- 著者
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遠藤 育男
益川 弘如
大島 純
大島 律子
- 出版者
- 一般社団法人 日本教育工学会
- 雑誌
- 日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.4, pp.363-375, 2015-03-20 (Released:2016-08-11)
- 被引用文献数
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5
1人ひとり異なる多様な視点で解き方について議論することがその話し合いの対象としている課題の理解を深めるプロセス(以下,知識構築プロセス)を引き起こし,そこで構築した理解が長期にわたって保持されるという仮説に基づき,6年生算数・組み合わせの授業を,ジグソー法を基にデザインし実施した.検証は,班の対話プロセスを個々人の知識変化で分析する認知内容分析と,班でつくられていく知識変化を分析する社会ネットワーク分析の2種類を行うとともに,知識構築プロセスを引き起こしていた学習者がその理解を保持でいているか回顧記述調査から同定した.その結果,多様な視点での議論が,知識構築プロセスを引き起こすこと,その議論によってどう考えて解けばいいのかという抽象的な理解につながる可能性が見えた一方,正解を同定するような介入や特定の方略を価値付けてしまうような介入が学習の深まりを止める可能性など,次なる検討材料を得た.