著者
増山 幹高
出版者
公共選択学会
雑誌
公共選択の研究 (ISSN:02869624)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.37, pp.14-24, 2001-12-15 (Released:2010-10-14)
参考文献数
37

In this study I try to understand how the approval rating of the Prime Minister affects the probability of his resignation. My analysis relies on the statistical technique of duration modeling, which can be used to explore the effects of independent variables on the occurrence and timing of an event of interest. By applying a discrete-time model on the data set of the postwar Japanese Prime Ministers, I show that the probability of the Prime Minister resigning not only increases over his term in office, but also depends on his ability to gain public support.
著者
増山 幹高
出版者
JAPANESE POLITICAL SCIENCE ASSOCIATION
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.1_79-1_109, 2009 (Released:2013-02-07)
参考文献数
39

Why do opposition parties propose votes of no-confidence they know will not pass? Although there is an extensive literature on the confidence relationship between parliament and the executive, it tends to focus solely on the vote of no-confidence as a mechanism for the parliamentary majority control of the executive. This article fills a gap in the literature by exploring the vote of no-confidence as a tool of the opposition, focusing on its use in the Japanese Diet. I suggest two possible reasons for the vote of no-confidence to have utility to the opposition, even when they know it will not pass. The opposition might use the no-confidence vote for legislative gains, using the no-confidence vote as a delay tactic or filibuster. Or the opposition might use it for electoral gains, using the no-confidence vote as an opportunity to publicize unpopular government policies or actions. Although the traditional literature on the Japanese Diet has suggested that the opposition uses the no-confidence vote for legislative gains, the evidence presented in this article suggests that electoral gains hypothesis better explains no-confidence votes in postwar Japan.
著者
増山 幹高
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.1_79-1_109, 2009

Why do opposition parties propose votes of no-confidence they know will not pass? Although there is an extensive literature on the confidence relationship between parliament and the executive, it tends to focus solely on the vote of no-confidence as a mechanism for the parliamentary majority control of the executive. This article fills a gap in the literature by exploring the vote of no-confidence as a tool of the opposition, focusing on its use in the Japanese Diet. I suggest two possible reasons for the vote of no-confidence to have utility to the opposition, even when they know it will not pass. The opposition might use the no-confidence vote for legislative gains, using the no-confidence vote as a delay tactic or filibuster. Or the opposition might use it for electoral gains, using the no-confidence vote as an opportunity to publicize unpopular government policies or actions. Although the traditional literature on the Japanese Diet has suggested that the opposition uses the no-confidence vote for legislative gains, the evidence presented in this article suggests that electoral gains hypothesis better explains no-confidence votes in postwar Japan.
著者
増山 幹高 坂本 孝治郎 待鳥 聡史 奈良岡 聰智 村井 良太 飯尾 潤 竹中 治堅 川人 貞史
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

この研究では, 日本を含む議会制民主主義諸国における立法と行政のあり方を体系的に理解し, 歴史的・比較政治学的視座に基づいて日本の国会および議院内閣制を理論的・実証的に分析している. とくに, 国会に関する未公開史料の保存・整理を進めるとともに, 代議制民主主義の発展過程, 二院制と立法・行政関係の制度構造, 議会制度と選挙制度の相互連関を歴史的・比較政治学的に検証している.
著者
福元 健太郎 坂本 孝治郎 待鳥 聡史 増山 幹高
出版者
学習院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

全裁判官の経歴に関するデータ・べースを構築した。これを用いて、9月開催のアメリカ政治学会で、福元・増山は共著論文を発表した。これは、裁判官の青年法律家協会への加入の有無が部総括への昇進を遅らせるとする先行研究に対して、分割母集団生存分析とマッチングの手法を用いるとそうした効果は見られないことを示した。福元は次の研究を行った。(1)立法府から行政府への委任は、最終的な司法府の判断を考慮に入れながらなされる。立法府の議員の選好が多様であることも委任をもたらす。(2)議院が他の議院の政策選好に関する情報が不確実であったり、法案が重要であったりすると、後議院修正や両院協議会が起きる。坂本は、政治・司法関係の変遷について、1962年の臨時司法制度調査会の発足から1987年の中曾根内閣終了までに関し、衆参の法務委員会における司法行政や関連法案の審議に際し、どのような頻度で最高裁事務総局裁判官が出席を求められ、どのような質問をされたか、その頻度データや質疑内容の分析をおこなった。それに、最高裁長官がどのような行事に出席しているか、三権の長が揃って出席する催しにはどんなものがあるか、事例を収集・整理した。待鳥は、日本の地方政府を素材として、行政府と立法府の部門間関係が政策選択に与える影響について分析した共著書『日本の地方政治-二元代表制政府の政策選択-』を刊行した。また、二元代表制が地方政府の運営に与える影響を概観した小論も公表した。増山は二院制の論点整理を試み、第二院と行政権の問に「信任関係」を制度化する方策を検討し、「二院制と行政権」と題する論文を日本公共政策学会で報告するとともに、戦後の日本における首相の信任、不信任に関してより多角的な検討を進めている。
著者
品田 裕 大西 裕 曽我 謙悟 藤村 直史 山田 真裕 河村 和徳 高安 健将 今井 亮佑 砂原 庸介 濱本 真輔 増山 幹高 堤 英敬 平野 淳一
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、国会議員を主とする政治家と有権者の関係、あるいは政治家同士の関係がどのように変容しつつあるのかを調査し、その変化の要因を実証的に解明することを目的として開始された。その結果、本研究では、選挙区レベルの詳細な観察・データを基に、実証的に現代日本の選挙政治の変容を明らかにすることができた。取り上げた研究対象は、集票活動・有権者と政治家の関係・政治家同士の関係・議員活動・政治家のキャリアパス・政党下部組織など、多岐にわたった。これらの分析から得られた成果を基礎に、さらに、国会のあり方や選挙制度にまで分析を進めることができ、現代日本の選挙政治理解に一定の貢献を果たすことができた。
著者
増山 幹高
出版者
日本公共政策学会
雑誌
公共政策研究 (ISSN:21865868)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.48-66, 2010-01-31 (Released:2019-06-08)
参考文献数
22

本稿では,議会における制度選択を理解する試みとして,議会運営の準拠法規である国会法の1950年代までの法改正について,委員会中心主義の修正,法案提出権限の制約,会期延長の制限といった制度変更が国会でどのように論じられてきたのかということに着目し,国会における立法過程の制度化を検証していく。とくに,会期制については1955年の国会法改正に至る過程でも懸案となっており,会期延長制限が実施された1958年の政治情勢として,衆参両院において多数を占める自民党が国会における議事運営権を掌握するとともに,国会に至る立法過程において与党審査が定着することも併せて理解する必要があることを示す。
著者
増山 幹高 政策研究大学院大学 / National Graduate Institute for Policy Studies
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.22-05, 2022-05

国会審議には会議録に含まれない様々な情報がある.本稿では,文字情報に偏ってきた国会審議や立法過程に対する従来のアプローチから脱し,音声や画像,映像を活用する試みとして,まず国会審議について議員の発言内容に対応する審議映像を検索し,該当する審議映像の部分的視聴を可能にする「国会審議映像検索システム」を概説する.音声認識によるテキスト・データと会議録を同期させ,審議映像の時間情報と文字情報を同刻させる検索システムの利点を生かせば,同形異音語が実際にどのように発音されたのかを効率的に確認することができる.本稿では,国会議員が金大中と金日成を現地読みするか,日本語読みするか,その議員の党派性や拉致問題への取り組みとの関連を分析する.This paper offers an overview of the video retrieval system we have developed for the Japanese Diet. By using sound recognition techniques to match up the Diet proceedings and deliberation videos, our system allows one to retrieve the moment of video feeds he or she is interested in and visually understand the flow of parliamentary debates. Following the description of how our video retrieval system works, we utilize the video retrieval system that makes it possible to search the minute database by keywords and check how legislators pronounce the keywords differently. In this paper, we offer an analysis of whether legislators pronounce Kim Dae Jung and Kim Il Sung in Japanese or Hangul and suggest its interactive relationship with the party affiliation of legislators and their stance on North Korea’s abduction issue.
著者
増山 幹高 政策研究大学院大学 / National Graduate Institute for Policy Studies
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.21-05, 2021-12

国会審議には会議録に含まれない様々な情報がある.本稿では,文字情報に偏ってきた国会審議や立法過程に対する従来のアプローチから脱し,音声や画像,映像を活用する試みとして,まず国会審議について議員の発言内容に対応する審議映像を検索し,該当する審議映像の部分的視聴を可能にする「国会審議映像検索システム」を概説する.その国会発言の音声認識によるテキスト・データと会議録を同期させることで審議映像の時間情報と文字情報を同刻させる利点を生かし,音声認識と会議録との差分分析から両者の相違を「正文率」と捉え,その時系列的な分析から安倍首相の国会発言における変化を解明することを試みる.
著者
川人 貞史 増山 幹高 山田 真裕 待鳥 聡史 奈良岡 聰智 村井 良太 福元 健太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

この研究では,政治制度と政治アクターの相互作用のダイナミックスを,民主政治の機能に焦点を当てて分析する.共通する研究課題として,(a)政治制度は民主政治の機能にとってどのような影響・効果を持つか,(b)政治制度がどのようにして形成・創設されたか.それが,政治制度の効果にどのような関連性を持つか,を設定して,明文,不文の政治制度ルールを分析する.
著者
増山 幹高
出版者
公共選択学会
雑誌
公共選択の研究 (ISSN:02869624)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.46, pp.45-53, 2006-07-01 (Released:2010-10-14)
参考文献数
17
著者
川人 貞史 坂本 孝治郎 増山 幹高 待鳥 聡史 福元 健太郎 空井 護
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

1.国会運営ルールの形成と変化(1)予算国会の衆院予算委の審議日程等に関するデータを整理し,運営方式の変遷や争点の推移を概観できるようにした.(2)国会中心主義の国会制度と議院内閣制に関する法整備の分析を進め,国会制度の形成・変容とその政治的帰結を分析する研究を本にまとめた.(3)戦後国会における両院間調整の制度がどのように運用され,そこで参議院の意向がどの程度まで政策結果に反映されるかに関する論文を執筆し,衆議院の優越が条件付きにとどまることを示した.2.立法案件データの作成(1)法案の議事日程の資料整備を進め,会期延長と法案成立に要する日数の関係を分析し,また厚生省関連法案の動向と所管部局再編の関連を検証した.(2)両院間調整に至った議案についてのデータを,閣法,衆法,参法についても完成させた.(3)第119回〜141回国会の内閣提出法案審議状況を一覧形式で資料としてまとめた論文を公刊した.3.国会運営の制度と立法行動を説明するための理論と実証(1)国会法改正が法案の議事日程に及ぼした作用を検証した.(2)参議院議員は衆議院議員に比べてシニアとは限らないことを,全国会議員のデータ分析で明らかにした.(3)米連邦議会の予算編成改革を比較政治学的観点から分析した単著を公刊した.(4)国会における内閣提出法案を対象とした議事運営の計量分析を本にまとめた.(5)国会運営の制度分析を行う際に,諸外国や地方の議会との比較の視座を導入する意義を示した論文を執筆した.(6)内閣提出法案と議員提出法案の立法過程を法案個々の成立確率という意味において比較し,権力の集中と分散を規定する国会の憲法構造的作用を戦後の長期的な時系列変化という観点から検証する論文を執筆した.(7)日本の国会と内閣の関係を概説し,内閣が選挙や立法においてリーダーシップを発揮する状況を分析した論文を公刊した.