured by HyMap indicate that sparse regularization can predict paddy conditions with higher degree of accuracy than several estimation methods commonly used in remote sensing applications, such as normalized difference spectral index, partial least squares, or support vector machines. Besides, the prediction models have a limited number of bands which are expected to be informative to figure out the rice growth situation. The overall error between predicted rice yield of the target area and agricultural statistics is 6.40 %, showing the potential effectiveness of methods described in this paper.
著者
丸山 浩明 宮岡 邦任 仁平 尊明 吉田 圭一郎
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

ブラジルの南パンタナールを研究対象に,住民が世代を越えて継承してきた湿地管理のワイズユース(wise use,賢明な利用)を発掘し,その有効性を検証した。パンタナールでは,雨季にアロンバード(自然堤防の破堤部)から内陸部へと水を引き込み,水位が低下する乾季にはアロンバードを閉鎖して浸水域を消失させることで,木本種の侵入による草地の森林化に向かう植物遷移を抑制し,良質な天然草地の維持・形成を実現してきたことが明らかになった。
著者
佐藤 広志 吉田 圭介 山本 倫也 長松 隆 渡辺 富夫
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.3647-3658, 2011-12-15

近年,PCやPDAで,タッチパネルやペンタブレットなど,直感的に情報機器を操作できるユーザインタフェースが普及している.本研究では,液晶ペンタブレットを対象とする身体的インタラクション解析を行うために,視線計測装置と液晶ペンタブレットを組み合わせた「Eye-Tracking液晶ペンタブレット」を開発している.まず,身体的インタラクション解析のための課題を検討する.次に,ロバストな視線計測を実現するため,光源一体型カメラと光軸中心回転体モデルを導入した視線計測手法を開発している.そして,プロトタイプシステムの開発を行い,静止マーカに対して0.8°,移動マーカに対して1.6°の精度で計測可能であることを明らかにしている.最後に,インタラクションのタイミングの解析を行い,システムの有効性を示している.In recent times, intuitive user interfaces such as the touch panel and pen display have become widely used in PCs and PDAs. In this paper, the authors have developed the eye-tracking pen display which has both functions of an eye-tracker and a pen display for the purpose of analysis of embodied interaction. First, they discuss on the problems for the analysis of embodied interaction. Subsequently, a robust gaze estimation method that uses a integrated-light-source camera and aspherical model of the eye is proposed. Then, a prototype of the eye-tracking pen display was developed. The accuracy of the system was approximately 0.8 degrees for static target and 1.6 degrees for moving target. At last, the effectiveness of the system was demonstrated by performing analysis of interaction timing.